つれづれの記

日々の生活での印象

風呂場に秋の風情

2017年09月30日 14時29分47秒 | 日記

2017年9月30日(土)  風呂場に秋の風情

 

 久しぶりにワイフKが、秋の風情漂う屋上庭園から切り取ってきた草花で、風呂ギャラリーを飾ってくれた。

  風呂場風景

 

   

 中央のぼんやり白い集団は、マルバフジバカマ(丸葉藤袴)     赤紫の細かい花とつぼみは、サンジソウ(三時草) 

                                            ハゼランとも

   

秋の七草の一つ、黄色のオミナエシ(女郎花)は、やはり欠      紫色の小さな実の集まりはコムラサキシキブ(小紫式部) 

 かせない役者 

 

    

直線的で存在感十二分のサンスベリア達。                   左右にぶら下がるのはシカクマメ(四角豆)の実。

室内で増え過ぎ、一部屋外に引っ越し中。                    角張った莢の横断面が、ユニークな十文字型になる。 

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タバコの今ー最近のタバコと税金

2017年09月29日 15時35分33秒 | 日記

 

2017年9月29日(金) タバコの今―最近のタバコと税金

 

 これまで、当ブログで、

     タバコの今―受動喫煙防止条例制定へ  (2017/9/17)

     タバコの今―世界のスモークフリー   (2017/9/21)  

について取り上げた。 本稿は、これらの続編で、最近のタバコ事情について触れ、シリーズを締めくくることとしたい。

 

○ 電子タバコの登場

  歴史の長い紙巻きタバコ(cigarette)に代わって、最近は、電子タバコ(eーcigarette)が登場し、欧米を中心に、結構な人気のようだ。

  紙巻きたばこは、タバコの葉に火をつけて燃やすものだが、電子タバコは、燃やさずに電熱器で加熱するものだ。タバコの葉を直接加熱し、そこから出る香気を吸うもの(初期の電子タバコ)や、熱い水蒸気をタバコの葉の間を通し、その蒸気を吸うもの(液体型)など、各種あるようだ。

  英国では、いまや下図のように、これまでの

       smoke(煙、煙を出す)⇒smoking(喫煙)

に加えて、電子タバコの

       vape(蒸気、蒸気を出す)⇒vaping (喫蒸? 吸気?)

という言葉も定着しているという。 

     

 

○ 日本の電子タバコ

 国内で、JTが2013年に発売した電子タバコ「プルーム」は、カートリッジ内のタバコ葉を加熱する製品だ。2016年には、この後継製品である、「プルーム・テック」を、通販と一部地域で発売したが、こちらは、液体式で、加熱した液体から出る蒸気を、タバコ葉のカプセル中を通過させる方式という。品切れ状態が続く人気のようだ。

 2015年に、フィリップモリス社が、タバコ葉を加熱する製品「iQOS」を発売。 こちらも、人気が急増し、入手が困難な状況という。 奇妙な名称は、

     “I Quit Ordinary Smoking。”(通常の喫煙を止めた)

から来ているとも言われる。(iQOS(アイコス)の名前の由来は?

 2016年12月には、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)も加熱式タバコを、仙台限定で販売しているようだ。

 

  電子タバコ用の喫煙器具の日本国内での入手方法だが、ネット通販が多いようだが、価格は、iQOSの場合、喫煙用器具一式(パイプなど)が、10980円で、吸うたびに取り替え装着する専用葉タバコ(ヒートスティック)は、20本入りで460円という。(コンビニでも買えるiQOS(アイコス)の値段・価格は?購入方法は?

                      

               上 従来の紙巻きタバコ

                  中 専用ヒートスティック

                    下 iQOS専用パイプ

 

 電子タバコの市場規模は、日本ではまだ小さいようだ(全体の10%程度)が、先行して急成長している欧米では

    2014年  約35億ドル (約3500億円)

           うち、米国が約半分

               EUが約10億ドル(うち、英国が約3億ドル)

という。

  2017年には、世界の市場規模は、約100億ドル(約1兆円)との予測もあり、2047年には、電子タバコ市場が、既存のタバコ市場を上回るとの予測もある。(以上 電子たばこ - Wikipedia など)

