2023年1月31日(火) 唱歌「冬の夜」に寄せて
ここ暫くだが、文部省唱歌 「冬の夜」が頭を離れない。
何がきっかけだったかは思い出せないが、ふと思い浮かんだ歌で、メロディも覚えているのだ。筆者と同世代になる家内も、この歌をよく覚えていた!
♪ともしびいちいかく、きぬぬうははあは、はあるのあそびの、たのしさかたるー-♪
この曲は、ネットで調べたところ、明治45年(1912年)3月、「尋常小学唱歌」第3学年用に掲載され、発表されたようだ。当時の慣例で、作詞・作詞者は公表されず、現在も不明で、不詳となっている。
歌詞は以下だ。
・時代を映して、歌詞は全体が文語調で、以下の様に、旧仮名遣いもある。
衣縫ふ母は、日数かぞへて、縄なふ父は
・冒頭の燈火は、電灯のことで、まさか、ローソクではあるまい!
・2番の父親の手柄話にある、過ぎしいくさとは、日清・日露戦争の事だろうか?
子供への配慮から、一時、過ぎし昔の思い出かたる、に変えたようだが、オリジナルの歌詞に戻され、現在に至って
いるようだ。
・東北の雪国の田舎で育った筆者には、囲炉裏端で、手仕事をしながらの家族の団欒の風景が、鮮やかに思い浮かぶ。
・リフレインで繰り返される部分は、外の寒さと、家の中の暖かさが、対比されている。
・1番の歌詞にある、指折り数えて春を待つ光景は、雪国の子らの素直な気持ちだ。
・下図は、この歌に因んだ、ネットで見つけた風景だ。驚いたことに、この図は、歌の話でよく見ている、著名な二木絃
三氏の作品のようだ。(参照:冬の夜_ 二木紘三のうた物語.html)
・下図は、ネットで見つけた楽譜である。歌いやすい、素直な曲調だろうか。
(右サイトから引用:冬の夜(文部省唱歌)/うたごえサークルおけら.html)
ネットには、多くの歌手がカバーしたものが出ているが、森昌子が、1970年頃にうたった、澄んだ声の「冬の夜」も素晴らしい。
この「冬の夜」と同じ頃に、今もよく歌われている唱歌
「雪」 雪やこんこ、霰やこんこ、降っても降ってもー――――。
「冬景色」 さ霧消ゆる湊江の、舟に白し朝の霜――――。
が発表されているようだ。
上述の、二木絃三氏のサイトで、サイトの読者の、面白いコメントを見つけたので、以下に引用する。
この歌は、昔流行ったもので、しりとり形式になっている。筆者もよく覚えていのは、“ロシヤ、野蛮国、クロバトキン、金玉”の個所だ。ロシヤが面白い。