2012年5月30日(水) 電子レンジ その1
少し前、長年愛用して来た電子レンジが故障してしまい、先日、新品に買い替えることとなったが、その顛末について、2回に分けて記してみたい。
我が家で、電子レンジを初めて購入したのは、大分前だ。子育てに忙しかった、ワイフKが、ご飯が簡単に温められるのを知って欲しくなり、知人と、上野御徒町の安売り店に行って、買って来たものだ。
当時で、2万円もする代物だったが、これまで、何の不具合も無く、現役で活躍して来た。今回、改めて製品の製造年月を見ると、「88製 7-12月期」とあり、ほぼ、24年間も使ってきた事になる。同時期に買った知人宅では、疾うに故障して買い換えているので、当たり外れで言えば、我が家は、大当たり である。
この電子レンジにトラブルが生じたのは、1か月くらい前の事だ。自分で、ご飯を温めようとスイッチを入れたが、テーブルが、回転しないのだ。仕方なく、温めては止めて、手動で回転させる、を繰り返し、何とか、目的は達成出来た。電磁波は出ているようで、温めは利くのだが、回転させて、ムラをなくす機能は使えないのである。
重量を減らせば回転するのではないか、と、ガラス製の皿と、十文字形の台を、全て取り外して、スイッチを入れて見た。と、レンジの天井の方で、バチバチと音がして、火花の様に光るものが見えた。回路がショートしているかもしれない、と思い、怖くなって、以降は、使用を控えた。
電子レンジが使えない間は、簡易蒸し器などを使うことで、用は足せたのだが、やはり、普段使い慣れたものが無いと、結構、不便を感じるものだ。
先ずは情報収集と、最近の電子レンジはどんな状況なのか、ネットにある、近くの量販店のサイトで調べて見ることとした。電子レンジは、冷蔵庫などと同じく、調理家電のジャンルになる。
電子レンジ単機能の品物では、以前から見ると、半額程度と、かなり安くなっている。電子レンジとオーブン等を複合した製品だと、可なり高価となるが、トースター兼用のオーブンは手持ちなので、単機能の電子レンジを物色することとした。
ネットで調べると、単身者向けの、5000円台という、中国製の安い製品などもあるが、外国製は、トラブル時の対応が心配であると共に、使いなれたものと余り変わらない操作性を重視し、国内の同じメーカーの物を探した。勿論、長年使わせてもらった、当該社製品の品質に対する、信頼もある。
機種による値段の違いは、主に、庫内の容量にあるようだ。これまで使って来たものは、16L(リットル)程度だが、外形寸法がほぼ変わらぬ、同じメーカーの品物で、少し容量が大きい、20Lのものがあり、値段も、8400円と手ごろなので、それを買うこととした。
量販店に直接電話して、在庫を聞いたら、OKということで、処分が面倒な家電製品だが、古いものは引き取ってくれると言う。 早速、二人で車で出かけて行き、旧いものと交換で、新しい電子レンジを購入した。店頭での価格は、1万円程だったが、交渉の結果、ネットに表示してある価格にしてもらえた。
自宅に持ち帰って、前と同じ場所に設置した。 早速、使い初めで、サツマイモを厚紙の袋に入れて、蒸かしてみたが、いい感じである。 又、その後、今年の、もぎたてのトウモロコシを、ビニル袋に入れて、蒸して見たが、結構な味であった。
以降、助っ人として、何の問題も無く活躍してくれている。
サツマイモ加熱中
言うまでもないが、電子レンジは、高周波の電磁波を食品に照射することで、食品内外の水分子に振動を起こし、水の温度を上げて加熱する仕組みだ。発振周波数としては、旧品も新品も、2450MHzが使われている。
庫内で発生させる電磁波の量(エネルギー)は限られているので、加熱する分量により、受け取るエネルギーも変化する訳で、分量によって、加熱時間は大幅に変わって来る。
分量が倍になれば、加熱時間を倍にする必要がある訳だ。
無限にある(と考えてよい)太陽光のように勘違いする事があるが、狭い狭い、電子レンジの庫内の事、発生されるエネルギーは有限なのである。
ダイヤルの表示やマニュアルには、色んな食品について、目安となる加熱時間が示されているが、或る程度の慣れと経験が必要だろう。
電子レンジは、加熱用の、簡便な器具だが、原理的には、調理動作で言えば、蒸す(むす)にあたる(蒸(ふ)かす と言うこともある)。 通常の調理では、沸かした湯の蒸気で、蒸すこととなる。
中華マンなどは、やはり、蒸し器で、水分を加えながら温めるのが最高で、電子レンジを使う場合、そのまま加熱すると、水分が無くなって、こちこちになってしまった失敗談は、これまで、何度か経験済みだ。
加熱される物の水分が足らなそうな場合は、電子レンジに入れる前に、予め、軽く、水を振りかけたりする。
当方では、普段、冷凍食品の御世話になる機会は多くはないが、大抵の電子レンジには、あたためと解凍の、大形の切替えスイッチが付いており、冷凍食品の解凍等には便利である。
冷凍食品の解凍法には、各種あり、時間に余裕がある時は、冷蔵庫で戻す解凍や、室温解凍がいいようだが、急ぎの時は、電子レンジの出番となる。それぞれに、一長一短があるようだ。解凍の手間をカットして、冷凍のまま調理する方法もあるようだがーー。
少し前の、テレビ放送を見ていたら、氷職人と鰹節業者のやり方からヒントを貰った、画期的な解凍法が紹介された。冷凍解凍に新ワザ誕生 速い!プリプリ!美味 : ためしてガッテン - NHK
それによれば、アルミ製のボールに、水と氷を入れた氷水の中に、袋に入れた冷凍品を沈めて、解凍する方法(氷水解凍)だ。
冷蔵庫で冷凍した食品の温度は、-18℃程度と言われている。これを解凍するのに、
冷蔵庫で解凍 4℃
室温で解凍 20℃
のように、一気に温度の高い状態にすると、食品中の水分や成分が、大幅に溶け出してしまうようだ。このため、物が凍結するぎりぎりの、低い温度まで戻して保持する、
氷水解凍 -2℃
で解凍すると、解凍時間の無駄が無く、凍結前の状態に近い、素晴らしい品質になるようで、大変な驚きである。
余計に水分や成分を移動させないために、温度差を小さくする、ということがポイントのようで、昔の理科の実験を思い出させられたが、思わぬところに、真実があったようだ。
でも、この解凍法では、氷の準備等、結構手間がかかるのが難点だが、いつか、ゆっくりした時に、魚や肉等の解凍で、試してみたいと思っている。
次回は、電子レンジのスイッチ等の、操作法に関する話題を取り上げることとしたい。