ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

それでもボクはやってない(ネタバレ)

2007年02月04日 | 映画
重大なネタバレを含みますので、これからご覧になる方は決して読まれませんように・・・
どうしようかなーと思っていたのですが、行く気になったのは山本耕史さんが出てると知ったからです(笑)

土曜のレイトショーだったせいかかなり入ってたんですが、客層に男性がかなり多かったですねー。
そして、終了後に「ああいう場合どうしたらいいわけ!?」と話あったりしていたのが印象的でした(汗)確かに他人事じゃないですよね(汗)
まあ、「痴漢に間違われないように気をつけよう」というのがテーマではありませんが・・・(汗)

見終わって全体的な感想は・・・よくできた映画だなあと。内容もさりながら、まずそこに感心しました。
さすがに長期間による取材を元にしただけのことはありますね。良い作品を作るには時間が必要なんだなあと思いました。
設定も構成も上手い。警察の初動調査のいい加減さ、検察も裁判官もその人次第で起訴するかしないか、判決にも影響があるということ、などが上手く描かれてたと思います。
特に、好意的だった裁判官が違う人になったとたんに・・・というあたりが上手かった。ここで結末は見えて来ましたが・・・
裁判官が一人で判断することの怖さも見えましたね。裁判員制度にも意味があるかもしれないなあとも思いました。まあ、裁判員はこういう軽微な事件はやらないはずですが・・・
実際に痴漢した人は、罰金を払ってさっさと釈放されているという事実も・・・
留置場や取調べの様子などは「こうなってるんだ」とちょっと興味深々で見てしまいましたが。職場の近くに留置場がある警察署があって、よく護送車が通るんですが、ああいう人たちが乗ってるのね・・・と知りました。留置場って結構綺麗なんだなーとか。
痴漢の冤罪というと、「女性が自意識過剰なのでは」と言われたりもしがちですが、被害者がいたいけな中学生で、証言する姿も勇気を出して頑張っている様がわかるのも上手かったですね。
ごく普通の、どちらかというと真面目な主人公が、とまどいながらもだんだん裁判に慣れて行って、しっかりと発言するようになって行く様も良かったです。
それまで冷静だったのに、裁判官の誘導的な発言に感情的になってしまったりも・・・
判決の前の言葉を述べるところなども、大人しい主人公が、苦しみながらも真実と戦って来た成長が見られて、共感をおぼえてほろりとしてしまいました。
主人公の成長ははっきりとは描かれていなかったけれど、間違いなく成長していたと思います。
基本的にドキュメンタリータッチでそんなに笑いはないのですが、随所にちょっぴりユーモラスなところ、ほっとさせるところがあったのも周防監督らしくて良かったですね。
個人的にはピーポくんを殴ろうとしたら警官が出てきてやめて・・・の山本耕史さんのシーンが好きです(笑)
皆に「認めれば早く出られる。無実を証明するのは無理だ」と言われ続け、非人道的な扱いを受け、女性弁護士にも疑われて・・・と追い詰められた状況で、ようやく理解を示してくれる弁護士の接見を受けた時には、見ているこっちもホッとしてちょっとほろりとしてしまいました。こういうのも上手かったですね。
最初は「痴漢の弁護なんて」だった女性弁護士が、だんだん無罪を証明するために懸命になって行く姿も良かったです。一つ間違うと熱くなりすぎると思うんですが、そのあたりもさらっと描いていて良かったですね。
瀬戸朝香さん、デスノートでは今イチ・・・と思いましたが、今回は特に気になりませんでした。演出の違い?
ただひとつ、主人公の友達が少なすぎないか? というのがやや気になりましたが。仕事している人なんかはそんなに付き合えない、というのもあるのかな・・・
そんな風に皆で頑張って、でも勝利を勝ち得る話ではないんですね。決して甘くない結末は、救いはなかったけれど・・・現状の問題を訴えるのが目的でしょうから、仕方なかったでしょう。
それでも、「控訴します」という最後の主人公の言葉に、どうなるかわからない絶望とともに、真実を貫きたいという主人公の決意と成長を見たような気がして、一抹の明るさを感じたのは個人的な感想かもしれませんが・・・。
主人公の加瀬亮さん、イメージぴったりの好演でした。山本耕史さんも結構出番あって嬉しかったです。さっき「華麗なる一族」を見たら、あまりに違うのでさすが、と思いました(笑)
他の役者さんも皆上手い。演出もいいのでしょうが。判決が出た時の検察官の軽く動揺したような微妙な表情が良かった。本当は彼も無罪かもと思っていたのかも、と思わせて。
しかし小日向さん最近嫌な役ばっかりですね・・・(汗)
エンドロールの主題歌はちょっと邪魔でした(汗)
そして音楽の記憶が全くございません(汗)それだけ話に集中してたってことかな。

