つれづれの記

日々の生活での印象

パクチーと香味野菜

2016年10月27日 22時37分13秒 | 日記

2016年10月27日(木) パクチーと香味野菜 

 

 先日の10月16日(日)の、NHKの朝のTV番組「うまいッ!」で、香味野菜の一つである「パクチー」が紹介された。

筆者が、以前、インドネシアのレストランで魚料理を食べた時、パクチーがたっぷり入った、その強烈な臭い(香りの域を超えて)に往生し、料理を味わう余裕もなく、スッカリ退けて食べたものだ。

ところが、ところが、今回紹介された岡山の篤農家が栽培しているパクチーは、マイルドな香りで、女性レポーターが、生でパクパク食べたり、いろんな料理を楽しんでいるではないか!  

このパクチー、下図のように、一見、セリに似た感じだが、種類は、臭いの強い本場ものと同じで、肥料や土などの栽培法で工夫しているのか、それとも種類が違うのか、は不明だが、こんなパクチーもあるのかと、驚いた。 

    

             パクチー                畑で

岡山市は、黄ニラとともに、これを、地域の特産品の一つにしようと取り組んでいるという。 因みに、黄ニラは、通常のニラを、光を当てずに栽培するもののようだ。 (マイルドな香り ほのかな甘み パクチー | 食材リスト | うまいッ! | NHK

 

  パクチーは、特に、タイ料理など、東南アジアでは欠かせないもののようだが、欧米ではコリアンダー、中国ではシャンツアイ、などとも呼ばれ、重用されているという。 

日本でも、近年のエスニック料理の普及等で、パクチーは、かなり知られるようにはなったようだが、近隣のスーパーなどで、見かけたことはないし、岡山産も、そのうち出回るのだろうか。

 

 わが国では、食材では、香味野菜というカテゴリーがあるようで、

    ・ワサビ ショウガ ミョウガ 

    ・ネギ タマネギ ニンニク ラッキョウ 

    ・セリ ミツバ パセリ オオバ (パクチー)  

などが、主なものだろうか。薬味と呼ばれる事もある。 

 雑煮にはセリ、冷奴にはおろしショウガ、吸い物にはミツバ、などと、組み合わせの定番が決まっているものも多く、季節感もあり、その多様さは、嬉しい限りである。 

  

 これら香味野菜は、料理のアクセントとなり、見た目などの五感も刺激しながら、

      食欲増進、疲労回復、減塩効果、代謝促進(発汗)

などの効果をもたらすだろうか。

 我が家の屋上の家庭菜園では、これらの中で、ミツバ(食べた後の根を植え付け)、オオバ(毎年自生)、ネギ(根付きネギ)、パセリなどが、元気である。  

 

 先日、近くのスーパーに出かけて、いろんな種を仕入れてきたが、興味本位で、本場のパクチーの種も手に入れた。早速、播きつけたが(下図)、秋播きギリギリなので、果たして芽が出てくるだろうか。

      

  パクチーが収穫できれば、早速、チャレンジして、料理を作ってみたいものだが、あの香り(臭い)には、馴染めるものやらーー?

 

 

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新東京都知事  続その後

2016年10月16日 22時05分48秒 | 日記

2016年10月16日(日) 新東京都知事  続その後 

 

 先日の10月1日は、都民の日だったが、土曜と重なったせいか、やや、印象は薄かった。

このところ、時の人である小池都知事の関連では、当ブログの下記記事

     新東京都知事    (2016/9/6)

     新東京都知事 その後(2016/9/30)

で取り上げてきたところだ。 

 9月23日から始まった都議会の冒頭で、都知事の初の所信表明演説があり、TV中継され、視聴したことだ。 

その時の草稿がネットで入手できたので、これをもとに、ゆっくり、内容を確かめてみた。(平成28年第三回都議会定例会知事所信表明|東京都)     

               

  今回のブログ記事では、現在、大きな話題になっている、築地市場移転問題や、オリ・パラ施設等に関しては、触れずに次稿に回すこととし、一寸視点を変えて、所信表明演説に数多く出てきた言葉や、気になった横文字の用語等に注目して、取り上げることとしたい。 

