つれづれの記

日々の生活での印象

米国でのスポーツ人気

2021年02月20日 10時33分08秒 | 日記

  2021年2月20日(土)  米国でのスポーツ人気

 

先日の2月7日(日)に、米国でアメフトの最終戦、第55回スーパーボウルが開催され、国中が熱中したようだ。当ブログで、その様子などを、以下の記事にしている。

 

アメフトのスーパーボウル  (2021/2/11)

 

本稿は、その続編であり、米国でのスポーツ人気について、4大プロスポーツを中心に述べることとしたい。

 

なお、次回の第56回スーパーボウルは、ロサンゼルス・ラムズの本拠地である、カリフォルニア州イングルウッドで、来年の2月6日(日)に開催されることが決まっているようだ。

 

◎米国4大プロスポーツ

米国には、以下の4大プロスポーツリーグがあり、それぞれが、地域と結びつきながら、絶大な人気を博している。

  • MLB Major League Baseball
  • NFL  National Football League
  • NBA  National Basket Association  
  • AHL  National Hockey League

 

各スポーツリーグの収支状況を下図に示す。図は、北米4大プロスポーツリーグ - Wikipedia. から引用。

米国では、人気は、NFLが最高のようで、これを反映して、総収入は、NFLが圧倒的で、これに、MLBが続いている。因みに、図中、参考で出ている、日本野球機構(NPB)は、かなり規模は小さくなるようだ。

 

◎MLBは、1876年にナショナルリーグ(NL)が、1901年にアメリカンリーグ(AL)が始まった歴史があるようで、チーム数の変更等をくりかえしながら、現在に至っている。(メジャーリーグベースボール - Wikipedia. を参照)  

現在の状況は、以下である。

 

MLB 30チーム 

 アメリカンリーグ  15チーム  East 5   Central 5   West 5

 ナショナルリーグ  15チーム  East 5   Central 5   West 5

 

MLBチームの本拠地は下図のように、大都市圏を中心に分布している。( 図の判例の色は、区別しにくい所がある。)

地図の本拠地を見て、都市名は殆どわかるが、州名が出て来るのは、半分ほどだ。

 

現在、カナダを本拠地とするのは、1チームのみ(TOR トロント)で、以前には、モントリオールにもあったが、米国に移ったようだ(WSH ワシントン)。

 

日本国内では、なんといっても、MLBが人気である。日本のプロ野球(NPB)から、多くの選手が、世界最高峰とされるMLBへ移籍し、活躍していて、過去から現在まで続いている。

米国の両リーグを参考にして、日本には、セントラルリーグ(CL)と、パシフィックリーグ(PL)がある。

 

◎NFL

 イギリスから入ってきたラグビーが、アメリカで、アメリカンフットボール(アメフト)に進化したと言われる。もともと、ラグビーは、サッカー(フットボール)と兄弟で、これら三者の、共通項も多いと言われる。

 アメリカンフットボールカンファレンス 16チーム  

    East 4  North 4  South 4    West 4

 ナショナルフットボールカンファレンス 16チーム  

    East 4  North 4  South 4  West 4

先日のスーパーボウルで優勝したのがTBで、来年の会場が、LARの本拠地である。

 

◎NBA

  前出の収入状況によれば、バスケの人気もかなりなようだ。著名な選手の事故死や、日本人選手の活躍もあるようだ。

下図に示すチーム名の色合いが多様で、凡例にある各地区との関係が、やや、分かりにくいようだ。

イースタンカンファレンス 

  Atlantic 5   Central 5    Southeast 5

ウエスタンカンファレンス  

  Southeast 5  Northeast 5  Pacific 5

 

 

◎NHL

 冬季限定のアイスホッケーは、カナダの出番が多く、7チームがカナダである。

 現31チームだが、ネット情報では、2021年に、シアトルに1チーム追加で32に

 なる予定。

イースタンカンファレンス 8  アトランチックディビジョン 8

                メトロポリタンディビジョン 8

ウエスタンカンファレンス 7  パシフィックディビジョン  8+1

                セントラルディビジョン   7

 

