つれづれの記

日々の生活での印象

放射能に関する食品の新安全基準

2012年03月30日 12時02分23秒 | 日記

2012年3月30日(金) 放射能に関する食品の新安全基準

 

 

  昨年3月11日の大地震による、福島第一原発の事故は、東日本を中心に、国内に未曾有の放射能汚染問題を引き起こしたが、それ以来、1年以上が経過した現在も、深刻な状況は、殆ど、変わっていない。

 

  放射能汚染に対する、食品の安全性に関しては、事故直後の、昨年3月17日に、厚労省から、暫定措置として、取り急ぎ出された、

         放射能汚染された食品の取り扱いについて    食安発0317第3号

で示された暫定基準値が、その後の指針として、規制が行われて来た。

  当ブログでも、下記記事

         原発事故―死の灰の恐怖  (2011/3/24)

         原発事故 風評被害    (2011/4/2)

などで、触れて来たところである。

  その後の、詳細な経過は、フォローしていないが、稲の作付けに向けての田んぼの土壌の基準、牛肉と牛舎の稲藁の問題、茶葉と加工品への適用等が、その都度、話題となった。

 

   この暫定基準値を、見直す作業が進められ、厚労省の、薬事・食品衛生審議会の放射性物質対策部会で、昨年12月に、新たな基準値が了承され、放射線審議会に諮問された報告書が、公表されている。(食品中の放射性物質に係る基準値の設定に関する放射線審議会への諮問について

   放射線審議会では、この2月に、この案件が、コメント付きで了承されており、予定通り、この4月1日から、新たな基準として、施行する予定となっている。

   昨年春は、緊急措置として、暫定的な数値を使ったのだが、その後、全体的な原発事故の状況や放射能汚染の状況が明らかになり、事故原発自身も、曲がりなりにも、冷温停止状態が、保持できるようになり、落ち着いてきたことから、見直したものと考えられる。

 

  今回の新基準の特徴としては、以下の様な事があげられよう。

  ・核種が放射性セシウム(137、134)に限定されたこと

   暫定基準にあった、半減期が短い、ヨウ素については、もはや、考慮しなくても良く、その他の核種も、殆ど検出されていない。

  ・年間被曝量の規制値を、1mSvに変えたこと

   従来の暫定的な5mSvから、事故が安定した時点でのICRP値である、 1mSvに変えたことに伴い、食品の規制値が厳しくなった。

  ・子供・乳児関連を分離して、規制値をより明確に規定したこと

   従来は、注記の形で表示。今回は、子供用の規制値を、大人用の1/2にしているが、放射線審議会では、この、1/2の根拠についてコメントしているようだ。

 ・一般食品の細分を止めて一本化

   従来は、野菜類、穀類、肉・卵・魚・その他に区分

 ・加工・乾燥食品について明確にしたこと

  乾燥食品(茶、海藻、魚、野菜)、米ぬか、油脂原料等について、細かく規定

 

 これらを踏まえ、新たな基準値は以下のようになっている。 ここで、Bq/kgは、1kg当たりの食品中に含まれる、放射性物質(セシウム137、134)の放射能で、 単位はBq(ベクレル)である。

 

       食品     暫定Bq/kg    今回Bq/kg

 

       飲料水    200      →  10

       牛乳・乳製品 200      →  50

       乳児用食品 (100)     →  50

       一般食品   500      → 100

 

   これまでの、暫定基準値と比較すると、放射性セシウムに関して、

          飲料水は1/20、

          牛乳・乳製品は1/4、

          乳幼児食品は1/2、

         一般食品は1/5

にと、大幅に、規制が厳しくなり、それだけ、安全性が向上している、と言える。

    

  食品の放射能汚染に関する安全基準は、毎日、摂取する食品だけに、内部被曝の関連で、消費者の関心は、極めて高いのは当然だ。

        “暫定基準値でも、安全だと言って来たではないか、あれは、嘘だったのか!”

