つれづれの記

日々の生活での印象

ラグビーワールドカップ  準決勝戦

2015年10月30日 23時00分19秒 | 日記

2015年10月30日(金) ラグビーワールドカップ 準決勝戦 

 

 ラグビーワールドカップイングランド大会も、大詰めを迎えていて、決勝戦と3位決定戦を残すだけとなっている。

今回のワールドカップに関して、これまで、当ブログの以下の記事で話題にしてきた。

    ラグビーワールドカップー日本の奇跡  (2015/10/9)

    ラグビー競技のルール           (2015/10/11)

    ラグビー日本代表の活躍         (2015/10/21)

  

 先日行われた準決勝戦について、日本時間(JST)の

    25日早朝  ニュージーランド――南アフリカ戦、

    26日早朝  オーストラリア―――アルゼンチン戦

が、TVでLIVE中継され、2日連続で、眠いのを我慢しながら、初めから終わりまで、観戦することとなった。

本記事は、シリーズの続編として、その時の印象等を纏めたものである。 

  

◎ニュージーランド――南アフリカ戦 10月24日 ロンドン(トゥイッケナム)

       20  18 

  の大接戦で、ニュージランドが制した。

                                  (図は、試合結果|ラグビーワールドカップ2015|日本テレビ より)

 ○ チーム概況 

◇ニュージーランドチーム(ラグビーニュージーランド代表 - Wikipedia、等)

・All Blacks と呼ばれ、黒装束にやや気味悪さがあるが、世界最強のチームで、勿論、ランキングは、NO.1である。どの国のチームにも勝ち越しているという。

以前日本と対戦した時があり、その時は、なんと

     145-17

と、最大差勝利試合の記録となっているようだ。

・左胸に付いている白銀色のエンブレムは、鳥の羽かと思ったら、固有種のシダの一種の「シルバー・ファーン」(ギンシダ)を、デザイン化したもののようで、ユニフォームの黒色と、いいコントラストをなしている。

・試合開始前に、恒例のパフォーマンスが披露された。原住民であるマオリ族の、「ハカ」という伝統舞踊といわれ、掛け声に合わせた、リズミカルで揃った動きは見事だった。

・本稿での略称 NZ(ew ealand)

 

◇南アフリカチーム(ラグビー南アフリカ共和国代表 - Wikipedia 等)

・予選プールBのリーグ戦で、日本と対戦し、歴史的に敗北した。が、その後立て直し、予選1位で決勝トーンナメントに進出し、準々決勝戦で、ウエールズを破っているのは、流石。 これまでの大会で2度優勝していて、ランキングNO.3のチームである。

・エンブレムは、自国に生息している、スプリングボックという、角の長いウシ科の動物をデザイン化したと言う。このため、チームの愛称は、スプリングボクス

・本稿での略称 南ア(南アフリカ)

 

*ニュージーランドは、南アフリカとは、過去に90回対戦して、52勝35敗3分の成績で、勝率が最も低い、手ごわい相手という。

世界最強と言われるニュージーランドの試合ぶりをじっくり見るとともに、日本と戦った南アフリカがどの様なプレーを見せるかも、興味深いところ。フィジカルの南アフリカ、技術のニュージーランドとも言われた。日本が関係しない試合を、じっくり見たのは、初めてかもしれない。

 

○試合経過 (NZがライバルとの死闘制し連覇に王手! 南アは堅守で奮闘するも2点差敗退 (ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン))  等を参照)

前半                                          NZ 南ア 

開始早々、南アがPGを決める。                           0-3

すぐ後に、山なりのパスを片手で受けた、NZのカノイが、右隅にトライし、

ゴールも決まる。                                    7-3

その後、NZに、2回の反則があり、南アが確実にゴールを決め、逆転した。 7-9

さらに、前半終了間際に、南アがPGを決めて、点差を、引き離した。      7-12

南アのプレッシャーと堅守がNZを苦しめて反則を呼び、NZがイエローカ

ードで、シンビン退場する場面もあった。

 

後半

後半間もなく、一人少ない中で、NZのカーターが、珍しいドロップゴール

(DG)を決めて、点差を、2点差とした効果は大きかったようだ。試合の流

れの中で、DGを見たのは初めてである。                       10-12    

そして、連続攻撃から左に大きく展開し、トライを決め、タッチライン付近

からのPGも成功して逆転                               17-12

その後は、南アにもシンビン退場が出るなど、熱戦が続く。

南アが、PGを決める。                                 17―15

NZも南アの反則でPG。                                20-15

後半の中盤頃、審判の判定が変更されたハプニングは、大きかった。詳細

は良く分らなかったのだが、密集の中で、最初は、NZの反則で南アのPGの

判定。が、ビデオで、南アの反則が判明し、NZボールの判定に変更となった。

そして、68分、南アがモールからPGを得て、2点差まで迫った。       20-18

 

その後、雨の中での熾烈な戦いが続いたが、得点に繋がらず、ノーサイド

となった。

 

NZは、2トライ+2G、1PG、1DG、南アは、NOトライで、6PGである。 

 

○この試合を見た印象:

・ボールを左右に大きく展開したり、巧みなステップで相手を交わし、相手ゴールに向かうケースは意外に少なく、ボールを受けると、頭を下げて、正面から突っ込んで行く攻撃が多い。パスを回すと、一旦下がってしまう事のマイナスがあろうか。

・タックルで倒された場合、集団の団子が大きくならず、素早くボールが出て来るのは、レベルの高さだろうか。

・ラインアウト時の、ボールの奪い合いが激しい。

 ラインアウトでは、通常は、ボールを入れる側が、サインプレーが出来るので有利なのだが、本対戦では、相手側に奪われるケースも多かった。 かといって、ノットストレート

の反則はなかった。

・GやPGのキックでは、弾道が低く、ライナー性のボールが、正確に飛んでいく。

日本戦では、FB五郎丸の、素晴らしいキックを何度も見たが、世界は広いと感じた。南アの6回のPGは、全て成功している。

 

