5月26日(水) また君に恋してる
4月30日朝のNHKTV、「あさイチ」のプレミアムトークに、坂本冬美さん(以下敬称略)が登場し、ヒット曲の「また君に恋してる」をスタジオで歌い、歌唱指導もしてくれた。爽やかな歌いぶりに惹かれた。昨年暮れの、NHK紅白でも歌ったようだが、全然記憶には無かった。更に、5月4日夕のNHK歌謡チャリティコンサートで、ビリーバンバンと歌ったことで、自分は、すっかり、この歌の虜(とりこ)になってしまった。
録画した番組を見たり、ネットで色々探したりしながら、この歌の、歌詞とメロディーを覚えようと、連休中は苦心した。残念ながら、五線譜の楽譜は手に入らなかったので、耳で聞いた音を、自分の得意な尺八の音で吹いてみながら、尺八の楽譜に表していくという、いつもの方法をとった。ここの所何度も、時間を見ては、曲を聴き、楽譜に採る作業を行い、尺八の楽譜が、なんとか出来上がった。尺八で通して吹いてみて、元歌とほぼ同じになれば、その曲はマスターした、となる。
この歌、先ず、歌詞が良い。演歌や歌謡曲には、失恋や別れの歌が多いのだが、この歌は、一旦破局を迎えたものの、時間の経過の中で、再び恋が蘇り、まだ好きになれる、という、いわば、復恋の歌、という筋書きである。歌の主人公は男性と思われる。松井五郎氏の作詞になる歌詞を、以下に引用させてもらい、自分なりのコメントを述べたい。
一番
朝露が招く 光を浴びて ―後朝(きぬぎぬ)の朝 朝露が招く、という表現がいい
初めてのように ふれる頬 ―初恋の時のような頬ずり
手のひらに伝う 君の寝息に―穏やかな寝息を手のひらで感じる光景
過ぎてきた時が 報われる ―報われる、という歌詞は余り見かけない。あれから何年経過したろう、待っていて良かった、という気持ちだろうか
いつか風が 散らした花も -昔吹いて、花を散らした風は、嵐だったのだろう
季節巡り 色をつけるよ -時間の経過で、又、花の新たな魅力を発見
以下繰り返し
また君に恋してる 今までよりも深くー恋してる、がいい。今までよりも深く、は素直で落ち着いた雰囲気
まだ君を好きになれる 心から ーまた、でなく、まだ、は継続で重要。愛する、でなく、好きになれる、もいい。心から、という表現は、素直さの固まりの“直球”で、却って心配になる程。
二番
若かっただけで 許された罪 ―罪、とはきつい表現だが、どんな過ちを犯し、許されたの だろうか
残った傷にも 陽が滲む ―残った傷はどんな? 陽が滲む、は難解だが、陽がさし傷が癒える感じか。
幸せの意味に 戸惑う時も -以前は、平凡なことが幸せ、に思えず戸惑った?
ふたりは気持ちを つないでた -それでも、二人の気持ちに繋がるものがあった!
いつか雨に なくした空も -雨に煙って何処かへ行ってしまった空も(雨降って地固ま るとは言うが)
涙ふけば 虹もかかるよ -悲しみの涙を拭いて、空に架かる虹をみよう
作詞者が歌詞に込めた思いは、ともかくとして、この歌は、復恋、再出発の歌、といえる。過去の傷を背負いながらも、乗り越えた喜びがある。冷め切った夫婦や恋人同士でも、又復活する時があると言う、希望の歌でもあろうか。歌詞全体として、柔らかで、叙情的、詩的な表現が多い。恨み、つらみのようなものが無く、危ういほど率直である。
森 正明氏の作曲になるメロディーもいい。曲調は、通常の演歌に近い短調だが、音域は比較的狭く、歌いやすい。三部形式に近い形といえようか。
メロディに較べて、リズムが結構難しい。4/4拍子の標準的な曲だが、冒頭の弱起で始まり、途中、同様の出だしが何度も出てくる。又、1拍目を休むところも、数箇所あり、曲に動きを与えている。
全体として、何度も繰り返される
また君に恋してる 今までよりも深く
まだ君を好きになれる 心から
の部分は、リズミカルで息継ぎは難しいが、率直な歌詞とともに、この曲を支えている。
iichikoの以前のコマーシャルは見たことは無く、当初はビリーバンバンが歌っていたようだ。CMのディレクターが、この歌を、女性に歌わせたらどうか、と考え、坂本冬美に白羽の矢を立てて、了解されたと言う。その結果、大変な人気を博すこととなったようだ。 ヒットチャートの上位を占め、ビリーバンバンの曲も、人気が上がったと言う。
先日、彼女の歌う焼酎のコマーシャルをはじめて見た。焼酎とこの歌の意味とは、どういう関係だろう、と詮索するのは野暮というもの。過去にも、コマソンがヒットした例もあるが、アルコールといい、この歌といい、何かしら、安らぎを求める時代の空気を、反映しているのだろうか。以前、清純派の韓国ドラマ「冬のソナタ」がヒットしたことと通じるようにも思う。
坂本冬美は演歌歌手で、普通は着物姿の舞台だが、この歌の時だけは、洋装である。
先日の5月23日の日曜に、NHKのど自慢に、彼女がゲストとして招かれ、洋装だったのだが、予想通り、この歌を披露してくれた。この歌を歌う時は、もう少し、穏やかで嬉しそうな表情でもいいと思うのだが、いつもの引き締まった顔立ちだったのが、印象的である。
