つれづれの記

日々の生活での印象

電話FAXの使い勝手  2

2013年04月30日 10時06分19秒 | 日記

2013年4月30日(火) 電話FAXの使い勝手 2 

 

 

先日、電話FAXについて 

       電話FAXの使い勝手 1  (2013/4/14) 

を投稿し、主として、無鳴動受信機能について触れたところだ。

 

 人間が操作に関与する機器の仕様には、一般的に、人的要因(ヒューマンファクター)が関係するが、電話FAXも、そのような機器の一つと言えるだろうか。

 電話FAXは、電話用のネットをFAXが利用することから、ややこしくなる訳で、自宅で利用する上でも、結構、神経を使って来た。

 

 

 無鳴動受信が付いていない、現用機を購入した当初は、着信した呼が、電話かFAXか全く分らないので、苦労した。 通常、よく起こったのは、着信呼があった時、電話と思って出たら、FAXのポーポー音だった、と言う場合で、機器の操作が良く分からず、大いに慌てた。 当初は、そのまま切ってしまったり、暫くして時限でFAXに切り替わるのを待ったり、改めて心当たりに電話したり、したものだ。

こちらから送る場合も、操作上、相手とのマッチングが、良く取れなくてうまくいかず、何度も行ったり来たりしたこともあった。

 それが、操作にも次第に慣れて、FAXの相手が知人等で既知の場合など、FAXに切り替える操作が上手く使えるようになったのは、暫く後の事である。

 コンピュータ等が相手の、宣伝広告用のFAXにも、悩まされた。

 

A 現用機では、FAXの相手が既知の場合には、2つのやり方がある。 

(1)電話で話した後、電話を切り、双方了解の上、掛け直してFAXを送受。

  ・こちらからFAXを送る場合は、最初から、FAXボタンを押してから発呼し(CNG信号を連続送出)、相手側から、CED信号が返されて 来て、FAX送受信になるまで待つ。

  ・こちらがFAXを受け取る場合は、呼び出しがあっても出ないで我慢し、時限でFAXに切り替わるまで待つ(時限後、CNG信号を検出したら、CED信号を返し、FAXを受信する)

   受け側として、時限でなく、ボタン操作で、一時的に留守電状態にしてFAXを受信し、また、通常の状態に戻すやり方も出来るが、使いにくい。

   

   NTTのナンバーディスプレイサービスを使うようになってからは、着信時、応答前に発信番号が分るので、既知の相手からのFAX受信は、グンと楽になり使いやすくなった。

 

(2)電話で話した後、回線を保留したままで、送り側、受け側で、FAXに切り替える。

  ・送り側の場合

     通話中に、親機のFAXボタンを押し、送受話器を戻す。

      現用機は電話機が全てコードレスの子機の機種なので、親機から離れて通話している時は、親機へのFAX原稿のセットや、親機でのFAXボタン操作が面倒。 

     このケースでは、受ける相手側が、次項の操作に習熟していない時は使えない。 

 

  ・受け側の場合

     通話中に、親機から離れて通話している時は、子機の 保留/内線+0ボタン を押し、送受話器を戻す。この操作法は標準化されてはおらず、機種によって異なると思われる。

     親機の所へ行き、親機のFAXボタンを押し、子機を戻すことも可能、と説明書にはあるが、これまで、使用した事は無い。            

 

B 宣伝広告用のFAXなど、発信側が、不特定多数で、コンピュータなどの場合も多い。 

 これらの呼でも、現用機で受ける場合は、着信した呼びが、電話か、FAXか分らないので、応答するしかないが、電話ならそのまま通話する。CNG信号のポーポー音が聞こえて、FAX呼と分った場合は、受け側としては、前述の操作を行えばよいが、心当たりが無い場合は、途中で、受信を止めてしまうこととなる。

この場合も、NTTのナンバーディスプレイサービスを使うようになってからは、応答前に発信番号が分るので、相手の選別が出来、FAX受信が使いやすくなった。

  

 

 

 

 不在着信機能もある現用機で、呼び出し回数は、通常のn回に設定しておき、普通に電話として出る。偶々、FAX呼の場合は、発信側の音(ポーポー音)でFAXと分るので、そのまま、ナンバーディスプレイ情報も参考にしながら、上述の、FAX受信に切り替える操作を行えばよい。 

FAXが来ることが予め分っている場合は、呼び出し回数がタイムアウトすると、自動的にFAX受信となるので、これを使うこともできる。

 これら、通話中の切り替え機能と、タイムアウト機能の2つの機能が使えれば、無鳴動受信機能がない現用機でも、FAXの送受は、現在は、殆ど問題なく出来るようになっている、と言える。 