 ◎オーストラリア――アルゼンチン戦  10月25日 ロンドン(トゥイッケナム)

      29  15 

で、オーストラリアが強さを示した。

 

○チーム概況 

◇オーストラリアチーム(ラグビーオーストラリア代表 - Wikipedia、)

・ランキングNO.2の強豪である。

・エンブレムはワラビー(アッカワラビー)⇒チーム愛称 ワラビーズ

  ワラビーは大陸固有種の有袋類。 大型のねずみ風で、表情が可愛いいようだ。

一見、カンガルーと思ったのだが、良く調べたら、ワラビーだった。

・準々決勝では、僅か一点差でスコットランドを破ったが、後日、誤審があった事が判明した、曰くつきの試合。でも、結果は変わらず。(前稿 ラグビー日本代表の活躍 (2015/10/21)で、触れている)

・本稿での略称 AUS (AUStralia)

 

◇アルゼンチンチーム(ラグビーアルゼンチン代表 - Wikipedia より)

・近年、ワールドカップで台頭し、ランキングはNO.4である。南半球強豪4チームで構成する、ザ・ラグビー・チャンピオンシップで、昨年優勝。サッカーも強い。

・準々決勝ではアイルランドを破った。  

・アルゼンチンのオーストラリアとの対戦成績:5勝18敗1分で、大幅負け越し

・エンブレムはプーマ。ネコ科の動物 ⇒チーム愛称 ロス・プーマス

・本稿での略称 ARG (ARGentine)

 

○試合経過 (ラグビーワールドカップ2015 イングランド - アルゼンチンvsオーストラリア - LEGENDSRUGBY 等を参照)

前半                                 

2分 ARGのパスをAUSのシモンズがインターセプトし、可なりの              AUS ARG 

距離を走り切ってトライ。Gも決める。大会最短の58秒トライとか。             7-0                                      7分 ARGがPGを得る                                       7-3

次にAUSクパーの綺麗な右トライ   Gも決める                            14-3

AUSの反則でARGがPKを得る                                      14-6

ARGにシンビン退場者が出て、AUSのチャンス AUSクーパーが

左隅にトライ Gは失敗                                            19-6

その後、ARGがPGで加点                                         19-9  

 

後半

AUSのスクラム反則で、ARGがPG獲得                               19-12

AUSがPGを決める                                            22-12

ARGがPGで加点                                             22-15

後半30分過ぎ、AUSミッチェルが、敵陣左から間を縫って前右へ大きく

走り、右へパス。転がったボールを、クーパーが拾い、右隅に決定的トライ

クーパーのハットトリック Gも決める。                                 29-15

 14点差(2トライ2G)のまま、ノーサイドとなった。

 

 AUSの4トライ(クーパーがハットトリックの3トライ)と3G、1PGは、流石だが、自陣で攻められながらも、ARGにトライを許さなかった、AUSのディフェンスが光る。ARGは、ギリギリまで攻め込むが、トライを奪えず、5PGだけに終わった。  

開始早々のシモンズの独走後のトライと、4トライ目に繋がった、ミッチェルの走りは見応えがあった。

また、どの試合でもそうだが、出血等での、負傷交代もあり、競技の激しさが窺える。

又、外からは良く分らないのだが、スクラムでの反則(コラプシング)などが多かっただろうか。

 

◎先先稿でも触れたが、ラグビーのルールが難解なのには、定評がある。

・審判が、アドバンテージを認めた場合、次の状況変化があると、元の位置に戻って再開されることがあるが、このあたりが、良く分らない。

・ラックやモールやスクラムでは、後方に出されたボールを、通常は、味方のSO等が、周囲を見回して、慌てることなく拾って、パスに出す。相手チームがこれを拾うと反則になる。相手との揉み合いで、ボールを奪っていい場合もあるのだろうか。

・ノッコンは良くある反則だが、ほんの僅か、前にこぼしただけでも、審判は、目ざとく反則を宣告する。

・ボールの所有が反転することが、ターンオーバーだ。AUS-ARG戦での、開始早々のパスのインターセプト等は、良く見えて分り易いのだが、ターンオーバーには、他に、どの様な原因があるのだろうか。集団の中で、ターンオーバーとなることもある。

  

◎2015ラグビーワールドカップイングランド大会も大詰めである。

 準決勝に残った4チームは、南半球の、ザ・ラグビー・チャンピオンシップのメンバーでもある。 これまでの、7回のワールドカップで、NZ、AUS、南アは、それぞれ、2回づつ優勝しており(1回はイングランド)、3回目は何処になるのだろうか。又、NZには、大会史上初の、2連覇も掛かっているようだ。 

  JST31日の

      3位決定戦  南ア―――ARG

と、同1日の

      決勝戦      NZ―――AUS

は、果たして、どの様なハイレベルの試合になるのだろうか、楽しみである。

 本大会のこれまでの状況から、2019の日本大会に向けての、国内各方面での今後の盛り上がりを、期待したいものだ。

 

 

 

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日本の安全保障  4

2015年10月28日 18時20分55秒 | 日記

2015年10月28日(水)  日本の安全保障  4 

 

 

 我が国の安全保障を巡っては、これまで、当ブログの記事

     日本の安全保障 1 (2015/9/14)

で、安保法案の、現憲法9条との関連や、国連憲章との関連等を見て、

     日本の安全保障 2 (2015/9/16)

では、これらと密接に関連するテーマである、法案群に対する司法判断について触れてきた。

そして、先日、

     日本の安全保障 3 (2015/10/24)

で、憲法違反状態を解消し、本来のあるべき姿にするための、憲法改正問題を取り上げた。

 

 今後、シリーズの締めくくりに向けて、本題である、

     ・平和主義と安全保障・国防のあり方、

     ・今後の日本の、憲法の姿と進むべき方向、

等について、筆者なりに考察してみる予定である。

 

 本稿では、先ず、平和主義と安全保障・国防のあり方、について取り上げたい。

 

 

