つれづれの記

日々の生活での印象

ジャンケンの実際ー4人のジャケン

2014年01月31日 18時33分32秒 | 日記

2014年1月31日(金) ジャンケンの実際―4人のジャンケン

 

 

 本稿は、

     ジャンケンの実際―3人のジャンケン (2014/1/30)

の続編で、4人のジャンケンについて述べたものである。

                            

◎4人でジャンケンする場合の1回目の結果

 4人でやる場合は、状況は、やや複雑になるが、頭の体操を兼ねて、以下に、整理を試みる。 

◆4人(A、B、C、D)のジャンケンの組合せ総数 3×3×3×3=3=81通り 

◆勝負がつく場合からのアプローチ

4人の場合に、勝負がつく場合の数を求める。この場合、1~3人まで、いずれかが勝つ場合を求めるのが、ミソだ。      

          

 以上より、4人のジャンケンの1回目で、1人、2人、又は3人が勝ちとなる、場合の数と確率は、全体の和となる。手の種類は共通なので、括り出すと、以下の様な、綺麗な形となる。

   3×(4C1+4C2+4   C3)/3 

   =(4C1+4C2+4C3)/3

   =(4+6+4)/27=14/27

従って、アイコになる確率は、以下となる。

   1-14/27=13/27

このやり方を延長すれば、ネットに出ている、n人についての、一般化した式が得られそうだ。

 

◆アイコになる場合からのアプローチ

 上記とは反対に、アイコになる場合から考察すると、3人でのジャンケンについては、、前稿のように、比較的容易に、一般化出来た。でも、人数を4人に拡大すると、このアプローチは、人数と手とアイコの数の関係がややこしく、かなり、複雑になるようだ。 

でも、この方法で、4人の場合に、アイコになる場合の数を求めてみる。

 

◇4人が同じ手の場合は、同じ手アイコ(*)となる。  

    人の選択 なし

    手の種類  G、C、P、それぞれで1通りなので、全体で、3通り

  同じ手アイコ*は、4人の場合だけでなく、人数に無関係に、常に、3通りである。

 

◇3人が同じ手の場合は、アイコにはならず、別の手の1人との間で勝負がつき、3残/1残となる。

  例:Gが、3人の場合、

          もう1人がCなら→GGGの3人が勝ち

          もう1人がPなら→GGGの3人が負けで、Pの1人が勝ち

  GからC、Pに代わっても、同様である。

  全体の場合の数と確率については省略。

 

◇2人が同じ手の場合は、

  ・残り2人が、別の同じ手の場合(例:GGとCC、GGとPPなど)は、勝負がつく

  ・残り2人が別々の手(例:GGとCP、GGとPCなど)は、勝負がつかず三すくみアイコ(#)となる

というのも、厄介である。

◇上記にある、2人が同じ手(例G)で、三すくみアイコ(#)になる場合について、先ず、全数リストアップしてみると、以下の左欄のようになる。

 

   A  B C  D            A  B C  D  

   G  G  C  P             C  C  G  P

   G  G  P  C             C  C  P  G

     C    P             C  G  C  P

     P    C             C  P  C  G

   G  C  P  G           C  G  P  C

     P  C  G           C  P  G  C 

 

   C  G  G  P             G  C  C  P

   P  G  G  C             P  C  C  G 

   C    P  G              C  P  C

   P    C  G            P  C  G  C

   C  P  G  G            G  P  C  C

   P  C  G  G            P  G  C  C    

で、12通りとなる。

手の種類が、Gの他に、C、Pの場合もあるので、3通りがある。

 念のため、このチェックとして、上の左表で、例えば、GとCを入れ替えてみると、右欄となり、Cが2人の新たな組み合わせとなることが、確認できるので、C、Pの場合にも拡大出来ることが分る。

全体では、12×3=36通り。

 

◇又、手が1人(例G)の場合は、他の手が2人の場合(例 上記のC、又はPが2人)に包含される。 

 

従って、アイコとなる場合の数は、

   4人が同じ手の場合*   3

   2人が同じ手の場合#  36

となり、全体では、39となるので、アイコとなる確率は、

   39/81=13/27

逆に、勝負が決まる確率は

   1―13/27=14/27

となる。

 この値は、前述の、勝負がつく場合からのアプローチで得られた値と、同じである。

 

