ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

エブリシング・イズ・イルミネイテッド(ネタバレ)

2007年02月05日 | 読書

映画僕の大事なコレクションのネタバレも含みますので、未見、未読の方はご注意ください。
映画を見てよかったので、原作読もうと思ったら品切れ重版未定・・・。地元の図書館にもなくて、諦めかけていたら、職場の近くの図書館で発見したので、借りてみました。
が、今amazonで見たら売ってるじゃん・・・(汗)まあいいや、もう読んじゃったから。
どうでもいいけど、図書館でも書店でも、カタカナ表記が微妙なので、なかなか書名で検索できません(汗)作者名の「ジョナサン・サフラン・フォア」で探した方が早い・・・

映画と原作とはちょっと違う、特に祖父アレックスの秘密が・・・と聞いていましたが、いや~かなり違いますね。別物と言ってもいいかもしれません。
映画は上手くまとめたなーという感じがしました。ちょっと綺麗にまとめすぎかもしれませんが、でも私はあれも好きですね。
しかし、原作の映画との違いは色々と衝撃でした。
まず、ジョナサンの収集癖って映画オリジナルだったんですねー。ジップロックでトラキムブロドの土を持って帰ったシーンと、リスタ(映画では名前も出なかったアウグスチーネの姉。原作ではアウグスチーネの姉ではありませんでしたが)の収集癖から考え付いたんですね、きっと。
映画ではジョナサンの収集癖とアウグスチーネの収集癖が一致した時にかなり感動したので、原作にないというのはびっくり・・・でも上手いアレンジだったと思いますね。
そもそも原作ではジョナサン個人の描写はほとんど出てきません。作者自身なのだから当然かもしれませんが・・・。映画では色々と膨らませたんですね。
アレックス孫がクラブに行ったり、女の子にモテたり・・・というのが嘘だったのもショック(汗)映画では何も行ってませんでしたが、あれは妄想だったのか?(汗)
そして、ジョナサンがいきなり「万一のために」の箱を帰りの列車の中で盗まれてしまっていたということも・・・これは映画を見ていた身としてはかなりショックでした(汗)
でも、全ての謎が解けないまま、闇の中に消えてしまったというのもまたいいのかもしれません。
謎が解けないといえば、アウグスチーネは結局誰だったのかすらわからないままだったのですね。
それもまたいいかもしれませんが・・・「全て」は解明されてないですね(汗)原作では「全て」とは祖父アレックスの過去のことだったのか・・・

全体の構成は、孫アレックスからジョナサンへのおぼつかない英語の手紙、おなじく孫アレックスのおぼつかない英語によるアウグスチーネ探しの旅の様子を書いたもの、そしてジョナサンの手による、トラキムブロドでのジョナサンの祖先たち、祖父のことを書いた物語、という三つの要素が交錯して描かれています。
ジョナサン自身の手紙はなく、ジョナサンの意見についてはアレックスの手紙に出て来るだけなので、余計にジョナサンの人となりは見えてこないのですが、逆にジョナサンが書いた物語の中にジョナサンの姿が見えるようになっていたと思います。
孫アレックスの怪しい英語の文章には、深刻なシーンを描いていてもどこか暖かさを感じます。アレックスの純粋な人となりも感じさせますね。
このアレックスとジョナサンの手紙のやりとりは、映画では少しだけ出てきただけだったので、なんだか後日談を読んでいるような嬉しい気持ちにちょっとなりました。
ジョナサンが書くトラキムブロドの物語は、現実と幻想が交錯する、不思議な世界です。ガルシア=マルケスみたいで好きかな、と思いましたが、ちょっと似すぎてないですかね(汗)パーティーの席順が突風でメチャクチャになったというのも、ちょうど「コレラの時代の愛」を読んでたら同じようなシーンが出てきてました・・・
ヤンケルとブロドの不思議な愛情も、ガルシア=マルケスっぽかったなあと・・・でも好きですけどね、こういうの。
ただ、鋸の刃が頭に・・・というあたりはちょっと違ったかな(汗)あれはちょっとうーん、でしたが(汗)

