2019年4月30日(火) 平成から令和へ 1
現天皇の生前退位と新天皇の即位という、憲政史上初めてとなる、天皇の代替わりがあり、目下、それに伴う一連の行事が進められている。
少し以前の1月には、9名の委員からなる有識者懇談会の推薦に基づいて、新たな元号「令和」が政府によって決定されて、大きな話題となったことだ。
このところ、平成の時代を振り返り、惜しむように、「平成最後の〇〇〇」が多いのだが、一方、新たな元号にちなんだ商品の売り出しや、新元号スタートの日に合わせて、婚姻届けをする、などの話題も賑やかだ。
30年を遡る平成の始まりは、昭和天皇の崩御という、悲しい事象がきっかけで改元が行われたが、生前退位ということで、今回の令和の始まりは、お祭りムードが一杯なのは嬉しいことだ。
退位して、上皇、上皇后となられる、天皇・皇后の今後の生きがいや、出番なども気になるところだが、過去の天皇の歴史でよく出てくる退位後の院政などは、韓ドラだけで話題となる、杞憂だろう。
平成から令和へ、ということで、興味本位だが、いくつかの話題について取り上げたい。
今回は、さし向きの行事と、祝休日に関するワークライフバランスについて、触れている。
◎10連休
世は、27日から始まった10日間の連休で湧いているが、この10連休の理由を、改めて整理してみた。
今年は、もともとは、GWが、前半の4/27~4/29と、後半の5/3~5/6に分かれる筈だったもので、4/30~5/2の3日間は、平日だった。
それが、平成天皇の生前退位が4/30日に行われ、5月1日に令和天皇が即位することが決まって、5/1を、今年限りの、国民の祝日とすることとなった。
新たな祝日ができたことで、サンドウイッチのように祝日に挟まれる日は、国民の休日とする祝日法の規定で、4/30と5/2も祝日となり、10連休となった。
今はみどりの日と呼ばれる5/4は、もともとは、5/3と5/5に挟まれた休日だったものだ。
以上を纏めると、以下の様になる。
期日 呼称(意味) 記事
4月27日(土) 休日 (厳密には、まだ、休日でも平日でもない?)
4月28日(日) 休日
4月29日(月) 祝 昭和の日 (旧 昭和天皇誕生日)
4月30日(火) 国民の休日 (平成天皇退位の日)
5月 1日(水) 祝 令和天皇即位(今年だけの祝日)
5月 2日(木) 国民の休日
5月 3日(金) 祝 憲法記念日
5月 4日(土) 祝 みどりの日 (皇居一般参賀)
5月 5日(日) 祝 子供の日
5月 6日(月) 振替休日
退位の日は、特別な祝日ではなく、前述のように、祝日に挟まれた休日となっている。
又、新天皇となって半年ほど経た後、以下の行事がある。
10月22日(火) 即位に伴う、新天皇・皇后の即位礼正殿の儀
都内のパレードが予定 、今年限りの祝日
◎天皇誕生日
明治以降から戦前までは、天皇誕生日は天長節と呼ばれた祝日である。天皇誕生日は以下の様だ。
明治天皇 11/3 崩御後、明治節に→現 文化の日
大正天皇 8/31 *
昭和天皇 4/29 →みどりの日→現 昭和の日・みどりの日は5/4に
平成天皇 12/23 **
令和天皇 2/23 ***
* 実誕生日の8/31と、暑気を避けるため、10/31も天長節にしたようだ。
(細部は不詳)
** 昭和天皇の天皇誕生日の4/29が、崩御後、昭和の日となったが、この前例に
倣えば、平成天皇の天皇誕生日だった12/23が、平成の日として祝日になる
可能性があるが、祝日の増加を抑えるルールも必要となるだろうか。
アメリカ合衆国では、著名な、ワシントン、リンカーン両大統領に加え、すべ
ての歴代大統領の誕生日を祝う連邦祝日を、2月第3月曜と決めているようだ。
*** 新天皇の誕生日は、自動的には祝日にならず、法令で新たな祝日にする必要が
ある。
◎ワークライフバランス
終戦前までは、以下の祝日があったようだ。
・四大節として ( )は現在
四方拝 1/1 (→元日 慣習的に3が日は休み)
紀元節 2/11(→建国記念日)
天長節 4/29(→天皇誕生日)
明治節 11/3 (→文化の日)
・宮中行事から
神嘗祭 10/17
新嘗祭 11/23(→勤労感謝の日)
神嘗祭と新嘗祭の違いや、前者か無くなった理由は、未調査である。
我が国の伝統文化として、勤勉に働くことを善とし、休むことを悪としてきた価値観があるといえる。
これを反省し、終戦後は、土曜の半ドンをなくし、振替休日をとりいれ、祝日の間の日も休みとする一方、天皇にかかわる祝日が主だった四大節などの戦前の祝日に加え、以下のように、新憲法にかかわるものや、国民の厚生と労働かかわる祝日を増やしてきたことは、素晴らしいことだ。
・新憲法にかかわるもの
憲法記念日 5/3 (公布の翌年、新憲法を施行)
文化の日 11/3 (明治節に合わせて新憲法を公布)
・厚生と労働にかかわるもの
成人の日 1/第2月(今年は1/14)
子供の日 5/5 (伝統的な、端午の節句)
海の日 7/第3月(今年は7/15)
山の日 8/11 (慣習的な、お盆休みに近い)
敬老の日 9/15
勤労感謝の日 11/23(新嘗祭を改称)
今年の10連休で分かったことでもあるが、この辺で、増加路線で進めてきた休日の在り方について、働き方改革の一環として、ワークライフバランスを再評価する時期のように思える。
又、後期高齢者のカテゴリーに入るわが人生を振り返るに、仕事も子育ても忙しい現役時代を過ぎると、実感として、祝休日の意味が大きく変わり、年金をベースとした経済環境の中、リタイヤ後の自由時間を、健康で、生きがいを持って、どう生きるかが重要となることだ。