つれづれの記

日々の生活での印象

原発事故の収束は?

2011年07月29日 17時47分51秒 | 日記
2011年7月29日(金) 原発事故の収束は?


 先日の、7月19日、原発事故処理の進捗状況が、原子力災害対策本部 政府・東電統合対策室名で公表された。 去る、4月17日に、東電から、事故の収束に向けた道筋のロードマップ(工程表)が、初めて示されてから、ほぼ、3ヶ月後になり、今回は、当初設定した、ステップ1の目標時期という、節目になる。
 この時点で、 報告では、“安定的な冷却を実現し、放射線量を着実な減少傾向にもっていく”という、ステップ1の目標は達成された、としたが、やや無理をした、楽観寄りの評価、のように思われる。

 原子炉や燃料プールの安定的・継続的な冷却と、圧力容器への窒素ガスの注入等によって、水素爆発などの、新たな大量の放射性物質の放出という、重大事態を未然に防ぎ、冷却によって発生する滞留水を、除染処理して再利用しながら減少させ、作業環境を確保するとともに、周辺環境への流出を避ける、と言う、綱渡りの作業が続けられている。
 滞留水を処理して減らしながら、原子炉の継続的な冷却を行うという、「循環注水冷却」システムが、安定的に稼働することが、当面の最大の課題なのだ。システムの稼働当初に頻発した、各種不具合も、なんとか克服でき、最近は、特に大きなニュースは、聞こえては来ないのだがーー。便りの無いのはいい便り、と解釈していいのかな?

 今回、公表された資料によれば、循環注水冷却システムの試験運転を、6月後半から開始してから、7/18までの、滞留水処理の状況は、以下の図のようになっている。


 図で、日ごとの処理量が、赤棒グラフ(左目盛)、累積処理量が、青折れ線グラフ、累積注水量が、黄折れ線グラフ(共に右目盛)で示してある。
 グラフで見る限り、1日の目標処理量(1200トン/日)に到達したのは、1回だけで、後半には、却って減少するなど、順調に稼働しているとは、とても言えない。 稼働率を、90%とすると、1日あたり処理量は、
   1200×0.9=1080トン  
となるが、これを越えたのは、グラフにある横軸の32日の中で、7回程しかない。スタートから、初期の1週間程を除いた以降の、平均稼働率が、70%とすると、平均処理量が、840トンとなる。 
 グラフに入っていない、ごく最近の状況はどうなのかも、気になるところだ。 これらのデータは、何処かに公表されていると思われるが、調査は出来ていない。

 滞留水の処理には、かなりの時間がかかるようだ。当ブログに掲載した下記の記事
     原発事故収束の命綱  (2011/6/25)
の時点で示した試算では、

  滞留水総量            110000トン
  処理能力/日             1200トン
  注水量/日               400トン
  実効処理能力/日 200-400=800トン
  処理所要日数 110000/800≒137日

となり、順調に捗っても、滞留水が無くなるのが、137日後の、この11月下旬頃になる計算となる。今回の見直しで、前提となるこれらの数値が、変わっていないかは、未確認である。

上記のグラフを、2つの累積量が増加傾向を示している、グラフ中程左の、6月29日以降について、改めて良く見て見る。グラフの最終日の7月18日時点では
   累積処理量 23480トン
   累積注水量 約6800トン(正確な数値は示されていないので、目視推定)
とすると、6/29~7/18の20日間の累積処理量は
   23480-約6800=約16680トン
になるので、一日当たりの実効処理量にすると
   16680/20=834トン
と、目標の、800トン以上になっている! 棒グラフで見る限りは、1日ごとの処理量では、殆ど目標数値には到達していないのに、累積値で見ると、処理目標を越えている、と言うのは、おかしいのだがーー!?? 

 今後は、各原子炉の、冷温停止状態を実現する、ステップ2に入るが、この時期目標は、3~6カ月後と、前回から変更はされていない。
 ステップ2の目標時期である、3~6カ月後に相当するのは、10月中旬~1月中旬に、なる。滞留水の処理状況が、上述のように、少しはっきりしないので、なんとか、年内には完了したとしても、これと並行した作業/これに続く作業で、各原子炉で、冷温停止状態を、1月中旬に実現するのは、かなり厳しいのではないか。果たして来年は、どんな状況で正月を迎える、こととなるのだろうか。

