日経NETに「商工中金、ビジネスモデル特許担保に融資・岐阜の花卸会社に」という記事があり(対象は出願中の特許で「この仕組みがビジネスモデル特許を取得できると判断し、融資を実行した」とのこと)、その元ネタのプレスリリースには次ような説明がされています。
ビジネスモデル特許
ビジネスの仕組みを特許化したもの。事業として何を行い、どこで収益を上げるのかという「儲けを生み出す具体的な仕組み」自体を内容とする特許を指す。
注) 念のためですが、この説明は明らかに事実誤認で、ビジネスモデル自体が特許になることはありません。
融資金額は1,000万円とのことなので、まぁ本音の部分では担保の有効性はどうでもよい話で、中小企業融資への前向きな姿勢をアピールすることが目的なのではないかと推測しますが、それにしてもどうしてこういう根本的なところが誤解されたままで融資が進められ、しかもそれを積極的にPRしようというところまでいってしまうのでしょうか。
金融セクターでは「知財担保の課題=(定量的な)価値評価」みたいな図式にばかり目がいってしまい、そもそもの「知的財産権とは何なのか?」という部分に対する理解がなおざりにされる傾向があることが問題であるように思います。まずは対象を理解したうえで、はじめて担保だ、価値評価だ、云々の話が出てくるはずなのですが。
尤も、対象を正しく理解すると、とても次のステップには進めなくなるというのが実際のところかもしれませんが・・・
ビジネスモデル特許
ビジネスの仕組みを特許化したもの。事業として何を行い、どこで収益を上げるのかという「儲けを生み出す具体的な仕組み」自体を内容とする特許を指す。
注) 念のためですが、この説明は明らかに事実誤認で、ビジネスモデル自体が特許になることはありません。
融資金額は1,000万円とのことなので、まぁ本音の部分では担保の有効性はどうでもよい話で、中小企業融資への前向きな姿勢をアピールすることが目的なのではないかと推測しますが、それにしてもどうしてこういう根本的なところが誤解されたままで融資が進められ、しかもそれを積極的にPRしようというところまでいってしまうのでしょうか。
金融セクターでは「知財担保の課題=(定量的な)価値評価」みたいな図式にばかり目がいってしまい、そもそもの「知的財産権とは何なのか?」という部分に対する理解がなおざりにされる傾向があることが問題であるように思います。まずは対象を理解したうえで、はじめて担保だ、価値評価だ、云々の話が出てくるはずなのですが。
尤も、対象を正しく理解すると、とても次のステップには進めなくなるというのが実際のところかもしれませんが・・・
出願人=ジャパンプランツ,OR
発明者=(社長さんの名前),
などでIPDLを検索して見ましたが,ヒットしません。
もしかして,出願公開前なのでしょうか?
(もし,出願公開前なら,今回のプレスリリースは問題があるなぁ~。)
==大ネコ
調査結果のお知らせ、ありがとうございます。
出願公開前でも問題ありですし、
別会社の名義だったりすると、そもそもこの会社の位置づけはどうなるの、という疑問が生じます。
新しいチャレンジの揚げ足を取るのはよくないと思いながらも思わず書いてしまったのですが、これはチャレンジしすぎですよね。
http://www.shokochukin.go.jp/outline/index.html
私達の税金で運営されている金融機関が「無価値物」を担保として融資を行っていることが解せません。
コメント有難うございます。
政府系金融機関ゆえに新しい手法にチャレンジすべきという側面もあるのですが(私自身も前職ではそういうミッションで知財担保融資に取り組んだ経験がありますが)、「基本」の部分があまりにおろそかにされているところがどうしても気になってしまいます。
ところで、パテントサロンの大坪さんのブログでより詳細な調査がされていますが、
http://cytech.way-nifty.com/blog/2007/09/post_27d2.html
これを見ると、さらに恐ろしくなってしまいます。