 

◎都政運営に対する基本姿勢

●都民ファースト

  基本中の基本として、「都民ファースト」という言葉が、これまでも、演説でも、何度か使われている。一都民として、この言葉から受ける印象は、当然の姿勢と思うのだが、悪い気はしない。

でも、スローガンとして言うのは簡単で、掛け声倒れに終わる可能性もある。 

この言葉に類似した、同義語(シノニム synonym)としては、

     アスリートファースト、レディファースト、お客様第一、国益最優先

などがあろうか。

一般的には、反義語(アントニム antonym)をイメージすると、元の言葉の意味が、更に良くわかることも多いが、都民ファーストの反義語は、何だろうか?

     「役人ファースト」 「議員ファースト」 

等だろうか。公務員としての自分の職場での保身や、自身の生活や利益を優先するということだ。職場では、改善意見は抑えて、できる限り前例に従う、となるだろうか。これらは、筆者も含めて、身に覚えがあることなので、理解しやすい処世術だ。

  都には、行政窓口などの一般公務員の他に、

   ・教育関係者(先生)、警察・消防関係者  約13万人

     ・公営事業関係(病院、交通、上下水道等  約 2万人 

など、大変な数の職員がいて、全体で、16万8千人にも上るようだ。  ((表8)職員数の状況|東京都 )

  通常の会社では、

           会社ファースト

で、会社のためなら、法や社会常識に反することも、承知の上でやることもある。 公務員、会社員を問わず、働いて賃金をもらい、己の生活を維持することが、大前提なのは言うまでもない。

 

  知事は、演説の最後の締めくくりとして、元東京市長である後藤新平の、「自治三訣」を、引用している。

本稿では、この自治三訣も、都民ファーストに通じる、基本姿勢のひとつと見て、ここで取り上げることとした。

「自治三訣」は、以下のようである。

      ①人のお世話にならぬよう

      ②人のお世話をするよう

      ③そしてむくいをもとめぬよう

このような先人の言葉があることは、筆者はほとんど知らなかったが、「公僕の精神」として、ボーイスカウト等で、言われたようだ。 公務員は、以前は、「公僕」とも呼ばれたが、今は死語に近いだろうか?

 世に、個人を中心に見た場合の、社会全体での援助として

    自助:自身で支える(家族を含めて)

     共助:近隣・地域での支え合い(ボランティアを含む) 

     公助:公的機関(自治体等)による支援

があると言われる。

  時代背景は異なるものの、上記の観点から、「三訣」の①~③について、筆者なりに考察して見ると、以下のようになろうか。

 ①は、自助ということで、自立の精神と、健康な生活の勧めと言える。

    当時は、他への依頼心は弱みでありこれを抑える、とされている。

 ②は、共助ということで(当時は互助と言われたようだが)、お節介と社会奉仕の精神で、お互い

        様ということで、震災時等には、大いに発揮される。

        公務員としての、仕事上でのサービス精神も含まれよう。

①、②、ともに、誰にでもわかる、極めて平易な言葉なのが、印象的である。 

でも、病気になったり、仕事がうまくいかなくなった時は、①も、②も難しくなる。このような状況を補完するものとして、公助があるだろうか。

  日本には、古来、人の世話になる(人を頼る)のを、潔しとしない風潮があるが、当時としては、どこまで、公助を想定していたのだろうか。 現代では、公助を求め、利用することは、憲法で保障された、基本的人権の一つとされている。 

③も、平易で分かりやすい言葉で、公僕としての自身に対して、地位を利用して袖の下を求めたくなる誘惑を自制する、戒めの姿勢であり、無償の奉仕とも言える、極めて重い言葉である。

先日のTV報道によれは、国家存亡の危機状態にあると言える、アフガニスタンでさえも、行政サービスを受けるには、賄賂が当たり前の状況という。中国等でなら分かるのだがーー。