祖父アレックスの秘密は、映画と違うとは聞いてましたが、逆に予想どおり、でした。映画を見ていてそうじゃないかな、と予想していたのが原作の方だったなと。
その方が自然ですし。ユダヤ人であることをどうやって捨てて生きることができたのか、というのが映画では謎でしたから・・・
映画では祖父の自殺の理由も理解しづらかったのですが、原作だとわかりやすいですね。
でも、そうするとリスタと二人きりで話しをしたいと言っていた、あれは何だったのか・・・謝罪をしたかったのでしょうか。リスタとは面識ないと思いますが・・・
祖父がリスタの面倒を見たいと言ったのも、アウグスチーネを探し出す、と言い張ったのも、自分のやったことに対する償いだったのか・・・
ユダヤ人の祖先探しを手伝っていたのも償いだったのか、それともたまたま?
でもそうすると、アウグスチーネの写真をじっと見ていた、あれは何だったのでしょうか。本当はアウグスチーネを知っていた? そのあたりの謎も解かれないままでしたね・・・

そして、手紙のやりとりをして行くうちの、アレックス息子の変化もちょっと悲しいというか寂しかったです。
アレックス父の暴力は、映画ではコミカルに描かれていただけでしたが、結構深刻な問題だったのですね・・・。
ジョナサンとの手紙のやりとりの中で、アメリカに行くという現実味のない夢も諦めて、父親の暴力から母と弟を守ると決めて自立すると決意するアレックスは、成長したと思うけれど、やはり寂しいですね。ジョナサンに手紙を書くのもやめるなんて。
そして、途中で終わっている(文章自体が途中で終わっていたのか、孫アレックスが訳すのをやめてしまったのか)祖父の遺書で物語は終わります。
映画が、祖父の死という事実がありながら、どこか希望を感じさせるさわやかな終わり方だったので、この悲しい結末は一番ショックだったかも・・・
映画はかなり別物ですね・・・。映画としては好きですが、原作の映画化としてはどうだったんでしょうか。原作者の感想が知りたいものです。
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せっかちガンダルフの名台詞集その4

2007年02月05日 | 指輪物語&トールキン
ガンダルフ名台詞集もいよいよRotKに入ります。

まずはデネソールとの会見後、落ち着いてからのピピンとの会話。

「でもなんじゃ? 今夜は『でも』は一回しか許さんぞ。」

ホビットのしつこさに懲りているというか(笑)先手を打った言葉がおかしいです(笑)

続いてはピピンがファラミアが焼かれてしまう、と訴えに行った時の台詞。

「生きたまま焼くと?」ガンダルフはいいました。「どういうことだ? さっさと話せ!」

ガンダルフ確かに忙しいんだけど・・・さっさと話せって・・・(笑)
ここもしかしたら原文だとそんなにおかしくもないのかな? Speak quicklyとかなのでは・・・

お次は台詞ではないのですが・・・ラス・ディネンに乗り込むガンダルフの姿です。

しかしガンダルフが跳ぶように石段を駆け上がりました。男たちは後ずさって目をおおいました。なぜならかれは暗い場所に白い光がはいってくるようにやって来て、おまけにかんかんに怒っていたからです。

ガンダルフの神々しさとせっかちさが一体になった素晴らしいシーンだと思うのですが(笑)
ここも原文だと印象違うかなあ・・・

そしてこれは療病院でのヨーレスへの名台詞。

「もしなければ、」と、ガンダルフがいいました。「わしがヨーレスを後ろにのせてロスサールナッハに行こう。そしいて森に案内してもらうのじゃ、妹たちの許じゃないぞ。そして飛蔭に急ぎの意味を教えてもらうのじゃな。」

飛蔭の後ろに乗せられたヨーレス・・・バタバーさんを抱きしめるガンダルフの次に見てみたい光景です(笑)
そしてその後の、本草学の権威に対する台詞。

「それならば王のみ名において、さっさと出かけて、学はなくとも知恵のある老人が家にとってあるのを探しに行け!」と、ガンダルフが叫びました。

まあ、ガンダルフでなくてもイライラしそうな悠長なご老人たちではありますが、やっぱりガンダルフが怒ってるとカワイイ・・・(笑)

続いてはファンゴルンでの木の鬚との会話。

「ファンゴルンさんよ、わしは気がついたんじゃが、」と、ガンダルフはいいました。「あんたはたいそう物いいに注意して、住んどったとか、してしまったとかいっておるが、現在はどうなんじゃ? かれは死んだのかね?」

ガンダルフってやっぱり木の鬚の悠長なテンポにはややイライラするんですかね(笑)かわいいです。

RotKのガンダルフのせっかちな名台詞はこれでおしまいです。普通の名台詞ならまだあるんですが。
やっぱり「ホビット」とか「エレボールへの遠征」の名台詞も集めてみようかなー。実は「ホビット」は上巻の台詞は集約したのですが、それをどこかにやってしまっている・・・(汗)まず発掘しなければ(汗)
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