4月30日朝のNHKTV、「あさイチ」のプレミアムトークに、坂本冬美さん(以下敬称略)が登場し、ヒット曲の「また君に恋してる」をスタジオで歌い、歌唱指導もしてくれた。爽やかな歌いぶりに惹かれた。昨年暮れの、NHK紅白でも歌ったようだが、全然記憶には無かった。更に、5月4日夕のNHK歌謡チャリティコンサートで、ビリーバンバンと歌ったことで、自分は、すっかり、この歌の虜(とりこ)になってしまった。
録画した番組を見たり、ネットで色々探したりしながら、この歌の、歌詞とメロディーを覚えようと、連休中は苦心した。残念ながら、五線譜の楽譜は手に入らなかったので、耳で聞いた音を、自分の得意な尺八の音で吹いてみながら、尺八の楽譜に表していくという、いつもの方法をとった。ここの所何度も、時間を見ては、曲を聴き、楽譜に採る作業を行い、尺八の楽譜が、なんとか出来上がった。尺八で通して吹いてみて、元歌とほぼ同じになれば、その曲はマスターした、となる。
この歌、先ず、歌詞が良い。演歌や歌謡曲には、失恋や別れの歌が多いのだが、この歌は、一旦破局を迎えたものの、時間の経過の中で、再び恋が蘇り、まだ好きになれる、という、いわば、復恋の歌、という筋書きである。歌の主人公は男性と思われる。松井五郎氏の作詞になる歌詞を、以下に引用させてもらい、自分なりのコメントを述べたい。
一番
朝露が招く 光を浴びて ―後朝(きぬぎぬ)の朝 朝露が招く、という表現がいい
初めてのように ふれる頬 ―初恋の時のような頬ずり
手のひらに伝う 君の寝息に―穏やかな寝息を手のひらで感じる光景
過ぎてきた時が 報われる ―報われる、という歌詞は余り見かけない。あれから何年経過したろう、待っていて良かった、という気持ちだろうか
いつか風が 散らした花も -昔吹いて、花を散らした風は、嵐だったのだろう
季節巡り 色をつけるよ -時間の経過で、又、花の新たな魅力を発見
以下繰り返し
また君に恋してる 今までよりも深くー恋してる、がいい。今までよりも深く、は素直で落ち着いた雰囲気
まだ君を好きになれる 心から ーまた、でなく、まだ、は継続で重要。愛する、でなく、好きになれる、もいい。心から、という表現は、素直さの固まりの“直球”で、却って心配になる程。
二番
若かっただけで 許された罪 ―罪、とはきつい表現だが、どんな過ちを犯し、許されたの だろうか
残った傷にも 陽が滲む ―残った傷はどんな? 陽が滲む、は難解だが、陽がさし傷が癒える感じか。
幸せの意味に 戸惑う時も -以前は、平凡なことが幸せ、に思えず戸惑った?
ふたりは気持ちを つないでた -それでも、二人の気持ちに繋がるものがあった!
いつか雨に なくした空も -雨に煙って何処かへ行ってしまった空も(雨降って地固ま るとは言うが)
涙ふけば 虹もかかるよ -悲しみの涙を拭いて、空に架かる虹をみよう
作詞者が歌詞に込めた思いは、ともかくとして、この歌は、復恋、再出発の歌、といえる。過去の傷を背負いながらも、乗り越えた喜びがある。冷め切った夫婦や恋人同士でも、又復活する時があると言う、希望の歌でもあろうか。歌詞全体として、柔らかで、叙情的、詩的な表現が多い。恨み、つらみのようなものが無く、危ういほど率直である。
森 正明氏の作曲になるメロディーもいい。曲調は、通常の演歌に近い短調だが、音域は比較的狭く、歌いやすい。三部形式に近い形といえようか。
メロディに較べて、リズムが結構難しい。4/4拍子の標準的な曲だが、冒頭の弱起で始まり、途中、同様の出だしが何度も出てくる。又、1拍目を休むところも、数箇所あり、曲に動きを与えている。
全体として、何度も繰り返される
また君に恋してる 今までよりも深く
まだ君を好きになれる 心から
の部分は、リズミカルで息継ぎは難しいが、率直な歌詞とともに、この曲を支えている。
iichikoの以前のコマーシャルは見たことは無く、当初はビリーバンバンが歌っていたようだ。CMのディレクターが、この歌を、女性に歌わせたらどうか、と考え、坂本冬美に白羽の矢を立てて、了解されたと言う。その結果、大変な人気を博すこととなったようだ。 ヒットチャートの上位を占め、ビリーバンバンの曲も、人気が上がったと言う。
先日、彼女の歌う焼酎のコマーシャルをはじめて見た。焼酎とこの歌の意味とは、どういう関係だろう、と詮索するのは野暮というもの。過去にも、コマソンがヒットした例もあるが、アルコールといい、この歌といい、何かしら、安らぎを求める時代の空気を、反映しているのだろうか。以前、清純派の韓国ドラマ「冬のソナタ」がヒットしたことと通じるようにも思う。
坂本冬美は演歌歌手で、普通は着物姿の舞台だが、この歌の時だけは、洋装である。
先日の5月23日の日曜に、NHKのど自慢に、彼女がゲストとして招かれ、洋装だったのだが、予想通り、この歌を披露してくれた。この歌を歌う時は、もう少し、穏やかで嬉しそうな表情でもいいと思うのだが、いつもの引き締まった顔立ちだったのが、印象的である。