  以前の官業等が、戦後になって、大幅に民業に移行している現在、公務員だけでなく、教育、運輸、情報通信、金融関連、医療等の民間事業の関係者も、公的な性格を帯びていることが多い。

これらの事業の関係者にも、①、②、③の三訣は、当てはまるだけでなく、人間関係一般でも、広く通用する言葉だろうか。 

●都政の透明化 

  知事は、選挙の当初から、密室やブラックボックスでの非公開をなくし、情報を公開し、見える都政、分かりやすい都政とすると公言し、知事就任後は、すぐに実行に移している。

都政改革本部の設置と各PTの活動がすでに始まっているが、ここでは詳細は省略する。

今後は、巨大な伏魔殿と言われた都庁や都政の様子が、少しずつガラス張りになっていくことだろうか。

  知事は、豊洲問題等の解明のためとして、内部告発制度(公益通報)を始めるようだ。このシステムは、組織が、コンプライアンス(法令遵守)を維持するための、現代の有力な手段ではあるが、なんといっても、職員1人1人の自覚と意識改革こそが、最後の決め手となろう。 

●ワイズスペンディング wise spending

   浪費を抑え、後世への負の遺産(レガシー)をなくして、税金の有効利用をはかることのようだ。

著名な経済学者ケインズの提唱している、将来を見据えた賢明な資金の使用と投資をする、という経済用語が、基になっているようで、素人目には、至極、当たり前のことに見えるが、横文字になると、都政の立派な柱になるから不思議! 

  知事給与を半減する議案が話題になっていて、議会最終日に、そのように議決されたようだ。筆者は、八面六臂の多忙さという業務の中身からみて、都知事の給与は、高すぎて無駄金だ、とは全く思わないのだが、選挙公約の一つとして、有言実行するのは、けじめであろう。

副知事以下、都議や、都庁職員の給与の話まで、発展させる意図はないと、知事は明言しているが、関係者には、無言のプレッシャーにはなるだろうか。

片や、各地の地方自治体で問題になっている、議員の特別調査費という、みみっちい話題もある。

  

◎目標とする未来像「新しい東京」の3つの都市イメージ

  都民フーストの都政を展開し、都政に対する都民の信頼を回復したその後に、 サスティナブル(sustainable 持続可能な)な首都東京を作りあげるために、 3つのシティを実現するとしている。

            

1 ダイバーシティ :都民誰もがいきいきと活躍できる

<用語>ダイバーシティは、 

       diverse (形)  異なる

       city    (名)  都市

とを結合して、

    diver(se)+city=divercity

とした、造語と思われる。

 同じ語源で、

    diversity (名)  相違 多様性 

という言葉があり、これと重ねた意味を持たせているようだ。 

  国連の条約に、生物多様性条約と言うのが有り、正式名称は、

     Convention on iological iversity (略称  CBD)

である。この締約国会議(COP10)が、2010年11月に、名古屋で開催された事で、当ブログでも取り上げている。

この地球環境保護活動は、文字通り、地球上の生き物の多様性(biolological diversity)を如何に守っていくか、ということだ。

 小池知事は、divercityの意味の中に、男も、女も、老人も子供も、健常者も障害者も、分け隔てなく暮らせる社会をイメージしているだろう。

自分の好きな言葉で言えば、排他的なホモジニアスの社会ではなく、寛容なヘテロジニアスの社会である。

 

演説の項目は以下のようで、詳細は省略する。

<待機児童問題>

  待機児童解消に向けた緊急対策での3本柱

  東京の子育て環境の充実

<働き方改革>

  ワーク・ライフ・バランス→ライフ・ワーク・バランス

  都庁での「イクボス宣言」→ 職場のルールを変える

<一人ひとりの希望を応援>

  地域包括ケアシステム

  ソーシャルファーム  障害者が働ける場

  教育支援と人材の育成 意欲ある子供の就学支援

 

2 セーフシティ :安全・安心・元気な

 <用語>

      セーフシティ:safe(安全な) city

<都民目線で災害に備える>

   主要道路沿線の耐震化、不燃化

   防災面からの無電柱化の推進

<地域社会を安全・安心・元気の要に>

   災害時の共助と日常的な絆

<多摩島しょ振興>

   地域の特性を生かした持続的発展

 

