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つれづれの記

日々の生活での印象

都知事の辞任騒動

2016年06月21日 18時59分06秒 | 日記

2016年6月21日(火)  都知事の辞任騒動

 

  週刊文春のスクープ記事が、大きなきっかけとなった、都知事の辞任騒動が一段落した。 舛添都知事は、昨日、最後の登庁となり、今日21日付けで辞任した。

都知事選の投票日は、7月31日(日)になったようで、連日、候補者選びのニュースである。7月10日投票の参院選とともに、選挙権のある都民の一人として、暫く、落ち着かない日々になりそうだ。 

 今回の騒動について感じた印象を、思いつくままに記すこととしたい。

 

○週刊誌の力 

 週刊文春が、5/5・12GW特大号(4/27発売)でスクープ記事を載せて以降、舛添都知事に関する話題が、一気に表に出て来て、マスコミの格好の材料となった。週刊文春は、第1弾~第7弾と、息つく暇を与えず、暴露記事を連発した。 筆者は、この週刊誌の現物は見ていないのだが、以下はネット情報より引用した、バックナンバーである(新しい順)。(雑誌バックナンバー - 週刊文春WEB を参照)

 

 

  週刊文春の記事より以前には、舛添知事が外国訪問時の、航空機の座席がファーストクラスであったり、泊まるのが、最高級ホテルのスイートルームだったりと言うのが、都議会で問題になっていたようだ。(舛添知事、米国出張は1泊15万円 いずれも「要人の急な面会に備えて」スイートルーム - 産経ニュース  等)

これに、火に油を注ぐように、週刊誌のスクープ記事が出て来て、都知事を辞任に追い込む、決定打となったと言えるだろうか。

 

 週刊誌の、情報収集力、影響力の凄さ・恐ろしさに驚かされる。 一方で、強大な存在を前に立ち向かった鼠小僧のように、庶民の味方、正義の味方の様な、小気味よさを感じるところでもあるがーー。

 この週刊誌は、先に、政治資金疑惑で、TPP担当だった、前甘利明大臣を、辞任に追い込んだ“実績”もあるようだ。(「リスクを恐れず、訴訟で負けない記事を作る」週刊文春・新谷編集長に聞く(上) (弁護士ドットコム) - Yahoo!ニュース

 

○都知事のステータスと待遇

 上述した、この春頃から都議会で問題となっていた、公務で外国に行く場合の、都知事の豪遊ぶりだが、週刊誌後のマスコミでも、改めて批判された。でも筆者は、このことについては、そんなに度を越しているとは思わない。

  都の担当職員は、これまでの前例に倣って、座席や宿を手配したことで、知事自身が特別に注文を付けたとは思われないのだが。でも、都としての財政の豊かさが、都庁内の体質や空気を、放漫なものにしていた面は、あるだろうか。

  いやしくも、世界の東京の首長として、恥ずかしくないスタイルをとることも必要と考える。レベルは大きく異なるが、筆者のささやかな経験では、国際会議に代表として出席する場合は、どのホテルに泊まるかも、重要なステータスではある。

 

  そして、週刊誌でスクープされた、湯河原の別荘へ、毎週のように、公用車で通った問題だ。 政治家としての事務所と別荘とが、どのように区別されていたのかは不明だが、筆者は、これも、許容範囲内と考える。 別荘を、私邸とすれば、職場から安全に私邸に送り届けるのは、取り巻きの重要な仕事で、少なくとも、往路については、おかしくはない。

 又、都管内で豪雨災害が起っている/起る可能性があるのに、予定通り東京を離れ、公用車で別荘に行ったことも問題視された。都民の安全を守る知事の立場としては、やや離れた場所に移動するのは望ましくはない。

が、知事の仕事は、24時間勤務とも言えることで、息抜きも必要で、所在がはっきりしていて、十分に情報連絡ができる体制こそが肝要だ。この情報ネット時代、居場所が何処であろうと、指揮は取れるのだ。

 顔を見せる対面に拘る日本的な慣習よりも、中身が重要である。

 

