経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

‘知財ネタ’って何?

2012-05-21 | 7つの知財力
 昨年度来、地域金融機関向けに「7つの知財力」関連のお話をさせていただく機会が多くなっていますが、先日の某地銀さんの行内研修会の後に、何人かの方から次のような感想をいただきました。
 「お客様との話のネタに使えそうだ。」
 地域金融機関では、ここ10年来「リレーショナルシップ・バンキング」、すなわち、地元の中小企業との関係強化が重要なテーマになっています。そのため、とにかくお客様のところに足繁く通って経営者と話して来い、と号令がかかっているそうなのですが、顔を出したところで何かネタがないことには話が続かない。そこが結構、悩みの種だったりするそうです。確かに自分がベンチャーキャピタルで仕事をしていた頃も、社長室で何をネタに話をするか、アポの30分くらい前には訪問する会社の近くに行き、ドトールで日経新聞やビジネス誌を読みながらネタ探しをしたものでした。
 そうした中で、ユニークで元気な中小企業から抽出した「7つの知財力」は、結構話のネタに使えるかもしれない、という印象を持たれたようです。
 社長にいろいろ悩みを聞いた上で、「下請で培った技術を活かして自社製品を開発したい」と言われれば「見える化」、「育てた社員が辞めて同業他社に転職してしまう」と言われれば「財産化」、「社員が仕事に消極的で・・・」と言われれば「活性化」、「営業の押しが弱くて困っている」と言われれば「自社の強みを外部に伝える」などなど・・・中小企業に生じやすい悩みに対して、「知財」をキーワードに新しい見方を提供できるかもしれない、ということです。
 ‘知財ネタ’というと、アップル対サムスン、切り餅、面白い恋人、iPad商標、米国特許法改正・・・などといったテーマが思い浮かびがちですが、そのネタで中小企業との関係強化というわけにはいかない。初めから知財に関する話を持ち出すのではなく、経営者の悩みを聞き出した上で、知財的な見方で切り込んでいく。こういう‘知財ネタ’のほうが、中小企業経営者との距離感を縮めるのに実用性は高そうです。


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