3 スマートシティ :世界に開かれ、成長を続ける

  <用語>

  スマートシティ:smart city

  この言葉は、狭義には、先進技術を活用して電力の有効利用等を図る、環境配慮型都市というものだが、現在は、このエネルギー制御だけでなく、生活全般、経済活動、都市交通、行政活動等も包含した、拡大した概念のようだ。 

東京は、日本の成長のエンジンであり、以下のような最新技術の活用を進める。

        IoT:nternet f hing

        AI :rtificial telligence

        フィンテック:Financial Technology

 <環境先進都市・東京>

   低炭素社会の実現

   もったいない精神 

<再び国際金融の中心へ>

   大手町~兜町地区を世界の金融センターに

<持続可能な成長に向けて>

   東京のブランディング 

      伝統工芸品や都市農業

   インバウンド(外国からの来訪者)の増加  

 

⇒これらの政策を具体化した、「2020年に向けた実行プラン(仮称)」を、年内を目標に策定し、来年度予算に盛り込む予定と表明している。合わせて、2020年以降の東京の未来像も描くとしている。

果たして、お題目だけでない、どのような具体案が示されるのか、新知事の指導力、調整力、実行力等に期待しながら、待つこととしたい。 

 

この後の演説では、オリンピック、パラリンピック関連が出てくるが、これらについては、ここでは省略し、次稿で取り上げることとしたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

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Brexit  4

2016年10月10日 21時30分47秒 | 日記

 

2016年10月10日(日)  Brexit  4

 

 この6月の国民投票の結果、イギリスは、予想に反してEUを離脱する方向となり、世界に大きな衝撃を与え、世界の株価等が、大きく変動した。 一方、責任をとって辞任した、キャメロン前首相の後継が、慌ただしく、メイ首相に決まったが、これらについて、下記記事

   Brexit  1  (2016/7/2)

   Brexit  2  (2016/7/9)

   Brexit  3  (2016/7/17)

で、取り上げたところだが、本稿は、これらの続編で、その後の経過等に触れている。 

 

◇直近の動き

 今月の10月2日、メイ首相が、イギリスのEU離脱の正式通告を、年内には行わず、来年3月末までに行うと、バーミンガムでの保守党定期大会に合わせ、TV番組で公式に表明したようだ。(【英EU離脱】メイ英首相、来年3月末までにEU離脱交渉開始 - 産経ニュース

   

                               党大会で演説するメイ首相

  正式な通告によって、EU基本条約であるリスボン条約の50条が発動され、離脱交渉が開始されるが、遅くとも2年以内に交渉を終える、という規定になっているようだ。

 英国内では、EU離脱省と、国際貿易省を新設したようだが、離脱方針を巡って、これら新設省と外務省間の主導権争いも出ているようで、国内が纏まるまでには曲折もありそうだ。

 

○ メイ首相のドイツ・フランス訪問

◇イギリスのメイ首相は、就任後初めての外遊先にドイツを選び、この7月20日に、メルケル首相との首脳会談に臨んでいる。
 詳細は省略するが、メルケル首相は、英国が正式な離脱交渉の開始となる、リスボン条約50条を発動するまでは、条件の交渉には応じないとの立場を改めて表明している。

  独首相は、一方で、イギリスに対して離脱交渉の開始時期を早めるよう求めたが、英首相は「今年は行わない」と話し、この時は、交渉開始は来年になるとしたようだ。上述のように、今般、これを、3月末と明言している。

建前では、このようだが、実際は、事前の非公式な折衝は行われるのだろうか。  

                                独メルケル首相      英メイ首相 

◇引き続いて、メイ首相は7月21日、パリを訪れ、オランド仏大統領と会談している。  

 オランド仏大統領と

 会談でメイ首相は、「今後6カ月で交渉の準備を行いたい」と述べ、年内にはEU離脱の手続きを開始しない方針を示し、早期の離脱を求めてきたフランスに理解を求めた。これに対しオランド大統領は、「政権が樹立されたばかりで時間が必要なのは分かるとした上で、(離脱は)早い方が良い、と従来の考えを堅持している。