 現在の、循環注水冷却システムは、言うまでも無いが、応急的な、寄り合い所帯の集合体であり、システムの中に、十分にはコントロール出来ていない、言ってみれば、垂れ流し式の部分がある事が、最大の弱点である。 今後、地震や台風や、他の人為的な要因等により、バランスが崩れてしまいそうに見える。
 又、このままでは、事故原子炉に関する、今後の、長期間に亘る本格的な作業に向けても、問題があるように思う。
 従って、ある早い段階で、原子炉の圧力容器や格納容器の、「漏れ」を完全に補修し、原子炉に熱交換器等を直結して、直接、循環冷却する方式に切り替え、安定的に冷温停止状態を実現する必要がある、のではないだろうか。
 これらの作業の難易度については、素人には、判断できないところだがーー。

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地デジ化 完了

2011年07月27日 23時15分14秒 | 日記
2011年7月27日(水) 地デジ化 完了


 先日の、7月24日の正午をもって、日本の地上アナログテレビ放送が終了し、デジタル放送だけになった。同時に、BS放送も、同様に、デジタルのみになった。そして、24日の深夜12時には、アナログ放送電波の送出も停止さている。

 我が家では、現在のデジタルテレビに買い替えて、ほぼ、2年になるが、リモコンには、アナログ放送も映る、ボタンがついている。
 当日の朝の時点では、このアナログボタンを使って、アナログTV放送が終了する瞬間を見たいものと、楽しみにしていたのだが、うっかり忘れてしまい、気が付いたら、午後1時少し前で、歴史的瞬間を、見そこなってしまった!
 その瞬間は、以下の様な、放送の終了を知らせる画面に、替わったようである。
 アナログ放送の終了告知画面

 災害用の、手回し充電器付きラジオを常備しているが、これまでは、AM・FMラジオの他、NHKのTV(アナログ1)の音声も聞けて、嬉しかったのだが、やはり、放送終了後は、TVの音声の受信は出来なくなってしまった。
 余談になるが、この緊急用ラジオでのアナログTV受信と、デジタルTVでのアナログ/デジタル受信時の、音声の時間遅れに付いて、当ブログの以下の記事で、触れたことがある。
      2秒ほどの時間遅れは大問題?  (2010/4/5)
 現在、リモコンのアナログボタンを押すと、地デジと同じ画面となる。

 日本では、2003年12月から、3大都市圏で、地上テレビ放送のデジタル化(地デジ化)が始まったのだが、以来、かれこれ、8年程の年月が経過している。
 これまで、関係各方面の周到な準備と努力により、大きな混乱も無く、アナログTVからデジタルTVへの移行が実施されてきた訳で、今回は、大きな流れの中の、一つの重要なエポックであろう。
 先の大地震で被災した、岩手、宮城、福島3県についても、来年3月末に地デジ化が行われ、日本国内の、TV放送のデジタル移行が、目出度く完了する事となる。 

 TV放送では、受像機を、利用者が準備しなければ、TVが見られない仕組みになっている。今回は、言ってみれば、放送側の都合で、一方的にデジタル化してアナログ放送を止めるのだから、利用者からすると、いささか腑に落ちない点はある。デジタルテレビを配るのではないまでも、デジアナ変換用のチューナー位は、無料で配っても良いようにも思う。
 テレビのカラー化が始まって以来、白黒TVのままでも、放送は見られたので、大きな混乱は無かったのだが、今回は、日時を限って、TVが見られなくなったのだから、或る意味では、影響は大きい。
 アナログ放送の終了の前後には、駆け込みの相談等も多く、デジタルTVやチューナーの売り上げも伸びたようだ。一方、返却される大量のアナログTV受像機の、メーカー等での解体処理も大変なようだが、心ない不法投棄も増えている、という。

 これまでの首都圏でのテレビ放送は、デジタル放送、アナログ放送共に、勿論、東京タワーから電波が出ており、先日で、アナログ放送の電波が停止されたわけだ。戦後の、日本のテレビ放送の歴史の中で、東京タワーの果たした役割は、極めて大きなものがあろう。
 現在、順調に建設が進められている、東京スカイツリーは、デジタル放送開始後に着工され、デジタル移行が完了した後に、運用が始まる訳で、それだけ、余力を残している、とも言える。高層ビル等による電波障害を大幅に軽減するために、現在の東京タワーよりもかなり高くした訳だが、来年5月に予定されている開業時には、関東一円のデジタルテレビ放送は、東京タワーに替わって、東京スカイツリーから電波が発射されるようだ。
 その時、放送大学は、現在と同じに、東京タワーから送信されるとあるが、その外の、東京タワーの役割は、どうなるのだろうか。
 スカイツリーは非常に高いために、遠くまで電波が届く事から、カバーするエリアの周辺での、ローカル放送との電波干渉が問題になる、と言う。