てな訳で今年見た映画の順位です。
1.ディパーテッド / 2.それでもボクはやってない / 3.マリー・アントワネット
悩んだのですが、ディバーテッドを上にしてしまいました・・・
ところで前に「今月はあと1本観に行く」と書いたのですが、すでに2月になっていたことに気づいてませんでした(汗)もうあと1本観に行く予定です。
3月も3本くらい行くかも。今年も結構出足順調?です。
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せっかちガンダルフの名台詞集その3

2007年02月04日 | 指輪物語&トールキン
引き続きガンダルフ名台詞集です。
話は「二つの塔」に入り、白のガンダルフになっているわけですが、こういう台詞ばかり抜き出してるとほとんど違いがわかりませんね・・・(笑)

まずはエドラスの黄金館で、武器と共に杖も置いていくように言われたガンダルフのこの台詞。

「何をばかな! とガンダルフはいいました。「用心と非礼はちがうぞ。わしは老人じゃ。もし杖にすがって行くことを許されぬのなら、わしはここにじっとすわって、セオデンがわしと話すために自分のほうらよろぼい出て来る気になるまで待っておるぞ。」
アラゴルンは笑いました。「だれにでも、他人には委せられないほど大事なものがあるようですな。(略)」


ここ、映画でもなかなかかわいいシーンになってましたが、原作の方が大人げなく怒ってごまかしている(?)のがおかしいです。
さらにおかしいのは、この前にアラゴルンがアンドゥリルを手放すのを渋ったときは言うことを聞いとけ、みたいなことを言っておいて自分は・・・なところですよね(笑)アラゴルンの嫌味がまた(笑)

続いては、アイゼンガルドでメリーの言葉に耳を傾けるセオデンに向かってのこの台詞。

「セオデン殿、殿は危険に気づいておられぬが、」とガンダルフが口をはさみました。「このホビットたちときたひには、たとえ廃墟のふちにすわっていようと、食卓の楽しみはおろか、かれらの父親たち、祖父たち、曽祖父たち、はたまた九親等に至るまでの遠いいとこはとこたちがどうしたのこうしたのという些々たる出来事を延々と話続けますのじゃ。殿がいわれのない辛抱強さをお見せになってかれらをいい気にさせたらさいごですぞ。(略)」

メリーの話を律儀に聞いてしまうセオデンもかわいいのですが、ホビットに理解の深く、しかもせっかちなところもわかるガンダルフの台詞がいいですね(笑)
多分、ガンダルフ自身が早く話を切り上げて先に進みたかったのでは・・・(笑)やっぱりせっかちです(笑)

続いてはピピンがガンダルフとの再会を回想した時のこの台詞。

「(前略)そこでかれは『よう、ピピン! これは思いがけぬ喜びじゃのう!』と言ったと思う? とんでもない! こういったんだ。『起きろ、トゥックの阿呆息子が! 一体全体この廃墟のどこに木の鬚はおるんじゃ? わしはかれに用がある。急げ!』だと。(略)」

再会のよろこびもそこそこにいきなり「阿呆息子」よばわりなんて、素敵ですガンダルフ(笑)
続いて今度は木の鬚に対しての台詞。

「『木の鬚よ、』とガンダルフはいった。『わしにはあんたの助けが必要なんじゃ。あんたはおおいにやってくれた。だがもっとやってほしいんじゃ。(略)』」

これ、原文だともしかしてそんなにおしくないのかもしれないけど、「もっとやってほしいんじゃ」というのがなんだかおかしくて好きです(笑)
さらにその続き。

「(略)木の鬚にはさぞかしとてもせっかちに思えただろうよ。何故ってガンダルフは恐ろしく急いでいたからねえ。そして二人がぼくたちに聞えないところに行ってしまうまでにもうひどく早口でしゃべってたらね。(中略)やがてガンダルフがぼくたちの所に戻って来た。かれはほっとしたように見えた。陽気といってもいいくらいだった。やっとその時になってぼくたちに会えて嬉しいなんていったんだからね。(略)」

せっかちに木の鬚と話続けるガンダルフ。木の鬚のテンポを考えるとかなり微笑ましい光景のような・・・(笑)
そして、ここにきてようやく再会の喜びを口に出すあたりもいいですねえ、ガンダルフ(笑)

「(略)『どこに行ってたにしろ、わしは戻って来たぞ。』かれはかけ値なしのガンダルフ調で答えた。(略)」

まさにガンダルフ調(笑)いいですね~。

そして「二つの塔」最後は、馬上のメリーの質問攻めに答えるガンダルフ。

ガンダルフは声をあげて笑いました。「なんと鎮めがたいホビットよ! 魔法使いたる者はことごとくホビットを一人か二人世話するべきじゃね(略)魔法使いに言葉の意味を教え、思い違いを正すためじゃ。(略)」

せっかちというわけではありませんが、これもガンダルフの庶民的なところが現れていていいなあと思います。
RotKでもピピンに同じようなことを言うのですが・・・(笑)

やはりTTTになってもあまり変わらないガンダルフ・・・(笑)
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