  電子タバコの特徴だが、電子タバコを吸う時の煙や蒸気の中味には、紙巻きたばこの燃焼で発生し発ガン物質と言われるタール成分が無く、タバコ本来の、麻薬的なニコチンだけという。このことから、欧米の医療機関では、患者の禁煙治療を始める時は、電子タバコを勧めるようだ。でも、他人に迷惑を掛けないという受動喫煙防止の観点からは、電子タバコも、規制の対象であるのは、勿論である。  

 

○ タバコと税

 嗜好品であるタバコは、アルコールとともに、課税の対象とされてきている。 現在の我が国では、紙巻きたばこの場合、販売価格440円のメビウスの例では、消費税を含めた税金総額は、277.47円となるようだ。

           内訳  国タバコ税、地方タバコ税、タバコ特別税、

                消費税(32.59円(税率 7.4%))

したがって、販売価格に占める税率は、63.1%となる。(たばこ税 - Wikipedia 参照) 

 国の税制論議では、折に触れ、課税・徴収がしやすいタバコ税(酒税も)が話題に上がってきた。タバコの消費が大幅に減ってきている中で、最近の電子タバコが目を付けられ、紙巻きタバコ並みに税率を上げるべきとの論議も出ているようだ。

喫煙や、受動喫煙が、体に悪いのならば、いっそのこと、タバコには高い税金を課し、禁止的な値段(3~4千円/20本)にし、需要・喫煙を抑えるべき、という過激な意見もある。

 

 東京都の受動喫煙防止条例制定の行方や、今後の国際競技大会開催に向けての国内の規制状況がどうなるのか注目したい。

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タバコの今ー世界のスモークフリー

2017年09月21日 09時19分07秒 | 日記

 

2017年9月21日(木) タバコの今―世界のスモークフリー 

 

 先日、当ブログの記事、

     タバコの今―受動喫煙防止条例制定へ  (2017/9/17)

で、東京都の条例制定の動きについて取り上げた。

本稿は、その続編で、スモークフリーと、世界各国の受動喫煙防止対策の状況についての話題を扱っている。

 

○ スモークフリー

 筆者は、殆ど知らなかったのだが、スモークフリーという言葉がある。 これは、

     smoke-free (タバコの)煙が無い

と言う事で、

     タバコの煙が無い⇒タバコの煙から解放されている

ということで、完全な禁煙状態の場所を意味し、欧米では普通に使われている用語と言う。

 アルコール分を含まないビールや化粧品を、アルコールフリーと言うのに似ている。

 

 一方、紛らわしい言葉だが、

     スモーキングフリー  smoking―free

というのは、喫煙(スモーキング)が自由、ということで、全く反対の意味で、自由に吸っていい場所、吸い放題の場所ということになる。

日本では、スモークフリーという言い方が、この意味に誤解されることもあるようだ。

 

 以前、英語の参考書で、以下の2つの英文の意味の違いを、知ったことがある。

      I stopped to smoke. 喫煙するために立ち止った。

      I stopped smoking.  喫煙を止めた(禁煙した)。

 

 下図は、前稿で触れたが、この春、WHOベッチャー部長の訪日時に示された、2014年時点での、世界の受動喫煙対策(スモークフリー)の普及状況を現したWHOの地図で、対策のレベルを4段階に分け、色の濃淡で表わしたものだ。

図の凡例が、やや不鮮明だが、拡大してみると、日本語では下のようになっている。  

    

           

  ここで、公共場所(public place)とは、家庭内などの私的場所(private place)を除く、複数の人が集まる場所のことで、公共施設(役所、学校、医療機関等)は勿論、私企業の職場や交通機関、路上等も含まれる。

   

図にあるように、日本は最も遅れているレベルにある。(非喫煙者も年間1万5千人が犠牲となるタバコ 世界最低ルールの厳格化は進むのか(BuzzFeed Japan))

  

○ 我が国の喫煙率の推移

 国内の成人喫煙率について、ネットで調べた所、JTによる調査があり、下図のようだ。 (最新たばこ情報|統計情報|成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)より)

   

