つれづれの記

日々の生活での印象

都知事の辞任騒動   2 

2016年06月30日 12時13分34秒 | 日記

2016年6月30日(木)  都知事の辞任騒動  2 

 

 マスコミや世間に対して、恰好の話題とネタを提供した、前 舛添東京都知事の辞任劇は終わったが、先日、当ブログに

     都知事の辞任騒動  (2016/6/21) 

の記事を、投稿したところだ。

 国内では、都知事の辞任との関連で問題となった参院選が、23日にスタートし、7月10日投票となっているが、その後、イギリスのEU離脱問題で世界が揺れており、連日、ニュースが流れている。

 本稿は、先の記事の続編として、知事の辞め方や辞任の理由等について、2、3補足して、早々に、切り上げることとしたい。

 

 ○ 知事の辞め方

 今回の騒動では、都議会による、都知事の不信任決議案が話題となった。

 国政では、内閣不信任決議案が提出されることは珍しくはなく、否決されることが多いが、これが可決された場合に、総理大臣は衆院の解散権を行使して衆議院を解散し、議員内閣制を取っている内閣が総辞職し、総選挙となることとなる。

これに対し、地方の知事の場合は、知事と議会議員は、それぞれ別々に選挙で選ばれているため、知事の不祥事等が理由で、知事が辞めるケースは、やや、複雑である。

  ①、議会は残ったままで、知事が自ら辞職すれば、知事選挙となる。

  ②、議会で、知事の不信任案が可決された場合には、知事には2つの選択肢があるようだ。

    ②-1、知事が辞職する。

    ②-2、知事は残って、知事が議会を解散し、議会議員選挙となる。

形としては、②-2も有り得るのだが、議会との関係が異常なため、結局、知事も辞めざるを得ず、議会選挙と、知事選挙が行われることになると思われる。

 後述するように、今回の事例は、① だったので、無用な混乱も無かったし、選挙費用も、半額の知事選の50億だけで、済んだようだ。

 

○ 今回の辞職まで

 先の都知事選挙時の、舛添氏の立候補の経緯は把握してはいないが、都議会で多数派を占める自民・公明が、中央政府を含めて、全面的に支援したようだ。 今回の疑惑が表面化した当初、特に自民党は、様子見で、態度をはっきりさせなかったのだが、都民の厳しい批判を反映した野党側の攻勢もあって、次第に知事を支えることが難しくなった。

 議会与党は、知事を説得し辞任を迫ったのだが、知事は、9月一杯まではやらせてくれ、と粘ったようだ。この知事の意図は、8月のリオ・オリンピックに出席し、閉会式で、次の開催都市であるTOKYOの首長として、世界中が注目する中で、オリンピック旗を受け取りたかったのだと思われる。これを、辞任の花道としたかったのだろうか。

東京五輪の開催時期と、知事選挙が重ならないようにしたい、との意図もあったろうか。 このようにして、9月までやらせてくれと、なりふりかまわず哀訴したのである。

 これに対して、与党の自公は、辞任時期を、ずるずると9月まで遅らせるのは、目前に迫って来ている参院選への影響が極めて大きく、 己に火の粉が降りかかり兼ねないことを懸念したようだ。

都議会内は勿論の事、国会の自民党や公明党との関係等、水面下では、どんなやり取りがあったのかは不明であるが、6月15日夜、与野党全会派が合意した不信任決議案がまとまり、議長に提出されて、可決される見通しになったのである。

 ここにきて、知事の腹は決まらざるをえなかったようだ。 

 

○ 退職金

 不信任決議案が可決されて辞職することは、不名誉なことで、ある評論家は、江戸時代なら、打ち首に当たるとも言っている。現在の組織で言えば、懲戒解雇で、この場合は、退職金は無い。

一方、決議案が可決される前に、自ら辞意を表明して辞職すれば、名誉は守られ、江戸時代なら、名誉ある切腹となるようだ。現在の組織で言えば、依願退職で、この場合は、退職金は貰える。

結局、舛添氏は、前者を選んだと言う事だ。 

 今回、支給される退職金の額は2200万程で、夏季賞与が380万程といわれ、多すぎると批判された。でも、退職金は在職期間に応じて算出するルールになっていて、額そのものは何らおかしくはない。(舛添要一都知事の退職金、約2200万円 別に850万円支給される