 

上図のように、NHLは、7チームがカナダを本拠地としている。

ネットの情報では、今年、1チーム追加される予定のようだが、地区のチーム数を、8で揃えるのではなく、9と7になるのは理解しがたいところだ。

オリンピックでは、カナダが強いようで、平昌オリンピックでは、男子は銅メダル、女子は銀メダルという。

 

 

◎都市別チーム数

北米4大プロスポーツの都市別チーム数は下図のようだ(北米4大プロスポーツリーグ - Wikipedia. より引用)。

図にあるように、ニューヨークは別格で、人口が集中している都市圏(ロスアンジェルス、シカゴ、など)にチームが多いようだ。

NBA、NFLは、アメリカだけで、MLBは、カナダに2チーム存在した時期もあったが、現在は、1チームだけである。NHLは、先述のように、カナダに7チームがある。

アメリカは、人口は日本の2.4倍位だが、広大な国内に、本土だけで、3つも標準時があるお国柄。そんな中で、4つものプロスポーツを楽しんでいるわけで、アメリカ人のスポーツ好きには驚かされることだ。

日本では、プロスポーツと言えば、プロ野球とサッカーと大相撲、位であろうか。

 

当ブログでは、米国に関して、これまで、数多くの記事を投稿している。地理への興味もあって、以下では、国土の区分や標準時等に触れている。

   アメリカ合衆国 1  (2016/11/29)

 

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米大統領の弾劾裁判

2021年02月17日 15時17分13秒 | 日記

   2021年2月17日(火)  米大統領の弾劾裁判

 

 

米国で、この1月20日に、バイデン新大統領が就任し、はや、1ヶ月近くで、新たな政策が打ち出されているところだ。当ブログでも、以下の記事を投稿している。

 

  米国新大統領就任      (2021/1/25)

      米国バイデン体制 本格始動 (2021/1/29)

 

直前の稿でも触れたが、1月6日に起った米国国会議事堂乱入事件は、前代未聞のことで、米国内や世界を、大きく震撼させたことだ。

以下は、前稿で引用した、乱入事件の画像である。

この乱入事件の直前の演説で、時のトランプ大統領が、暴徒を扇動したとして、議会で、弾劾裁判が始まることとなったのである。

 

大統領が、その職に相応しくない行為をした場合、それを咎める以下のようなシステムが、アメリカ議会には備わっていることが、分かったことだ。大統領制をとっている、アメリカ民主主義の自浄システムだろう。

まず、下院で、弾劾議案が審議され、多数決で可決されると、上院に回される。上院では、上院議員が、通常の裁判での、検察役と、弁護士役、判事役を務めるようだ。

今回は、上院に回された後、弾劾裁判は、2/9から始まり、公聴会等の弁論の後、早々と、2/13に、100名の上院議員による、評決が下されている。

定員100名の上院は、現在は、民主、共和、それぞれ、50名づつ、のようだが、その評決では、

  有罪 57 

  無罪 43

となり、共和党から、7名が有罪にまわったものの、既定の2/3の67には達せず、無罪の判決となり、瞬く間に、弾劾裁判の幕は下りたようだ。

既に、現職を退いたトランプ氏を裁くことの、憲法上の妥当性を疑問視する見解もあったようだ。

後ろ向きともいえる弾劾裁判は、現在の国内の状況から、早期に決着したいとの、議会全体の思惑が強かったようだ。

 

トランプ氏の扇動は認められなかったとしても、事件そのものは厳然としてあり、神聖な議場内に暴徒が乱入し、死者も出たという事件の、首謀者や、議会関係者の処罰はどうなるのか、気になるところではある。

 

これまでの、弾劾裁判の歴史では、3回裁判が行われたが、有罪となった事例はないようで、しかも、2回も裁判にかけられたのは、トランプ氏だけという。

1回目は、トランプ氏が現職の大統領の時に、バイデン候補の選挙妨害のために、バイデン氏の子息の行為をあげつらった「ウクライナ疑惑」があり、弾劾裁判で訴追されたが、こちらは、あまり表面化せず、知られないまま、無罪で決着しているようだ。