 図にあるように、喫煙率は、年々低下傾向にあり、特に男性の喫煙率は、昭和40年と平成28年とでは、大変な減少で、改めて驚かされる。

 図では分かりにくいが、全年齢の数値では、

     S40年 男82.3% → H28年 男29.7%

           女15.7% →      女 9.7%

となっている。

 また、喫煙率から、人口を推計すると、H28の値で

           喫煙人口     喫煙率

              男 1498万人   28.2%

        女  528万人    9.0

となるようだ。 

  子供も含めて、人口の8割は、タバコを吸わない人たちになるようだ。

 

筆者にも、タバコとの関わりについては様々な思いがあり、当ブログでも、7年前に

       タバコ その1  最近のタバコ事情  (2010/3/30)

       タバコ その2  タバコとの付き合い (2010/4/11)

       タバコ その3  タバコの今後    (2010/5/3) 

を、シリーズもので投稿している。

 この中のその2で、筆者の喫煙・禁煙体験について触れているが、当時から以降、タバコには、スッカリ興味が無くなっている。

 

○ 受動喫煙

  タバコは、コロンブスがアメリカ新大陸(西インド諸島)から持ち帰って以来、嗜好品の一つとして、世界に広まっていった、と言われる。

嗜好品として愛用する人にとって、タバコを自由に吸う(能動喫煙 active smoking、first-hand smoking)ことで、身体的快感や、精神的なリラックス効果が得られるものだ。

長い歴史の中で、これまで、タバコの種類や、喫煙形態も多様化し、関連産業も含めた、裾野の広い、社会・文化現象になってきた、とも言える。

 

  でも、吸わない人、臭いや煙が嫌いな人達もおり(前述のように、現在の日本では、国民の約8割が吸っていない!)、受動喫煙(passive smoking、second-hand smoking)という概念が広がり、いまや、この人たちは受動喫煙から守られるべし、という権利意識が確立しているだろうか。

吸っている人たちが発生させている、環境タバコ煙(ETS:Environmental Tobaco Smoke)を、公害の一種とみなして、社会的に規制し、公的場所から追放する動きが広まっている。

 

  下図は、平成22年(2010年)に、わが国で初めて、条例を制定し、「神奈川県からなくそう、受動喫煙」と、公共場所でのスモークフリーを打ち出した、先導的な神奈川県のロゴマークである。スモークフリーという横文字の意味が、“煙から解放されて自由になる”とある。 

象(ゾウ)の吸うタバコの煙を、白鳥(スワン)が顔を背けて嫌がっている絵がかわいいが、スワンゾウ(吸わんぞー)と懸けているようだ。

        

 スローガンの 

       “吸わない人には、吸わせない”

の「吸わせない」という日本語だが、

      周囲が、本人を保護するために、吸わせない

という、積極的な意味になろうが、本人の欲求(?)を抑える、という禁止な意味合いにもなり、やや不自然だが、苦労したところだろうか。 

  スローガンとしては平板だが

      “吸わない人は、吸わなくてよい”

もあるかも知れない。

 

  喫煙が、体の健康に及ぼす害悪(ニコチン、タールなど)の研究も盛んだ。吸う人本人だけでなく、ETSに晒された場合の、吸わない人たちの、身体的害毒や、精神的苦痛の大きさも指摘されている。 

 

  欧米に比べて、公共心に乏しいと言われる日本人だが、タバコについては、私的な欲求と、公的な配慮とをバランスさせることについて、国民的なコンセンサスを得る(腹を決める)時だろうか。 

個々人の「嗜好の自由」は保障されるべきだが、周囲に迷惑をかけてまで、私欲を追及するのは控えるべきだろう。

  個人レベルでは、タバコの喫煙だけでなく、電車中の携帯通話、コンサート場での呼び出し音、イヤホンから漏れるシャカシャカ音、壁越しのピアノの音、うなぎ屋の店先の煙、道路脇や登山道でのポイ捨てごみ、なども入るだろうか。マナーと言う柔らかい言い方で定着しつつあるがーーー。

  社会レベルでは、工場の排煙・排水、車の排気ガス、ゴミや産廃の不法投棄、歓楽街の夜通しの騒音、畜産場の周囲への悪臭拡散、等があるだろうか。

 

  最後の砦である家庭内ですら、同居家族との関係で、肩身の狭い思いで喫煙している人は多いようで、心行くまでタバコを楽しむためには、広大な砂漠の真ん中か、無人島に行くしかなくなるのだろうか!!