 不祥事で辞めるのに、上述のように、現行では、解雇か依願退職かの、0か1かの選択しか無いことが問題なのだ。 前回や今回の事例を踏まえ、都のルールを改めて、不祥事で辞める場合は、議会で討論して退職金を決める(0%~100%まで)、というやり方にする、というのも一案だろうか。    

  

○ 連続した辞任劇の理由

 先の、猪瀬知事の辞任に引き続いて、又もや、今回、政治と金の問題で辞任することとなった。

 猪瀬知事の場合は、5000万円の闇献金疑惑という、よくあるケースで、或る意味、分り易かったと言える。

 一方、舛添知事の場合は、2年4か月前、前向きな選挙公約の下、クリーンなイメージの政治家として、期待を一身に背負って就任した。選挙時は、中央、地方の自公が、全面的に支援している。

その知事が、今回辞任せざるを得なくなったのは何故だろうか。前稿でも、色々触れたので簡潔に述べたい。

 先ず、都知事就任以前の国会議員時代の、政治資金の使途の問題である。学者から政治家に転身した当初は、資金の使い方は妥当だったようだが、新党改革の党首に就任して以降頃から、杜撰になったとも言われているが、結局、これが命取りとなった。

政治資金規正法はザル法と言われるが、会計責任者がしっかり見ていれば、疑惑にはならないのだろうがーー。

  都知事への就任後については、公用車の利用形態や、外国出張時の高額の経費等についても問題にされた。 取り巻きの都の職員が、前例に倣って手配していることであり、数人いる副知事は、何も進言しなかったのか、とも言いたいのだが、前稿に述べたように、決定的な問題では無いと考える。

 

 国会議員時代から都知事時代を通して、公私混同が続いたようだ。家族旅行が疑われるのに政治活動の一環と言い張ったり、趣味の美術品等を、公費で購入するなどなど、余りにも、せこい話である。

 筆者にとって我慢がならないのは、所謂、セコイと言われた公私混同について、弁護士を介するなど、説明の姿勢に誠実さが全く感じられないことで、本人の人格さえ疑いたくなるのだ。

  氏は、学者や政治家としての、華々しい経歴の持ち主で、多数の著作もあるようだ。著作は読んではいないが、著書での記述や主張と、自身の行動とのズレが、都議会やマスコミで数多く指摘された。他に厳しく己に甘いのが、人の常ということだろう。

 氏には、超エリートとしての表の顔と、金に細かく、小市民的で、スケールが小さいもう一つの顔という、二面性の印象がある。その落差の、余りの大きさには、驚くばかりである。

通常の、政治資金絡みの疑惑では、腹黒さ等が見え隠れするのだが、今回はそれらが余り見当たらず、理解に苦しむのである。

 

 100条委員会の設置もなく、当人は、無言で退庁したことで、今後の疑惑の解明は不可能になったようだ。 やはり、辞めることで終わりとする、日本的な幕引きとなった、と言えよう。もう、これ以上、せこい話題をつっついても始まらないことで、人の噂も75日で、過去の人となるのだろうか。

 繰り返すが、筆者には、結局、辞任したのは、何が根本的な原因・理由だったのか、良く分らないのである。

 

○ 次の都知事選

 次の都知事を選ぶ選挙は、7/14告示、7/31投票ということで、参院選に引き続いて、慌ただしい日程が待っている。

 次の都知事の候補者選びが取り沙汰されているが、都知事の要件としては、どの様な人物が望ましいのだろうか。 昨日のニュースで、“次の都知事候補としては、政治資金疑惑の心配が無い、政治家の経歴が無い人が良い”、 と、或る与党幹部が述べたという報道があったが、何と言う事だろうか、と唖然とした! 今の政治家は、あまねく、疑惑だらけであることを認めている訳だ。 

 7月30日予定の、恒例の隅田川花火大会だが、当日、雨天の場合は、通常は、翌日へ順延されるのだが、今年は、投票日と重なる事から、順延は無いと言う。万が一、30日が雨天になれば、舛添さんの所為で、2016年の花火は見られなかった! と言われるのだろうか。

 

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野球での二刀流   3

2016年06月23日 22時52分55秒 | 日記

2016年6月23日(木)  野球での二刀流  3 

 

 これまで、野球に関して、

       野球での二刀流   1  (2016/6/10)

       野球での二刀流   2  (2016/6/15) 