○平和主義の理念

 現行憲法では、3本柱の理念の一つとして、「平和主義」が謳われており、前稿その3で触れた、自民党の改正憲法案でも、同様だ。現政府は、総理の戦後70年談話などで、事あるごとに、口酸っぱく、「積極的平和主義」を強調している。

 

 「平和主義(へいわしゅぎ、Pacifism)とは、戦争武力行使暴力に反対し、個人や組織や国家の紛争の解決を求める手段として、例外を認めない絶対的な非暴力・非軍事力により平和の追求や実現維持を求める思想のことである」、とある。下線は筆者。(平和主義 - Wikipedia より)

平和主義の、英語の Pacifism は、あまり聞き慣れない用語だが、言う迄もなく、

    平和   peace

    平和な  pacific 

から来ている。

 ノルウエーの平和学者 ヨハン・ガルトゥング博士が、提唱しているのが、積極的平和主義だ。 平和学において、単に戦争のない状態が平和と考える「消極的平和」に対して、貧困抑圧差別などの構造的暴力がない状態を平和と考えるものが「積極的平和」と定義されている。(積極的平和主義 - Wikipedia より)

 英語表現では、

    消極的平和   negative(?) peace

    積極的平和    positive peace 

    積極的平和主義 proactive contribution to peace

となっている。(積極的平和主義とは - 新語時事用語辞典 Weblio辞書

 日本政府の主張は、ガルトゥング氏の考えを引用したもののようだ。氏は、今夏、来日し、講演している。(積極的平和主義の提唱者、来日へ 「9条守ると主張を」:朝日新聞デジタル

         

         平和の国際シンボルとハト(ネット画像 より)

 

○平和主義の中身

 平和主義、積極的平和主義の中身は何だろうか。言葉で言うのは容易でも、行動で示すことが肝心だろう。

以下に、個人レベル、国レベルでの平和主義について、筆者なりに、ひとしきり考察してみた。

 

◇個人レベルの相互関係と平和主義

・個人的なレベルでは、個性や多様性を認め合いつつ、仲良していくのが、平和主義だろう。 

でも、どうしても、周囲とのイザコザは起こるものだ。これは、個々人が、異なる個性を持ち、能力も異なり、社会環境等も異なるのだから、当然のことである。

異なるものが共存するために、意見の違いを認め合いつつ、堂々と論議(debate)する一方で、融和、寛容、許容の精神・度量等が求められる。

 

・揉め事が起きた場合、平和的な話し合いで決着が着くのが望ましいが、そうでなく、口の暴力を含めた、実力行使となることもある。 いじめやハラスメントなど、暴力かどうかが、微妙なケースも多い。

喧嘩両成敗とは言うが、先に手を出した方が悪いとされる。この場合、先に手を出したのは相手で、相手が悪く、自分は、正当に自己防衛したと強調されるのが常だ。中には、相手から攻撃されたように見せかける、手の込んだ悪智恵もよくあることだ。

 

・理由や根拠のない相手からの攻撃に対しては、自己を守り、必要とあれば反撃することは、当然の権利と言えるだろうか。平和主義の定義では、絶対的な非暴力とあるが、やられっぱなしでいいのだろうか。反撃権、報復権、敵討ち、とも言えようが、これは、基本的人権にも匹敵するような、権利だろうか。 

この場合の反撃の暴力は、平和主義とは矛盾しない概念とも言われる。売られた喧嘩は、泣き寝入りせず、買わねばならないということだろうが、力関係で、そうは出来ないケースも多い。

 聖書には、目には目を、歯には歯を、とあるが、一方で、右の頬を殴られたら、左の頬を差し出せ、という言葉もあり、仕返しするのか、しないのか、単純ではない。

 

・日常生活では、家や持ち物に鍵を掛けるのは、100%自らを護るためだろうか。(盗人に、出来心を起こさせないためもある?)。が、護身用と言って、刃物やピストルを持つのはどうだろうか。護る側が過剰防衛となり、殺傷に及ぶ悲劇も絶えない。一旦武器を持つことの危うさだろうか。

 最近の身近な事件では、監視カメラが、事件解決に大いに役立っているが、このシステムには、犯人検挙だけでなく、言わば、社会的な護身具として、犯罪を思い止まらせ、抑止する効果もあるだろうか。

  

◇国レベルの相互関係と平和主義

・現在の、複雑多様な国際的な環境の中で、平和主義、積極的平和主義を掲げて行動するとは、どの様に行動することだろうか。

大きな国等のレベルで考えると、個人のレベルに比べて、相互関係は、もっともっと、複雑になる。

 民族、言語、宗教、文化、経済力などが、ホモジニアスな(均一な)集団や国は珍しく、ヘテロジニアスな(混在した)場合が殆どだ。地域的に集団が分散している場合は、一層複雑となる。

このような状況では、どうしても、集団や国同士の争いが、絶えないこととなる。

 

・兵や軍隊は、元々は、周囲を攻め、やっつけて、我が勢力を広げるための手段だろうか。 力の強いものが支配するというのが、歴史の示す現実で、勝てば官軍なのである。

 現行憲法9条にある、交戦権だが、攻撃する/反撃することと、どう関係するのかが、いまいち良く分らず、何故、権利なのかは、更に、不明である。

  この戦力や軍事力の強大さそのものが、相手や周囲に恐怖感を与え、抑止力となり、威圧する事もあろう。相手の戦意を喪失させ、相手からの攻撃を抑制させる効果だ。安保法案の国会審議では、日米同盟等が、この点で大いに強調されている。

これらの力を背景に、軍隊が出動する前に、あれこれ交渉を重ね、経済制裁等で揺さぶりを掛けることも多い。

 

・一方で、兵や軍隊や城壁等は、敵からの攻撃に備え、己を護るためという側面もあり、専守防衛とも言われる姿勢である。こちらからは決して攻撃しないと言う事だ。

このスタンスの方が、軍備を持つことの正当性を主張できそうだ。永世中立の国スイスでも、自国の防衛のためとして、立派な軍備を維持しているのは、このためと言われる。でも、決して攻撃しないことを、どの様に担保するのかは、簡単な事ではないだろう。