 

次稿では、最近の加熱式タバコや、タバコ税などについて取り上げる予定だ。 

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タバコの今ー受動喫煙防止条例制定へ

2017年09月17日 21時05分21秒 | 日記

 

2017年9月17日(日) タバコの今―受動喫煙防止条例制定へ 

 

 このところ、喫煙・禁煙に関する話題が、ときどき耳に入るのだが、改めて、タバコに関する昨今の話題を、いくつかとりあげることとした。

 

○ 都の受動喫煙防止条例案

 先日の9月8日、東京都の小池知事が、受動喫煙対策の都の条例案を発表した。10月6日まで、パブリックコメントを募り、その結果を踏まえて、今年度内に都議会に条例案を提出し、審議を進める計画だ。

都は、国の法制化を待ってはおれないということで、外国人が多く来訪する

     ・2019年のラグビーワールドカップ(2019.9.20~)

     ・2020年のオリンピック・パラリンピック(2020.7.24~、8.25~)

の開催自治体として、冒頭の東京スタジアムでのラグビー大会に間に合うように、条例を施行するとしている。

 

 公表された資料は、

      東京都受動喫煙防止条例(仮称)の基本的な考え方 (2017/9/8)

というもので、9ページに亘っているが、要点は、施設類型別に以下のようだ。 

  ・未成年者や患者等が主に利用する施設 

     医療施設、小中高等学校、児童福祉施設  ⇒敷地内禁煙

 ・多数の人が利用し、かつ、他の施設では代替が難しい施設

     官公庁、老人福祉施設、大学       ⇒屋内禁煙

 ・利用者側に他の施設を選択する機会があるものや、嗜好性の強い施設

     ホテル、旅館              ⇒原則屋内禁煙(喫煙専用室設置可)

     事業所(職場)               ⇒    〃

     娯楽施設、百貨店、駅、空港ビル ⇒    〃

     飲食店*                ⇒    〃 

                 *面積30㎡以下の特定のバー等は、禁煙対象外

 ・公共交通機関

     バス、タクシー、航空機       ⇒車内禁煙(喫煙専用室設置 不可)

     鉄道、船舶               ⇒原則車内禁煙(喫煙専用室設置可)

 

  

 施設は、全面禁煙か、原則禁煙かに分かれ、前者では、喫煙専用室を設けることも不可としている。一方、後者では、喫煙専用室を設けることは可としている。仕切り等でエリアを分ける従来の「分煙」は、無くなるようだ。

 

 違反した場合

      喫煙者・施設管理者  5万円以下の罰金

  国内では、神奈川県(H22 施行)や兵庫県(H25 施行)が、同趣旨の条例を制定している。これ等と比べて、今回の都の条例案は、どうなのだろうかーー。

 

○ 3つの禁煙案

  国内では、禁煙をめぐる議論が続いてきて、厚生省案(H28.10)、自民党たばこ議連案(H29.4)に加え、先の都議選(H29・7)で、都民ファーストの会案が示された。これ等を対比したものが下図である。(ネット画像より)

    

 都民ファーストの会案は厚生省案とほぼ同じだが、今回の東京都の条例案は、選挙公約として、ほぼそれを踏襲している。

自民党たばこ議連案は、厚生省案を骨抜きにして、規制を大幅に緩めたものになっている。

 

○五輪開催地・開催予定地の状況

  最近の五輪開催地、今後の開催予定地の、受動喫煙対策の状況は以下のようだ。(ネット画像より) 小池都知事が言うように、日本の遅れが目立っているようだ。

       

 

○WHO幹部の訪日

  東京オリンピックを前にして、この4月に、世界保健機構(WHO)のバー事務局次長と、ベッチャー生活習慣病予防部長が訪日し、記者会見している。

その時の発言では、受動喫煙対策についての日本の状況は、「時代遅れだ」とする極めて厳しいもので、抜本改善のための政府と関係筋の真剣な取り組みを求めている。

 WHOによると、2014年時点で、世界49カ国が、屋内の公共の場所が全面禁煙となっているという。一方日本は、法律で喫煙を禁じている屋内の公共の場がなく、受動喫煙政策の普及状況を示したWHOの評価基準では、4段階中で最低ランクに位置付けられているようだ。  (「分煙では効果ない」 WHOが、日本に全面禁煙を勧める根拠とは 等より)

     

                                 記者会見する ベッチャー生活習慣病予防部長 

 世界各国の受動喫煙対策については、次稿で取り上げる予定だ。

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日本人初、100m走で9秒98

2017年09月12日 14時20分11秒 | 日記

2017年9月12日(火) 日本人初、100m走で9秒98

  

○嬉しい快挙!

