Yahooのトピックスに、ビール会社各社が、缶チューハイの販売に力を入れる、と言う内容の記事が取り上げられていた。
元となっているのは産経ビスに掲載された記事。
産経ビズ:度数高めで「お得に酔える」節約志向 ビール大手缶チュ-ハイ強化
確かに、焼酎はアルコール度数が高く、ビールよりも早く酔いが回るかも知れない。
しかし、缶チューハイとなると違うのでは?
実際、公益社団法人アルコール健康医学協会のサイトを見ると、アルコール度数5%の場合、缶チューハイもビールも、ほぼ同じだけの量を飲まないと、同じ量のアルコール摂取にはならない様だ。
公益社団法人 アルコール健康医学協会:飲酒の基礎知識
気になって他にも、どのくらいの缶酎ハイを飲めば、酔った気分になるのだろうか?と思い探してみると、個人差があるにしても「ジュースのよう」という方も案外多そうなのだ。
sooda!:缶チューハイで酔えますか?
「酔える・酔えない」というのは、とても個人差があるので一概に言えることでは無いと思う。
だが「缶チューハイ(または「缶酎ハイ」)で検索すると、「酔う」よりも「カロリー」を気にしている人のほうが多い。
と言うことは、「缶チューハイ=度数高め=お得に酔える」と、一概に言えないのでは?という気がする。
むしろ、「カロリー」と言う点は別にして、「焼酎は悪酔いしない」ということが随分前から言われており、それが「焼酎ブーム」となった、ということを考えると、もっと他に理由がある様にもおもえるのだ。
先日読んだ「ヤンキー経済」という本を読んだ。
「ヤンキー」といっても、昔の様な「暴走族風」の若者ではない。
最近では「暴走族風」の「ヤンキー」は、「絶滅危惧」状態らしい。
今中心となっているのは「地元志向が強く、小・中学校からの友達関係を重視する」という若者達の一部を指しているようだ。
この本の中に、彼らが好むお酒は「鏡月」という、韓国焼酎のお茶割りという一文があった。
その理由は、「お酒が飲めない仲間がいても、端から見るとわからない。ボトルで注文をし、自分の好みに合わせて割り、仲間に(自分のお酒の飲み方を)強要する必要が無い。仲間と楽しく飲むことが大切なので、その場の雰囲気を大事にした飲み方重視」だという。
もちろん、ボトルで注文するので1杯あたりのコストが下がる、と言うメリットもある様だが。
何とも、仲間に対して心優しい気遣いができる若者だろう。
新入学の頃になると決まってニュースとして取り上げられる「無理強い一気飲みで、急性アルコール中毒」とは、無縁の様な飲み方だ。
彼らはボトルで飲んでいるので、缶チューハイを同じ様に考えるわけにはいかないが、今の「ヤンキー若者」たちにとっては、ビールよりも親しみのあるお酒がチューハイだといえるのでは?
そう考えると、実は焼酎や缶チューハイを選ぶ理由というのは「焼酎=アルコール度数が高い=少量で酔える」という理由では無いような気がするのだが・・・。