 国同士の力関係がバランスしている状態では、隙があらばと、常に相手の力を測っている、とも言われる。

 

・平和主義は、インドの、ガンジーが唱えた、一切の暴力を否定する、「非暴力不服従主義」も包含するだろうか。

国レベルで見た場合、警察力以外に、一切の軍隊を持たないという、丸腰の平和主義はあるのだろうか。

 でも、丸腰の平和主義は、いったん攻め込まれたら、一溜まりもなく、理想ではあっても、現実世界では、絵に画いた餅ではないだろうか。周囲の集団や国家は、善人ばかりではないのだ。

個人レベルと同様、戸締りをし、鍵をかけることは、最低限、必要だろう。これを具体化すると、国の安全保障のため、相応の武力や軍備をもつこととなるだろうか。 

 

・平和主義と安全保障・国防との関係で、軍備は、一見、平和主義と矛盾しているようにみえるのだが、現実問題としては、許容されるべき事項だろう。

これらから、平和主義と軍備についての筆者なりの結論は、

 “平和主義の旗は掲げても、丸腰の平和主義は有りえないし、リスクを伴わない安全保障もないことから、相応の軍備を保持し て国を守り、国際的に自制された行動をする。”

である。 

 哲学者や宗教家風のいい方を許して貰えば、突き詰めれば、人間の性(さが)をどう認識するかということで、周囲の個人や集団・国家を、性善説か性悪説のどちらで見るか(勿論、中間も)、という、永遠の葛藤という課題になるのだろうか。個人レベルでの課題が、集団や国レベルに、色濃く投影されることとなる。           

  

○平和主義と各国の憲法

 日本を含め、憲法等で、平和主義を掲げる国は多いようだが、詳細は省略したい。言葉で言うのは容易でも、行動で示すことが肝心だろう、という、陰の声も聞こえて来る。

【憲法9条】平和主義憲法を持つのは日本だけなの? - NAVER まとめ

 憲法・比較憲法学を専門とする西修氏によると、現行の憲法典182のうち、なんらかの平和主義条項を持っている憲法典は、ナント150カ国! これは全体の82%超!
 なかには、核兵器や生物兵器、化学兵器を持たないことを明記したり、外国の軍事基地を設けないことなど、日本よりももっと徹底した平和主義条項を持つ国があるとのこと。

【結論1】平和主義憲法を持つのは日本だけじゃない!

【結論2】憲法に平和主義条項を盛り込む事は世界の常識! 8割以上の国が平和条項をもっている!

なんらかの平和主義条項があるのは150カ国(全体の82%)

 

 今も続くウクライナ問題だが、ロシアの、武力を背景としたクリミヤ半島の領有、ウクライナ東部での勢力間の武力衝突、ウクライナ上空での民間航空機の撃墜事件など、どちらに正当性があるのかも曖昧模糊としている。

国レベルの紛争では、国連は殆ど無力で、当時国の軍事力がものを言う、という生きた見本を見ているようでもある。

 

 又、中国の、南沙諸島での軍事飛行場の建設や、国土の領有権がからむ北方4島や竹島問題や尖閣問題等も、力の外交の具体例の同類と言えるだろうか。領土に関する問題は、最も根っこにある紛争の一といえる。

 これら、ロシアや、中国や、韓国では、憲法上では、上述の平和条項は含まれているのだろうが、安全保障に関して、どの様に規定されているかは、未調査だ。

しかし、憲法上の明文通りに行動しているのだろうか、と、訝られるところではある。

 

 

 次稿では、シリーズの最後として、今後の日本の、憲法の姿と進むべき方向等について取り上げたい。

 

 

 

 

 

 

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日本の安全保障   3

2015年10月24日 15時46分55秒 | 日記

 2015年10月24日(土)  日本の安全保障  3  

 

 安保法案を巡っては、憲法違反ではないか、戦争に繋がるのではないか、という国民の批判や不安が強い中で、先月9月19日早朝に及んだ参院本会議で、可決・成立となり、早いもので、以降、1ヶ月以上が経過した。 

 国の安全保障を巡っては、これまで、当ブログの記事

     日本の安全保障  1(2015/9/14)

で、安保法案の現憲法9条との関連や、国連憲章との関連等を見て、

     日本の安全保障  2(2015/9/16)

では、これらと密接に関連するテーマである、法案群に対する司法判断について触れてきた。

 その後、国連総会に出席した安部総理は、演説で、国内での安保体制の整備を基に、積極的平和主義を一層重視していく、と強調している。

 

 本稿では、憲法違反状態を解消し、本来のあるべき姿にするための、憲法改正問題を取り上げたい。 

 

○憲法改正の世論調査

 今年の5月3日は、日本国憲法が施行されてから、今年で68回目の憲法記念日に当たるが、改憲に関して、マスメディア各社が行った調査結果をまとめたものが、ネットのHuffington Postで見つかったので、以下に引用させて頂く。(憲法改正の世論調査、賛成と反対が拮抗 集団的自衛権が影響?

◇調査概況

“日本国憲法の改正の是非を問う全国世論調査の結果を、マスコミ各社が伝えている。

5月2日までに報じられた結果は、以下の通り。

      

 朝日とNHKでは、2014年から反対が増加して賛成とほぼ拮抗する傾向になっている。安倍政権の発足と集団的自衛権の憲法解釈変更や安保法制の論議などに世論が敏感に反応し、戦争放棄を定めた9条などの改正に慎重になっていることがうかがえる。

朝日新聞社の2015年3月の世論調査(郵送)では、「変える必要はない」が48%で、「変える必要がある」43%を上回った。2014年に「変える必要がある」が大きく減少して「必要はない」を下回り、2015年もほぼ同様の傾向となった。

NHKは4月17日から19日まで、RDDによる電話世論調査を実施。憲法を「改正する必要があると思う」28%、「改正する必要はないと思う25%、「どちらともいえない」43%だった。2013年までは「改正する必要がある」が「必要はない」を大きく上回っていたが、2014年からほぼ同数になったという。