 メイ首相は、イギリスとしては、国民投票で民意が示されているとして、移動の自由は受け入れられないとの考えを示したが、これに対し、オランド大統領は、イギリスが、EUの単一市場に残るためには、「移動の自由」が前提との原則論を述べ、イギリスは、「移動の自由」を認めるか否かで、単一市場に残るか、制限された貿易を取るかを、選択しなければならないと、厳しい姿勢を示したという。           

フランスでは、EU離脱を問う国民投票の実施を掲げる極右政党の国民戦線の動きがあり、来年春の仏大統領選との関連もあって、オランド大統領としては、EU離脱には、大きな代償を伴うことを、国内に印象付けたい思惑があるという。

これまでは、フランスの来年春の大統領選挙や、ドイツの来年秋の総選挙後に、イギリスのEUからの離脱交渉が始まるとの憶測もあったようだ。 

 先月の9/16に、チェコの首都 ブラチスラバで、EU首脳会議が開催されたが、イギリスを除いた首脳達が集まったようだ。ここでは、各国の足並みが揃わず、当面する、難民・移民対策、テロ対策や、イギリスが離脱した後のEUの具体的な方向性等は、打ち出せなかったという。 筆者は、これまで、この会議には、イギリスも出席するものと思っていたのだがーー。(EU首脳会議:難民・テロ 重点政策の行程表 加盟国、足並み乱れ - 毎日新聞

  

○ EUの実情

 ここで、EUの規模や組織等の実情について、改めて調べてみた。 EUのこれまでの歴史等については、今回は省略する。

・擬似国家としてのEU

  イギリスを含めた28の加盟国で構成されるEU全体を、一つの国(擬似国家)とみなした時の規模は以下のようだ。

    面積   約438万km (日本の約12倍)

    人口   約5億人  

    通貨   ユーロ (イギリス、デンマーク等は、自国通貨のまま)

    GDP  約16.1兆ドル(2012年 IMF) 全世界の約26%

        

・組織 

 イギリスの、キャメロン政権時代の、EUの仕組みは下図のようだ。(ネット画像) 

        

最高機関 欧州理事会(Europian Council)  各国首脳による首脳会議  EU首脳会議とも

        欧州理事会の議長は常任で、EU大統領とも呼ばれ、EUを代表する一人。

        現在の議長は、トウシェスク議長(元ポルトガル首相) 

立法    EU理事会(Council of the EU)  各国閣僚により構成する理事会  

       欧州議会(Europian Parliament) 

         両院制で、選挙で、各国から議員を選出(議員定数754人 各国に配分)         

行政   欧州委員会(Europian Comission)  行政執行機関 3万人の職員 ブリュッセルに本

      部  常任の委員長は、EUを代表する一人。 現在は、ユンケル委員長  

司法   欧州司法裁判所(EU版最高裁判所)

他    欧州中央銀行  欧州対外活動庁(EU版外務省)

  この6月の伊勢志摩サミットには、G7各国首脳に加え、EUを代表して、トウシェスク議長、ユン

ケル委員長の二人が参加している。

・予算 

 EUの財政的な 状況については、余り把握していないが、予算は、EU全体としての税収入と、各国が拠出する分担金等によって賄われているようだ。

*その中で、各国の分担金は、経済規模に応じて拠出額が割り当てられていて、データは古いが、2005年では、総額約873億ユーロを100%とした加盟各国の分担率は、以下のようだ。 

              ドイツ  20.1%

             フランス 17.6

             イタリア 13.7

             イギリス 11.3

             スペイン  9.9

             オランダ  5.1

             ベルギー  3.0

             ――――

             マルタ   0.1未満  (欧州連合の予算 - Wikipedia

  ドイツ、フランスが圧倒的に多額で、更に、これに、イタリア、イギリス、スペイン、オランダ、ベルギーを加えると、約80%以上にもなる。

*一方、政策支出(農業など)である各国への配分額は、同じ2006年のデータで、総額974億ユーロとなっている。この詳細は、ここでは省略する。

*加盟各国の、予算分担額と政策配分額との差が、国の純拠出額で、プラスの国と、マイナスの国とがある訳だが、上と同じ2006年のデータがある。(欧州連合の予算 - Wikipedia