 先日の9月9日だが、久々に明るいニュースが国内を流れた。読売新聞は、何と、北朝鮮問題等の記事を抑えて、一面トップの扱いである。

それは、福井市で開催された、陸上競技の日本学生対校選手権の100m走の決勝で、東洋大4年の桐生祥秀選手が、9秒98のタイム(追い風 1.8m)をマークしたというもの。

日本人選手で、10秒を切ったのは、史上初の快挙である!(下図はネット画像) 

      

 これまでの日本記録は、伊東浩司選手の10秒00(1998年)で、又、世界記録は、ジャマイカ ウサインボルト選手の、9秒58(2009年)である。

桐生選手自身は、高校3年時の2013年と、昨2016年に、10秒01を2度マークし、注目されたが、期待されたようには伸びていない。サニブラウン、ケンブリッジ飛鳥 多田修平など、他の何人かの選手も、9秒台に迫る記録を出しながら、突破できなかった。

世界では、9秒台を出した選手は、桐生選手を含めて、現在、126人もいるという。(9/10 読売)  今回の快挙が大きな刺激となって、日本でも、近いうちに、次の9秒台が記録されるだろうか。

 

○ 2017世界陸上 

 この8月にロンドンで開催された、世界陸上では、いくつかの競技で、日本選手はそれなりに活躍したが、大きな話題とはならなかった。

その中、短距離競走の結果は、以下のようで、注目された。

派遣・エントリー選手

  100m    サニブラウン ケンブリッジ飛鳥 多田修平 (桐生は外れ)

  200m    サニブラウン 飯塚翔太          (桐生は外れ)

  4×100m  多田修平 サニブラウン 飯塚翔太 桐生祥秀 

           ケンブリッジ飛鳥  北川貴理  (補欠)藤光謙司 

           下線は最終メンバー(ケンブリッジ飛鳥から藤光に急遽交代)  

競技結果

  100m    準決勝敗退(サニブラウン ケンブリッジ飛鳥 多田修平)

  200m    準決勝敗退(サニブラウン)

  4×100m  最終メンバーは、上記の下線   

           銅メダル:世界陸上短距離で初のメダル 

           世界記録を持つジャマイカチームだが、ボルトの故障で途中棄権

           この種目、昨年のリオ五輪では、堂々の銀メダル 

     4×100m 日本チーム

            多田    飯塚   桐生    藤光

 

○時間と距離と速度

  陸上や水泳など、多くの競技種目で、時間と距離の関係がポイントとなるが、中でも、最もシビアなのが、100m走だ。勝者には世界最速という称号が与えられる。

 100mの距離を、10秒で走るとすると、単純計算で、

     10秒で100m ⇒1秒で10m⇒0.1秒で1m⇒ 0.01秒で10cm

となり、時間を0.01秒改善するには、たった10cm稼げばよい、となる。

 桐生選手の場合、上述の以前の自己ベストと10秒台の壁を破るまでの差は

     10.01秒-9.99秒=0.02秒⇒20cm

となる。これは言ってみれば、たった20cm改善するのに、これまで苦闘してきた、ということで、今回、これが、30cm程改善された、ことになる。

 

 速度にすると、平均的には、

       100/10=10 m/s=36000m/時=36km/時

となるが、静止状態から始まるスタートの速度は遅く、途中や後半で伸びることとなる。 短距離走の場合、記録を出すには、歩幅とピッチと最高速度が重要なようだ。  9秒台のタイムを出すためには、秒速11.60m台の最高速度が、後半に必要と言われる。 

 速度が遅い水泳では、1秒の差は、1m~2mほどの差になる。また、競馬では、速度が速いため、ゴール近くでは、きわどい鼻(20cm)や首(80㎝)の差で、写真判定で決着がつくことも多い。

 