そもそも、TV放送をデジタル化する狙いやメリットは何なのだろうか。 使用する電波帯を、アナログ放送では、VHF帯だったものから、デジタル放送では、より周波数の高い、UHF帯に移行することから、利用可能なチャンネル数が、格段に増えることとなる。このことで、携帯用テレビの、ワンセグ放送も可能となった。

 マスコットの地デジカ(鹿)君

 利用者から見て、テレビ放送デジタル化のメリットは、以下のように言われているが、各々に付いて、改めて、簡単に触れて見たい。

○ハイビジョン画質
  映像がハイビジョン画質になり、極めて鮮明になる。フルハイビジョン画質でも、慣れてしまうと、当たり前になってしまう のだが、たまに、アナログ放送を見たりすると、その違いに驚かされる。
○データ放送との併用
  通常の放送では、余り御世話にならないが、高校野球など、スポーツイベント等では、関連情報が得られるので、利用価値が 高い。
○画面での番組表(EPG)
  リモコン操作で、画面上で番組表が見られ、見たい番組を探したり、録画の予約ができる。これまでお世話になっていた、新 聞の番組表が不要になった。
  画面の番組表を見ると、大きなチャンネルの間に、細かな、いろんなチャンネルがあり、また、BSでは、ショッピング専用 のチャンネルなども多い。
○マルチ編成ができる
  スポーツ中継などで、試合の終了前に、予定の放送時間が来た場合などに、放送局側の選択で、次の番組の画面の隅に、延長 戦の様子などを、小さく入れることができる機能だが、余り活用されてはいないようだ。
○双方向番組が組める
  クイズ形式の番組の中等で、視聴者が、問題の答えを選んで、答えられるような仕組で、回答状況も、画面に表示される。下 りは、放送波だが、上りは、インターネット回線を使う。
  自宅の場合は、テレビの設置してある部屋と、ネット回線の端子がある部屋が、かなり離れており、工事を頼むのも面倒なの で、この機能は、使えるようにはなっていない。

 今後は、折角の素晴らしいデジタルテレビの良さを、なかんずく、見たことも無い自然の姿や生き物の動き、各地の重みのある文化遺産、スポーツイベントの躍動などを、じっくりと、楽しみたいものだ。
 世界全体で、TV放送が、デジタル化、高品質化の方向に動いているが、これらの動向に付いては、調査がまとまるようなら、取り上げて見たいと思っている。





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なでしこの快挙  その2

2011年07月26日 12時06分55秒 | 日記
2011年7月26日(火) なでしこの快挙 その2


 FIFA女子ワールドカップについては、予選リーグを中心に、当ブログに
 なでしこの快挙 その1  (2011/7/20)
の記事を、先日載せたが、今回は、決勝トーナメントを中心に、あの興奮を、振り返ってみたい。

○ベスト8による、決勝リーグ第1戦の準準決勝は、ドイツ戦である。開催国ドイツは、予選リーグA組を、全勝で、1位で通過し、大会3連覇を狙う、強敵だ。FIFAランキングも、日本は4位だが、ドイツは2位と格上で、過去の対戦成績は、1分7敗とか。地元ドイツのプライドがあり、期待を一身に集めた完全なアウェーの戦いとあって、殆ど見込みは無い、と思っていたのだが、予想外の嬉しい結果となり、日本時間の10日の早朝に行われた対戦だが、寝ずに、TV観戦した甲斐があった。
 ドイツ国旗

 前半、チャンスだったのだが、FW永里のシュートは残念ながら枠外。又、後半のピンチで、相手のヘディングシュートを、DF近賀が、ゴール前で跳ね返し、辛うじて難を逃れた。一進一退の中、0-0のまま、延長戦に入った。
 延長前半は、決定的な場面が無く、延長の後半すぐに、FWが永里から丸山に交代したが、後半3分、状況を見ていたMF澤からの右パスを受けた丸山が、かなり斜めの角度だったのだが、右足でのシュートが、見事にネットを揺らして、これが決勝点となった。

 日独の、体格の差は歴然としているが、思ったほどには圧倒されなかったし、よく、攻め・守ったと言える。ドイツでやっている、FW安藤(デュイスブルグ)、永里(ポツダム)も出場しているが、ドイツ選手の中には、日頃の、同僚もいたのではないか。 
 先の、北京オリンピックでの3位決定戦で、このドイツに敗れて、日本が、メダルを逃したと言う、因縁の相手でもあった。