これに関し、みずほ銀のレポートに、最近の2014年のデータで、分かりやすい下図が見つかったので引用する。(「英国のEU離脱とその影響」2016.6.9みずほ総合研究所)

  

 図右側の、ドイツ、フランス、イギリス、オランダ、イタリア等は支援する側で、図左側の、ポーランド、ハンガリー、ギリシャ等は、支援して貰う側ということだ。

金額はともかく、この状況は、2006年と余り変わっていないようだ。  

 昨年夏、財政危機に陥ったギリシャが、EUに支援を請うた事案は、記憶に新しく、当ブログでも取り上げたところだ。

      

○今後のEUは、どう進むのだろうか

 壮大な理想を掲げて、ここまで進んで来たEUだが、道半ばにして、主要加盟国のイギリスのEU離脱という状況が生起して、今後、どのように進むのか、方向が問われていると言えるだろうか。

◇ 加盟国は拡大するか、縮小するか

    EUに加盟したいという国:バルカン諸国、トルコ、ウクライナ、―――

    国の内部に離脱したい勢力が強い加盟国:フランス、オランダ、スウェーデン、―――

    拡大を抑制する要因は、なんだろうか? 

 

◇ 統合の内容―経済統合から  

 EUは、経済的な統合から始まり、共通通貨ユーロも導入されている。

経済統合により域内は単一市場が形成され、自由な取引が可能となっていて、域外との間の取引にだけ関税が設定される。 この面では、域内が、一つの国(擬似国家)と言えよう。

このような自由な取引は、プラスに働く面もあるが、強者と弱者(利益を得る者と、奪われる者)に分かれることによって、域内での格差の拡大を齎すことにもなる。

 域内では、入国管理が無くなることで、人的往来も自由になっているが(シェンゲン協定)、イギリスでのように、移住者によって、元から居る国民の仕事が奪われる、といった不満も出てくる。

この最たる事象が、中東やアフリカからEU地域へ押し寄せる、難民、移民の急増で、これをどう受け入れるのか、現在のEUの最大の懸案だ。

経済は、政治の違いを超えて、均一化・グローバル化の方向に急速に進むだろうか。

 

◇統合の内容―政治的な統合はどこまで進められるのか?

 比較的最近の世界は、歴史、民族、宗教等の違いから、下記のように、政治的には、分離・独立の流れ、多極化・多様化の方向にあると言えるだろうか。

   ソ連邦の崩壊   →ロシア連邦、東欧諸国(ベラルーシ、ウクライナ)

                 カフカス諸国(グルジア、アゼルバイジャン、アルメニア)、

                 中央アジア諸国(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタ

                 ン、トルクメニスタン)

   チェコ・スロバキア→チェコ、スロバキア

   ユーゴスラビア  →クロアチア、セルビア、ボスニア、モンテネグロ、コソボ、

                マケドニア 

 そんな中で、EUは、極めて珍しい、逆向きの、政治的な統合を目指す動きだ。 

現在のEUは、実国家と擬似国家という、屋上屋の二重構造の組織体制のため、複雑で分かりにくく無駄があるようにも見える。

EUの加盟国が更に増えると、組織運営は、より複雑で面倒になるだろうか?

 EUに加盟することで、文化的な一体感と、国の安全が緩やかに保証されるという、安全保障的な期待があるようにも思える。

 

 EUの目指す国家像は?

EUの手本として目指す国家像はどんなだろうか?

現状の2重構造を延長したような体制だろうか。

もう少し、政治的な統合を進めるとしたら、ロシアや中国のような、半ば、専制的な国家ではないだろうから、民主的で開かれた国家として、どのような擬似国家・連合体をめざすのだろうか?