を投稿し、その1では、DH制(指名打者制)と二刀流の現状等について、その2では、DH制の特徴、二刀流の実際等について触れたところだ。

  本稿では、先日の試合での二刀流大谷選手の活躍と、二刀流の評価尺度や、スポーツでの種目を複合した競技等について触れ、シリーズを締めくくることとしたい。 

 

◎ 大谷選手の直近の活躍

  先日の12日(日)に、交流戦の、

       日本ハムファイターズ ーー 中日ドラゴンズ  (名古屋ドーム)

が行われ、注目の大谷選手が、二刀流で出場するとあって、NHKのTV中継放送を、最初から最後まで、楽しませて貰った。

 

 この対戦での、大谷選手の活躍は以下である。

   投手  3-2で勝利し、勝ち投手に。チームの2連敗を止める。   

        1~8回を力投 9回は増井投手が継投 

        失点0 奪三振12 与四球1 被安打2  最高球速は161km/s

   打者  打順5 

        打席:左安打(次打者二塁打で得点) 三振  四球  四球(押し出しで打点1) 

  交流戦の全行程を終了した22日、交流戦期間で顕著な活躍をした選手1名づつが、両リーグから表彰されたが(「日本生命賞」)、パ・リーグからは、勝ち数(3勝0敗)、防御率(0.38)の2冠で、最高速を何度も記録した、大谷選手が選ばれた。(ハム大谷が交流戦投手2冠で「日本生命賞」受賞 )  

 

◎二刀流の評価尺度とタイトル

◇通常の評価尺度とタイトル

 通常、野球選手の成績は、投手部門、打撃部門、それぞれに分けて評価される。二刀流の成績は、どう評価されるのか気になる所だが、通常の尺度で評価すると以下のようになる。

 ・2015年

 二刀流の大谷選手は、前稿にあるように、2015年に、一刀流の選手と同じ土俵で、投手部門の3冠(最多勝、最優秀防御率、最多勝率)を獲得したのは立派である。 

・2016年 

 開幕以降、交流戦終了までの通算成績は、以下である。(6/20夜まで)

 投手  6勝4敗

      防御率2.21(登板試合数13 投球回数93 2/3 自責点23)                 

        規定投球回数68(試合数×1.0 チーム試合数は68)をクリア

        年間での規定投球回数は、143以上、

      奪三振111 

  

 打者  打率 .336(出場試合数41 打席129 打数107 安打36)

      打率は、規定打席回数211をクリアしていないので、対象外。

         規定打席回数:チーム試合数×3.1=68×3.1=211 

      本塁打9

  今年の、此処までの公式戦での活躍は立派で、今後、シーズン終了まで、投手・打者として、リーグ内で、幾つかのタイトルを獲得することを期待したいものだ。

 

◇トリプルスリー

  二刀流独自の評価尺度について考察する参考として、打撃の成績の評価の一つである、「トリプルスリー」という称号・タイトルを見てみたい。

  昨年度、柳田(ソフトバンク)、山田(ヤクルト)の両選手が、揃ってこのタイトルを獲得し、大きな話題となり、流行語大賞にもなったのは、記憶に新しい。

このタイトルは、          

     打率    3割以上

     ホームラン 30本以上

     盗塁    30個以上

だ。

 打撃部門の三冠王(首位打者、ホームラン王、打点王 トリプルクラウンン)は有名だが、この三冠は、それぞれの頂点を同時に達成するという快挙だ。NPBでも、何人かが達成している。

 これに対して、トリプルスリーは、打撃部門で、頂点ではないものの、打力、走力を兼ね備えた、隙の無い好打者の証明であるとされる。 打点では無く、やや異質な、盗塁数が入っているのがミソである。

  NPBではこれまでに、多くの選手がこのタイトルに輝いているが、直近では、少し前の2002年に、松井稼頭央選手(西武)が獲得しているようだ。 同じ年度に、複数選手が出るのは、65年振りという。(トリプルスリー - Wikipedia )

余談だが、今後、このタイトルが期待できる若い選手として、楽しみなのは、楽天の新人、オコエ選手だろうか。

                                                                                                              

◇二刀流独自の評価尺度の具体案

 例年、シーズンオフには、年俸交渉が話題となる。 二刀流は、他のチームに全く広まっていない状況だけに、投手と野手(打者)の二刀流を目指す選手にとって、二刀流の選手は、どの様に評価されるのだろうか、気になるところで、二刀流の選手の成績を評価する、二刀流独自の尺度が欲しいところだ。 