○ベスト4になった日本の勢いは素晴らしかった。準決勝は、スエーデンと対戦したが、こちらは、世界ランク5位で、日本が一つ格上だし、過去の対戦成績は、2勝2敗2分と互角で、十分に戦える相手のようだ。この対戦は、日本時間の14日の早朝に行われたが、再び、テレビにかじりついた。
 スエーデン国旗

 前半間もなく、澤が出したパスを、相手にインターセプトされ、相手のチャンスボールになってしまい、キーパーも交わされて、早々とシュートを決められてしまった。出鼻の失点のショックは、大きかったと思うが、でも、この失点に、慌てず戦い、その暫く後、宮間から出たボールを、MF川澄が右足で合わせて決め、同点とした。その後は、日本にも、何度かチャンスはあったが、決められなかった。
 ボールの支配率は日本が圧倒。中盤でのパスのやりとりのあと、宮間からのパスを、DF鮫島がシュートし、それを、キーパーがはじいたのだが、その時に、ゴール前まで詰めて来ていた澤が、ピョンとジャンプするようなヘディングで決め、2-1とリードしたのである。前半間もなく、自分からの不用意とも言えるパスを奪われて、相手の得点を許してしまった澤としては、じっと取り返すチャンスを待っていたと思われる。その借りを返した、嬉しい得点なのである
 それから間もなく、競り合いで、かなり前に出てきたキーパーがクリアーしたボールを、そのキーパーの後ろを狙って、川澄が、山なりのロビングシュートを放ち、それが無人のゴールに決まり、日本の勝利が、ほぼ確実なものとなった。川澄は2点目の活躍だ。 その後、大したピンチも無く、3-1での、不安気のない、日本の快勝となり、準決勝は終了した。これで、銀メダル以上が確定した
 後で知ったのだが、スエーデンチームでは、主力の選手が怪我で出られず、代わりの選手も、警告の累積で出られない等、不運もあったようだ。フルメンバーでの対戦だったならば、競り合いの苦戦になっていただろうか。

○決勝戦は、アメリカが相手となった。予選リーグC組で、そのアメリカに勝ったスエーデンに、準決勝で快勝したのだから、理屈では、日本がアメリカに勝つのは、おかしくはないのだが、そうは甘くない! アメリカは、FIFAランキング1位で、過去にも2回の優勝経験があり、これまでの、日本の対戦成績は、3分け23敗とか、惨憺たるもので、常識的に勝てる相手ではないのだ。
 アメリカ国旗
この決勝戦は、日本時間の18日の早朝に行われたが、勿論、早起きしてTV観戦した。

 開幕から、圧倒的にアメリカが押していて、日本が危ない場面も何度かあり、完全に、アメリカのペースに乗せられっ放しだった。でも、前半は何とか0-0に持ち込んだ。 休憩時間中、もっと日本らしい、ゆっくりした廻すサッカーをやろうと、話し合ったようだ。
 後半の早い時期、替わったモーガンが、長いロングパスを受けて、カウンター攻撃に出て、スピードを生かして、ディフェンスとGKを交わし、あっと言う間に、長いゴールを決めてしまい、均衡がくずれた。
 でも、後半も、そろそろ終わりで敗色も見えてきた頃、日本も、ゴール前の競り合いで、相手の守備陣から奪ったボールを、宮間が、難しいながらも左足でゴールを決め、同点に追いつき、2-2で延長線に持ち込んだ。

 しかし、延長線の前半に、左サイド深くから折り返したモーガンのセンタリングを、ゴール前で待っていたワンバクが、ヘディングで合わせ、早々とアメリカに得点され、またもや、先制を許し、嫌な空気が流れたが、日本チームは諦めなかった。
 そして、延長線の後半、左CKのチャンスが訪れた。蹴る宮間とゴール前で待つ澤との間で、ニアで行こうと、示し合わせたようだ。宮間が蹴ったニアのボールに、澤が、するすると飛び出して行って、足で合わせ、見事にゴールして、追いついたのだ。
 ところが、延長線の終了寸前に、日本ゴールの近くで、日本のファウルがあり、DF石清水がレッドカードで退場となり、もはやこれまで、と観念した。が、そのFKが、幸いにも外れて、2-2のまま、延長線が終了した。

 始終圧倒され、2度も先制されながらも、何とか追いついて、PK戦に持ち込んだ日本だ。ここからは、こんどは、体力よりも、精神力の勝負である。 PK戦を前にして、こんなはずではない、という、苛立った気分のアメリカに対して、日本チームには、ここまで来たのだから、楽しんで終わろう、という、リラックスした気分があったようだ。
 これまで、色んな大会のPK戦を、何度か見てきた。先のアジアカップで日本が優勝した時の、GK川島のファインセーブが目に浮かぶが、今回は、それに匹敵する、素晴らしいものであった。