 

今回の裁判後、トランプ氏は、次の大統領選を狙っているとの報道もあり、ツイッター等で、意欲をみせているという。

一方、バイデン大統領は、前大統領の負の遺産の処理とともに、国民の融和を訴えながら、当面する、内政・外交上の諸課題に取り組むとしている。

 

大統領制をとっている、日本の隣国である韓国では、退任後の大統領経験者が、裁判で有罪となるのは、一種の「お家芸」と言えるが、私欲を抑えた公正な政治を行うことの難しさを思い知らされることだ。

この点、トランプ氏の登場で、一時期、あらぬ方向に走って、国内外で分断が進んだのだが、世界の中でのアメリカの民主主義は、正常に戻ったと言えるであろうか。

 

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新型コロナウイルスの脅威再び 8

2021年02月16日 16時12分32秒 | 日記

 

 2021年2月16日(火)新型コロナウイルスの脅威再び 8

 

 

新型コロナウイルスに関しては、当ブログで、これまで何度も取り上げてきたが、直近の記事は、以下である。

  新型コロナウイルスの脅威再び 7 (2011/1/11)

 

今回は。その後の状況について触れることとしたい。

 

 

◎感染状況の経過

ここで、昨年春以降から最近までの、感染者数の状況を以下に示す。(図は、ネットより)

 

 

        一次感染          二次感染         三次感染      暮れの最大値

        ↑緊急事態宣言                            ↑緊急事態宣言

春の一次感染後、緊急事態宣言が、4月に7都府県に発出され、その後、全国に拡大された。その効果で感染状況が収まってきたため、5月後半に、宣言が解除されている。

そして、7月ころから、感染者数の増加があり(二次感染)、秋口には収まって来たが、暮れが近づくに連れて大きく増加して(三次感染)、大晦日には最大値(図の↑)を記録して驚いたことだ。

しかし、暮れの行事等が重なった「つけ」がまわって、1月には、最大値が、何度も更新されている!           ↑

この感染状況に鑑み、緊急事態宣言が、下記のように、再度発令されることとなった。 

1/7に、緊急事態宣言が4都府県(東京 神奈川 千葉 埼玉)に発令され、1/13には、対象地域に以下の7府県が加わって、11都府県に拡大された。

    栃木 大阪 兵庫 京都 愛知 岐阜 福岡

そして、2/7に栃木は解除されたが、栃木以外の10都府県は、1か月間(3/7迄)、発令期間が、延長されていて、コロナ収束に向けての、最後の正念場となっている!

 

 

 

最近の感染者数の状況を下図に示す。(図は、ネットより)

 

上図の折れ線グラフは、1週間ごとの移動平均で、曜日の変動が平均化されて、全体の傾向がわかる。最近は、明らかに下降傾向であり、直近では、

2/12 307人

2/13 369

2/14 371

2/15 366

と300台なのは嬉しいことで、100台になればしめたもの。個人でもできる努力をしつつ、延長期間終了の3月7日を、迎えたいものだ。

 

◎重症者数

 医療機関の負担を軽減するポイントは、重症者数といわれ、重症者数が多いと、収容する部屋(ICU)、機器(人工呼吸器,ECMO)の配備、医師・看護師の配置など、大変な対応が要求される。重症患者は、最悪の場合死亡することとなり、この場合は、更に、対応が大変となる。

逆説的にも聞こえるのだが、重症者数を減らす最大の対策は、新規感染者数(PCR検査陽性)と発症患者(軽症、中等症)を減らすことと言われる。つまるところ、コロナに罹らない、日常生活での地道な努力が基本となるわけだ。

 

最近の全国の重症者数は、下図の様で、減少傾向だが、かなりゆっくりな減り方である。どの位までに減少すれば、安心できるのだろうか? 200位だろうか?

