つれづれの記

日々の生活での印象

ステップ2達成と事故全体の収束

2011年12月22日 14時36分57秒 | 日記

2011年12月22日(木) ステップ2達成と事故全体の収束

 

 

政府は、12月16日、事故原発のステップ2が終了した、と野田総理が、記者会見で発表した。同日、恒例となっている「事故の収束に向けた道筋」の進捗状況について、ステップ2完了報告書として公表されたようで、東電のHPにもアップされた。

 

当初予定より、1か月繰り上げたステップ2完了の発表は、大分前から言われていたことで驚きは無く、自分としても、喜ぶべき事として静かに見守っていたのだが、世間の反応は、違っていた。“事故による放射能問題は、全然収束しておらず、故郷に戻れる訳ではない”、など、かなり、感情的な反発も多かったのである。

 

事故関係者は、事故原発そのものは、ほぼ、コントロールできる状態になり、以前の様に、予期せぬ、新たな爆発や、放射性物質の大量放出や環境汚染等が、再び起こる危険性は、ほぼ無くなった、と言えることを、確認したのであろう。事故原発という、一時、大暴れした、恐ろしいライオンを、何とか、檻の中に閉じ込め、おとなしくさせることに、成功した、のである。

事故直後の、何が何だか分からず、どうしていいかも分らず、慌てふためいた当事者や専門家集団や報道関係者としては、漸くにして、落ち着いて、全体を見渡せるようになった、と言えよう。

 

これまでは、冷温停止状態の実現という、ステップ2の達成に向けて、当事者・関係者で、厳しい作業が、営々と進められて来ており、頭の下がる思いだが、その都度、当ブログでも、

冷温停止状態実現! (2011/10/20)

 

などと、この4月以降、毎月、フォローして来た。 

今回の最終報告についても、

・原子炉が冷温停止状態を維持していること

   ・放射性物質の新たな放出が減っていること

   ・高濃度汚染水の処理が進んでいること

等について、確認出来た次第である。いつもの、グラフ類の引用等は、今回は、省略する。

 

ただ、ステップ2の完了とは言え、当ブログで、これまでも何度も触れて来たのだが、現行の「循環注水冷却システム」の危うさは、そのまま残したままである。 熱交換器による原子炉の直接冷却や、高濃度汚染水の垂れ流しを止めるための、原子炉周辺の配管の補修等の、抜本的な措置は、中長期の課題として、残されたままなのである。

なお、報告では、今後の取り組み体制については、

  政府・東京電力統合対策室を発展的に廃止し、新組織を設置する。この新組織により中長期のロードマップを決定し、廃炉に向けた現場作業や研究開発を行い、進捗状況は、定期的に公表する。

としている。

 

7月のステップ1達成を経て以降は、ステップ2ばかりが強調されてきたのだが、全体のステップがどうなっているのか、さっぱりわからないのは、大きな不満であった。

次の、ステップ3、ステップ4、などが、どう設定されるのか、誰にでもわかる、具体的な言葉で、ロードマップを示すべきであったのだ。

でも、示したくても示せない、手探りの状態の連続であった、というのが、本当のところだろう。それが示されていないのに、ステップ2だけ、異様に強調されて来たのである。

 

今後に向けては、下記の様な、多くの課題が考えられる。

 

Ⅰ事故原発自体の措置

  a冷温停止状態の実現(ステップ2)

  b周辺に対する各種環境対策(海も) 

  c廃炉に向けた処理(中長期的課題)

Ⅱ放出された放射性物質関連の処理  

  a地域の除染と放射性廃棄物の処理・焼却灰や汚泥の処理(一時、恒久) 

b警戒区域等の解除と住民の帰還

c東日本一帯の放射能汚染問題(食の安全・住の安全等)の解決

d周辺住民の健康管理と追跡調査

e被災者・被害者の賠償問題

 

総理は、記者会見で、口頭で、今後に残された三つの課題として

  ・放射性物質の除染

  ・住民の健康管理

  ・被害者への損害賠償

を挙げたが、ポイントを突いてはいるものの、十分とは言えない。

 