 先行したアメリカのPKを、なんと、初っ端から、GK海堀が、セーブしたのである。キッカーは、ゴールの右を狙ったのだが、GKはそれを見透かしていたかのように、素早く右に動き、ボールを、手ではなく、空中の水平に近い右足に当てて、ゴールを許さなかったのである。映像を良く見ると、あの右足は、結果的にボールに当たったのではなく、右足を見ながら、意識的に当ててゴールを防いだ、と見える。自分の体を、全て活用するキーパー魂を見たように思った。キッカーの動きを、どう読み、動きを観察しながら対応していくか、キーパーの腕の見せ所だろうか。
後攻めの、対する日本のキッカーは、最も信頼のおける宮間だったが、問題なく、右に決めた。

 続くアメリカの二人目のPKは、一人目がセーブされたためか、余りにコーナーを狙い過ぎて、こんどは、左上の枠外に大きく外してしまった。相手の立て続けの失敗で、なんともいい気分だ。
 でも、油断は禁物、後攻めの日本の永里のキックは、左を狙ったが、相手のGKに読まれて、セーブされたのである。これで、1-0。

 アメリカの3人目は、左を狙ってきたが、海堀が、こんどは左に動いて、またまた止めたのである。アメリカは、3人とも失敗となった。
 そして、続く日本は、MF坂口が、左に難なく決めた。PK戦は、一般には、失敗が少なく、息詰まるような緊張感がみなぎるのだが、ここで、2-0という、予想外の展開になり、見て居ても、だいぶ気が楽になった。

 4人目のアメリカのキッカーは、エースのワンバクで、さすがに、右に、きれいに決めた。そして、いよいよ、日本の番で、これを入れれば優勝が決まると言う大事なキックだ。
 キッカーのDF熊谷は、大変なプレッシャーを感じたと思われ、空を見上げたりしたが、冷静に、左上に決め、3ー1でPK戦を制し、日本の優勝が決定したのである。

 GKの海堀だが、本戦と延長戦では、2ゴールを許したものの、PK戦で、素晴らしい活躍を見せ、日本の勝利に大きく貢献したことで、決勝戦のMVPに選ばれた。良くぞ評価してくれたと、嬉しくなる。
 大会を通じて、厳しい表情を見せ続けて、指揮に当たった佐々木監督だが、優勝決定後は、にこやかな表情で、インタビューに答えていたのが、極めて印象的である。 澤選手は、大会全体での、得点王に輝き、MVPにも選ばれた。

 強敵アメリカとの決勝戦の、本戦、延長線から、PK戦までのさわり等を、その後、何度かTVで見たのだが、結果が分かっていても、勝った試合は、何度見てもいいものである。
 でも、これだけを見たのでは、特に、本線や延長線で、相手に先行され、やはりアメリカには勝てないのか、という半ば諦めの中で観戦し、時間ぎりぎりで、何とか追いついた時には、希望が繋がり、ほっとした気分を味わった事等は、生の場面でしか味わえない、ライブ観戦の醍醐味かもしれない。
 そのハラハラドキドキが大きかっただけに、PK戦の圧勝は、格別に嬉しいのである。
逆に、アメリカにしてみれば、それだけ、悔しさも大きいだろうと思う。

○その後、帰国した日本チームの記者会見など、国内が大いに湧き、国民栄誉賞の話などもある。
 優勝報告(ネット記事より借用)
でも、彼女達は、勝利に酔いしれる間もなく、7/24から、なでしこリーグが、再スタートして、その開幕戦の開催地では、記録的な観客動員数となったようだ。

 改めて調べて見たら、日本には、男子のJリーグと同様に、女子には、なでしこリーグ(更に下位に、なでしこチャレンジリーグ)と言うのがあるようだ。上位の、なでしこリーグは、10チームから構成され、その中の、東電チームの、女子サッカー部マリーゼは、今季は自粛ということで、9チームでスタートとなったようだ。 チームの中には、地域独自のチームがある他、Jリーグチームの、女子部として運営されているところもある。

 今回の、なしこジャパンに出ている20名の選手の、国内の所属チームと、選手数は
   INAC神戸レオネッサ   7名
   岡山湯郷Belle     2
   日テレ・ベレーザ     2
   浦和レッズレディース  3
   アルビレックス新潟レディース 2
   ジェフユナイテッド市原・千葉 1