因みに、直近の重症者数は、以下である。           

   2/15  全国  658人 東京都   97人

   2/14  全国  668  東京都   103

   2/13  全国  693  東京都   104 

                         

下図左は、昨年春以降の、重症患者数の経過を示したものだ。(図はネットより引用)

新規感染者数の推移から少し遅れて、似たようなグラフとなることが分る。

  

 前出のグラフを、横方向に圧縮した図を、上図の右に示すが、同じような形状のグラフになることが解る。

 

◎ワクチン接種

ファイザー社製のワクチンが、一昨日、正式に厚生省で承認され、ワクチン接種に向けての大きな条件が整い、前進した。

国内の自治体での、諸準備が本格化していて、最近のTVの話題の中心だ。-75度の保存温度での輸送問題もクリアされている。

来週には、医療従事者の一部から接種が始まり、引き続き、全国の医療関係者に拡大されるという。

筆者を含む高齢者への接種には、早ければ、4月からとされていて、そして、全国民に広められる。

接種は2回行うが、2週間の間隔が必要のようだ。

ワクチン接種は、今後の社会活動の復活に向けての希望の光で、夏のオリンピックの開催の確度を上げるためにも、できるだけ、早く実施する必要がある。

 

欧州各国や米国では、既に接種が行われている。その中で、接種後の副作用(痛み、アレルギー反応、など)の報告も伝えられているが、肝心の、接種後の罹患状況のデータでは、ワクチンの有効性が示されている。

 

日本は、ファイザー社の他、モデルナ社、アストラゼネカ社からも、調達する計画で、全体は以下のようだ。

製薬会社   必要接種回数 契約量     人数     供給時期   記事*

ファイザー社   2回   14400万回 7200万人 2021年中

 (米)                   6000万人   6末まで 

1200万人   7~9

アストラゼネカ社 2回   12000万回 6000万人 2021年1月以降

 (英)      

                       1500万人   3月まで   

モデルナ社    2回    5000万回

 (米)            4000万回         2021年前半

                               1000万回          7~9月

合計             31400万回 15700万人

 

*ファイザー社は、当初は、12000万回6000万人の契約だったが、2400万回(1200万人)追加された。

                          

世界各国の契約状況は以下である(出典:チャートで見るコロナワクチン 世界の接種状況は:日本経済新聞.html

先進国を中心に供給量が多いのがよくわかる。

欧州各国や米国では、既に接種が行われており、最も進んでいるイスラエルの状況も伝えられている。

接種後の副作用(痛み、アレルギー反応、など)の報告も伝えられているが、肝心の接種後の罹患状況のデータでは、有効性が示されている。

変異ウイルスの関係で、ワクチンが利かなくなるのでは、との懸念もある。

 

国連のWHOが声をかけて設置された、貧困国向けにワクチンを集める仕組み「COVAX」があり、上図のコバックスはこれを示している。指し向き、英国アストラゼネカ社が供給することとなったようである。(WHO、アストラゼネカ製ワクチン承認 貧困国への供給可能に

 

ワクチンを接種する時の注射器の問題が、日本で表面化している。ボトルから注射器で取り出し、その注射器で、針を取り替えながら、6回接種できるとされているが、日本の注射器では、無駄な液が残るため、5回しか接種できないという。一種のチョンボだが、接種回数が全体で、1/6だけ少なくなり、大変な問題だ。

単純計算では、

    当初     31400万回  15700万人

    1/6減 ⇒ 26167万回  13083万人

となり、全人口はカバー出来そうだがーー。

この問題は、国会でも取り上げられているようだが、急遽、新しい注射器を準備するとしても、4~5ヶ月かかるようだ。

 

 

 

 

 

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アメフトのスーパーボウル

2021年02月11日 17時03分08秒 | 日記

   2021年2月11日(木) アメフトのスーパーボウル  

 

 

先日、アメリカンフットボールリーグの最終決戦である、第55回スーパーボウルが、米国東部時間EST7日夕刻8時から、フロリダ州 タンパベイのスタジアムで行われた。

8日のNHKBS放送で、朝8時から中継され、TV観戦した。筆者は、まとまった形で、スーパーボウルを観るのは初めてである。バイデン大統領も出席観戦している。(イラク戦争時、戦闘を一時中断した話がある)

