経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

LVMH

2006-11-06 | 知的財産と投資
 タイトルの「LVMH」ですが、「モエヘネシー・ルイヴィトン」、あのルイ・ヴィトンを傘下におく高級ブランド・コングロマリットのことです。数日前の大和証券のSTOCKNEWSを読んで初めて知ったのですが、「モエ」はドンペリのモエ・デ・シャンドン、「ヘネシー」は洋酒のヘネシーのことで、これらは実は全て同じ企業グループが扱っていたのですね。その他にも、アパレルではセリーヌ、ジバンシィ、ケンゾー、フェンディ、ダナ・キャラン、化粧品ではクリスチャン・ディオールなども全て傘下にあるそうで、我ながらまだまだ世間知らずであることを思い知らされます。
 同社は、当たり外れの多いアパレル部門では多くのブランドを組合せてリスクを分散し、洋酒や化粧品など複数の部門を持つことで、さらに収益の安定を実現しているとのことです。同社に投資するということは、殆どデパートの1階に投資するようなものですね。リスクヘッジという観点からみると、理想的な経営ということになるのかもしれませんが、投資の醍醐味ということを考えると、「ルイ・ヴィトンのブランド価値に投資したい」というニーズには応えられないということになってしまいます。これに対して、コーチだとブランドそのものズバリ、ということになりそうですが。日本でいえば、サザビーがLVMH型のマルチブランドで、確かにリスク分散の効いた手堅い経営で収益も安定していますが、この分野ではちょっと欧米企業のスケールに日本企業は太刀打ちできませんね。