 筆者は、二刀流のファンの1人だが、二刀流の目標として、投手、打者として、それぞれの頂点ではなく、適度の位置を狙った、独自目標があれば、より広まる切っ掛けになるのでは、と考える。トリプルスリーのタイトルに倣って、以下に、具体案を示す。 

*年間目標  10勝 10本塁打(呼称 ダブル10)  

  大谷選手は、2014年に、

          11勝、10本塁打

と、すでにこれを達成している。  

 

*年間目標(ハードルをやや高くした案)

           15勝 15本塁打 (呼称 ダブル15)

 大谷選手は、2015年は、15勝はすでに達成しているが、本塁打数は5だ。

 

*年間目標(トリプルスリーに倣って、打率を加える)
          10勝 10本塁打 2割5分(呼称 1・1・Q )

                            Q:Quarter 1/4

 打席数がどうしても不足しがちなので、二刀流向けの規定打席数を新設。

   大谷選手の実績から、出場試合数を、チーム全体の試合数の1/2とし、これに、3.1を掛けて規定打席数とする。 

     年間試合数143 1/2 →規定打席数 222 

 2016年のこれまでの出場実績から、年間の規定打席を推定すると、

        143×41/68×3.1=267

となり、上述の、二刀流規定打席は、十分、クリアできそうで、しかも、これまでの実績からは、かなりの高打率が期待できそうだ。  

 身体状況から、143試合全てに出場するのは勿論無理で、出場回数がどうしても制限されると考えられる。二刀流を実践している大谷選手は、休養を含めて、スケジュールの上で、投手と打者として、どのように調整しているのだろうか。

 

◇識者の意見

  二刀流については、識者の意見は、賛否様々だ。 毎年の成績とともに、生涯成績についても、ケチなことを言わずに、二刀流の選手でも、通常の一刀流の選手と同じにする事を目標にせよ、との意見もあるようだ。 (二刀流 - Wikipedia

  これだと、生涯成績では、例えば、

     200勝

     2000本安打

が目標となるのだがーー。

  

◎ スポーツでのマルチ種目競技

 スポーツには、異種の種目を組み合わせ複合した、マルチ種目競技(本稿での仮称)がある。

主なものとしては、

  陸上  バイアスロン(2種目 スキーと射撃)

       トライアスロン(3種目 水泳 自転車 ランニング)

       十種競技(デカスロン)(10種目 勝者はキングオブアスリート)

  水泳  メドレー(4種目 バタフライ バック ブレスト 自由形)

  スキー ノルディック複合(2種目 ジャンプ ノルディック)

等がある。

  これらは、これまでの文脈で言えば、n刀流の競技とも言える。 れぞれの種目で、それぞれが1刀流で頂点を目指すのでは無く、複数のn種目を複合した競技で、個人で頂点を目指すこととなる。 

 この中で、ルールが簡明で、分りにくい換算がなく、時間による順位だけで決まるので、見ていてよく分るのが、トライアスロンとメドレーであり、これらについて、少し考察する。 

・トライアスロンは、全く異質の3種目(水泳、自転車、ランニング)を組み合わせているのが面白い。勝者は、アイアンマンと讃えられるようだ。 各種目、どれだけの距離にするかは、色々、あるようだ。

 先だっての5月14日(土)、横浜で、世界トライアスロン大会が開催されていて、女子個人で、日本の上田藍選手が、3位になったのは、立派である。

 

・メドレーも、異なる泳法が組み合わされているので、1人でやるのは大変だ。 リオ五輪のメドレーでの、日本の、瀬戸選手と、萩野選手の活躍と、金メダル争いが楽しみである。

 4人で泳いだ時と、1人で泳いだ時とを、日本記録ヲピックアップし、比較してみた。 ( 競泳の日本記録一覧 - Wikipediaより)

   4×100m メドレーリレー 2009年  合計時間  3分30秒74

                              入江 立石 藤井 原田

   400m   個人メドレー  2013年  時間 4分7秒81 萩野

 リレーの方が、個人に比べて、30秒以上も速いのは当然だが、マルチ種目競技の大変さと面白さでもあるだろうか。この夏のリオ・オリンピックでは、この水泳競技が、注目の一つである。

 

 

 2020年の東京オリピックで、野球・ソフトボールが認められるかは、リオ・オリンピック直前の、IOC総会で決まるが、その場合、DH制や、二刀流はどうなるだろうか。

 

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都知事の辞任騒動

2016年06月21日 18時59分06秒 | 日記

2016年6月21日(火)  都知事の辞任騒動

 