◆アイコとなる場合からのアプローチの一般化の考察

 上記のようなリストアップ法ではなく、一般化した方法の考察を行ってみた。 

◇組合わせの数  4人(A、B、C、D)の手の組み合わせの数 

             各々 G、C、P    3×3×3×3=3=81通り 

◇方法1:同じ手の数から求める方法の考察

・4人の手が同じ 同じ手アイコ* 手の数3は、3C1×1C1×1C1×1C1=3

・3人(4-1人)の手が同じで、4人目は3人とは別→必ず勝敗が決まる

                          4人目も同じ→上の*    

・2人(4-2人)の手が同じで、アイコとなる場合は、残り2人(4-2人)の手が、それとは違って、しかも、別々の場合( 例 GG と C、P)となる。 

  人の選択 4から2を取る組み合わせ 4C2=6  

    各々に対して、残る2人(4-2)について、1人を選ぶのに、2C1の2通りあるので、全体では 4C2×2C1=6×2=12通り

  手の数  Gの他、C、Pそれぞれについても、12通りづつある

  全体では 12×3=36通りとなる。

・1人の場合は、他が、2人、又は、3人の場合に含まれる。 

従って、勝負が決まらず、アイコ(*+#)となる場合の数と確率は

  (3+36)/81=39/81=13/27

従って、勝負が決まる確率は、この余事象で

  1―13/27=14/27

となる。(リストアップ法の数値と一致) 

 

◇方法2:3人の場合のアイコから求める方法の考察

 4人のアイコを調べる場合、まず、最初の3人で、三すくみの、#アイコ状態を作る事を考える。 

 3人の場合の*アイコ数は、

    3C3×3=3 → 手  GGG  CCC  PPP 

 3人の場合の#アイコは、6通り(3=27通り中)(前稿)

   3人で#アイコになった組み合わせでは、4人目は、任意となるので、場合の数は、×3となる。  

 3人目まではアイコにならないが、4人目になってアイコになる場合がでてくる。

  この場合は、3人の手が、下のように、3通り中の、2/1通りの手で、アイコ一歩手前えの状況になり、組合わせ数と手の数の積が、場合の数となる。   

リストアップ検証では、左欄のGの場合を、右欄のC、Pの場合に拡大している。

   

   2人の場合 3C2×手3=9   リストアップで検証 

                    GGC  CCP  PPG

                    GCG  CPC  PGP

                    CGG  CCP  GPP 

   1人の場合 3C1×手3=9   リストアップで検証 

                    GCC  CPP  PGG

                    CGC  PCP  GPG

                    CCG  PPC  GGP

  

 以上から、場合の数と確率は、以下。 

    3(3C2+3C1)/81=3(3+3)/81=18/81

 これは、3人から、4人に増えて、新たに追加された、#アイコの数である。 これに、

    3人目までの#アイコ数  6/27→×3で→18/81)

    *アイコ数 3/81

を加えると、アイコの総数と確率は、以下となる。

    18/81+18/81+3/81=39/81=13/27 

この余事象で、勝負がつく確率は、以下となる。

    1-13/27=14/27

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ジャンケンの実際ー3人のジャンケン

2014年01月30日 10時08分25秒 | 日記

2014年1月30日(木)  ジャンケンの実際―3人のジャンケン

 

 

 色んな場で使われる指文字について、この所、当ブログに、下の5件の記事を投稿している。

      指文字の文化 その1 (2013/11/14)  ~ 指文字の文化 その5 (2014/01/25)             

 前稿では、指文字の一種である、ジャンケンについて、2人でやる場合の、確率的な側面について述べたが、その続編である本稿では、深みに嵌った序に、3人でジャンケンをする場合の確率について、考察してみたい。 

◎3人でジャンケンする場合の1回目の勝負

 ジャンケンでは、3通りの手が使えるが、3人のジャンケンになると、それぞれ異なる手の、三すくみの状態のアイコが現れてくるので、ジャンケンは、3人でやる形が基本と言えよう。

 又、3人でジャンケンをやる目的としては、

     ①3人の中から1人の勝者を決める時

     ②3人の中から2人の勝者を決める時

     ③3人の中から、1人、又は2人の勝者を決める時(1人の敗者を除外する時)

     ④3人の順番を決める時(①、②の後に続いて)

の、4つのケースがあるだろうか。

 

◆ジャンケンをやる3人は、仮に、A,B,Cとする。

・1人が出す手は、グー(G)、チョキ(C)、パー(P)の3通りあり、各人それぞれ独立に出すので、3人では、3×3×3=27通りの場合がある。

・3人が、それぞれ異なる手を出せば、「三すくみアイコ」(以下#で表示)となり、やり直しとなる。

・3人の内、2人が同じ手で、もう1人がそれとは異なる手の場合は、アイコにならず、1回目の勝敗が決まり、1人又は、2人が勝ち残りとなる。

・また、3人が同じ手を出せば、「同じ手アイコ」(以下*で表示)で、この場合も、やり直しとなる。

 