 

 

 

   電話FAXで、一般的に、発信・送信側、着信・受信側で、現用機と新型機が混在する場合について、前稿も含め、これまで述べて来た全体の整理を行ってみた。

機器の動作を状態図に表して見ると、以下の様になるだろうか。 図では、FAX関連の状態や信号・操作は、黄色で表示してある。 

 

                          電話FAXの動作状態図

 

 受け側が新型機の場合、発側の呼び出し信号を受けると、呼び出す前に、端末の中で、即、自動的に応答状態にし、図の、緑色で示した、無鳴動受信の状態に移行する所がポイントである。

この状態で、CNG信号を検出し、FAX呼と判別出来れば、呼び出すことなく(無鳴動で)FAX受信状態となる。

 この無鳴動受信は、FAX呼の場合はベルを鳴らさず、電話呼の場合は、普通にベルが鳴ることから、ベルが鳴ったら電話と思えばよい。

自動応答してから、送信側からのCNG信号が検出されないと判断する迄の、多少の時間遅れの後、通常の電話の呼び出しを行うこととなる。この時間遅れは、電話として使う上では、殆ど支障はないだろう。

 

 新型機を利用側で見ると、電話の呼び出しが鳴れば、電話呼と見做して出て問題は無いと言え、FAX呼に対し、電話として出る事態は、先ず起こらないのである。 夜間就寝時や部屋が離れている場合も含め、FAX呼の場合は静かに自動受信が出来るため、煩わされないで済むこととなり、かなり有効と言えるだろう。

 

 

 

 無鳴動受信という機能だが、新型機の端末のコストに占める割合は、小さなものだろう。

でも、この一寸した機能が、当初の機器には付いていなかったというのは、何故だろうか。電話ネットを提供するNTTとの間で、どのような技術的なやりとりがあったのかは分らないのだが、ヒューマンファクターの大切さと面倒臭さの中で、コロンブスの卵を見る思いもある。

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牡丹寿司の季節

2013年04月21日 15時12分32秒 | 日記

2013年4月21日(日)  牡丹寿司の季節

 

 

 自家の屋上で育てている牡丹は、花を愛でた後、花びらを寿司にして頂くのが、ここ数年、恒例になっていて、その都度、以下の様に、当ブログの記事にして来ている。

     牡丹寿司      (2010/5/1) 

     ふたたびの 牡丹寿司(2011/5/1)

     今年も 牡丹寿司  (2012/5/1)  

いずれも、期せずして、同じ5月1日の記事になっている。

 そして今年は、急に春になった感じで、早々と牡丹が咲いたことで、先日、この牡丹寿司を楽しんだところだ。

 

 ワイフKが、この牡丹の花びらを、さっと茹でた後、甘酢に浸して馴染ませ、丸いボール状にした酢飯をこれで包み、今回は、結び風の寿司を作ってくれた。 

淡い桜白色の皿に載せた感じが、再び花が開いたように華やかで、 上に載せた緑色の きぬさや がいいアクセントになっている。 

食べた感じは、苦味などは無く、いつもながら、花びらの色の鮮やかさと、ほんのりとした香りが、ご馳走である。

   

          花の様に並んだ!                        作業中 

 この春は、牡丹には、3個の蕾が付いたが、その内、先に開いた2個で、寿司を作った。開花した所を、カメラで写す機会を逃がしてしまい、残念ながら、下の写真は、遅れて咲いた1個だけになったが、切り取る前の花の位置をイメージして、印で補ってみた。 

   牡丹の花(2個は印)

 

 

 屋外では、街路樹なども緑の装いを新たにしていて、近隣の道路では、ハナミズキの、桃色、白色の、おおらかな花が爽やかだ。 

    ハナミズキ

 

  又、生垣等に多い、ベニカナメモチの燃えるような赤が、周囲の緑と好対照をなしていて見事だが、下は、近くの、都立高校沿いの道路の風景である。

   

              ベニカナメモチ                       拡大 

 このカナメモチには、種類があるようで、セイヨウベニカナメモチ(レッドロビン)という、長い名前が付いているものもあるようだ。(四季の山野草(セイヨウカナメモチ)

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花は咲く  3  尺八譜

2013年04月20日 15時28分40秒 | 日記

2013年4月20日(土) 花は咲く 3  尺八譜 

 

 

 東日本大震災の復興支援ソングについて、当ブログに、先日

     花は咲く  その1  (2013/4/5)