○ 風の影響

短距離走では、走行時の風の影響は大きく、公式記録規定では、追い風2mまでが許容されている。追い風が2mを超えると、公式記録としては認められず、追い風参考記録となる。(風速は平均値  向かい風の規定は見当たらない)

 

追い風(向かい風)の強さが、走行時間にどの位の変化をもたらすのかをネットで調べたら、競技選手のレベルでは、追い風とタイムとの関係は、

   追い風1m  ⇒時間0.1秒短縮

という記事が見つかった(陸上競技の100mで、追い風はどのくらいタイムに影響するのですか... - Yahoo!知恵袋 )  

向かい風とタイムとの関係についても、同様に、

向かい風1m ⇒時間0.1秒増加

という関係になると思われる。

 今回の桐生選手の場合、追い風1.8mはかなりラッキーな状況だったと言える。これが、仮に、追い風1.0mだと

  (1.8-1.0)×0.1=0.08

で、

  9.98+0.08=10.06

という数値になる。風の向きや強さ次第で、記録は大きく変わると言う事のようだ。

昨夜のNHKのテレビ番組では、福井市営競技場で長年スターターをやっている人の話では、競技規定内の公式記録になるように、吹き流しの動きを見定めながら、ピストルを撃っていると言う事だった。

 

 

 

○バトンタッチ

  上述のように、8月のロンドンでの世界陸上で、4×100m決勝で、日本勢は、銅メダルを獲得しているが、一昨年のリオ・オリンピックでは、同種目で、何と、銀メダルを獲得している。

どちらの大会でも、日本チームのメンバーには、9秒台の選手は0人だが、他国チームには、9秒台の選手が、沢山、含まれている。

 よく言われているように、日本チームは、バトンリレーでのチームワークが極めてよい。対する他国チームは、1人1人は優れたランナーでも、バトンの引き継ぎの不手際が、散見される。

リレーの引き継ぎエリアで、ゾーンを越える違反をして失格となったのは、この8月のロンドン世界陸上でのアメリカチームである。

又、大会名は忘れたが、先を走るチームで、バトンを落とす不手際があって大きく遅れ、日本チームがメダルを手にしたこともある。 

 

 一昨日9月9日の早朝、なんとなくNHK-TVを視ていたら、目撃日本! という番組で、かなり重い知的障害者である、川上春奈さんが、石川県能登半島の先端に近い珠洲市にある、七尾特別支援学校珠洲分校に在籍し、先生の指導を得ながら、短距離走に取り組む様子が放映された。

走る事にかけては、ずば抜けた特別な才能を持つ彼女だが、人見知りが激しく、すぐ固まって、心を開こうとしない彼女が、少しずつ打ち解け、理解を深め、短距離走に集中するようになっていく物語が、極めて感動的であり、最後まで、魅せられてしまった。

抜群の走る能力(男子のような、体を揺らすダイナミックな走法)を買われて、4×100mの日本代表に選ばれ、バトンを受け取るだけでいい最終ランナーを任された。

でも彼女は、バトンを受け渡しするリレー競技の仕組みが、なかなか呑み込めない。

 前の走者が近くに来た時に、どの時点で自分も走りはじめるか、決められた引き継ぎゾーンの中で、如何にスムーズにバトンタッチするか、は極めて重要な事項だ。

指導する先生が、短い言葉を工夫し、先ず、“にげろ”という言葉を見つけた。にげろという言葉を先生が叫んだタイミングで動き始めるのだ。

そして、具体的に動きだす地点で、“ピュー”という言葉。これを、自分の心の中で叫ぶ。

新たに、専属のコーチも付いたが、なかなか馴染めない。十分にマスターできない状況で、時間切れとなり、先生やコーチが同行しない中で上京し、リレーの仲間と練習に励み、少しづつ、チームワークが上達していった。

そして、6月に開催されたバンコクでの国際大会の結果は、堂々の銀メダル獲得となり、日本新記録も達成した。(写真は 卒業生川上さん、銀メダルおめでとう! - 石川県立七尾特別支援学校珠洲分校 より)

    右端 川上春奈さん

 

 2020年のパラリンピックを前にして、出場しようと思っている選手諸君とそれを支える皆さんには、一段の努力をお願いしたいが、国民側としても、外国選手達も含めて、受け入れ態勢の整備に万全を期したいところだ。

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