との意見もある訳だが、今回の報告書でも、従来の暫定基準値でも、“十分安全は確保されていると考えられる”と述べている。従来値でも、すぐに危険になる訳ではなく、今回で、より安全性が向上し、安心できるレベルになったと、考えるべきだろう。

 

  報告書では、旧→新への移行に当たっては、経過措置期間を設定出来る、としている。だが、一般食品についての新たな基準値の適用を前にして、各地の農協や漁協では、風評被害を避けるべく、更に安全を見込み、規制値の1/2の、50Bq/kgを、出荷制限や、自粛の目安としているところが多いようだ。 

  新基準では不合格でも、従来の基準に入っていれば、安全性に問題は無い、と言われても、人心の赴くところ、安心は出来ないのが自然で、生産者側は、風評被害を見越して、却って厳しい経過措置をとっている、と言えよう。こんなことから、従来の基準では、流通出来ていた産米でも、新基準を満たしていない物は、政府が買い取って、処分すると言うような話もでている。消費側の安全性が向上する分、供給側としては、より厳しく規制されることとなる。

 

  放射性セシウム134の半減期は、2年と短いが、137は、30年と、大変に長いために、小手先の対策では対応できないことから、食品に含まれる放射性物質を如何に小さくするかは、放射能汚染地域での、今後の農業・漁業にとっては、極めて重要な課題だ。

そして、定常的な検査を行い、規制値を超える食品は、市場に流通させない仕組みとセットにした取り組みが、重要となる。

 

  今回の報告書でも、縷々述べられているのだが、TV報道等も含めて、以下の様な諸点については、残念ながら、専門家の間でも、まだまだ、はっきりしていないように見受けられるし、自分も含めた、一般消費者・一般国民から見て、極めて、曖昧で、難解なのである。

 

  ①許容被曝総量の考え方と、外部被曝と内部被曝の関連

    許容被曝総量の考え方と被曝量の配分

      特に、1~20mSv~100mSvの、低レベルの範囲

      外部被曝と内部被曝のへの配分

    食品等による内部被曝の危険度についての医学的知見

    外部被曝の危険度に対する医学的知見

    被曝量と身体の異常(甲状腺ガン、白血病等)との関連

    年齢や性差による影響(乳幼児、子供、妊婦、大人)

②食品中の放射性物質の基準値と摂食パターンとの関連

  生活習慣と摂取する種類と期間

③水や土壌などの環境中の放射性物質の基準値の考え方

  環境から食品に取り込まれるメカニズムと量

 

 日本について論じる場合、ICRP等での、国際的な知見と規制値の状況の把握は必須だが、事故国の、米、露や、欧州諸国では、どのように規定しているのかも、改めて調べて見る必要がある。

 今や日本は、他に学ぶだけでなく、放射能事故の当事国として、問題の解決策を編み出しながら、日々の経験やデータを、率先して世界に示していく、責務があろう。

                    

   

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春の南伊豆の旅ー食の楽しみ

2012年03月27日 23時22分29秒 | 日記

2012年3月27日(火) 春の南伊豆の旅―食の楽しみ

 

 

 先だっての、南伊豆のドライブ旅行の話題について、当ブログに、以下のように

  春の南伊豆の旅―雛のつるし飾り  (2012/3/8)

  春の南伊豆の旅―河津桜      (2012/3/21)

  春の南伊豆の旅―千人風呂で    (2012/3/24)

載せて来たが、今回の、食の話題で、区切りとしたい。

 

 食は、旅の大きな楽しみの一つだ。今回の旅でも、行く途中の店で食べた、アユの塩焼きや、泊った宿で食べた、金目鯛の刺し身・しゃぶしゃぶなどは、結構、珍しいもので、美味だった。

 特に、興味を惹かれたのは、今でも、猪肉や、鹿肉や、野鳥等を食べさせてくれるという、帰路、昼食に立ち寄った食堂である。

 鳥系の料理は、あまり好む方ではないのだが、折角の機会なので、普段は、口に出来ない、雉丼(きじどん)を注文した。以前、雉丼は、兵庫の丹波篠山等で、味わったことがあるが、久しぶりである。

 暫くして出て来た雉丼だが、結構、肉は、タレがよく利いて噛みごたえがあり、通常の鶏肉と比べると、濃厚な味わいであった。 さすがに、伊豆の国は、山国である。

 

 この食材を、いま時、どのようにして調達するのか気になったので、店の、年配のおばさんに、

   “雉は今も獲れるの?”