全体のステップを、富士登山に譬えて見ると、現在の富士登山は、5合目までは、バスや車で行き、そこからが自分の足で登るのだが、今回のステップ2(Ⅰa)は、本格的な登山道の入り口である、5合目に立った、ぐらいだろう。

事故原発の廃炉工程の完了、除染等に伴う放射性廃棄物の恒久管理、住民の長期的な健康調査等は、今後、数十年、いや、数百年かかる、息の長い道のりなのである。

そこまでとは言わなくても、少なくとも、避難した住民が帰郷でき、何とか安全に生活できる環境が整うとともに、東日本一帯の放射能汚染問題(食の安全・住の安全等)が解決されること(Ⅱa、b、c)が、当面の目標で、富士登山では、ご来光を拝める、八合五勺位になるだろうか。これらに要する時間的な長さは、Ⅰ とも関連するが、早くても、2~3年、山林や農地が戻るまでには、長ければ、5~10年ぐらいはかかるだろうか。

 

先日の記者会見では、

 “事故そのものは収束した”

といういい方が、強調されたが、極めて、誤解を招く表現なのだ。

“そのもの”、の意味合いが、曖昧で、言わんとしたことは、「事故原発が、今後悪さをする心配は無くなった」、という、Ⅰa だけの意味なのだが、ややもすると、Ⅱ の全て、原発事故に絡む、全体が収束した、と取られかねないのだ。これによって、放射能汚染に関する多くの問題が後回しにされ、手抜きされ、関心が薄れて忘れられる、と誤解されたのだ。福島県知事を含め、原発事故の被災当事者としては、全く許せない、腹立たしさだったであろう。

今回の発表は、国内では、このような誤解もあって、感情的な反発も強かったのだが、国際的には、事故原発はおとなしくなった、と比較的冷静に受け止められたのではないか。かといって、放射能汚染が広範囲に広がっている、日本に対する疑念は、何ら払拭された訳ではない。

なお、本稿では、

  事故原発:事故になり、水素爆発を起こした原発(主に1~3号機)

  原発事故:事故原発から周囲環境に放出された放射性物質による汚染全体

を、注意深く使い分けている。

 

今回の発表の少し前の報道によれば、事故原発の廃炉に向けた工程の概要が、非公式ながら、明らかになったようだ。12月には、公になると言うので、年内ぐらいに、正式に、公表されると思っていた。

それが、報道では全く気づかなかったのだが、昨21日、新組織の、「政府・東京電力中長期対策会議」が開催され、ここで、今後の、中長期のロードマップが決定されたという。この関係の資料が、公表されたようで、東電のHPにもアップされていて、今日の新聞にも、解説記事が載っている。

 

この新たな中長期ロードマップ関連と、先日18日のNHKスペシャル

シリーズ原発危機 メルトダウン ~福島第一原発 あのとき何が~

等について、近日中に、取り上げることとしたい。

 

 

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日本語での数表現ー助数詞 その1b

2011年12月20日 12時10分31秒 | 日記

 

2011年12月20日(火)日本語での数表現―助数詞 その1b

 

 

Ⅲ 時刻

・時刻 1~24時の呼び方

日の呼び方と同じで、数を数える時の基数詞が基本だが、○4時は、○よじ で、○

しじ とは言わず、和式だけで、○7時は、漢式と和式の呼び方が併用される。   

・時刻 1~60分の呼び方

時刻同様で、○4は和式だけで、○7は、漢式と和式の呼び方が併用される

   ○4分 ○よんぷん  ○しふん とは言わない

   ○7分 ○ななふん ○しちふん とも言う

また、9は、以下のようだ

   ○9分 ○きゅうふん  ○くふん とは言わない

 ・時間を数える時

○○時間○○分の中で、○4は和式だけ、○7は併用となる

 

Ⅳ 所番地・電話番号

・所番地  

基数詞の呼び方の漢式が基本で、1~10に関しても、和式は使われず、11以降も、

漢式が基本となる。ただし、4、と7については、時刻と同様、4は、和式の呼び方だけ、

7は漢式と和式の呼び方が併用される。

  ○4丁目 ○よんちょうめ   ○しちょうめ とは言わない 

  ○4番地 ○よんばんち    ○しばんち とは言わない

○7丁目 ○ななちょうめ   ○しちちょうめ は使われることがある?