産経新聞とFNNが4月25、26の両日に実施した調査では、賛成40.8%に対し反対が47.8%。

共同通信社が4月29、30日の両日に電話世論調査を実施した。東京新聞によると、憲法改正に「賛成」は46.7%、反対は42.3%だった。” 

 

 ◇安全保障関連

 世論調査では、以下の様に、憲法の対象範囲によって、賛否の状況が異なると言う。

“憲法全体の「改正」と9条の「改正」については、はっきり賛否の割合が変わります。 憲法全体を「改正」しますかという質問だと、「改正する必要があると思う」28%、「改正する必要はないと思う」25%で改正が多数だった、上のNHK世論調査でも、憲法9条を改正する必要があると思いますかという質問に対しては、「改正する必要があると思う」が22%、「改正する必要はないと思う」が38%、「どちらともいえない」が34%で、改正反対が賛成の1・7倍くらいになります。”

 これは極めて重要なことで、憲法9条を巡る扱いが、憲法改正のポイントであることを示しており、今回の安保法案問題の核心でもある。

 “こういう憲法「改正」の世論調査で食わせ物なのは、

      「環境権の新設など」

  とか質問に入れていたりするんですよ。―――” 

ということで、賛成に誘導する、世論操作もあるようだ。

 

○各国での憲法改正

◇概況

 国家の基本となる憲法でも、時が経つにつれて、時代に合わなくなって来るのは当然のことで、それに応じて、憲法を変えることは、どの国でも行っていることだ。 

身近な例では、今年、アイルランドで、同姓婚の是非に関し国民投票を実施し、その結果から、憲法改正を行った様子を、当ブログの下記記事で取り上げている。

      選挙と住民投票  (2015/6/2)

 

 後述する自民党のサイトには、下図が出ており、憲法改正を一度も行っていないのは、日本だけだとして、改正の必要性の論拠にしたい意図のようだ。      

       

◇ドイツの場合  

 前述のように、何と59回と、飛び抜けて改憲回数が多いドイツだが、日本同様敗戦国であり、ナチの元凶であり、東西統一も実現したドイツでは、戦後処理が大変だったからだろうかと推測されるところだ。 

この辺の様子について、日本の国会議員団が、以前、2001年に現地を訪問し、調査した報告書があり、その事が、Huffington Post紙に出ていて、内容の一部が、このネットに引用されている。 

詳細は省略するが、ドイツの憲法にあたる、ドイツ基本法は、前文と11章146条からなっているようだ。

記事の一部を、以下に引用させて貰う。(憲法改正、ドイツ58回なのに日本は0回 これっておかしい?【争点:憲法改正】

 

“第二次世界大戦でのナチス・ドイツによる侵略戦争の反省から、第1条で「人間の尊厳の不可侵」を、第20条で「ドイツは国民に主権がある民主国家である」ことを掲げている。この二つの条文についての法改正は一切認めていないが、それ以外の基本法については58回改正されている。”

 これに拠れば、ドイツの憲法は、一切改正しないとしている、二つの根幹条項と、それ以外の一般条項からなっていて、58回も改正されたのは、後者で、技術的な事項が多いということのようだ。

 

 今般の大戦で、ドイツは、自ら犯した、人間の尊厳に対する罪(ユダヤ人虐殺、ホロコースト)の大反省から、人間の尊厳の不可侵を謳っている。でも、周辺国への侵略も行ったが、戦争や戦力については否定しなかった。

対して、日本は、朝鮮半島や中国等への侵略を行った反省から、戦争の放棄を謳っていると言える。

 日独両国で、戦争や戦力についての扱いが異なった理由や経緯については、専門家に任せる領域だろうか。

 言う迄もなく当然のことだが、改正回数ではなく、肝心なのは、改正内容ということだ。

 

 

○改憲手続き

 日本国憲法96条には、以下のような、改憲の手続きの規定がある。

第9章 改正

〔憲法改正の発議、国民投票及び公布〕

第96条この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

 このように、改正する憲法案の発議は、両院それぞれ、2/3以上の賛成を得て、国会が行うと規定されているが、多数決で無く、2/3以上の賛成が必要とあるので、可なりハードルは高い。

 一方、改憲案について、国民投票等で、過半数が賛成すれば、改憲が行われる訳だが、この改憲のための「国民投票法」が、5年前に施行され、昨年の法改正で、投票年齢が18歳以上に引き下げられる等、憲法改正の環境は整っていると言える。

これまでは、憲法改正の労を厭い、それを避けて、憲法解釈という迷路に入りながら、安保法案を、数の力で無理やり成立させるという、姑息な方法を取ってきている。

 来年の参院選の結果で、両院で2/3以上の発議が可能になれば、自主憲法制定という、自民党にすれば、結党以来の悲願達成のチャンス到来となるのだろうか。

  

○改正草案

 自民党の改正憲法草案が、2013年に公表され、ネットに出ている。(「憲法改正草案」を発表 | コラム | 自民党の活動 | 自由民主党 より)

これによれば、改正憲法の三大原理として、主権在民、平和主義、基本的人権の尊重、を掲げていて、基本は現憲法と同じである。

 そして、現憲法の9条の安全保障関連だが、自民党の改正案では、下記のように、同じ9条で、戦争を放棄する平和主義を掲げる中で、自衛権や国防軍を明記し、交戦権の否認を削除している点が、最大のポイントである。

 

第二章 安全保障
(平和主義)
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動としての戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。

 

(国防軍)
第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。

 

 改正憲法案では、国連憲章で保障されている、国と国民を守るための自衛権を明記し、このために、日本も、“晴れて”国防軍と呼ぶ軍隊を持つこととしている訳だ。 

  自民党以外の、民主党 公明党 共産党 社会党 維新の党、--------の各政党は、安全保障や軍隊や、憲法改正について、どの様な見解なのだろうか、知りたいところだ。

単なる反対のための反対では答えにはならないが、調査不十分のため、省略する。

  