オンラインリアルタイムで、全世界で観戦ができる時代の幸せを感じるところだ。

 

競技場は、非ドーム型で、上空を戦闘機が3機(ステルス機も)飛行し、ハーフタイムでのショーの盛り上がりも大変なもので、スーパーボウル休日と言われる所以である。

筆者は、これからは、アメフトを観る楽しみを加えたいと思っているところだが、今回に続いて、今後、数回に分けて記事を投稿する予定だ。

  

◎第55回大会の結果

 今回の結果は、以下のようだ。

                                      

カンザスシティ・チーフス(KC)ーーー タンパベイ・バッカニアーズ(TB)

         9                          31 

得点経過 TD  0回         TD 4回×7=28

     FG 3回×3=9     FG 1回×3= 3

これまで 優勝6回            今回で優勝2回目

                    ホームグランドで優勝は初

AFC代表              NFC代表

 American Football Conference     National Football Conference

West Division             South Division

 

◎ポストシーズン 組み合わせ

12チームが参加し、成績順で、レギュラーシーズン地区優勝チームが第1~第4シードとなり、ワイルドカードチームが第5、第6シードとなる。 

 今年のポストシーズンの組み合わせは下図の通りで、図中の、W(Wild card)はワイルドカードチーム(図のX印、D(Division)は地区優勝チームである。(図はネットより引用)

  

 

 

 図で、左のAFCは、チーフスとビルズ 、右のNFCは、バッカニアーズとパッカーズが勝ち上が、スーパーボウルは、AFCのチーフスとNFCのバッカニアーズの対決となった訳だ

ポストシーズンは、10月から始まり、スーパーボウルで対戦して完結した。ポストシーズンには、BS中継で何度か観戦した。

 

 

◎ 得点のルール

アメフトのルールは、単純で分かりやすいが、此処で得点について触れる。(ルール解説 _ NFL JAPAN.COM.html

敵側のエンドゾーンを越えて、ボールがグランドに付けば、タッチダウン(TD Touch Down)で6点獲得となる。

それに続いて、ラグビーのコンバーションキックに似たプレーがあり、TD時の位置から、ボールをセットして(エクストラポイントコンバーション)キックしてゴールポスト間を通過すれば+1点が得られ、攻撃の陣形で(ツーポイントコンバーション)キックして同様に入れば、+2点が得られるが、通常は、前者が選択される事が多い。

 今回は、前述のように、

バッカニアーズ  TD4回  フィールドゴール1回  で 31点

チーフス     TD0回  フィールドゴール3回  で  9点

となった訳だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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あざみの歌

2021年02月04日 18時20分51秒 | 日記

  2021年2月4日(木) あざみの歌

 

 

一昨日は節分で、夜には、恵方巻を食べ豆まきをした。通常の煎り豆を使ったが、やけに硬かった。

そして、いよいよ昨日は立春で、寒さが和らぎ、生き物達が本格的に活動を開始する節目の日である。屋上庭園の池には、一部、薄い氷が張っていたが、ペットの金魚やメダカは元気である。

 

 ◎このところ、伊藤久雄が歌った、「あざみの歌」が気になっている。

伊藤久雄と言えば、「イヨマンテの夜」が有名だが、先の朝ドラ「エール」(著名な作曲家古関裕而が主人公)の関連のTV番組で、福島三羽烏と言われた一人が、伊藤久雄だったと知ったのが切っ掛けで、良く知っている「あざみの歌」が連想されたことだ。(下図はネットより)

        古関裕而          野村俊夫       伊藤久雄       (福島三羽烏)

ネットで調べたら、あざみの歌は、終戦の年の昭和20年に、作詞者の横井弘が18歳で 

復員し、下諏訪の霧ケ峰八島高原で作詞したようだ。下図は、八島高原に建っている歌碑。

    八島高原にある歌碑(図はネットより あざみの歌 歌碑.html

 

高原に咲いていたアザミの花に、自分の理想の女性像をだぶらせて綴ったものと言われている。恋人は、いたのだろうか、まだいなかったのだろうか? 全体が、文語調である。

 