アメリカ合衆国のような、各州と連邦という国家像である、欧州合衆国のようなイメージだろうか。

 

◇安全保障―EUとNATO

 EU各国には軍隊があり、更に、アメリカ、カナダを加えて、NATO(北大西洋条約機構)を構成する安全保障体制がある。仮に、イギリスが、EUを離脱しても、NATOの一員であることには変わりはないだろう。 EU加盟国と、NATO加盟国は、下記の一部を除いて、ほとんど一致している。

    EU加盟でNATO非加盟:スウウェーデン オーストリア フィンランド アイルランド

                    キプロス マルタ

    EU非加盟でNATO加盟:ノルウエー アイスランド アルバニア  トルコ

                     アメリカ カナダ

  イギリスは、EUを離脱しても、イギリス連邦の盟主として、世界有数の経済規模を持ち、国連安保理の常任理事国でもある存在感は変わらないだろう。  

 

◇現EUの抱える問題

 現EUの当面している緊急の懸案は、前述のように、難民問題と言われる。 

ドイツは、ナチの反省から、難民受け入れには寛容的で、理想郷と映るEUに、膨大な数の難民・移民が押し寄せている。域内の往来の自由が、いまや、試練に立たされているだろうか。

 EUにやってきた16万人の難民を受け入れるべく、EUでは、加盟各国へ、受け入れの割り当てを行っているが、拒否反応がひどいハンガリーでは、ハンガリーへの割り当て数1300人ほどをめぐって、受け入れに対する賛否を問う国民投票を、10月2日に実施した結果、

    投票率             約43% (50%以上で国民投票成立)

    投票結果 受け入れ反対   98%

 国民投票は不成立という、分かりにくい結果になったようだ。 政権自身が受け入れに反対で、国民投票に行かず、ボイコットするように呼びかけたという。この民意を受けて、政権はEUに政策の変更を求めると言うが、EU側の姿勢は変わらないようだ。 昨年の、財政危機をめぐる、ギリシャの国民投票が連想される。 

 イギリスのEU離脱問題が、EUの目前のもう一つの懸案で、EUの今後にとって、巨大な一石を投じていると言えようか。

 

  来年2017年のG7サミットは、イタリアのシチリア島で開催されるようだが、その頃は、EUとイギリスとの間で、離脱交渉が始まっているだろうから、初めて参加するイギリスのメイ首相をはじめ、EU代表を含めた各首脳は、どんな表情を見せるだろうか注目したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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風呂場ギャラリー  秋の草花と実と

2016年10月04日 16時11分25秒 | 日記

2016年10月4日(火)  風呂場ギャラリー ーー 秋の草花と実と

 

  雨の多い天候が続く中で、季節は秋である。 我が家の屋上庭園では、秋の草花が賑やかだが、実をつけたものもあり、9月末に、ワイフKが、8種類を切り取ってきて、風呂場ギャラリーに飾ってくれた(下図)。 今は、スッカリ萎れてしまったがーーー。

   

 

  背が高く、先端の葉が、糸状に細かく分かれているのは、常連のパピルス(和名 カミカヤツリ)で、左側の穂先は、小さな花を沢山つけている。 大きな屋外の水槽で育つ熱帯性の水草で、この冬は、外で、2度目の越冬をする予定だ。

     

              パピルスの葉先の花                         パピルスの葉

 

       

                   

  つるが絡んでいるのは、ホシアサガオ。星のように小さな、かわいいピンク色の花をつける。種がこぼれて、毎年、自然に生えてくる、我が家の秋の七草の一つである。前図で、このつるが、パピルスの葉先同志を、針金のように連結している。 

                

 

                 

 

               

 

  長芋や、以前、土産に買ってきた伊勢芋などは、芋の成長には時間がかかるが、これらの子供の芋が、毎年、芽をだし、葉の付け根に、丸い茶色い実、ムカゴを沢山つける。それを炊いた、ムカゴご飯は、我が家の大事な秋の味覚。

                                            ムカゴ1                       ムカゴ2

 

               

 

                               

                                                               

  

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