 いよいよ、次稿以降で、本題である平和主義と国防のあり方、今後の、憲法の姿と日本の進むべき方向、等について、筆者なりに考察してみたい。

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ラグビー日本代表の活躍

2015年10月21日 23時14分27秒 | 日記

2015年10月21日(水)  ラグビー日本代表の活躍

  

  イギリス(イングランド)で、この9月18日~10月31日の日程で行われている、第8回ラグビーワールドカップ大会だが、予選リーグが全て終了し、先週の週末から、決勝トーナメントが始まっている。

残念ながら、日本チームは、決勝トーナメントには進めなかったが、12日朝方中継された、予選最後の、日本―アメリカ戦に勝利し、有終の美を飾った。 

  先日は、日本チームが、凱旋帰国し、主力選手がTV出演する等、マスコミは、その後、この話題で賑わったところで、今日は、安部総理を、リーチ主将、五郎丸、堀江両選手の3人で訪れて、結果を報告したようだ。

 

  今ラグビー大会関連では、以下のブログ記事を投稿しているが、

          ラグビーワールドカップー日本の奇跡  (2015/10/9)

          ラグビー競技のルール             (2015/10/11)

本稿はその続編で、日本―アメリカ戦の試合経過と、日本チームの活躍を振り返ることとしたい。

 

 

◎日本―アメリカ戦の試合経過  10月11日  (グロスター)    TV観戦 12日朝3時~終了後朝6時頃

 

           日本 28                   アメリカ 18

   ワールドカップでのアメリカとのこれまでの対戦成績は、0勝―2敗のようだ。

以下は、1次リーグ - ラグビーW杯イングランド大会 : 日刊スポーツ 等を参照。

 

○前半

  開始間もなく、日本が反則を犯し、アメリカがPGを決める。

     0-3

そのすぐ後、日本は、相手陣内で、流れるような動きで、左に展開し、松島が余裕のトライ。続くコンバーションも決めた。

     7-3

暫く攻防が続き、日本が危ない場面もあったが、相手反則で救われている。

そして、アメリカが、スピードのあるパスを重ねながら、終にトライを決め、コンバーションは失敗したが逆転。

     7-8

早い展開で敵陣に切りこんだ日本は、最後は得意のモールで押し込み、唯一大学生の若い藤田が、ワールドカップ初トライ。コンバーションも決まって、

    14-8

となり、再び先行し良いムードになる。藤田の初出場、初トライは、日本の今後にとって、明るい材料だ。  

 終わり近くになって、オフサイドのPKを得、五郎丸のショットが成功し、

    17-8

となる。この後も、攻防は続いたが、40分を過ぎた所で、アメリカの反則で得たPKで、五郎丸がタッチライン外にボールを蹴りだし、前半終了となる。

 

 日本チームは、セットプレーは安定しているものの、反則がやや多かったが、アメリカに力負けせず、機動力を生かして、2トライを奪う等、素晴らしい活躍だったと言えよう。

 

○後半

  後半間もなく、日本はPKで追加点。

    20-8

攻防が続く中で、日本の反則で、アメリカがPKを決めて迫ってくる。

    20-11

後半に入って、日米とも、選手の交代が続く。

  後半半ばで、アメリカに、シンビンの退場者がでて、この機会にと攻めた日本が、交代したマフィがすんなりと、トライ。コンバーションは外すが、得点差を広げる。

      25-11

スクラムでの、ボールの入れ、出し役の、SHの田中が、日和佐に交代。

 

  アメリカが、ターンオーバーで日本陣内に入ったところで、ゴールライン近辺での攻防が続き、右からトライを決められ、キックも決まって

     25-18

と、1トライ、1ゴール差に肉薄された。

  後半終了3分前になって、アメリカの反則で得たPKを、可なりの難しい角度と距離だったが、五郎丸がしっかり決めたのは大きかった。これで、

   28-18

となり、仮にトライがあっても、追いつけない得点差になったのだ。

  日本が、ボールをタッチに出してノーサイドとなる。

この試合の日本は、早くて低いタックル、倒れてもすぐ立ち上がるディフェンス等が光り、最後までモチベーションは落ちなかった。

 

  日本チームのワールドカップでの得点の記録を見ると、これまでは、2003年大会での、79得点が最高だったようだが、今大会で、90得点と記録を更新したようだ。  又、キックで活躍した五郎丸選手 だが、予選プールで、13PGを成功させ、単独で最多となったようだ。

  アメリカ戦では、3トライを成功させたが、4トライのボーナスの獲得は、やはり、無理だっただろうか。 ボーナスを得ても、スコットランドには追い付かなかったのだがーー。

 

 

◎ 予選プールBリーグの最終結果

  

        (プールB 日程・結果・順位 - ラグビーワールドカップ2015:朝日新聞デジタル

 

  日本に負けた南アだが、その後、スコットランドとサモアに勝ち、3勝1敗で、BP3点を得、日本に勝ったスコットランドは、米国に勝ち、南アに敗れて、3勝1敗だが、BP2点を獲得している。同様に、3勝1敗の日本だが、BPが無いことから、3位である。

3勝1敗で予選を通過できなかったのは、RWCで、今回の日本が初めてといい、「最強の敗者」という賛辞も貰ったようだ。 

 

 

◎ 決勝トーナメントの組み合わせ

  予選プールA~Dの上位2チームづつが、決勝トーナメントに進んで、下図の組み合わせとなった。イギリス連邦関連は強かったようだが、唯一、イングランドは、決勝へ進めず、お膝元の開催国としては、残念無念至極だろう。 

  

                                                         (決勝トーナメント - ラグビーW杯イングランド大会 : 日刊スポーツ) 

   決勝トーナメントには、日本がいないので、どの程度、報道されるかは不明だが、ラグビー競技自体を楽しむために、機会があればTV観戦したいところだ。

 

  先日、準々決勝の一つをテレビ観戦したが、上図にあるように、

     35ー34   

 の大接戦だった。(図は、試合結果|ラグビーワールドカップ2015|日本テレビ より)
 