     花は咲く  その2  (2013/4/11)

を投稿したが、今回は、この曲を、自分が愛用している尺八で、演奏する場合について、触れることとしたい。

 

 

○オリジナルの曲の楽譜は以下である。(「明日へ」復興支援ソングのご案内 | 明日へ

 

    

この曲は、へ長調(F調)の曲で、主な音は、以下である。

          日本語式  国際式    尺八表記

   最初の音  1点ハ   C4    ロ大メ

   最低音      イ   A3    -    

   最高音    2点ヘ   F5   ツ

   最後の音  1点へ   F4     ツ 

   主音     1点へ   F4     ツ

 

 これを、楽器で演奏する場合、ピアノやギター等で弾く時は、音域の点では、何の問題も無い。だが、通常の1尺8寸の標準的な尺八で吹こうとすると、最低音が、低過ぎて、そのままでは、吹けないのである。

  そこで、何とか吹けるようにしようと、あれこれやってみた状況が、以下である。

 

○管楽器である尺八で吹ける音域は、尺八の長さで決まるが、通常の1尺8寸の尺八の最低音と、この曲の最低音とを比較すると、次の様になる。(音名の表記は、音名・階名表記 - Wikipedia

 

           尺八音      日本式  国際式  

尺八の最低音 通常 ロ      1点ニ   D4      曲の最低音より2音半上

          メリ  ロメ     1点ニ♭  D4♭    曲の最低音より2音 上

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――    

          大メリ (ロ大メ)  1点ハ   C4       殆ど音にならない

曲の最低音                  イ   A3   

 

一方、最高音について見ると、次の様になる

 

           尺八音        日本式   国際式 

尺八の最高音 通常 ハ      3点ホ    E6    ツ中甲 の1Oct上

      ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――        

        大甲音 レ大甲     3点へ    G6    偶に使われる 出しにくい  

        大甲音 レ三五       3点ト♭   A6♭   時々使われる レ大甲の# やや出しやすい

曲の最高音      ツ        2点ヘ   F5    尺八の最高音レ三五(A6♭)より、1 Oct(5音) 以上、6音半も低い

 

 比較すると、高音域に余裕があるので、低音域を少し上げる移調をすれば、尺八で、通しで吹けることが判る。  

 

○この曲を、尺八で吹くには、幾つかの方法がある。

A:一般に管楽器では、低くて音が出せない場合は、手っ取り早い方法としては、1オクターブ上げて吹く方法がある。

この場合、全体を上げると、曲としてはいいのだが、音域が高くなるので、歌い難くなるとともに、吹く場合も、高音部がかなり厳しくなる。

歌がある場合などは、低い部分だけを1オクターブ上げる方法もある。

 

この曲で、全体の音域を1オクターブ(1 Oct)上げると、主な音は以下の様になる。

 

原曲    日本式 国際式 尺八音        日本式 国際式 尺八音

最初の音 1点ハ C4 (ロ大メ) ⇒1 Oct   2点ハ  C5    リ

最低音    イ   A3  ―   ⇒1 Oct   1点イ   A4    チ 

最高音  2点ヘ  F5  ツ  ⇒1 Oct   3点ヘ   F6    ツ大甲

最後の音 1点へ  F4  ツ   ⇒1 Oct   2点ヘ   F5    ツ 

主音   1点へ   F4  ツ   ⇒1 Oct   2点ヘ   F5     ツ 

 

 これを尺八で吹く場合は、 右欄に示したように、最低音は、普通に出るが、 最高音のツ大甲が厳しいのだが、全体として、ギリギリで、何とか吹けるようになる。

  この高さでは、声を出して歌うのは、一般的には、不可能である。 

 

 

B:次に、曲の音域が、尺八の音域の範囲内に入るように、Aの1オクターブ上げる場合よりも、出来るだけ低くなるように、移調してみる。 

 

B1 原曲を、2音半(完全4度)上げて、移調する。 これにより、曲の最低音であるA3が、尺八の通常の最低音ロであるD4に一致する。 

 

原曲  日本式 国際式 尺八音              日本式   国際式   尺八音

最初  1点ハ C4   (ロ大メ) ⇒2音半上げる    1点ヘ    F4    ツ

最低音   イ A3    ―   ⇒2音半上げる    ニ      D4    ロ 

最高音 2点ヘ F5    ツ  ⇒2音半上げる   2点ロ♭ B5♭   ヒ

最後  1点へ F4    ツ   ⇒2音半上げる   1点ロ♭  B4♭   リ 

主音  1点へ F4    ツ   ⇒2音半上げる    1点ロ♭  B4♭    リ 

 