◆先ず最初に、理解しやすい全ての27通りの場合を、確認を兼ねて、以下にリストアップした。 

 結果の、手の同異欄には、手の同異数を示している。

 結果の、残数欄には、勝ち残り数と、アイコで残った人数を示している。1残では、勝ち残った1人の名も示している。

 

     A、B、Cの手               結果

1人目A   2人目B   3人目C    手の同異  残数

  G        G       G      3同      3残(* ) 

                            C      2同        2残

                                    P       2同       1残C

            C         G      2同      2残 

                                      C      2同      1残A

                                      P       3異     3残(#)

            P         G       2同     1残B

                                    C         3異     3残(#)

                                    P         2同      2残

C          G         G       2同   2残

                                   C        2同   1残B 

                                   P        3異   3残(#)

          C           G       2同   1残C

                                    C        3同   3残(*)

                                    P        2同   2残

                P           G       3異   3残(#)

                                    C        2同   2残        

                                    P        2同   1残A 

P       G            G       2同   1残A

                                    C        3異   3残(#) 

                                    P        2同   2残

        C             G       3異   3残(#) 

                                    C        2同   2残  

                                    P        2同   1残B

        P             G       2同   2残 

                                    C        2同   1残C

                                    P        3同   3残(*)

 

◆上表の1回目の勝負の結果について考察する。

◇残数別の場合の数と確率は、下表のようになり、記事欄には、①~④の勝負の状況も示してある。 

   1残   9通り 確率 9/27=1/3  ①の時は、勝負終了

                              ②の時は、勝負続行で2回戦へ

                            ③の時は、勝負終了

                              ④の時は、勝負続行で2回戦へ

     2残  9通り 確率 9/27=1/3    ①の時は、勝負続行で2回戦へ

                                                       ②の時は、勝負終了

                                                       ③の時は、勝負終了

                               ④の時は、勝負続行で2回戦へ

      3残  アイコ

              * 3通り 確率 3/27=1/9         勝負続行で2回戦へ 

           # 6通り 確率 6/27=2/9        勝負続行で2回戦へ

 

◇一方、①~④の、目的別の場合の数と確率は、以下のようになる。

 ①  1人の勝者 9/27=1/3  

  ②  2人の勝者 9/27=1/3  

  ③  1、2人の勝者  ①+②になり  1/3+1/3=2/3

  ④  ―   

 

◇又、手の同異数別の数と確率は、以下のようになる。

    3人の手が同じ  *  3通り   3/27=1/9

    2人の手が同じ    18通り  18/27=2/3

    3人の手が異る  #  6通り   6/27=2/9  

 

 

◎3人のジャンケンについての一般化に向けた考察

   全ての場合をリストアップして調べるやり方だと、上述のようになるが、多人数でやる場合の一般化に向けて、組み合わせの面から、二つのアプローチで、考察して見たい。

 

◆勝負がつく場合からのアプローチ(③の考察から)

 ・場合の数の総数は、3人各々がG、C、Pの3種の手→3×3×3=3=27通り 

 ・1人、又は、2人が勝つ場合について、先ず、人を選ぶ組み合わせを求め、それに、手の種類を加味する。 

① 3人で1人が勝つ場合

  人を選ぶ: 3C1=3通り

  手の種類: 3種

    全体では: 3C1(人を選ぶ)×3(手の種類)=3×3=9通り

       全数リストアップによる検証

            手  ABC  ABC  ABC

            G: GCC  CGC  CCG  

           C: CPP  PCP  PPC  

           P: PGG  GPG  GGP  

② 3人で2人が勝つ場合 

  人を選ぶ: 3C2=3通り

  手の種類: 3種

    全体では: 3C2(人を選ぶ)×3(手の種類)=3×3=9通り

        全数リストアップによる検証  

           手 A BC  ABC  ABC 

             G: GGC  GCG  CGG  

             C: CCP  CPC  PCC  

             P: PPG  PGP  GPP  

 

③ 従って、1人①、又は、2人②が勝って、勝負がつく、③のケースの確率は

     3(3C1+3C2)/27=3(3+3)/27=18/27=2/3

これから、勝負がつかず、アイコになる確率は、

   1-2/3=1/3

となる。(リストアップからの数値と一致)

 