 強豪同士のレベルの高い試合を、素晴らしい技を見せて貰い、ルールも覚えるといった観点から楽しんだ。 

リードし、リードされる接戦が繰り広げられ、

     オーストラリア32ー34スコットランド

と、スコットランドリードの場面の終了2分前ごろだ。 スコットランド陣内での競り合いで、審判が、スコットランドに、オフサイドの反則があったとして、オーストラリアがPKを得て、ゴールを決めたのである。この結果、

     オーストラリア35ー34スコットランド

と逆転、そのまま試合が終わり、オーストラリア・カンガルーチームが、スコットランド・アザミチームに、辛勝したのである。

 

 所が、ゲーム後に、PKが与えられた反則のビデオを見た、観客やスコットランドチームの関係者は、オーストラリアに、ノッコンがあったとして、治まらなかったようだ。 

そして、昨日になって、IRBが、誤審だったことを認め、公表したようだ。ビデオを調べると、やはり、オーストラリアにノッコンがあったようだ。これなら、逆に、スコットランドボールのスクラムとなり、そのまま、試合が終わった可能性が高く、スコットランドの勝利となっただろう。 でも、過去に誤審があっても、審判の判定は変わらず、勝敗も変わらない。

ラグビーの場合も、トライの有無と、危険なプレーに限り、ビデオ判定が取り入れられていて、テレビ中継でも観たが、その必要性は、あくまでも、審判が判断するようだ。

 どの競技でも、審判の誤審はつきもので、特に、ラグビーでは、団子になった時の判定は、見えにくく、審判の位置も関係して、難しいところだ。 今回の事案の経験から、一般的なクレーム処理まで拡大した、ビデオを活用した判定を、今後、工夫する必要があるだろうか。

  この結果、準決勝は、上図のように、南半球4チームの争いとなり、今週末に行われる。

 

 

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ラグビー競技のルール

2015年10月11日 23時09分15秒 | 日記

2015年10月11日(日)  ラグビー競技のルール

 

 

  現在、イギリスで行われている、第8回ラグビーワールドカップ大会も、予選プールリーグから、決勝トーナメントへと進みつつある。

当ブログにも、下記記事

      ラグビーワールドワールドカップー日本の奇跡 (2015/10/9)

を投稿したところだ。

  そして、昨夜、プールBで、前半リードしていたサモアだが、33-36でスコットランドに惜敗し、日本の決勝トーナメント進出の可能性が消えてしまったのは残念だ。

でも、今夜の、予選プールリーグ最後の日本―アメリカの対戦では、納得のいく試合で、有終の美を飾って欲しい。日本は、Bプール予選での3位が確定しているが、4年後のワールドカップ日本大会に向けての、日本代表の今後の活躍が期待されるところだ。

  

 上記の前稿で述べたが、筆者は、ラグビーについては、大まかには知っているレベルだが、一歩踏み込むと、ルールは可なりに難解である。

本稿では、いい機会なので、今後の楽しみのために、競技のルールについて、取り上げてみたい。 

 

◎競技用グランド 

  ラグビー競技用グランドは、サッカー用競技場と同様の形状と広さで、境界線等の呼称や長さは、下図のようだ。日本国内には、都内の秩父宮ラグビー場、大阪の花園ラグビー場等、サッカーと兼用できる施設など、多数ある。

 

  幾つかある境界線(ライン)の中で、通常、重要なのは、下記で太字で示した、ゴールライン・ゴールポストとハーフウエイライン、タッチラインだろうか。そして、ゴール手前5mにある点線のラインは、これが、攻防の境目となることが多い。 

    ハーフウエイライン(half-way line)

  10mライン(ハーフウエイから10m)

  22mライン(ゴールラインから22m)

  5mライン(ゴールラインの5m手前)

  ゴールライン・ゴールポスト(goal line・goal post)

   ボールデッドライン

 

  タッチライン(touch line)

  5mライン

  15mライン

   

 

◎選手の人数とポジション

 ラグビーは、15人で戦う競技で、それぞれに、ポジション名がついている(7人制のラグビーもある)。これを覚えるのが一苦労だ。

   

 攻める方向で、前方の8名をフォワ-ド(Forward)、後方の7名をバックス(Backs)と呼ぶようだ。それぞれで、さらに区分けがあるようだが省略する。

フォワードには、スクラムを組む重要な役割があり、それぞれのポジションの略号、人数、名前(日本語、英語)は以下である。

    略号  人数 日本語   英語

    HO  1  フッカー   HOoker

    PR  2  プロップ   PRop

    LO  2  ロック    LOck

    FL  2  フランカー  FLanker

    NO8 1  ナンバー8  NO.8

 

バックスについても、各ポジションは、以下のようになっている。

    SH  1  スクラムハーフ  Scrum Half

    SO  1  スタンドオフ  Stand Off

    CTB 2  センター   Center

           (Center Three Backs)

   WTB 2  ウイング    Wing

           (Wing Three Backs)

    FB  1  フルバック   Full Back

 

  スタメンの場合は、ポジションと背番号が一致している場合が多いが、途中で交代すると、変わってしまう。NO8は、背番号がポジション名になっていて面白い。

  15のポジション名や略号や、更には、その選手名を覚えるのは一苦労だが、競技中は、入り乱れるので、どの選手がどのポジションをやっているかも、はっきりしなくなる。

ポジションが固定するのは、スクラムメンバーだけで、それ以外は、任意だろうか。

  

◎競技

 ラグビーは、独特の形をしたボールを、相手陣地まで持って行く競技で、それ自体は、かなり単純だ。ネットには、初心者が観戦するのに、最低限、以下の4つのルールを覚える必要がある、と出ている。(ラグビー観戦初心者が覚えておくべき最低限のルール4つ

  • ラグビーは陣取りスポーツである
  • ボールを前に投げてはいけない
  • ボールを前に落としてはいけない
  • ボールを前に蹴るのはOK

これに加えて、色々なルールがあり、それに対応した反則が、細かく決められている。

 

○ 得点

・トライ(try)