 この結果、 へ長調(♭)⇒2音半移調 変ロ長調(♭♭)となる。

 吹きやすいが、歌う分には、やや高くなる 

 

B2 原曲を、3音半(完全5度)上げて移調する(B1を1音上げるのと同じ)

 

原曲  日本式 国際式 尺八音             日本式 国際式 尺八音

最初  1点ハ  C4  (ロ大メ) ⇒3音半上げる   1点ト   G4    レ

最低音   イ  A3   ―   ⇒3音半上げる   1点ホ  E4    ツ中 

最高音 2点ヘ  F5  ツ  ⇒3音半上げる   3点ハ  C6     ヒ

最後  1点へ  F4  ツ    ⇒3音半上げる   2点ハ  C5    リ 

主音  1点へ  F4  ツ    ⇒3音半上げる   2点ハ  C5     リ 

 

 この結果、 ヘ長調(♭)⇒3音半上げ ハ長調(―)となる

 最も吹きやすいが、歌う分には、B1よりも高くなる

 

 

B3 尺八のメリを使い、B1を、最低音ロメのD♭まで、更に半音下げる事が出来る。

       日本式  国際式 尺八音          日本式  国際式 尺八音

最初   1点ヘ   F4     ツ  ⇒半音下げ  1点ホ  E4    ツ

最低音    ニ   D4     ロ  ⇒半音下げ    ニ♭ D4♭  ロ

最高音  2点ロ♭ B5♭  ヒ ⇒半音下げ  2点イ   A5   チ  

最後   1点ロ♭  B4♭  リメ  ⇒半音下げ  1点イ   A4   チ

主音   1点ロ♭  B4♭  リ ⇒半音下げ  1点イ    A4   チ 

 

 この結果、変ロ長調(♭♭)⇒半音下げ⇒イ長調(###)となる。

 かなり吹きにくくなるが、歌う分には歌いやすくなる。 

 

 以上から、この曲を、尺八で、通しで吹ける楽譜として、

     A  B1  B2  B3

の、4通りが得られたが、これ以外もあるものの、差し向き、B1か、B2が使えそうだ。

 

 

○前稿で触れたのだが、自分の場合、新しい歌などを覚える時は、聴きながら、或いは、手に入った楽譜も参考にしながら、尺八の音をみつけ、尺八譜で表せると、その曲をマスターできた気分になる。尺八譜に直すのは、これまでは、全て、手書きで行って来た。

具体例としては、

   そしてめぐり逢い、千の風になって、シチリアーノ、アメージンググレース、また君に恋してる

などだが、今回、

   花は咲く 

がこれに加わった訳だ。

 

 尺八の楽譜作りに当たって、今般、WORDの機能をフルに使って、ワープロ文書として作ることを、初めて試みた。

前述のB2の楽譜だが、手書きの楽譜(未完)と、ワープロ書きの楽譜を、以下に示す。

 手書き譜

 

   ワープロ書き譜

 

 ワープロで作成する場合、この曲に関する範囲では、

   ・音符の表示⇒縦書き、カタカナ、各種フォント が使える

   ・メリ、中メリ音、甲、乙の表示⇒横に縮小ポイント文字のルビで表示 

      (他では、ハ ハ ハ三五 などの音も必要に)    

   ・音符の長さ⇒2分音符:白抜き太文字 4分音符:通常太文字 

             付点4分音符:4分音符文字・文字間隔・8分休符で表示 

             8分音符:縦取り消し線付き文字

               (16分音符は、二重消し線も使える)

   ・休符の長さ⇒2分休符:◎ 4分休符:○ 8分休符:縦取り消し線付き○。

               (16分休符は、二重消し線も使える)

 等が、何とか可能であり、 

   ・左右の拍子の表示

   ・小節の区切り符号

等をどうするか、課題も多いが、楽譜としては、まあ、使い物にはなりそうだ。

 

 今回は、メリ音、中メリ音の表示は、横に縮小ポイント文字のルビを並べている。以前愛用した、専用ワープロ機では、特殊文字を自作出来たので、ヒ、ツや、ハ等の特有の音は、自作出来れば1文字で表せるので、かなり、すっきりすると思われるのだが、現在のWORDにはそのような機能は無いようなのが、残念だ。

 

 ワープロ化した尺八楽譜だが、通常の文書として、勿論、単独での印刷は出来るが、縦書きのため、他の横書きの一般文書に、そのままでは挿入することは出来ない。 この場合は、画像情報に変換する必要があり、このため、楽譜を、ペイントに貼り付けてみたら、うまく画像情報に変換出来たので、本文書には、これを挿入してある。