 

◆アイコになる場合からのアプローチ  

・3人の手が同じ→同じ手アイコ*  人の選択は無い     1通り 

    手の数 GCP  3通り 

    場合の数:       3通り   

・3人の手が別々→三すくみアイコ#  

   組み合わせからの考察

        人を選ぶ  3C1=3通り

     手の種類

           1人目がGの場合、2人目のP、Cは2C1、3人目は1C1 →2通り

        場合の数: 2つの積  3×2=6通り 

        全数リストアップによる検証

           Aの手   ABC  ABC

               G : GCP  GPC  

           C : CPG  CGP  

           P : PGC  PCG

 

・全体でアイコとなる数と確率は以下となる。   

     (3+6)/27=9/27=1/3

 これから、勝負がつく確率は、

      1-1/3=2/3

となる。((リストアップからの数値と一致)

 

 

 

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指文字の文化  その5

2014年01月25日 22時26分01秒 | 日記

2014年1月25日(土)  指文字の文化  その5

 

 

 色んな場で使われる指文字について、この所、当ブログに、下の4件の記事を投稿している。

      指文字の文化  その1 (2013/11/14)

      指文字の文化  その2 (2013/11/17)

      指文字の文化  その3 (2013/12/10)

      指文字の文化  その4 (2014/01/19) 

 最近の前稿では、手と指の拳遊びと、その代表であるジャンケンのルールについて取り上げた。本稿では、ジャンケンの実際として、2人でやる場合の確率的な側面について、述べる事としたい。 

 

◎ジャンケンでの確率を求める

ジャンケンで、最も単純な、A、Bの2人が勝負する場合の確率を考えてみたい。 

◇1人が出す手は、グー(G)、チョキ(C)、パー(P)の3通りなので、2人では、 3×3=9通りの場合がある。

◇1回目で、2人が異なる手を出した場合は、勝負が決まる。Aの1つの手に対して、Bの手は2通りあり、全体では、3×2=6通りとなり、この確率は、

   6/9=2/3

 2人が同じ手を出した場合は、アイコ(分りやすくするため、カタカナ表記に)になる。アイコになるのは、2人がともに、G、C、Pになる場合で、手が3通りあることから、1回目でアイコになる確率は、

   1/3×1/3×3= 1/3

である。

 勝負が決まる確率は、全体から、アイコになる確率を引いても求められる。

   1-1/3=2/3

◇1回目がアイコの場合は、2回目の勝負になる。

2回目で勝負が決まる確率は、以下となる。

   1/3×2/3=2/3

2回目もアイコになる確率は、

   1/3×1/3=1/3

従って、2回目迄で決着する確率は、2回目もアイコになる確率を引いて

   1-1/32  

となる。

◇1、2回目ともアイコの場合は、3回目の勝負になる。

3回目も、アイコになる確率は、

   1/3×1/3=1/3

従って、3回目迄で決着する確率は

   1-1/3

となる。

 

◇このように見て来ると、(n-1)回目までアイコになり、n回目の勝負になって、n回目もアイコとなる確率は、

   1/3n-1×1/3=1/3

従って、n回目迄で決着する確率は、

   1-1/3

となる。

 

 

◎決着するまでの平均回数を求める

◇ネットのWikipedia情報では、2人のジャンケンで決着するまでの平均回数は、答えだけ1.5回と出ていて、算出根拠は示されていない。(じゃんけん - Wikipedia

  そこで自分なりに考え、この場合の平均回数は、勝負の回数とそこで決着がつく確率との積(期待値)で、試行を限りなく(∞)繰り返した場合に得られるとすると、前述の値より、平均回数は、以下の無限級数の式となる。

 1×2/3+2×2/3+3×2/3+4×2/3------------+n×2/3+--------

=Lim n→∞Σ1n(n×2/3

この無限級数は、n→∞では、どうなるのだろうか? 1.5に収斂するだろうか。 

 

◇この無限級数の各項は、分子側が一次関数の変数だが、分母側は指数関数の変数だから、分子に比べて、分母側が急速に大きくなっていくため、各項は、急速に小さくなっていくことから、感覚的には、収斂しそうに見える。

n=5位まで実際に計算して見ると、だんだん、1.5に近づいていくのが分る。

 でも、正しく求める方法が分らず、今回は、ネットにある1.5を、そのまま引用することとし、今後、機会をみて調査・検討したい、としていた。

 