  ○7番地 ○ななばんち    ○しちばんち は使われることがある?

 

・電話番号 

 数字を読み上げるので、基数詞の呼び方の漢式が基本であるが、4、7では、主に、和式の呼び方が使われるが、併用もある。

   771-4506 なななないちのーよんごれいろく

            しちしちいちのーしごれいろく  は殆ど使われない?

   849-9748 はちよんきゅうのーきゅうななよんはち

            はちしきゅうのーきゅうしちしはち  とは言わない?

 

Ⅴ まとめ

  月日や所番地の呼び方では、基数詞を使った漢式が基本だが、4については、和式しか使われず、7に関しては、漢式と和式が併用される。 唯一、4月の月の呼び方だけ、逆に、漢式しか使われないこと、等がはっきりした。

前回から今回までの整理で、漢式と和式が共存し、併用されている状況が、少し明らかになって来たようだが、だんだん、深みに嵌って行くような感じもある。

全体として、どのような規則性や、規則的な例外? があるのだろうか。言葉は、時間とともに、緩やかに変化していくものであるだけに、正解と言うものは無いのかもしれない。

次回は、一般的な数の数え方で使われる、各種の助数詞について、触れることとしたい。

 

 

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日本語での数表現ー助数詞 その1a  

2011年12月20日 12時06分18秒 | 日記

 

2011年12月20日(火)日本語での数表現―助数詞 その1

 

 

先日、当ブログの下記記事、

日本語での数表現―基数詞 a、b (2011/12/14)

 

で、日本語での基本的な数表現に、漢式と和式が混在していること等について述べた。日本語で数を表す場合の単位に、外国人等には、特に難解と言われている、助数詞/接尾語がある。

今回は、助数詞の中のその1として、必須のもので、序数詞に近い、暦の月日や、一日の時刻や、所番地の呼び方、数え方等について、触れることとしたい。

 

Ⅰ 月 

・1月~12月の、月の呼び方

○月の呼び方では、○は、1~3、5~6、8~12は、漢式の基数詞となり、以下が、和式を併用する、例外である。

4月  しがつ   よんがつ とは言わない

  7月   しちがつ  なながつ と併用

4月は、よんがつ との和式が、使われないのは、なぜだろうか、不思議である。

 

・月数を数える場合

通常、漢式で、○○ヶ月と数えるのが一般である。 ただ、○4ヶ月は、○しかげつ とは言わず、和式の ○よんかげつ だけとなる(月の呼び方と逆になるのが面白い)。7については、しち/なな 併用である

     和式の数え方に、月を付加して、以下の様に、○月 と数える時もある(○は1~10)。

   ひと月 ふた月 み月 よ月 いつ月 む月 なな月 や月 ここのつ月 と月

 

 Ⅱ 日

・1日~31日の、日の呼び方

  ○日の呼び方は、○が1~10の間は、以下の様に、和式しか使われない。

 

  1日 ついたち               いちにち とは言わない

     月の初めの日 ということで、月立ち、が、ついたち となったようだ 

  2日 ふつか                ににち  とは言わない

  3日 みっか                さんにち とは言わない

  4日 よっか                しにち  とは言わない 

5日 いつか                ごにち  とは言わない

6日 むいか                ろくにち とは言わない

7日 なのか なぬか            しちにち とは、通常は言わない

8日 ようか                はちにち とは言わない

9日 ここのか               くにち  とは言わない

                     (孫の書いた似顔絵では、9にち)

10日 とおか                じゅうにち とは言わない

 

ふつか~とおか の ○○か は、和式の数え方 ○○ の後に、日を意味する か を付加したものである。

 

11日以降は、以下の様に、基本は、基数詞の漢式なのだが、4では、数字では普通に使われる、漢式の し が使われずに、和式の よん だけとなる。 

理由は、4日 しにち は、shi―ni―tiと iが繰り返されて 言いにくいからだろうか。7では、漢式、和式が併用されるが、shi―ti―ni―tiは、更に言いにくいのだが?