 今後は、出来れば、これに前奏や間奏等も加えてアレンジし、尺八で演奏する曲の体裁を整えたいと思っている。

 

 

 

 

 

 

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電話FAXの使い勝手  1

2013年04月14日 22時38分59秒 | 日記

2013年4月14日(日) 電話FAXの使い勝手 1 

 

 

 我が家で、現用の電話FAXを入手したのは平成18年(2006年)だから、大分経過している。この電話FAXは、留守電機能も付いたタイプで、付属している2台の電話機は、どちらも、コードレスの子機になっている。

自宅の通信回線は、NTTのVDSL回線で、共存しているPC用デジタル回線と、アナログ回線が、終端装置で分離され、独立に使えるようになっている。

 このアナログ回線側に電話FAXを繋いでいるが、電話とFAXを、どのように区別するかは、これまで、結構、苦労して来た、古くて新しい問題でもある。

 

 つい先日、都心にある、某家電量販店に、FAX用のリボンを買いに行ったついでに、店員に聞いてみた。その結果、最近の機種では、電話とFAXの共用に関し、無鳴動受信(無鳴動着信とも)という、使いやすい自動識別機能が付いているのが普通になっていて、大分すっきりして来ている、ということで、やや驚いている。

 

 元NTT―OBでもある筆者として、この辺について、2回に分けて、整理を試みたもので、本稿では、先ず、主に、無鳴動受信について触れている。

 

 

○FAXは、自分は、最近では、殆ど使う機会が無く、メール等のデータ通信に置き換わって来ている。又、社会全体としても、画像情報のやり取りは盛んになっているが、その中でのFAXの通信量は、かなり少なくなっていると思われる。

でも、高齢者や、聴覚障害者などの場合は、PC等を使えない人も多いため、今でも、FAXは、仲間同士の間などでは、必要性の高い通信手段になっているようだ。

 PCや携帯のメール等を使わないワイフKにとっても同様で、電話は、勿論必須だが、FAXも、場所の地図や、一覧表、音楽の楽譜、名簿情報等、記録性の高い情報のやり取りには欠かせない、重要な通信手段として、日頃、多用されている状況だ。 

   現用の電話FAX

○ここで、公衆電話網を使った、電話FAXの仕組みについて、おさらいしておきたい。

 通常の電話ネットの場合は、発信側からの起動で、着信側が呼び出され、応答すると、初めて回線が出来上がり、通話が行われる訳だ。この通話の所で、間借りした形で、FAX通信が行われることとなる。

 このようなやりとりを図示したものを、ネットから引用させて貰った。(FAX通信の基礎知識 ~第2回 フェーズ1:“呼”の設定~) 

 

 上図にあるように、FAXの送信側から送られる、FAXであることを示すFAX識別信号(CNS信号:CalliNg Sigal 音声帯域内の1100Hzの断続音 ポーポーという音)が、回線が出来上がると、受信側まで届くようになる。

受信側で、この、CNG信号を検出できると、受信側から、FAX応答信号(CED信号:CallED signal 音声帯域内の2100Hzの連続音 ピーという音)が、送信側に送られ、送信側でそれを検出すると、その後、機能などについてのやりとり(図のフェーズ2)があり、いよいよ、FAX通信が行われる。

 

 電話FAXの現用機や、新型機では、FAX呼と判別出来た場合は、呼び出しを行わないようになっている(無鳴動受信)など、上記のシーケンスとは、若干異なる事となるが、詳細は後述。

 

○FAX呼と電話呼を区別するために、予め、呼び出し回数を設定することで、少しでも、使いやすくする工夫が行われている。これに関する事項を整理して見た。

 

□電話FAXの現用機では、呼び出し回数の設定は、以下の様になっている。

 ・FAX専用として使う時  :ファクス センヨウ と設定 

   ⇒呼び出しは行わず、即、FAXに切り替え(無鳴動受信と同じ)

 ・FAXが多く電話が少ない時:ファクス ユウセン と設定 

   ⇒呼び出しは行わず、呼び出し15回分の時間(約45秒)経過後に、FAXに切り替え。 この間、発信側には呼び出し音が15回聞こ

     え、電話料金もかかる。

 ・電話専用として使いたい時 :ムゲン と設定

   ⇒呼び出し音は「無限」に鳴り続ける 

 