 相手陣地(インゴールエリア)にボールを手で着地すれば得点  5点

・コンバーションゴール(conversion goal) トライすると、無条件でキックができる。キック地点は、トライ地点のタッチライン並行線の延 長上。

通常は、地面にセットしてキック。ゴールポストの間を通過すれば得点   2点

 ・ペナルティゴール ペナルティのあった地点で、ペナルティキックを選択できる。通常は、地面にセットしてキック。ゴールポストの間を通過すれば得点   3点

  実際の試合を観て思うのだが、ゴールを狙うキックの成否は、誰にでも分るのだが、トライの成否は、分りずらい場合も多く、はらはらする。ゴールライン近くの5mライン周辺で、両軍が団子状態になって激しく競り合う場合など、トライがあったのか、なかったのか、良く分らない。

肝心の審判にも分らない場合は、ビデオ映像での判定になるが、このケースを、数回観ている。最近は、バレーボールや野球でのチャレンジや、大相撲での物言い等で、このような、ビデオを使った判定が広く取り入れられているのは、嬉しいことだ。

 

○ 反則(ペナルティ penalty)

  反則は、審判が判断するが、軽いものから、重いものまで、色々あり、主なものとしては、以下等だろうか。

*軽い反則 (前出の、4つのルールへの反則)

   ・ノックオン(knock on)

   手や身体に触ったボールを、前方に落とす(キャッチミスなど) 

   後ろへ落とすのはOK

   ・スローフォワード(throw forward)

   ボールを、自分より前に、手で投げる(脚で前に蹴るのはOK)

   ・ノットストレート(not straight) 

    ラインアウトで、中央に真すぐでなく、味方に有利な角度で投げ入れる 

   

⇒いずれも、相手ボールのスクラムで再開

 

*重い反則

   ・ノーボールタックル(no ball tackle)

    ボールを持っていない選手をタックル 

   ・オーバーザトップ(over the top)

    ラックで相手側に倒れ込む

   ・ノットリリースザボール(not release the ball)

    タックルで倒され、団子状になり、ボールを外へ出せなくなる

   ・オフサイド(off side)

    ボールより前にいた選手が競技に参加

   ・オフザゲート(off the gate)

    ラックへ横から参加(後ろからの参加がルール)

   ・オブストラクション(obstruction)

    ボールに関係していない相手の動きを妨害

   ・ハイタックル(high tackle)

    首から上をタックルする危険なプレイ、

   ・ノーボールタックル(no ball tackle)

    ボールを持っていない選手をタックル 

   ・ピックアップ(pick up)

    ラック中のボールを手で拾い上げる   等

 

   ⇒ペナルティキック

 

*極めて重い反則

  ・極めて危険なタックル

  ・トライの意図的な妨害  等

 

  ⇒イエローカード 10分間退場(シンビン sin―bin) 

  ⇒認定トライ(penalty try)

   今大会の、日本―サモア戦で、日本がこれで得点している。  

 

 軽い反則でも、一瞬の動作のノックオンの場合等は、気が付かない事も多い。又、団子状態になると、最初は、どうだったのかが分らないことも多く、ノットリリースザボールは多いが、倒れたプレーヤーが、ボールを放そうとしても、出来ない場合が殆どだ。

 

 サッカーでは、唯一難解なのがオフサイドのルールで、先回りを規制しているのだが(高級戦術でもあるが)、ラグビーにも、このオフサイド(off side)がある。

考え方は、先回りを規制するもので、ボールより先の位置にいる選手は、プレーに参加してはいけないというルールのようで、色んなケースがあるようだが、試合の中で、咄嗟に理解するのは難しい。

 

  試合を行う選手ならともかく、観る側の観客としては、折角、審判がいるのだから、反則等の判定は、審判に任せればいい、と割り切って、ボールの動きを楽しみ、行方を追えばいい、とも言えようか。

ラグビーのルールを、殆ど知らないワイフKが、先日、ある対戦を観ていて曰く、

    “解りやすいゲームね”

と来た。「ボールを中心にした、人間集団の動きが、手に取るように分る」、と言うのだ。

 生半可にルールを知っている当方としては、審判の笛が鳴っても、良く分らない状況の場合は、何の反則だろうと、気を揉むのだがーー。TV中継によっては、反則の内容を、横の字幕で表示して呉れるものもある。

 

 一般の球技では、競技者同士が、意図的に接触することは、禁止事項だ。そんな中で、例外的にタックルも許容し、肉弾戦となるものの最たるものが、アメリカンフットボール(アメフト)で、それに次ぐのが、ラグビー(・フットボール)だろうか。

イギリス生まれの、同じ、サッカーから始まった同根の球技だが、次第に、何でもありに変化(進化)していった経過が面白い。この辺について、当ブログの以下の記事で、触れたことがある。

    サッカー南アフリカ大会 その3  (2010/7/23)

 

[余談]: トライの後、コンバーションキックが行われるが、どうしてあのようなルールになっているのか、コンバーションの意味は何なのか、やや疑問に思い、調べて見た。

以下に、ネット記事を引用させて貰う。(Web Intelligence: Webサイトにおけるゴールをコンバージョンと言うが、その意味は?

「昔ラグビーはトライ3点、コンバージョンキック2点というルールでした。

さらに言うと、そもそもラグビーが始まった当初はトライ自体には点数がなく、トライし、さらにトライ後にキックを決めて初めて5点が得点されていました。キックでゴールを狙う権利を得る、キックをトライ(試す)する権利を得る意味でトライアットゴールと呼ばれていたようです。

この歴史から、「ラグビー」は「ラグビーフットボール」であり、キックを重要としているスポーツと理解することができます。

現在のルールでは、トライは5点、その後にキックを成功させることが出来れば追加で2点が得点され7点になると理解しています。実は、この理解は少し間違っていて、追加で2点ではなく、トライが5点、その後ゴールを成功させれば5点から7点に点数を変換するという意味とのことです。フットボール、キックの重要性が、ラグビーにはまだまだあります。」

 

 

 

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