 

     和式       漢式 

11日          じゅういちにち

12日          じゅうににち

13日          じゅうさんにち

14日 じゅうよっか   ×じゅうしにち とは言わない       

17日 じゅうななにち  じゅうしちにち

18日          じゅうはちにち

19日          じゅうくにち  

20日 はつか      ×にじゅうにち とは言わない

    21日          にじゅういちにち

    22日          にじゅうににち

    23日          にじゅうさんにち

24日 にじゅうよっか  ×にじゅうしにち とは言わない

25日          にじゅうごにち

26日          にじゅうろくにち

27日 にじゅうななにち にじゅうしちにち

28日          にじゅうはちにち

29日          にじゅうくにち

30日          さんじゅうにち

31日          さんじゅういちにち

 

・日数を数える場合

漢式、和式が併用されるのは、基数詞の時と同じである

   4日間  よっかかん  しにちかん とは言わない

   7日間  なのかかん  しちにちかん とは言わない

   14日間 じゅうよっかかん  じゅうしにちかん とは言わない

   17日間 じゅうしちにちかん/じゅうななにちかん

   ーーーーーーーー  

 

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苺と その子供たち

2011年12月17日 16時32分01秒 | 日記

2011年12月17日(土) 苺と その子供たち

 

 我が家の苺については、先日、当ブログの下記記事で報告したが、今回は、その続編である。

    冬の苺  (2011/12/8)

 

この秋に苺の苗を求め、2株づつ、2鉢に、植え付けた。一つは丸鉢だが、こちらの株は、何と、10月になって花が咲き、実を付けた。そして、4個の実のうちの2個は、大きく成長し、美味しそうに、鮮やかに赤く色づいている。

 ますます 赤く色づいてーーー

 

かすめ取られてたまるかと、家人が、鳥除けに支柱を立て、黒い木綿糸を張ってガードしてある。こちらの鉢では、ランナーは出ていない。

 

もう一方の、長方形のプランターに植えた株からは、盛んにランナーが伸びて来ては、所狭しと、あちこちに、根付いた。それを掘り出して、ポットに取り、来春の苗にする事としたが、全部で、7ポットになった。このプランターには、まだ若いランナーも残っているので、あわよくば、第2期生のポット苗が、得られるかもしれない。 

ポットの苺の子供たちを、やや深めのトロ箱に入れ、北風が来ず、日も当たる、鉢台の下に置いてある。  

      

(奥)元株 (手前)ランナーをポットに移しトロ箱へ          トロ箱を鉢台の下に移動

 

こちらの株にも、少し遅れて花が咲き、実もなったのだが、これからの寒さ、果たして大きくなり、色づくまでになるだろうか? それにしても、苺の成長力の強さには、感心させられる。

 

苺の苗たちが、無事にこの冬を越し、来春には、ルーフバルコニーが、苺で一杯になる? のが、楽しみである。

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地球温暖化は止められるかーCOP17

2011年12月16日 22時28分56秒 | 日記

2011年12月16日(金) 地球温暖化は止められるか―COP17

 

 

南アのダーバンで、11/28から開催されていた、国連の気候変動枠組み条約に関する第17回締約国会議(COP17/CMP7)は、終了予定の12/9になっても纏まらず、1日延長した10日も、深夜まで続けられ、11日未明にかけての閣僚全体会議で、辛うじて、妥協の産物の「ダーバン合意」が決まる、と言う、きわどいものであった。

この会議については、当ブログでも、会議開始後、下記記事で、触れている

    気候変動会議 COP17 (2011/12/5)

本稿では、今回の、「ダーバン合意」について、見て見ることとしたい。 情報源は、現地での取材による、報道関連の情報がベースであり、残念ながら、原文が手に入らない上、裏での交渉の駆け引き等は、よく分からない。

 

現行の京都議定書では、地球温暖化ガスCOの、排出規制を定めているが、排出削減義務を負うのは、日本を含む先進諸国(途中で離脱したアメリカを除く)だけが対象で、地球全体の総排出量の、わずか、1/4程度にしかならないのだ。規制されていない、大口の、アメリカ、中国、インドで、全体の2/4にもなり、その他の途上国で、1/4もあるのに、である。

このような、地球全体での、CO排出量の国別構成内訳は、下図のようになる(NHKのサイトにある解説記事から借用)。

 

  