 電話FAXとしては、ここまでは、特別な設定と言えるが、従来は、このような機能があることは知らず、使ったことも無く、以下の設定を使って来た。

 

 ・FAXの受信が少なく、電話が多い時 :1カイ~15カイ と設定

   ⇒設定回数だけ、呼び出し音が鳴った後、メッセージが流れて、着信したのが電話呼でも、FAXに切り替わる。

 

 取扱説明書の記載では、上記の様になっている。 然らば、ものは試しと、実際に、呼び出し回数を上記の様に設定して、他から着信させて見ると、なんと、全く変わらず、現在の設定値(7)のままでFAXに切り替わった。回数を7→2に変更してやってみても呼び出しは7回で、結果は同じであった。 この原因は不明だが、現用機では、呼び出し回数を変更する操作が出来なくなっていることが判明した。 

 

□一方、電話FAXの新型機では、ネットから得た情報等では、呼び出し回数の設定は、一般に、以下の様になっているようだ。

    呼び出し回数:0⇒着信時の呼び出し回数を、“0”に設定すると、呼び出しはせず、FAX呼と判断できた場合は、ベルは鳴らさず、

                即、FAXに切り替える。FAXの無鳴動受信を明快に表したネーミングだ。

                FAX呼と判定できない時は、通常の呼び出しを行う。

    呼び出し回数:n⇒着信時の呼び出し回数を、“n”に設定すると、n回呼び出しを行い、この間、FAX呼と識別出来れば、n回経過後

                 に、FAXに切り替える。

                 FAX呼と判定できない時は、そのまま、呼び出しを継続する。nは、3、6、9、12など。 

 

○無鳴動受信

 本稿の冒頭で触れたが、従来の電話FAX機では明確ではなかった、無鳴動受信機能が、最近の電話FAX機には、一般的に付いていると述べた。

この、無鳴動受信だが、FAX呼と自動的に判断した場合だけ、受信側の電話のベルは鳴らさずに、静かに(鳴動無しで)FAXが受信できるという機能である。FAX呼と判断できない、電話呼の場合は、普通に呼び出す。

 現用機では、呼び出し回数を「ファクス ユウセン」、「ファクス センヨウ」と設定すれば、事実上、この、無鳴動受信が可能であることが判った。

 新型機では、着信時の呼び出し回数を、“0”に設定することで実現され、この0という表現で、無鳴動受信を、明快に表している。

 「ファクス ユウセン」や、呼び出し回数「0」に設定されている時、これを、端末でどのようにして実現しているのかは、詳細は不明だが、先程の図を参考にして、おおよそ、以下の様に考えている。

 

 着信側の端末に、ネットの交換機から、呼び出し信号(16Hzの断続信号)が来て、着信呼が判る。

この、かかって来た呼が、電話かFAXかは、まだ、分らない状態のところで、呼び出しのベルの音(図の印)は出さずに、まず端末で自動的に応答して(図の印)、交換機が、送信側との回線を完成させるというのが、ミソの様だ。ただし、この時点で回線が出来上がることから、勿論、電話料金はここから課金される。

 

 ここで、発信側がFAXの場合は、CNG信号が送られてくるので、受信側で、このCNG信号が検出(図の印)された場合は、即、FAX呼と判断し、受信側からCED信号(図の印)を返送し、FAXの通信が開始されることとなる。

このようにして、FAX呼の場合は、呼び出しが無い、無鳴動受信となる。

 

 一方、暫時待って、送信側からのCNG信号が検出されない場合は、受信側端末では電話呼と判断して、通常にベルを鳴らして呼び出し(再呼び出しとも)を行い、応答があれば、通常の電話として、通話が開始される。

 

 端末で自動応答してから、送信側からのCNG信号が検出されないで、電話呼と判断する迄の間、多少の時間遅れが出るが、通常の電話として使う上では、殆ど支障はないだろう。また、この短い時間内に、受信側で受話器を上げた場合も、殆ど問題ではないだろう。

 

 以上の様に、FAXの無鳴動受信は、FAX呼の場合はベルが鳴らず、電話呼の場合は、普通にベルが鳴る。このことから、夜間就寝中や部屋が離れている場合のFAXの着信では、静かに自動受信が出来るため、煩わされないで済むこととなり、かなり有効になるだろう。

 

 この機能は、新型機だけでなく、現用機にもあることが判ったが、両者の間で、判定時間に大きな差があるようだ。

 現用機では、「ファクス ユウセン」の場合、最大呼び出し回数の15回(約 45秒)に固定された時間は、呼び出し音は出さず、その後に、FAXに切り替わる事となっているようだ。新型機の場合は、ほぼ即時で、切り替わる事となる。この違いは、何処から来るのか、やや、当惑するのだが、以下の様に考えられる。 