 所が、つい先日、遠い昔の学生時代に買った、古びた微積分の本(「微分積分學精説」 岩切晴二著 培風館)を眺めていたら、全て正数からなる無限級数(正項級数という)の収斂、発散については、「ダランベールの判定法」という定理があるという記述を、たまたま見つけた。 これによれば、無限級数Σ=aで、判定式

    Lim n→∞ +/a=r

で、rの値が

    r<1  ならば 収斂

    r>1  ならば 発散

と言えるという。

 しかも、練習問題として、以下の級数

  1/3+2/3+3/3+---------------+n/3+----------

の、収斂、発散を調べよ、とあるではないか! この式は、正に、今回の2人のジャンケンの確率で出てきた式だ。しかも、練習問題の答が、rは1/3で収斂、とある。これで、勇気百倍である。

 

 ダランベールの定理を、早速、上記の平均回数の無限級数に当て嵌めてみると、判定式は、

   Lim n→∞ +/a=Lim n→∞((2(n+1)/3+))/((2n/3))

                   =Lim n→∞2(n+1)・3/2n・3+

                 =Lim n→∞(1+1/n)/3

                 =1/3<1

となり、練習問題と同様、rは1未満なので、収斂である。 

 

◇ここからは、収斂値を、どうやって求めるか、の模索である。

ここで、昔習った2つの計算方法が思い浮かんだ。

・一つは、自然数1~n迄の和を求める場合等、順に、各項目が増えていく場合には、

   元の数列と、順序を逆にした数列の両者を足して2で割る(幼いガウスが発見!)

という単純だが、素晴らしい方法である。

 

・もう一つは、無限等比級数の部分和や、極限値を求める場合、

   元の級数と、比を掛けた級数との両者の差を求める

という方法だ。この方法で部分和の式を求め、それから、極限値を算出するものだ。 

 

 後者の場合、等比rが1未満の場合は、級数は、n→∞で収斂する、と習ったものだ。

例えば、

   Lim n→∞Σ =1+r+r+r+-----------+r+-------------

では 、部分和Sは、 

     S=1+r+r+r+-----------+r

両辺に、rを掛けて、

    rS=   r+r+r+-----------+r+rn+1

両式の差を求めると

(1-r)S=1-rn+1

∴  S=(1-rn+1)/(1-r)

となり、これから、n→∞で、rn+1→0 となることから、極限値は、

   Lim n→∞=1/(1-r)となる。

 

ただ、これまでは、ダランベールの判定法という呼称は知らなかった。

 ダランベールの判定法は、等比級数だけでなく、例えば、Lim n→∞∑(n/n!)の様な級数でも、前後の項の比 rと、1との大小関係から、収斂、発散を判定できるようだ。

言うまでも無いが、収斂するか否かを判定する比 rの値と、収斂値は別である。

 

 

◇これらから類推し、ジャンケンの平均回数を算出する、等比級数の部分和の両辺に、等比1/3を掛けて、元の式との差分を取ってみた。すると、各項が1個づつ残る、綺麗な等比級数が得られたのである。この時は、何とも言えない、すっきりした嬉しさを味わった。

 

以下に、具体的に示す。 

n項迄の部分和をSとすると、

 S=1×2/3+2×2/3+3×2/3+-----------------+n×2/3

    =2/3(1+2/3+3/3+4/3+-----------------+n/3n-1

ここで、両辺に、3/2を掛けると、

3/2S =1+2/3+3/3+4/3+------+n/3n-1+(n+1)/3n  ①

 

①の両辺に、1/3を掛けると

1/2S= 1/3+2/3+3/3+---+(n-1)/3n-1+n/3n      

①、②式の差をとると、以下のように、各項が1個づつ残ることとなる。

即ち、Sは、

=1+1/3+1/3+1/3+-----------+1/3n-1 +1/3     ③

という、綺麗な等比級数となる。

 

③の両辺に、等比1/3を掛けて、二つの式の差とる、同様の方法でSを求めると

=(1-1/3)/(1-1/3)

  = 3/2(1-1/3

従って、n→∞では、比の値が1/3で、1以下であるため、1/3→0となり、

    Lim n→∞=Lim n→∞3/2(1-1/3)=3/2=1.5     

と、1.5に収斂する事が分る。  

 

 

 以上、興味に任せてかなり深みに嵌ってしまったが、何とか数値が求められたことで、自分なりには、すっきりした事ではある。

ジャンケンの話は、次稿以降も、暫く続きそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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指文字の文化  その4

2014年01月19日 18時35分06秒 | 日記

2014年1月19日(日)  指文字の文化  その4 

 