  週刊文春のスクープ記事が、大きなきっかけとなった、都知事の辞任騒動が一段落した。 舛添都知事は、昨日、最後の登庁となり、今日21日付けで辞任した。

都知事選の投票日は、7月31日(日)になったようで、連日、候補者選びのニュースである。7月10日投票の参院選とともに、選挙権のある都民の一人として、暫く、落ち着かない日々になりそうだ。 

 今回の騒動について感じた印象を、思いつくままに記すこととしたい。

 

○週刊誌の力 

 週刊文春が、5/5・12GW特大号(4/27発売)でスクープ記事を載せて以降、舛添都知事に関する話題が、一気に表に出て来て、マスコミの格好の材料となった。週刊文春は、第1弾~第7弾と、息つく暇を与えず、暴露記事を連発した。 筆者は、この週刊誌の現物は見ていないのだが、以下はネット情報より引用した、バックナンバーである(新しい順)。(雑誌バックナンバー - 週刊文春WEB を参照)

 

 

  週刊文春の記事より以前には、舛添知事が外国訪問時の、航空機の座席がファーストクラスであったり、泊まるのが、最高級ホテルのスイートルームだったりと言うのが、都議会で問題になっていたようだ。(舛添知事、米国出張は1泊15万円 いずれも「要人の急な面会に備えて」スイートルーム - 産経ニュース  等)

これに、火に油を注ぐように、週刊誌のスクープ記事が出て来て、都知事を辞任に追い込む、決定打となったと言えるだろうか。

 

 週刊誌の、情報収集力、影響力の凄さ・恐ろしさに驚かされる。 一方で、強大な存在を前に立ち向かった鼠小僧のように、庶民の味方、正義の味方の様な、小気味よさを感じるところでもあるがーー。

 この週刊誌は、先に、政治資金疑惑で、TPP担当だった、前甘利明大臣を、辞任に追い込んだ“実績”もあるようだ。(「リスクを恐れず、訴訟で負けない記事を作る」週刊文春・新谷編集長に聞く(上) (弁護士ドットコム) - Yahoo!ニュース

 

○都知事のステータスと待遇

 上述した、この春頃から都議会で問題となっていた、公務で外国に行く場合の、都知事の豪遊ぶりだが、週刊誌後のマスコミでも、改めて批判された。でも筆者は、このことについては、そんなに度を越しているとは思わない。

  都の担当職員は、これまでの前例に倣って、座席や宿を手配したことで、知事自身が特別に注文を付けたとは思われないのだが。でも、都としての財政の豊かさが、都庁内の体質や空気を、放漫なものにしていた面は、あるだろうか。

  いやしくも、世界の東京の首長として、恥ずかしくないスタイルをとることも必要と考える。レベルは大きく異なるが、筆者のささやかな経験では、国際会議に代表として出席する場合は、どのホテルに泊まるかも、重要なステータスではある。

 

  そして、週刊誌でスクープされた、湯河原の別荘へ、毎週のように、公用車で通った問題だ。 政治家としての事務所と別荘とが、どのように区別されていたのかは不明だが、筆者は、これも、許容範囲内と考える。 別荘を、私邸とすれば、職場から安全に私邸に送り届けるのは、取り巻きの重要な仕事で、少なくとも、往路については、おかしくはない。

 又、都管内で豪雨災害が起っている/起る可能性があるのに、予定通り東京を離れ、公用車で別荘に行ったことも問題視された。都民の安全を守る知事の立場としては、やや離れた場所に移動するのは望ましくはない。

が、知事の仕事は、24時間勤務とも言えることで、息抜きも必要で、所在がはっきりしていて、十分に情報連絡ができる体制こそが肝要だ。この情報ネット時代、居場所が何処であろうと、指揮は取れるのだ。

 顔を見せる対面に拘る日本的な慣習よりも、中身が重要である。

 

○せこいと言われた公私混同

 第2弾で、「血税タカリの履歴」として公表された暴露記事が、命取りになっただろうか。記事の内容は、以下のようだ。

正月家族で温泉宿 37万円 ●自著100冊買上げ 10万円 ●美術品等 900万円 ●湯河原別荘近くの回転寿司 5万円 ●自宅近所ピザ屋 20万円 ●3000円床屋は子供の分も領収書