 新型機では、明示的にFAX呼であると判断出来なかった場合は、通常の呼び出しを行い、電話に応答があるまで、呼び出しを継続するようになっている。ここが重要だ。

 一方、現用機では、明示的にFAX呼と判断出来ない時は、呼び出し音は出さずに、最大のタイミングを待って、FAXに切り替えるが、切り変わったら、電話としては使えなくなる。明らかに、新型機の方が、より、柔軟な仕様と言える。 

 

 

○無鳴動受信(無鳴動着信とも)は、電話FAXでは、今や、当たり前の機能になっているが、以前、世に出て話題となった、NTTのファクシミリ通信網(略称 Fネット)サービスでは、この機能は、公衆電話網を使った電話FAX通信での、呼び出し問題を解決する、目玉の一つでもあった。当時、実際にどのようにして、この機能を実現したかについては、ここでは省略する。

 このネットワークサービスは、現在は、iFAXに名称が変更されているようだが、この所、ネットワークのデジタル化が進展する一方、ファクシミリ通信の比重が低下した事もあり、今や、このネットサービスの存在意義は、かなり低くなっているようだ。

 

 今回は、主に、無鳴動受信について、話題にしたが、次稿では、電話とFAXの共用に関する、その他の話題に付いて触れることとしたい。

 

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花は咲く  その2

2013年04月11日 17時10分41秒 | 日記

2013年4月11日(木) 花は咲く その2

 

 

 先日、当ブログに、NHKの東日本大震災の復興支援ソングに関して、 

      花は咲く その1(2013/4/5) 

を投稿し、主に、歌詞について触れたところだが、今回はその続編で、曲やメロディーについて、話題にしている。

 

 この曲の歌詞やメロディーは、何度も聞いたので、ほぼ、覚えてしまった。 つい最近視聴したNHK―TVでは、5分程の短い時間に、下図の絵から始まって、可愛いアニメーションと一緒に、子供達の歌声が流れる形で、この歌が紹介されている。 

  TV画像(‘13/4/6)

 この曲について、前稿でも引用したサイト(hanahasaku phpバージョン)で入手した、下図の楽譜を基にしながら、色々、調べてみた。

 

○この曲は、五線譜で、フラット記号(♭)が1個ついた、ヘ長調(F調)の曲で、4/4拍子の緩やかなテンポで、簡明で分りやすい曲である。 

 ネットで調べたところでは、この曲はJ-POPに分類されているが、ジャンルはともかく、自分には、第一印象では、世界的な名曲

      アメージング・グレイス

に近いように感じる一方、 

      世界に一つだけの花、 この広い野原いっぱい、 夏の思い出、 誰もいない海 

なども連想した。

     

○楽譜で、曲の音域について見てみると、主な音の音名は、以下のようで、

             日本語式   国際式

   最初の音  上1点ハ     C4

   最低音      イ       A3 

   最高音     上2点ヘ    F5

   最後の音   上1点へ    F4  

まず、人間の声で歌う分には、最高音がやや厳しいものの、まあ、誰にでも歌える、歌いやすい音域だろう。

 

 この曲を、楽器で演奏する場合、この音域は、ピアノやギター等で弾く時は、何の問題も無いのだが、自分の得意とする尺八で吹こうとすると、管楽器の悲しさ、オリジナル楽譜のままでは、音域が低過ぎて、歯が立たない。

尺八の譜に直し、通しで吹けるようになれば、漸く自分で曲をマスターした気分になる事から、転調するなどして、手持ちの1尺8寸の尺八で、何とか吹いて見ようと苦戦した。この辺については、稿を改めて、取り上げることとしたい。

 

○上記の楽譜や、先のTV放送では、前奏、間奏もついているが、これらは、どこまで、作曲者が付けたものかどうかは定かではなく、ここでは、主旋律だけについて、順を追いながら、印象を述べて見たい。  

①冒頭は、4拍目の8分音符から始まる、いわゆる、弱起の曲で、柔らかさがある。

 同じような曲には、唱歌の分野だけでも、

     おぼろ月夜、早春譜 浜辺の歌

など挙げればきりが無く、日本人の好む演歌や、世界の名曲でも、

     また君に恋してる、 知床旅情、 埴生の宿、 谷間のともしび

など、数多く、上述の、アメージング・グレイス もこれである。

曲の途中でも、最初に休符があって、弱拍から始まるこの形は、多用されている。

 