 色んな場で使われる指文字について、昨年後半、当ブログに下の3件の記事を投稿した。 

     指文字の文化  その1 (2013/11/14)

     指文字の文化  その2 (2013/11/17)

     指文字の文化  その3 (2013/12/10) 

 その1では、市場の競りでの「手やり」や、日常生活で使われる指文字について、その2では、フグの「袋競り」での袋内部の手の形等について、触れている。 

又、その3では、手話での数字の表現法、手を使った数字の2進デジタル表示等について述べている。

 本稿はこれらの続編だが、指文字の一種と言える手の形を使う拳遊びの中で、最も馴染みの深い「ジャンケン」を話題にしている。

 

 

○拳遊び

 手の形を使う遊びは、一般には、「拳遊び」と呼ばれるようだが、大きく、

   ・数拳

   ・三すくみ拳

に分けられるようだ。(じゃんけん - Wikipedia)(拳遊び - Wikipedia) 

・数拳は、詳細は未調査だが、古来、お座敷などでの遊びとして行われ、数当てゲームのような要素が強く、自分の手と相手の手の数の合計を、予め予想して当てるような遊びが多いと言う。全国各地に、多くの数拳の遊びがあるようだ。

 

・三すくみ拳とは、3種の手の形相互の間に、強みと弱みとのエンドレスな関係を持たせたものだ。手の形の数は3種で、ジャンケンが代表的なものである。

 手の数が、6種もある球磨拳(六すくみ)から簡略化されて3種になり、三すくみのジャンケンになった、とも言われる。(球磨拳 - Wikipedia

三すくみ拳は、勝負を決める手段として多く使われている。 

 以降は、ジャンケンについて、やや具体的に触れることとする。 

 

○ジャンケンのルール

 ジャンケンは、道具が全く不要で、3通りの手の形だけを使う所作(動作)だ。日常的に、子供から大人まで利用される、簡便で優れた方法だろう。

 ジャンケンは、勝ち負けを決めたり、順番を決めたり、グループ分けをするなど、実用される一方、遊びとして楽しまれることもある。

 

 日本のジャンケンでは、3通りの手の形として、以下の、グー、チョキ、パーが使われている。

             (ネット画像より)

 ジャンケンで使われている、この手の形を、数字として見ると、前稿の指文字の文化 その1 で述べたように、それぞれ、

     グー  :全閉  → 数字の 0、5

     チョキ :2本指 → 数字の 2、7

     パー  :全開  → 数字の 5 

を表しているのだが、ジャンケンは、これらの数字の意味とは無関係である。 

手の形が、最も、出しやすく、区別しやすく、分りやすい、3種にした、と言う事が重要だ。

 

 この3つの手の形相互の強弱・優劣関係は、

   グー  は、チョキに強く、パーに弱い

   チョキ は、パーに強く、 グーに弱い

   パー  は、グーに強く、 チョキに弱い

という関係になっている。

 

 ジャンケンの本質は、上記のように、3通りの手の形が、“それぞれに対して、強みと弱みを持っていて、公平で対等な力関係を作っている”、ということだ。

この様な、優越・劣勢の関係を、「三すくみ」と言っているのだが、分りやすい言葉で言えば、上には上がある、というエンドレスな関係になっている訳だ。

 このような関係があることで、対等で公平に勝負が決まる手段、と言う事が保障されている、素晴らしい方法だ。

 

 原理的には、このような「すくみ」の関係にある手の数としては、幾つでも考えられる訳だが、最も少ないものが3で、3という数の魔力でもあろうか。 

 通常、三すくみとは、3者が、“にっちもさっちも動きが取れない状態”、“デッドロック状態”、という意味だ。竦(すく)む とは、日頃は余り使わない言葉だが、辞書には、

   竦む:縮んで動かない、おそれ縮む

などと出ている。

 ジャンケンで、同時に3種の手が出れば、勝負が決まらずアイコ(相子)となる。この状態が、いわゆる、三すくみの状態で、ある頻度で出現することとなる。 三すくみの状態になると、このままでは、埒が明かないので、やり直しが必要となる。

又、全員同じ手が出た場合も、勝負が付かないので、アイコでやり直しとなる。

 

 冒頭に出ている、「三すくみ拳」という呼称について一言。 当初、ジャンケンが、三すくみの関係を使った拳と書かれてあるのを見た時は、“劣勢(すくみ)だけでなく、優勢(まさり)もあるのに、偏ったネーミングでは”、と思ったことだ。でも、