この歌が、昭和25年から、NHKのラジオ歌謡に採用され、全国に流されている。

昭和25年は、筆者が10歳で、田舎の小学生高学年の頃に当たる。

 

歌詞の1番は、素直に読める。子供にもわかりやすい。

「山には山の愁いあり」

「海には海の悲しみや」

 大自然の山や海に託して、青春時代の心の動きや思いを詠んだものだろう。

 かなしみやの、「や」は、「が」/「も」でもいいかも。幾つかあるという意味にとれる。さらに、俳諧的に、感嘆の「や」、ととると面白い。

「ましてこころの花園に 咲きしあざみの花ならば」

 作者の心の中の花園は、最も安心できる場所なのだろう。

 清らに美しく逞しく咲いている、あざみの花の姿が見える。

 「まして------ならば」という、強調の仕方が素晴らしい。

 

歌詞の2番は、大人にも難解だ。

「高嶺の百合のそれよりも」

 「それ」は何を指すのか気になるところだが、美しさ、可憐さ、などだろうか?

 百合とあざみを比べて、あざみの方に魅かれる、と言っているだろうか。

「秘めたる夢をひとすじに」

 秘めたる夢とは何かはよくわからないが、ひとすじに思い抱いているだろうか。

「くれない燃ゆるその姿」

 あざみの花は、実際は、紅色というより、赤紫色だが、当人には、燃えるような紅に映ったのだろう。あざみの姿形や、葉の棘も、魅力かもしれない。

「あざみに深きわが想い」

 思いの丈を吐露している。

 

歌詞の3番は、すっかりのめり込んでいる!

「いとしき花よ 汝(な)はあざみ」

「こころの花よ 汝はあざみ」 

 こころの花でなく、きれいな花では、ありふれた印象になる!

 いとしき花、こころの花と静かに叫んでいて、あざみの花に、理想の女性が映っているのだろう。

「さだめの経(みち)は果てなくも」

 あざみよ、そなたのさだめの経は、果てしなく遠いだろうか------

 「さだめの」の意味がいまいちだが、我との未来を、期待をこめて言っているのだろう。

「香れよせめてわが胸に」

 せめて、わが胸に香って呉れ、との叫びである。筆者には、あまり香りは感じられないのだが、詮索は野暮というものだろう。

 

野に咲くあざみの花に、これ程までに、思い入れのめり込んだ作詞者の心根は、何だったのだろうか。

作詞者は、内地に出征したようだが、復員して、市中の荒廃した風景に衝撃を受け、信州の八島高原に咲くあざみに、救われたのかも知れない。

この歌は、終戦後、伊藤久雄の歌唱とともに、国民に、静かに、癒しと安らぎを与えてくれたと言えよう。

 

この、あざみの歌と似たような状況で作られ、終戦後の日本で、国民に、鎮魂の安らぎと、荒廃から立ち直るエネルギーを与えた歌に、「長崎の鐘」(サトーハチロー作詞 古関裕而作曲)と藤山一郎の歌声がある。

当ブログでは、

    長崎の鐘によせて (2020/12/17)

で取り上げている。

 

 

◎楽譜

下記の楽譜は、次のネットのサイトから引用。(あざみの歌/うたごえサークルおけら

日本人にはなじみの深い、短調(Eマイナー)だ。和音は、EmAmB7がセットになっている。

楽譜を見るまでは、拍子は3拍子と思っていたが、8分の6拍子である。

音域が、比較的狭く、音名で、ロ~一点ハ~二点ハ~二点ホ(ハ調の音階では、ソ~ド~ド~ミ)になり、1オクターブとちょっとのため、誰にでも歌いやすい。

 

作曲者の八洲秀章は、同時代に、ラジオ歌謡の「さくら貝の歌」、「白い花の咲く頃」も作曲している。

 

歌声喫茶運動が、筆者の学生時代に盛んだったのだが、あざみの歌は、手持ちの歌声喫茶CDの、日本の歌にも入っている。改めて聴いたが、女性合唱になっている。

 

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