 記事の冒頭にある温泉宿は、木更津のホテル三日月のようで、この宿泊費37万円が、政治資金から支出された事が問題となった。 ただの家族旅行だったのでは、との疑惑であるが、当人は、このホテルで、某出版会社の社長と政治に関わる会談を行ったと言っている。

 でも、相手の具体的な氏名等は、政治の機微に触れるとして、到頭、明かされなかった。ある情報では、その某社長は既に亡くなっていて、確かめようが無いようだが、だからこそ、でっち上げたのでは、とも言われている。

 “あれは家族旅行でした”、と、最初に素直に認めていれば、その後の嘘の上塗りも不要となり、事態は、別の方向に展開していたかもしれない。

 

  政治資金の使途に関する、その他のこまごました話題では、自己の趣味や、家族に関するものだったのでは、との疑惑があるのだが、本人は、これを否定して、政治活動上で必要だった、と言い張った。

そして、逃げ道を作るかのように、これまでの疑惑を明らかにするために、第三者の弁護士に、公正な調査を依頼するとしたのだが、単なる時間稼ぎ作戦でもあったろうか。

  暫くして、弁護士による、調査結果なるものが公表され、“違法性はない”ものの、“道義的には不適切”と、幾つか指摘された。でも公表内容に具体性が全く無く、公私混同の疑惑は、少しも晴れなかった。 知事の対応に、誠実さが全く感じられず、議会や都民の信頼を失うばかりであった。

 第3弾以降で取り上げられた話題では、知事本人の人間性を疑わせるようなゴシップが多いようだ。

 

○ 「sekoi」が、国際語となった? 

 今回の、都知事の辞任騒動について、著名な米ニューヨークタイムズ紙は、前知事の行動を表す言葉として、都議会などで最も多く使われたのが、sekoi だった、と報じている。(舛添氏は「せこい」 米NYタイムズ紙 - 政治・社会 - ZAKZAK) 

 日本語の「せこい」は、芸事の世界での隠語から来ているとの説があり、みみっちい、けちだ、等とほぼ同義だが、より卑下した語感があり、俗語に近く、手持ちの通常の国語辞典には載っていない。

 ここで、関連する和英の単語を、反対語と共に、調べてみた。

   みみっちい、けちだ :stingy(スティンジイ)、misaly(マイザリイ) 

   気前がいい      :open-handed、generous(ジェネラス)

 せこいは、日本語としては、普段は、あまり使われないのに、外国人ジャーナリストのセンスは流石、と感心したことだ。 類似の意味の俗語として、「こすい」もあるようだ。

 

 ここで、外国語となっている日本語として思い浮かぶのは

     モッタイナイ    

     オモテナシ    

     ツナミ

     ラーメン

などであるが、これらは、日本の文化的・地勢的特徴を、よく表しているだろうか。

 

今回、これらに、「セコイ」が加わったのだろうか?! 

 国際的には、暫くは、東京のsekoi知事のことが話題となるだろうが、 日本人が、sekoi と言われた訳ではない。日本の首都東京で、行動がsekoiことに端を発して、辞任に追い込まれた知事がいた、ということだ。

 

 次稿では、辞任に追い込まれた直接的な理由や背景等について、取り上げることとしたい。

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鏡餅の後日談

2016年06月18日 18時22分46秒 | 日記

2016年6月18日(土)  鏡餅の後日談 

 

 例年の、我が家の恒例行事である正月飾りの一つとして、鏡餅があるが、今年の正月の様子を、ブログ記事 

        今年の正月―正月飾り  (2016/1/28)

 にしている。

 下図は、記事の中にある鏡餅の写真だが、この鏡餅、包装カバーの中は、切り餅が入っているのではなく、二重になった餅そのものだったので、驚かされたことだ。  

       

  暮れに、この鏡餅を買った時に、抽選付きで草花がプレゼントされるという、申込書が付いていたという。ワイフKが、どうせ当たらないだろうと思いつつ、駄目元で、郵便で申し込んでいたようだ。

 そして、何とつい先日、鏡餅のメーカ(新潟県 T社)から、抽選で当たったと、段ボールに入った、鉢植えの花が届けられたのである!