     ①三者それぞれが、それぞれに対して、優勢・劣勢の対等な関係を構成している

     ②三者が同時に出された時は、三すくみの状態になる

という、二通りの意味を持つ呼称である、と解することで、一応、納得している。 

 より的確な呼称案としては、3種の手相互が、優劣双方向で、同格、対等の関係にある事から、

    同格拳、三角拳、三角同格拳、三つ巴拳 

などはどうだろうか。

 

 

○石と鋏と紙

 日本のジャケンでは、グー、チョキ、パーの3種の手の形と、実在のもので形が似ている物、石、鋏、紙を対応させている。

 以下に示すように、これらの物相互間の生活体験上での強弱関係が、ジャンケンでの関係とほぼ合致していて、連想しやすくなっている。又、グー、チョキ、パーの語源は知らないが、発音の語感とも、かなり、合致しているのも面白い。

 言ってみれば、視覚と、エア聴覚(?)を組み合わせたネーミングと言えるようで、これらを考え出した先人の智恵は、素晴らしい。

 

グー :拳(こぶし)が石に似ている 石→紙には包みこまれるが、鋏には負けない  

    :拳をグーっと出す


チョキ:2本指の形が鋏に似ている  鋏→石では壊れるが、紙を切れる  

    :鋏でチョキチョキ切る

パー :手を開いた形が紙に似る   紙→鋏には切られるが、石は包み込んでしまう 

    :手をパーっと開く/紙でパーっと包む

     (じゃんけん - Wikipedia

 

 上記の、3種の手と物の組み合わせと、それら相互間の強弱・優劣関係を、矢印で図示すると、下のようになる。

      凡例:   矢印の先に対し強い    矢印の先に対し弱い 

図では、強い関係が、反時計廻りで、逆の、弱い関係が、時計廻りになっている。 

             

 図で言えば、日本のジャンケンの、グー、チョキ、パーは、強い関係を表した呼び方になっている。

 

 次稿では、実際のジャンケンや、国際的な広がり等について、触れることとしたい。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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くさやー4  天然の良いにおい

2014年01月15日 22時53分19秒 | 日記

2014年1月15日(水)  くさやー4  天然の良いにおい  

 

 このところ、当ブログに、くさや から始まって、においに関連する記事

     くさやー1 臭い珍味    (2013/11/30)

     くさやー2 においの感覚 (2013/12/18)

     くさやー3 五感と嗅覚   (2014/1/12)

を、シリーズ的に掲載して来た。

  新年でもあり、良いにおい(匂い)について、触れる事としたいが、良いにおいに関しては、天然・合成の各種香料をベースとして、香水や化粧品、食料品、生活用品の製造販売や、アロマセラピーの提供など、広大なビジネス分野がある訳だ。これらの良いにおいは多種多様で、文化的な背景や個人の嗜好も深く関わっている。 

今回は、その中での、天然に得られる良いにおいについての話題である。 

 

○以下は、あるサイトからの引用である。(香りの提案 » Archive » バラ) 

“もしバラの花に香りがなかったとしたら、私たちは長い歴史をバラとともに歩み、これほどバラの花を愛でることができたでしょうか。「香りのないバラは笑わぬ美人に同じ」とも言われるように、バラの花は姿かたちよりもその香りゆえに美や愛の象徴として、あるいは「花の女王」、そして「香りの女王」と呼ばれるようになったと思われます。バラの香りは近年の研究により、人の生理、心理に良い影響をもたらすことが分かってきました。”

  これを自分流に理解すれば、“バラは、視覚よりも、嗅覚に訴える面が強い”、と言う事で、やや偏った、我田引水にも聞こえるが、それだけ、バラのにおいの良さ讃えている、と解したい。 

 古代エジプトの伝説の美女、クレオパトラ女王は、バラの姿・形だけでなく、その香りもこよなく愛したと言われる。   

 

○良いにおいや香りは、元々は、天然にあるものだ。 天然の植物から香料成分として抽出したものを、「精油」(エッセンシャルオイル)と言うようだ。 

 ネットの下記サイトによれば、精油としては、現在、250~300種類があるようで、植物の種類や抽出部位により、精油は、以下の7つのグループに分けられるという。(精油 - Wikipedia

  ①ハーブ系(ハーブの花や葉から抽出)

     :クラリセージ、月桃、バジル、ペパーミント、マジョラム 等

  ②柑橘系(柑橘系の果物から抽出 等)

     :オレンジスイート、グレープフルーツ、ベルガモット、レモン、レモングラス

      レモンバーベナ 等

  ③フローラル系(主に花から抽出)

