経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

アドバイザー的コンサルタント

2006-11-05 | 書籍を読む
 「ミッション」を読みました。ビジネスものの小説で、プロの小説家の著作ではないのでストーリー自体がどうというものではないのですが、仕事に対する考え方を中心とした登場人物の心情、特に経営改革のために外部から参加するコンサルタントの心情にはいろいろ参考になる部分がある、なかなか面白い(amusingではなくinteretingという意味で)本でした。
 前に「知財コンサルタント」についての記事を書きましたが、個人的にはクライアントの知財業務への関わり方として、「コンサルタント」という立場を名乗ることはあまり好きではありません。コンサルタントというと、戦略系コンサルティングファームのイメージが強く、短期間で分析から提言まで整合性のあるシナリオをとりまとめて方向性を示すことが主要な仕事と理解しているのですが、知財の実務を経験するにつれ、知財業務に関して一番難しいことは、方向性を考えるというコンサルタントの担う部分よりも、それをいかに効果的に実践するかという日常業務の部分にあると感じるようになっています。そのため、クライアントの知財業務に関わる場合には、短期集中型・分析型の「コンサルタント」というよりも、中長期継続型・実践型の「アドバイザー」的なコミットをしたいと考えています。
 この本を読んで、特にコンサルタント役の登場人物の言葉や仕事への姿勢から感じたことは、まぁあたり前のことではあるのですが、「コンサルタント」か「アドバイザー」かということは言葉の問題に過ぎず、要は実質的な姿勢や仕事への関わり方が肝心であるということです。アドバイザー的コンサルタントとでもいうようなあり方について、ここに一言でとりまとめるのはちょっと難しいのですが、有益な示唆を受けたように思います。