○せこいと言われた公私混同

 第2弾で、「血税タカリの履歴」として公表された暴露記事が、命取りになっただろうか。記事の内容は、以下のようだ。

正月家族で温泉宿 37万円 ●自著100冊買上げ 10万円 ●美術品等 900万円 ●湯河原別荘近くの回転寿司 5万円 ●自宅近所ピザ屋 20万円 ●3000円床屋は子供の分も領収書

 記事の冒頭にある温泉宿は、木更津のホテル三日月のようで、この宿泊費37万円が、政治資金から支出された事が問題となった。 ただの家族旅行だったのでは、との疑惑であるが、当人は、このホテルで、某出版会社の社長と政治に関わる会談を行ったと言っている。

 でも、相手の具体的な氏名等は、政治の機微に触れるとして、到頭、明かされなかった。ある情報では、その某社長は既に亡くなっていて、確かめようが無いようだが、だからこそ、でっち上げたのでは、とも言われている。

 “あれは家族旅行でした”、と、最初に素直に認めていれば、その後の嘘の上塗りも不要となり、事態は、別の方向に展開していたかもしれない。

 

  政治資金の使途に関する、その他のこまごました話題では、自己の趣味や、家族に関するものだったのでは、との疑惑があるのだが、本人は、これを否定して、政治活動上で必要だった、と言い張った。

そして、逃げ道を作るかのように、これまでの疑惑を明らかにするために、第三者の弁護士に、公正な調査を依頼するとしたのだが、単なる時間稼ぎ作戦でもあったろうか。

  暫くして、弁護士による、調査結果なるものが公表され、“違法性はない”ものの、“道義的には不適切”と、幾つか指摘された。でも公表内容に具体性が全く無く、公私混同の疑惑は、少しも晴れなかった。 知事の対応に、誠実さが全く感じられず、議会や都民の信頼を失うばかりであった。

 第3弾以降で取り上げられた話題では、知事本人の人間性を疑わせるようなゴシップが多いようだ。

 

○ 「sekoi」が、国際語となった? 

 今回の、都知事の辞任騒動について、著名な米ニューヨークタイムズ紙は、前知事の行動を表す言葉として、都議会などで最も多く使われたのが、sekoi だった、と報じている。(舛添氏は「せこい」 米NYタイムズ紙 - 政治・社会 - ZAKZAK) 

 日本語の「せこい」は、芸事の世界での隠語から来ているとの説があり、みみっちい、けちだ、等とほぼ同義だが、より卑下した語感があり、俗語に近く、手持ちの通常の国語辞典には載っていない。

 ここで、関連する和英の単語を、反対語と共に、調べてみた。

   みみっちい、けちだ :stingy(スティンジイ)、misaly(マイザリイ) 

   気前がいい      :open-handed、generous(ジェネラス)

 せこいは、日本語としては、普段は、あまり使われないのに、外国人ジャーナリストのセンスは流石、と感心したことだ。 類似の意味の俗語として、「こすい」もあるようだ。

 

 ここで、外国語となっている日本語として思い浮かぶのは

     モッタイナイ    

     オモテナシ    

     ツナミ

     ラーメン

などであるが、これらは、日本の文化的・地勢的特徴を、よく表しているだろうか。

 

今回、これらに、「セコイ」が加わったのだろうか?! 

 国際的には、暫くは、東京のsekoi知事のことが話題となるだろうが、 日本人が、sekoi と言われた訳ではない。日本の首都東京で、行動がsekoiことに端を発して、辞任に追い込まれた知事がいた、ということだ。

 

 次稿では、辞任に追い込まれた直接的な理由や背景等について、取り上げることとしたい。


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週刊誌の経営 (橋本弘行)
2016-06-22 11:18:15
週刊文春でも新潮でも、スタッフは50名もないようで、フリーライターの活用を図ってます。
費用対効果からすれば、既存マスメディアは週刊誌に真っ青。
マスは大企業病に病んでおり、スクープがでる土壌はないようです。
記者は所属部署の縦割りで育ち、部署の力関係が明確すぎ。(情報源‐
大手新聞社社員)
週刊誌は中小企業ですから、編集長の意思を共有し、情報網・機動力・情報構成力で、大新聞を各個撃破。
長期的調査報道、国際報道は身の丈ですませる。

下町のロケットです。
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