経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

知財コンサルタントと情報系コンサルタント

2007-12-01 | 知財業界
 昨日は弁理士会の知財コンサルティングに関する会員研修に、パネリストとして参加させていただきました。
 知財コンサルティングという業務に明確な定義があるわけではないので、様々なコンサルティングがあってよいのだと思いますが、私の中でのイメージはかなり固まっています。以前に「知財インテグレーター」で書きましたが、10~20年前に情報システムのコンサルタントが登場した背景によく似ていると思います。
 コンピュータはただ導入すればよいというものではないのと同様に、知的財産権もただ権利を得ればよいというものではありません。企業活動にできるだけよい環境を整えるために、「コンピュータ」、「知的財産権」という道具をどのように用いるのが最も効率的か。経営者や事業の担当者の意図をしっかりと汲みとって、最適の設計を行って実務家に引き渡すというのが、コンサルタントの果たすべき役割ではないかと思います。コンピュータが経営に不可欠のツールとなったのには、この役割を果たした情報系コンサルタントの役割が非常に大きいと思います。知財業界も同様で、今は大企業であれば知財部がその役割を担ってますが、大企業に対してはそのアドバイザーとして、中小・ベンチャー企業に対しては知財部に代わる役割を果たすべく、コンサルタントの活躍する余地があるのではないかと思います。


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2 コメント

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Unknown (K.S)
2007-12-02 10:49:17
知財コンサルティングに関する会員研修を聴講した者です。

私も土生先生のご意見に同意です。

私が所属している大企業の知財活動において最も求められていることは、"知財"というツールをどのように使って、どのような効果が得られるのかということを明確に事業部門に示すことであると感じています。

発明者が知財に対して、ある種の嫌悪感のようなものを示すのは、上記のポイントが曖昧であり、知財に関する業務を行うことに意義を見出せていないことが原因であると思っています。

経営レベルで知財の議論をすることも必要であるとは思いますが、より重要なのはより現場に近い領域であると思います。

弁理士は、とかく技術開発部門との関係を意識しがちですが、今後は技術開発部門が作った製品でビジネスを行っている営業部門・マーケティング部門等とも積極的に関わっていくべきなのではないかと考えています。
彼らのビジネスにおいて、知財というツールを活かす方法を検討し、提示するということが重要なのではないかと思っています。
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Unknown (土生)
2007-12-02 23:36:25
K.S.様

コメント有難うございます。
ご指摘のように、発明者には特許に取り組む意義についてのシナリオを、営業部門等には特許をどのように行かせるかという使い方を示していくことが重要なのですが、その際には教科書に書いてあるような「独占権であって・・・」云々の形式論では意味がなく、個々の事業環境を十分に咀嚼した上で、オリジナリティのある言葉で語ることが求められると思います。
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