しかも、議定書での削減義務期間が、1年後の2012年末で、終了する訳だが、2013年以降の方向については、これまでの会議では、各国の利害がからんで、具体化しておらず、殆ど何も決まっていないという、土壇場に来ている。

 

今や、主要排出国全てが参加する、新たな枠組み作りが、喫緊の課題で、ダーバン会議での、ギリギリの交渉の結果、主要排出国が参加する、新たな枠組みを、遅くとも、2015年末のCOP21で決める、こととなった。 これは、一歩前進、と言えるだろう。新たな枠組み作りに向けた特別作業部会を、2012年中に発足させる、ことも決まったようだ。

現行の京都議定書に代わる、新議定書が採択された後は、参加各国の批准手続きを経て、2020年初から、新たな枠組みをスタートさせよう、ということである。京都議定書の場合、採択されたのが1997年だが、各国の批准を経て、発効したのが2005年と、結構、時間がかかるのだ。

これが、ダーバン合意で固まった工程表「ダーバン プラットフォーム」の、中心的な路線である。

でも、これは、問題を先送りしただけの、見た目のいい、絵に描いた餅とも言え、この先、どうなるかは、極めて不透明である、と言わざるを得ない。

新枠組みに参加する各国の中で、先進国、BRICS諸国、発展途上国等で、法的拘束力や目標数値を、どのように調整するのか、等は、今後の大きな争点になると思われる。

 

2012年末に、京都議定書の約束期間が終了した後、新たな枠組みがスタートする、2020年までの期間を、どうするかも極めて重要だ。 

有効な条約が、何もないという、完全な空白期間は望ましくないということで、結果的に、京都議定書の約束期間を延長する事となり、現行を第1約束期間とし、延長期間を、第2約束期間とした。この第2約束期間を、2013年以降、2017年末迄とするか、2019年末迄とするかは、不確定で、今後具体化する、と言う。

この、京都議定書の延長については、日本は、当初から、延長絶対反対の立場を貫き、参加していない(会議前に言われていた、脱退も辞さず、の姿勢は、取っていないが)。

又、カナダは離脱し、ロシアは不参加となった。アメリカは、元々、京都議定書からは離脱していて、我関せず、である。

このようなことから、京都議定書の延長で、削減義務を果たそうとする、あっぱれな諸国は、EU加盟国とノルウエーだけになり、全排出量の、僅か、15%だけになる、と言う(前出図)。

世界全体で、温暖化ガスの排出が、言葉は悪いが、大半が、野放しの状態(自主的取り組み、という国もあるが)となる期間が、かなりの間、生ずることとなった。この結果、地球環境の更なる悪化が、懸念される所である。

毎日新聞のサイトにある、ダーバン会議後の各国の状況を整理した、以下の図は分りやすいので、借用させて貰っている。

 

 

来年末、カタールのドーハで開催予定の、COP18で、京都議定書の延長と、離脱していない、数少ない諸国の、目標値と、第2約束期間が決められることとなろう。併せて、新たな枠組みを固める作業部会が発足することとなろう。

 

今回、日本は、京都議定書には不参加になったことで、規制が外れることは、幸いな側面もあり、米、中等が外れていることから来る、不平等が無くなるので、経済界は歓迎しているようだ。

一方、日本としては、省エネや環境技術を売りに、世界に打って出ようと言う思惑もあり、この面では、参加していないことは、マイナスにもなろう。

日本としては、大震災による原発の停止で、CO2が排出される火力発電の比重を、増やさざるを得ない、重い課題もある。また、タイの洪水被害の影響や、欧州経済の金融面での不安を背景とした、世界経済状況もあり、厳しい条件は多い。

 

これらを踏まえると、日本は、先ず、現実の足元を固めることから、始めなければなるまい。過去のCOPで表明した25%削減という目標値は、率直にリセットし、国際的な義務は無くなるとは言え、新たな自主目標を固めて、着実に取り組むことだ。

幸か不幸か、日本には、削減義務は無くなっても、自主的な取り組みについての報告義務は残るようで、国際的な糸は、切らないことだ。

更に、国連を通じた活動だけでなく、近隣のアジア諸国間や、2国間での連携等を、積極的に進めていく必要があろう。

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