東日本大震災の発生から3年。
当時の東北には、とても冷たい春の雪が降り積もっていた。
映像に映し出される、被災地の姿は言葉では言い表すことができない程。
「復興」と言う言葉が、不可能のように思える程だった。
それから3年が経過し、被災地の情報が少なくなってきている。
それだけではなく、その後に起きた自然災害のニュースは、「被災地」として語られることが余り多く無い様な気がする。
それほど「被災地=東北」という印象が、余りにも強いのだろう。
その復興状況を、東北の被災地の方々は3割程度しか進んでいない、と感じていらっしゃる様だ。
そして7割の方が、風化しつつあると感じている、と言うデータもある。
その「復興の進捗状況」を、インフラ整備や住宅建設などの数字ではなく違う見方で、見てみるとどうなのだろう?と、考えた。
例えば「マズローの法則」。
ご存じの方も多いと思う「マズローの法則」または「マズローの欲求の5段階」。
人の欲求というのは、底辺部分~最上部までを5の段階で分けて考える、と言う考え方だ。
そう考えると、今の東北の人達の生活は「第1段階の生理的欲求=食事・睡眠・排泄など人として生きていくための自然に起きる欲求段階」は、確保されているが、次の「安全の欲求」となると、どうなのだろうか?
仮設住宅で暮らす人達が、まだまだ多く被災者向け住宅そのものの着工・完成は当初目標の数%だと聞いた。
一方「震災関連死」で亡くなられた方は、これまでに3,000人を超す。
そう考えると、被災地の方々の状況は、第2段階~第3段階というトコロだろうか?
「マズローの法則」では、第2段階までが「人として最低限の欲求段階」だとしていることを考えると、東日本での被災者の多くは、3年経ってやっと「最低限の欲求」にまで辿りついた、と考えられる。
被災地以外の生活者の多くが、第5段階の生活をしていることを考えると、「復興」への道は、まだまだ遠く、これからと言う気がしてくる。