     :ジャスミン、ゼラニウム、ネロリ、ラベンダー、ローズオットー 等

  ④オリエンタル系(異国情緒が漂うエキゾチックな香り)

     :イランイラン、サンダルウッド、パチュリ、ベチパー 等

  ⑤樹脂系(天然樹脂系)

     :エレミ、フランキンセンス、ベンゾイン、ミルラ 等

  ⑥スパイス系(料理用スパイスである香辛料から抽出)

     :カルダモン、グローブ、シナモンリーフ、ジンジャー、ブラックペッパー 等

  ⑦樹木系(樹木の樹皮や枝、実などから抽出)

     :サイプレス、シダーウッド、ジュイパーベリー、ティトリー、パイン、プチグレイン、ユーカリ 等

 

 植物の名称が、カタカナの洋名の他に、漢字の日本名で呼ばれることもある。

      サンダルウッド 白檀(ビャクダン)・栴檀(センダン)

      ゲットウ      月桃(ゲットウ)

      グローブ     丁子(チョウジ)

      スターアニス  八角(ハッカク)

      シナモン      桂皮(ケイヒ)・肉桂(ニッキ)

 

 上記のサイトには、主な精油として、100種程が、リストアップされている。このリストの中には、上に例示された植物の他、身近なものでは、

      キンモクセイ、ローズマリー、ユズ、ミモザ、ゲッケイジュ、カモミール

なども挙げられている。

 又、日本に多い以下の樹木の精油も、英名/和名でリストに出ている。

      サイプレス   桧(ヒノキ)

      パイン     松(マツ)

      シダー     杉(スギ) 

 他に、リストには無いが、日頃よく接する香りとしては

      ユリ、ジンチョウゲ、ストック、ギンモクセイ

などもあるだろうか。 

 

○リストにある、ダマスクローズというバラの花から抽出した、甘い香りの精油は、「精油の女王」とも呼ばれるようだ。

   ダマスクローズ(ネット画像) 

 昨年6月、都内北区の旧古河庭園を、園芸仲間と訪れ、バラ園を観賞した。 各種バラの品種名の表示と共に、アルファベットの記号が書いてあり、何だろうと思ったものだ。

 今回、ネットの中のサイトで謎が解けたが、各アルファベットは、以下のように、7種の香りのタイプを表しているようだ。 ここのダマスクとは、勿論、ダマスクローズの香りのことである。(冒頭の香りの提案 » Archive » バラ より引用) 

 

 同じサイトに、国内市場で流通している芳香バラの香りタイプの割合が、下図のようにグラフ表示されているが、約80%と大部分が、T(Tea ティ)タイプとあり、驚いた。

    

 Tタイプについての説明では、

 “現代バラの多くが持っている香りで、ソフトで上品な紅茶の葉に似た香りがする。香りの強さは中程度だが、リラックス(鎮静)効果をもた らすティーローズエレメントを多く含み、香りによる効果は最も高い。”

とある。 

 香りのタイプの区分は、国際的なものと思われるが、このグラフには、日本人の嗜好が色濃く表れているのだろうか。 

 

 

○やや余談になるが、少し以前のことだが、某メーカー主催の海外見学ツアーで、フランスの或る香料会社の工場を見学させてもらった事がある。そこには、香水などの原料となる香料が、世界各国から集められていた。

 詳細は忘れてしまったが、工場内に掲げられている、各種香料を示した世界地図の中に、ある香料の生産国として、Japonもあったのである! その香料は、キンモクセイであった。

 キンモクセイは、晩秋の季節、開花すると、いい香りが辺り一面に広がる香木で、香料として異論は無かったのだが、日本の特産品のように扱われていたのが驚きだったのである。

    キンモクセイの花(ネット画像)

 因みに、キンモクセイは中国原産で、日本と比べて、彼の地では、どの程度、生育しているかは定かではないが、現地では、十里香(十里先まで香りが届く!という意)とも言われるようだ。 同様の意味で、ギンモクセイ、ジンチョウゲは、どちらも、七里香とも呼ばれるという。

 中国の里程では、一里=約500mと言われるが、いずれにしても、数km先まで香りが届く、と言うのは、如何にも中国らしい、大げさな表現だ。 

でも、良い香りが遠くまで届く事を強調しながら、十に対して、片や、七とやや少なくしているなど、感覚的には分りやすい、素晴らしいネーミングと言えよう。

 我が家の屋上庭園にも、だいぶ前から、ささやかだが、鉢植えのキンモクセイがある。

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