 

 この草花は、見た事はあるが、添えてある名札から、スパティフィラム(スパシフィラム)と呼ぶ事を知った。

調べてみると、ミズバショウなどと同じサトイモ科の観葉植物で、仏炎苞という、白い後背に守られるようにして、中央に、棒状のいぼいぼの花(肉穂花序)がある。清楚な雰囲気があり、白い苞と、濃緑の葉のコントラストがいい。

 日陰にも平気なので、取りあえず、風呂場ギャラリーに登場である。(下図) 

 

   

 鏡餅は、1000円前後だったと思うが、この、竹籠の鉢植えの生花の方が、余ほど高価で、ネット情報では、2~3000円位はするだろうか。

 偶然に籤に当たったとはいえ、思わぬ生花のプレゼントは嬉しく、花姿にも好感が持てたことで、現金なもので、このメーカが、すっかり好きになってしまったことだ!

 

 調べてみると、このメーカは、鏡餅だけでなく、我が家の常備食品である切り餅や、デザート類、おかゆ等、幅広い食品類を扱っているようなので、今度、スーパーで探して見ようと思っているところだ。

 

 

 

 

 

 

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野球での二刀流   2

2016年06月15日 23時21分26秒 | 日記

2016年6月15日(水) 野球での二刀流  2

  

 先日、野球に関して

     野球での二刀流   1  (2016/6/10)

 を投稿し、DH制(指名打者制)と二刀流の現状等について、取り上げたところだ。

  本稿は、その続編で、DH制の特徴、二刀流の実際等について触れることとしたい。

 

 

◇ DH制の特徴

* 投手への、打者としての期待度

  DHを置かない(非DH制)試合では、投手は、通常、交代せずに打席に立つ義務があるものの、その打撃は殆ど期待されておらず、打順は、通常は、打席回数が少ない9番等が多い。

 打順が来れば、投手リレー上、そう頻繁にも代われず打席に立つものの、本人の打ち気も余りなく、凡打が多く、バントしたり、三振することもある。たまたま、ヒットやホームランを打つと、想定外の儲けものをしたように、大きな話題となる。

チャンスの場面では、その投手に代わって、代打(PH)が出されることも多い

  投手が打席に立つ場面は、大方、アウトカウントが1つ増えるだけで、見ていて面白くは無い。

歴代の投手の通算打撃成績を見ると、打率の良い選手でも、2割5分程度だ。(歴代 通算記録

 

 

* DH制で、試合は面白くなったか?

 このような、打てない投手の問題を解消し、試合の面白さを高め、野球人気を盛り上げることを狙って、前稿にあるように、DH制が、MLBで始められたようで、NPBもそれに倣っている。 

DH制の試合では、投手、打者の役割を分業化し、それぞれに有能な選手を充てることとなる。 DH制が行われている、NPBのパ・リーグの試合では、通常は、投手は打席に立たず、代わって、DHが打っている。 

このDH制の導入で、どれ程、野球は面白くなっただろうか、集客効果が上がっただろうか?

 

* 二刀流への期待

 投手と打者の役割を分業し、それぞれを、2人2役で受け持つのがDH制だが、これに対して、この流れに逆らって、元に戻すかのように、2013年から、NPBで現れて来たのが、1人2役となる二刀流であろうか。

従来の非DH制での投手(一刀流)と、二刀流での投手とは、形の上では、なんら変わらないのだが、二刀流の選手は、1人2役をこなし、投手としてだけでなく、打者としても、大いに期待される所が大違いなのである。

 二刀流は、見ている観客にとって、大きな魅力なのである。 野球ファンの、英雄願望、スパーマンへの期待の表われでもあろうか。

 

*選択肢が増えた!

 DH制についての、NPBでのシステム的な変遷でみると、以下のようだ。

  

   非DH制→非DH制(セ・リーグ) →一刀流 ◎

                         →二刀流 ×(実施しているチームは無い)

        →DH制 (パ・リーグ)  →一刀流 ◎

                        →二刀流 ○(日本ハム 大谷選手のみ) 

 此処に至って、バリエーションとして、DH制下の試合でも(さらには非DH制下の試合でも)、投手が、投手で無くDHで出たり、野手で守って打ったりする(準二刀流)事例が出て来たが、この様な選手起用については、特別な規制はないようだ。

更には、同じ試合で、投手で出て、打席に立つことも出来る(リアル二刀流)事例も、出てきた訳だ。この場合、DH制下では、DHを解除しDHを置かないという、リアル二刀流となるが、非DH制下では、そのまま、リアル二刀流である、とも言える。

 非DH制・DH制、準二刀流・リアル二刀流と、多様なパターンが出て来ていて、選択肢が増えたのだ。

二刀流については、日本の1リーグ時代に、関根順三選手、西沢道夫選手などが、経験した前例はあるようだ。

 