②最初の9小節は、言わば、導入部だろう。白い雪道の風景に、春風が吹く中で、わたしは、懐かしい(今は失われた)街を思い出しているようで、静かに、同じメロディーが、2回繰り返されている。

 

 次の5小節で、亡くなった人達の思いを伝えるかのように、

       叶えたい夢もあった、変わりたい自分もいた

と歌うのだが、鎮魂の要素とも言える、短調的な音程が印象的で、懐かしさがこみ上げるように、2度、繰り返される。 上述の楽譜では、この部分に、Gm7のコードが付いている。

 

 この後に続いて、我に返るように、冒頭の数小節が、再び出て来ることで、気分がやや落ち着くだろうか。

 

③そして、続く8小節は、この曲の、一つのヤマ場と言え、1拍目から始まる、合唱向きのハーモニーが素敵な部分だ。平坦な中に微妙に抑揚がある、よく響くリズムが、2度、出て来て、更に、全体が、もう一度繰り返される。

 歌詞の最初の、「誰かの歌が聞こえる」の所のリズムは、 

となっていて、4分休符  が入ることで、リズム感が出ている。

 でも、歌詞の次の部分の、「誰かの笑顔が見える」の所は、

      

と、みえる(ガミエル?)となり、言葉のアクセントと異なることで、歌うのに、やや不自然さがある。

この歌を聞いた当初は、4分休符が入るこの2か所のリズムをつかむのに、かなり苦労したことではある。

 

④いよいよ最後に、力強く、

    花は花は花は咲く いつか生まれる君に

    花は花は花は咲く 私は何を残しただろう

の大きな波が、繰り返し押し寄せるのだ。

 花は花は花は と3度反復されて、咲く花への思いが強調される中で、君への期待の大きさと、過ぎ去った日々への思いが歌われる。 

“いつか生まれる君に”には、余韻が残っていて、次の、“私は何を残しただろう”に繋がって、締めくくられる。

 

この、最後の部分

 

 が、ことばが続く字余りのような感じで、のこしただろ のアクセントがやや難しいと感じた。

 

  全体で見ると、この繰り返しの部分が、1番の最後と、2番の最後に付いており、更にその後に2回出て来るが、明日を信じて、次の世代へ希望を託す、何かしら、宗教的な祈りの雰囲気さえも感じられる歌になっているだろうか。

  そして、前稿でも触れたが、最後の最後のフィナーレで

       いつか生まれる君に ⇒ いつか恋する君のために

となり、やがて生まれた子供が成長して、恋をする日が訪れますように、と歌いあげるのである。

 

○この歌に関するNHKのサイトに、この曲の作曲者、菅野よう子氏のコメントも寄せられている。(「明日へ」復興支援ソングのご案内 | 明日へ ―支えあおう―

それによれば、この曲が、演奏する人や、聴く人達の気持ちを載せる事が出来る、透明な器であるようにする事を心掛けて作曲した、とある。

このため、ご自身を無にして、4才の子供のような童心に帰って一気に作曲したようだ。

「わたしはこんなふうに元気でやってます」と、天国にも、きっと伝わることだろう。

  最後に、氏は、100年後になって、この曲が、詠み人知らずで残るといいな、と願っている、と付け加えられている。 

この時代、詠み人知らず、はあり得ないことだが、曲が作られた経緯等は忘れられても、曲そのものが、人々の間で、希望の歌として、安らぎのある共感の曲として、長く親しまれるものであって欲しい、との願いなのだが、筆者も同感である。

 

○最後に出てくる、「私は何を残しただろう」は、やや、理解が難しい言葉で、特に、ここの 私 は誰だろうかと、ずーっと気になって来た。 でも、ここでの「私」は、歌う人自身ではなく、亡くなった人ではないか、と考えることで、少し、納得出来るように感じている。前稿でも触れたが、この、悔悟の思いは、自分ではなく、やはり、亡くなった人の思いなのではないか。

 でも、しかし、である。 生き残った身の自分としても、あの時も、これまでも、何もできなかった、亡くなった人達をもっと大事にすればよかった、という気持も、この言葉には込められているだろうか。

  このような、ややこしさも、前稿で触れた、作詞者のメッセージにある「想像力」によって、天国と地上とが、又、過去と現在と未来とが、自由に交流出来るイメージが出来ていることで、解消されるだろう。作曲者のメッセージにあるように、歌を通して元気な姿を見せる事で、天国にいる人達に、鎮魂の気持ちが伝わることだろう。

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