経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

経営統合と知財

2007-06-15 | 知財発想法
 本日の日経金融新聞のトップ記事で、ドトールの日本レストランシステムとの経営統合問題がとりあげられています。ドトールは言わずと知れたコーヒー店チェーンで、日本レストランシステムはパスタ専門店「洋麺屋・五右衛門」等を展開しています。
 最初にこのニュースを耳にしたときは、「コーヒーパスタ(?)でも出すのかな??」などと統合の意味合いがよくわからなかったのですが、今日の記事によると、ドトールは資金力は豊富ながら「ドトールコーヒー」の出店余地がなくなってきて、資金を持て余し気味とのこと。一方、「洋麺屋・五右衛門」は高収益である上に出店余地が大きいので、ドトールの資金で「洋麺屋・五右衛門」の出店を加速すれば、高成長が期待できるということのようです。
 要するに、統合効果は資金の効率化・金融的な効果によって表れるというもので、ブランドやノウハウなど両社の知的財産が混じり合うことで相乗効果を起こす、というものではなさそうです。

 一方、話題になったHOYAによるペンタックスの子会社化ですが、こちらはHOYAのIR資料によると「両社の得意な光学・精密加工技術によって魅力ある製品を開発、より広い範囲の顧客に提供する」とのことですので、HOYAの知的財産(精密加工技術)とペンタックスの知的財産(光学技術)から、新しい製品を生み出すことを目的の一つとしているようです(こちらも実は、HOYAの資金力をペンタックスの技術開発力に活用するという側面も大きいようですが・・・)。

 同じ「経営統合」とはいっても知財的な視点からみると、知財の相乗効果がなければ統合効果は足し算的なものにとどまりそうですが、知財の相乗効果が見込める場合であれば統合効果には掛け算的な期待ができることになりそうで、どちらかを選ぶなら後者に張ってみたい感じですね。


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