で、今回、日本代表は出さなかったが、国内の他のチームとしては、
  ASエルフ狭山FC
   伊賀フットボールクラブ
  福岡I・アンクラス
がある。
今回のなでしこジャパンメンバーには、以下のように、外国チームに所属して活躍している選手も、何人かいる。
   在ドイツのチーム  2 名
   在フランスのチーム  1
   在アメリカのチーム  1

○今回の優勝で、日本国内での女子サッカーの知名度は、一気に上がったが、一時的な人気に終わらないことを願っている。
今大会終了後に発表されたFIFAランキングは、優勝した日本が1位と思いきや
   1位 アメリカ
   2位 ドイツ 
   3位 フランス
   4位 日本
   5位 スエーデン
と、大会前と、少しも変わっていない事を、重く受け止めるべきだろう。
 幸いなことに、来年には、ロンドンオリンピックがあり、それに向けての予選(9月 中国)など、当面、関心が薄れることは無いだろう。そして、オリンピックでも、念願のメダル獲得(出来れば、金色)が実現すれば、日本の実力が、国際的にも、認められ、FIFAランキングも、上がるだろうと思われる。
 長年、日本の女子サッカーを引っ張って来てくれた、澤選手には、若手と共に、年齢の差を乗り越えて、オリンピック終了までは、国内リーグを含めて、活躍して貰い、自らの花道を作って欲しいものである。
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水廻り用品の標準化

2011年07月23日 22時09分57秒 | 日記
2011年7月23日(土)  水廻り用品の標準化


 新築された現在のマンションに住んで以来、20年程になり、あちこちに不具合が出てきているが、その一つが、水廻りである。少し前、風呂・台所用の湯沸かし器が故障して、修理してもらったことがある。今回は、浴室の中の洗い場の、混合水栓が不具合で、止水―カラン―シャワーの、切り替え部の締りが悪く、シャワーから、常時、ぽたぽたと、水漏れするようになって、数か月以上になる。
 最後に風呂を使って仕舞う時は、湯船の水位はかなり低いのだが、シャワーの出口を浴槽に入れた儘にして置くと、翌日に、沸かす頃には、浴槽が、満タンの状態になっているのだ。漏水量を、ちゃんと計ったことは無いが、2~3日で、浴槽1杯分ぐらいの量になるかもしれない。 今年になって、都の水道局からも、“水道のメーターが、常時、廻っていて、漏水している可能性がある、と検針員からの報告です” という、葉書が届けられてもいる。
 このような状況は、水道代の無駄だけでなく、省資源の観点からも、決して、放置していて、いいことではない。重い腰をあげて、何とか、対処する事とした。

 TVのコマーシャルでは
    水のトラブル 8000円!
などと、呼びかけているが、なにはともあれ、当マンションの管理を請け負っている、管理会社に電話して聞いてみた。 水廻りのメンテを請け負う会社を紹介され、連絡したら、程なくして、先日、担当の方が、来てくれたのである。
 その人に、水漏れの状況を見て貰ったが、水栓全体を取り替えるしかなく、数万円ぐらいかかる、と言われて、驚いた。 自分としては、パッキングのゴムを取り替える程度で、技術料等を入れても、1万円位で済む、と思っていたのだ。

 でも、その人に良く聞いてみたら、この種の水栓の規格は、標準化されていて、同一メーカーの物でなくとも、互換性があり、ホームセンター等でも、売っていて、専門家でなくとも、自分でも工事が出来る、と言うのだ。元エンジニアとしては、聞き流すわけにもいかず、チャレンジしてみる事とした。
 自分でやってみて、上手くいかなかった時は、改めてお願いする事として、来てくれた担当者の名前と連絡先を聞いたうえで、心ばかりの、お土産を渡して、お帰り頂いた。

 自分でもできるかどうか、をチェックするために、手始めに、現用品のメーカー名から、そのHPにアクセスし、そのメーカーの製品について、調べて見た。
 その結果、現用品と同じものは、10年程前に、既に、販売停止になっていた。でも、有り難いことに、過去に販売された製品の、品番、詳細な仕様と写真が、載っている。その写真が、現用品と正に同じものだったので、すっかり嬉しくなった。
 そして、ここからが大事なのだが、その製品と代替できる、現在売られている製品について、品番や、詳細な仕様や写真が、載っているのである! 代替品の価格は、4万円を超えていたが、何と素晴らしいアフターサービスだろうか、と感心した次第で、長期にわたって使用される水廻り用製品に対する、当該社の姿勢を示すものであろう。
 パソコンソフトの世界では、バージョンアップのサイクルが、極めて短いために、先行品と後発品との互換性が、大きな問題になり、頭を痛めることが多いのだがーー。
 指定された代替品をホームセンターで手に入れるか、メーカーのサービスセンターに問い合わせれば、少なくとも、同一メーカーの製品を使う事は可能になり、一安心である。