 

◇二刀流の実際

*試合状況とスケジュール

 5月末から今月中旬にかけての、日本ハムの大谷選手のスケジュールは下図のようだ。出場する試合(DH、投手、代打等)と、休養・調整のスケジュールが組み合わされている。

 (ネット情報より)

 昨年までの準二刀流に加えて、今季になって遂に、図にあるように、下記で、リアル二刀流が行われている。

     5月29日 日本ハム―楽天戦   DH制  ビジタ-     

     6月 5日、日本ハム―巨人戦  非DH制 ビジター

これらについては、すでに、前稿で取り上げているので、詳細は省略する。

 

 そして、先日の札幌ドームでの交流戦、

     6月12日 阪神―日本ハム戦 DH制  ホーム

で、3度目のリアル二刀流が実現している。 試合の概況を、末尾の「別記」に示す。

 更に、図にあるように、交流戦の最後の

     6月19日 日本ハム―中日戦 非DH制 ビジター

で、またまた、大谷選手は、リアル二刀流で登板予定のようだ。 

 

*二刀流の当人からみたら

 非DH制では、投手を含めて、イニング毎に攻守が交代するので、リズムがあり、攻めの時は、適度の休憩時間も得られる。

これに対して、DH制では、攻めのイニングの時の投手/守りのイニングの時のDHは、休みのイニングができることとなる。やる当人から見たら、楽な面と、やりづらい面があるだろうか。

 一方、DH制/非DH制に関わらずに、1人2役をこなす、リアル二刀流の試合となると、当人は、可なり忙しく、しんどいだろうか。

 

 又、試合が無い時間の過ごし方は、どうだろうか。

 非DH制の場合は、先発投手は、中4日、5日程のローテーションで、登板があるが、大谷選手の場合、スケジュール表では、登板前の2日間は、投手として調整とある。 

 投手としての休養や、野手としての調整も必要で、当人の負担や、身体状況を見ながら、どの様な準備やトレーニングを行うか、難しさもあると思われる。

  

*二刀流が広がらない!

 先述のように、NPBでの、DH制のシステム的な変遷でみると、二刀流は、2013年以降から現在まで、パリーグの1球団の、1選手だけが対象となって、限定的に行われているだけで、広がる気配はない。

 来月のオールスター戦は、2試合とも、DHルールで行われるとあるが、オールスターのファン投票の中間発表では、大谷選手は、投手として人気が高いが、DHとしても名前が出ているようだ。(マツダオールスターゲーム2016 | NPB.jp 日本野球機構

オールスター後、通常シーズンに戻ってからの大谷選手の二刀流は、どうなるだろうか。

 

 再度言えば、二刀流は、何も、DH制のあるパ・リーグの試合に限った事では無く、非DH制のセ・リーグの試合でも、勿論、できる。 現在進行中の、セ・リーグとの交流戦でも、これまでの、

     日本ハムー巨人戦

     日本ハムー阪神戦

では、セのルールに従って、セの公式戦と全く同様に、行われていることだ。

 

 この流れで、二刀流を行うチームとして、2チーム目、3チーム目が現れ、又、後継者として、2人目、3人目の選手が出て来てほしいものだが、どうして流行らないのだろうか?

 下記の様な、幾つかの理由が考えられる(順不動):                                        

    ・難しすぎて、投打の能力のある選手が極めて少ない

    ・二刀流としての評価基準が定まっていない 

    ・実践データの蓄積が不十分

    ・選手生命を考えた長期的な選手育成法が見えない

    ・識者からも、二刀流には問題が多いと懸念する意見も多い

    ・NPBが見倣ってきたMLBで流行っていない!

    

 

「別記」 TV観戦した試合の概況

   (大谷163km連発 (2016年6月13日(月) - Yahoo!ニュース) 

 6月12日 日本ハム 6-0 阪神戦  日本ハムの2勝1敗で終了

  大谷選手の活躍:

    投手 勝利投手(通算5勝4敗)

        1~7回登板(8回から交代)失点0 奪三振8 

        自己の持つNPB最速記録163km/sのタイ記録を、5回も連発

    打者 5番投手で出場(交流戦初のDH解除)

        3打数0安打(四球1 フライアウト2)

    打者としては振るわず、投手としての活躍ばかりが目立った。 

 

 次稿では、二刀流の評価尺度や、スポーツでの複合競技等について触れ、シリーズを締めくくることとしたい。

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