2025年7月3日(木) 慶長遣欧使節団
先月、当ブログに、天正遣欧使節団について下記記事を投稿している。
天正遣欧使節団 (2025/5/12) (Q89)
- 慶長遣欧使節団
前記記事の時から気になっていたのが、同じ頃に遣わされたという、慶長遣欧使節団があり、調べてみた。
*時期と期間
出国 1613年(慶長18)10月 仙台月の浦 出航
帰国 1620年(元和 6)9月頃 帰国
期間 約7年間かかっている
*メンバー
正使 フランシスコ会宣教師 ルイス・ソテロ
下図は、ローマ市内にあるフレスコ画で、前面の左がソテロ、右が常長という。
(参照:ルイス・ソテロ - Wikipedia.mhtml)
副使 中級家臣 支倉常長
左は、国宝 右はフレスコ画
○2つの使節
天正と慶長の、2つの使節を整理してみた。
出国 帰国 メンバー 派遣元
天正遣欧使節 1582/2 1990/7(8年) 少年4名 キリシタン大名
慶長遣欧使節 1613/6 1625/9(7年) 支倉常長等大人 伊達政宗
コース 国内状況
天正遣欧使節 インド洋経由 奥州文化への憧れ
慶長遣欧使節 太平洋経由 キリシタン禁教令
- 2つのコースの相違
*天正遣欧使節(参照:天正遣欧少年使節 - Wikipedia.mhtml 他)
九州 長崎港から。インド洋を経て、喜望峰を迂回して、欧州(スペイン)に入る、遠大なコースだ。海岸伝いに進み、食料を補給するなど、安全に航海する方法は、理解できる。
下図は、他のサイトにあるもので、図の右下に、欧州との往復の日時と期間がでてい。
図によれば、以下のようだ。
往路 1582.2 長崎出航
1584。8 リスボン着 2年6ヶ月
復路 1586.4 リスボン出航
1590。7 長崎着 4年3ヶ月
欧州との往復に、6年9ヶ月も掛かっているのは、驚きである。
*慶長遣欧使節(参照:慶長遣欧使節 - Wikipedia.mhtml 他)
太平洋を横断し、ノビパニア(今のメキシコ)のアカプルコに上陸し、陸地を横断し、大西洋を渡って、スペインのマドリ-ドに達している。自前で建造した木造船で、当時の航海技術を駆使Kして、2つの大洋を渡った勇気は、驚くばかりである。
幕末に、洋式艦船の咸臨丸で、米国視察団が太平洋を渡ったが、かなり以前の、慶長遣欧使節の航海に、大いに勇気づけられたことだろうか。
下図は、咸臨丸の航海図で、往路は、品川から直接、サンフランシスコを目指したが、帰路は、ハワイ経由としている。(参照:勝海舟、ジョン万次郎、福沢諭吉も乗船!初めて日本の船が太平洋を渡った日 )
○支倉焼
余談になるが、仙台に、「支倉焼」(はせくらやき)という菓子がある。名前は、支倉常長に因んだものだろう。筆者が、好きな菓子は、3つあるが、その中で、2番目に好きなのが、この菓子だ。