 現用品には、湯の温度を調整するダイヤルが付いているが、サーモスタット式などと呼んでいることから、最近までは、ダイヤルの所に電気の配線が来ていて、湯沸かし器をコントロールしている、と、漠然と思っていた。このため、自分でやるのは大丈夫だろうか、と言う懸念があったのだが、少し調べて見ると、水と湯の、2本の水道の配管が来ているだけで、電気等は無関係、と判明した。この簡明なモデルで、JIS規格として標準化され、JWWA(Japan Water Works  Association 日本水道協会)が管理しているために、各社水栓間の互換性が、保たれているようだ。
 従って、各社が、混合水栓を設計する場合、
   ・水と湯の混合をどのように行うか
   ・シャワーとカランの切り替えをどのように行うか
   ・水と湯をどのように止めるか
等について、如何に使いやすく安全にするか、で、知恵を絞り合い、色んな商品を出している、という訳だ。

 先日の休日、近くに住んでいる息子に、この風呂場の水栓の問題を話した。本人は、自動車の整備士であることから、機械廻りについては勿論だが、水廻りについても、心得があるので、休日返上で、来て貰うことにした。生憎、息子の自宅には、配管に接続しているボルトを廻すのに必要な、レンチは、置いていなかった。
 先ず、工具等を専門に扱う、近くのハードウエア店で、レンチを買う事とした。ボルトの幅のサイズは、27mm程度だが、幅を変えられる、モンキーレンチを物色した。
 プロ用も含めて、材質や仕上げの程度が異なる、各種のモンキーレンチがあり、値段もかなりの幅があるが、家庭では、普段は殆ど使わないことから、800円程の、廉価な普及品を買った。
 ついでにと、そのハードウエア店で、単水栓、混合水栓等を探してみたら、その店でも、各種の商品を扱っていた。現用品と同じメーカーの製品は無かったが、他社の、幾つかの商品が出ていて、互換性がある事はわかっていたので、ホームセンターまで出かける手間を省いて、その店で買うこととした。
 機能としては、現用品と同じに、シャワーつきは必須。 水と湯との混合比は、一度設定したらそのままで、止水が独立に出来るのがいい。混合も止水も、全て、一本のレバーの操作で出来て、シャワーとカランの切り替えは、つまみ式のスイッチになっているものを選んだ。 値段は1万3千円程であった。

 帰宅後、早速、息子が取り替えにかかってくれたので、自分は、気楽な、助手役に廻った。先ず、水道の元栓を閉めて、新たに手に入れたレンチで、二本の配管のボルトを廻したら、正に道具、簡単に、現用品が取り外せた。
 
       購入したモンキーレンチ      取り外した現用品

 続いて、新たな水栓を、2本の配管に繋ぐのも、殆ど問題は無かった。混合水栓の両側に、自由に動かせる、短い脚の様なものが付いており、これで、2本の配管と、水栓本体との間のずれを、調整するようになっているようだ。 配管に繋ぐ接続部のネジ山に、水漏れ防止用のテープを巻きつける作業が、多少の、ノウハウだろうか。このようにして、大きな問題もなく、新品の取りつけが完了した。
 そして、水道の元栓を開き、風呂の湯沸かし器を稼働させて、レバー操作したら、適温の湯が、シャワーやカランから、出てきたではないか。勿論、水漏れは、ピタリと無くなった。
 取りつけた、新混合水栓

  前述の水道のメンテ屋に頼んだ場合は、彼らは、何処で品物を仕入れるのだろうか。メーカーと提携している場合もあろうが、個別案件は、ひょっとしたら、同じ様に、ハードウエア店や、ホームセンターで、仕入れるのかも知れない。そして、いくらで工事して貰えたかは不明だが、たぶん、手間代等も含めると、3万円位には、なるように思われる。今回は、DIY式に、自前でやったことで、新たに手に入れたレンチを含めても、かなり安上がりに、修理ができた事になる。
 四六時中、じたじたと、水が漏れるのは、いい気持ちではなかったのだが、漸く、うっとうしさから解放された気分である。風呂の追い焚きする段になって、湯船のカバーを開けて見ると、水位が、昨夜と同じに、低いままなのが、嬉しい! 

