経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

‘7つの知財力’に関するお知らせ

2010-09-18 | 7つの知財力
 本日は、新著「経営に効く7つの知財力」に関するお知らせ2件です。

 まずは本の紹介について。発明誌9月号の「著者に聞く」のコーナーのPDFがこちらにありますので、よろしければご笑覧下さい。

 次に、誤植についてのお詫びと訂正です。
 誠に申し訳ありませんが、以下の誤植が見つかっていますので、お知らせさせていただきます。

(1) P.48の図3-7、P.50の図3-8、P.55の図3-9、P.57の図3-10,P.126の図5-3、P.137の図5-5、P.139の図5-6に「知的マネジメント」とあるのは「知財マネジメント」の誤植です。

(2) P.76の図4-6の「③受注の決め手となる要素を創り出す」とあるのは、「③自社の強みを外部に伝える」の誤りです。

(3) 122p.の10行目の「・・・ということです。業が・・・」は、「・・・ということです。業が・・・」の誤植です。

 (1)(3)は‘明らかな誤りの訂正’ですが、(2)について、言い訳というか、ちょっとばかり経緯を説明させていただくと、「知的財産が外部にはたらく力」の3つ目は、元々はこの「受注の決め手となる要素を創り出す」にしていました。具体例としては、特許庁の「知的財産経営の定着に向けて」の報告書のヒアリング調査レポート(四国・中国・九州地域)に掲載されている日章工業㈱(P.147-150)が挙げられます。
 日章工業さんは九州にある金属製建具メーカーです。建設業界の不況で同業他社の経営状況が厳しくなる中、堅実経営を続けてきた同社は近年M&Aによって規模を拡大しています。規模の拡大によって受注案件が大型化し、自らが元請となるケースが増加する中で、入札等で他社と差異化のために新製品開発に力を入れ、それをアピールする手段として特許出願に力を入れるようになっています。特許の対象となる独自製品がピンポイントで効いてくれると、それによってプロジェクト全体を落札できる場合があるということで、特許を‘楔’、そして‘梃’のように効かせることができる可能性のある、ユニークな事例となっています。
 その他にも、公共事業への入札が多い企業で、受注のきっかけとすべく特許への取組みに注力をしているという例を聞いたこともあり、「受注の決め手となる要素を創り出す」というのを、知的財産が外部にはたらく力の1つとして挙げることを考えていました。
 しかしながら、考えてみるとこの効力は「競合者との差異を明らかにする(=競合者間における競争力を強化する)」効果と「自社の強みを外部(=顧客)に伝える」効果の組み合わせによって発生する応用例であり、「自社の強みを外部に伝える」にまで要素を分解したほうがよいだろうと。そこで3つ目(全体では6つ目)の‘知財力’を入れ替えることにしたのですが、この図だけ不覚にも元の記述が残ってしまいました。
 というわけで、折角ですので日章工業さんの例はとてもユニークでしたので、この機会に「知的財産経営の定着に向けて」の報告書のヒアリング調査レポート(四国・中国・九州地域)もご覧いただければと思います。

【9月22日】 刊行記念セミナー「経営に効く7つの知財力~社長に聞かせたい知財の話~」 発明協会東京支部
【9月30日】 知的財産経営ケーススタディセミナー(@札幌) 「経営に効く知財活動の実践法」
【11月2日】 知的財産経営戦略塾(@山梨) 「『経営に効かせる知財活動のポイント』 中小企業の事例から見出した7つの知財力」

経営に効く7つの知財力
土生 哲也
発明協会

このアイテムの詳細を見る


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。