 尚、水廻りの別の問題なのだが、風呂場手前の洗面台の止水栓が、壊れる位に強力に締め付けないと、水が止まらないという問題があり、大分前から悩まされている。
 これについても、上述のメンテの人が来た時に見て貰ったら、こちらの場合は、市販の互換品は無く、一般の人が修理するのは無理、と言われた。 何と、“直すには、いい金がかかるので、現状のまま、だましだまし、使っていくのがいいのでは” とアドバイスされた。
 ところが、この種のメカに強い息子は、同じ日、図面も無い中で、汗だくになりながらも、この洗面台の水栓問題も解決すべく奮闘してくれた。あれこれ試行錯誤を繰り返しつつ、終に、水栓の中に付いている、硬質ゴムの小さなパッキングに辿りついたのである! そして、その磨り減ったパッキングを、くるりと裏返しして、こんどは、逆の順序で、元のように組み立てて行った。元の状態に戻って、栓を普通に締めても、ピタリと水が停まるようになったのだから、驚きである。

 これで、水廻りの二つの問題が、一気に解決したのだが、親身にやってくれた息子には、近くの行きつけの店で、夕食をご馳走し、感謝した。

 余談だが、ここで、工具の呼称について、触れたい。ボルトやナットを廻す工具を、英語ではレンチ(wrench:ねじる)といい、スパナ(spanner)とも言うようだ。日本語では、閉口型をレンチ、開口型をスパナ、と区別する場合もあるようだが、厳密ではない。
 今回購入した工具は、開口型だが、通称は、モンキーレンチ(アジャスタブルレンチ)と、呼んでいるようだが、モンキースパナ と、呼ばれる場合もあり、単に、モンキー と、呼ぶ事もある。 この、モンキー(monkey 猿)とは、面白い呼称だが、その謂われについては、諸説があるようだ。
 この工具、過去に、殺人事件の凶器として使われたことが何度かあるが、スパナと報道されたように、記憶している。



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トマト君の勢揃い

2011年07月21日 23時41分22秒 | 日記
2011年7月21日(木) トマト君の勢揃い


 先日、西日本に住む知人から、新鮮なトマトが、沢山、届けられた。
 

昨年も、同じ知人からトマトを贈られ、当ブログにも載せている。
    トマト君 どっさり (2010/6/23)

 トマトは、夏野菜の一つで、料理にも使う。例えば、フライパンでの炒め物の最後に、薄く切って上に載せ、蓋をして暫くすると、しんなりとなり、その酸味が、又いいのだ。セロリやキュウリや魚介類など一緒にトマトを加えて、和え物風のサラダにしたり、スパゲッティの最後などに、刻んだトマトを加えると、味は勿論だが、色合いも楽しめる。
 イタリア料理では、トマトは、重要な食材で、ケチャップとしても多用される。
 トマトは、果物のように、生食しても、中々、美味しい。慌てて丸ごとかぶりつくと、中の汁が飛び出して、シャツなどが、トマト色にきれいに染まり、叱られる失敗は、何度も経験済みだ。水洗いしたトマトを、ラップに包んで冷蔵庫に入れておくと、夏の暑い日には、特に美味しい。

 今年は、ルーフバルコニーで、草花に加えて、野菜作りにも力を入れているが、重点を、
    ナス、キュウリ、トマト、トウガラシ
に絞っている。
 その中のトマトだが、通常のサイズの種類のトマトは、難しそうなので、ミニトマトにした。 赤色と黄色の実がなる苗を2株購入して、結構、大きく深いプランターで、肥料も十分に入れた培養土で、育てている。 夏の炎天下では、うっかりすると、すぐ萎れてしまうので、朝夕の水やりは欠かせない。

枝ぶりのいいトマトの黄株               左が黄株 右が赤株

 案の定、彼らは、成長が早く、どんどん伸びている。ミニトマトは、葡萄のように、纏まって花がつき、実が鈴なりになる。 摘芯をするといいようだが、気儘に、伸びたい放題にしている。特に、黄色の株の、スペースの占有率は大変なものだ。 その分、気持ちが通じるかのように、嬉しそうに(?)、実を付けてくれる。
 最初は、勿体なくて、かなり長い期間、実を、生らしたままにしていたら、実の中が、ふわふわ(ミソ)になっていたので、以降は、早めに収穫して、頂くこととしている。
 可愛いい大きさなので、そのまま、カレーに入れたり、炒め物に入れたり、サラダの具にしたり、して楽しんでいる。

 トマトは、実の蔕(へた)もさることながら、葉や枝に一寸触れただけでも、プーンといい香りがするが、これが、何とも堪らない。最近の市販のトマトは、以前に比べて、この香りが、余りしなくなったように感じるのだがーーー。 
 ある夏の日、トマト君が勢揃いした。
      
自家製ミニトマト 頂いたトマトi
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