と、聞いて見た。その人の話では、雉は日本の国鳥と言うこともあって、規制があるようで、現在は、日本雉でなく、高麗雉(こうらいきじ)を使っていると言う。忙しそうにしているおばさんから、これ以上聞くのは遠慮したが、ネットで、少し、調べて見た。

 

 日本雉と、高麗雉は、種類は別のようだが、大陸の高麗雉から、日本雉が分れた、と言われている。

 高麗雉を移入して、対馬や北海道などで、放鳥したものが、今でも獲れるようだが、定かではない。或いは、朝鮮半島で獲った雉を、輸入して、食材として使っているのかもしれない。

    雉(キジ) (キジ - Wikipedia

  雉(キジ)は、日本では国鳥と言われているが、これは、1947年に、日本鳥学会で選定したようだ。国鳥と言えば、有名なのは、アメリカ合衆国の、ハクトウワシである。大統領の演説などの時に、後ろに掲げられる国章に出て来る、あの、勇壮な鳥だ。

 

  日本では、古来、雉は、常に民衆の生活の身近にあったようで、色んな場面に登場する。

  最もよく知られているのが、桃太郎伝説である。鬼が島に、鬼退治に出かける桃太郎の、忠実な家来として、犬、猿、に続いて、3番目に登場するのが、雉である。

  諺に、

   雉も鳴かずば撃たれまい

と言われる。雉の鳴き声は、小さい頃に、母の実家の山家で聞いたことがあるが、ケーン、ケーンと言うような、変わった鳴き声だ。 あまり飛べないので、茂みの中で、歩きまわったり、じっとしているようだが、対の相手を誘うのか、子供の雉を呼ぶのか、鳴き声を上げるので、所在が、バレてしまうようだ。

 又、

   頭隠して尻隠さず

という光景も、雉に因むと言う。

 一方、以前の、道徳教育の教材として、よく引用された言葉の

  焼け野のきぎす(雉のこと)、夜の鶴

だが、山火事や野焼きで火に包まれても、雉の親は、身を犠牲にして、我が子を守る、と言われる。

 

  神聖な国鳥を、狩猟の対象とし、食用にしているのは、日本位だ、とある。確かに、何たることか! とも言えるのだが、逆に言えば、それだけ、身近にいる鳥で、どこか、おっとりとしていて、派手さが無く、庶民的な色合いや動作が、却って、親しみを誘うのかもしれない。有用で、大切な鳥だ、と言えよう。

 

  車の仲間と別れて、電車で帰京するため、JR小田原駅に行った。 そこで、たまたま、菓子の、外郎(ういろう)を見つけ、小豆入りを土産に買った。外郎は、名古屋にしか無いと思っていたので、小田原にもあると知って、驚いたが、調べたら、更に、他の土地にもあるようだ。

  外郎を食べたのは久しぶりだが、本品は、どちらかと言うと、もちもちせず、硬めで、羊羹に近い食感と風味であった。

 小田原ういろう

 

  かなり以前だが、仕事で、数か月、名古屋に滞在した時に、外郎なるものを知って以来のファンだ。名古屋の外郎には、大須と、青柳と、二つあるようだが、大須観音の御参りの時に食べた、大須ういろ(ないろ もある)が好みだ。大須の方が、ベタ付いて食べ難いのだがーー。

  その後、青柳ういろう は、新幹線の中等でも販売するようになったが、何故か、大須は、扱っていなかった。改めて、大須ういろ が、手に入る、都内の場所を探したら、東京駅地下街の全国土産物センターなどで、今は、買えるようなので、こんど、立ち寄って、手に入れたい。

 

  因みに、ういろう を含む、自分の好きな和菓子のベスト3は、以下であり、かなり長い間、変わっていない。

    1.京観世(きょうかんぜ) ロール状の餡入り蒸し菓子 (京都)

    2.外郎(ういろう) 薄甘い蒸し菓子  (名古屋)

    3.支倉焼(はせくらやき)  白餡の焼き菓子 (仙台)

 

このことを、機会ある毎に、友人知人にPRしているせいか、時折、御土産に頂けるのは、嬉しい限りである。

 

  稲取温泉での、雛のつるし飾りの会場で買って来た、手作り材料のうさぎを、先日、家人が完成させてくれた。 夫婦そろって卯年生まれである我が家の、守り神でもあるこの可愛いい、うさぎを、旅行の締めくくりとして、飾ることとしよう。

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春の南伊豆の旅ー千人風呂で

2012年03月24日 15時25分15秒 | 日記

2012年3月24日(土) 春の南伊豆の旅-千人風呂で

 

 

2月末に、仲間と、1泊2日のドライブ旅行に出かけた時の様子について、これまで、当ブログで、以下のように取り上げたが、

  春の南伊豆の旅―雛のつるし飾り (2012/3/8)

  春の南伊豆の旅―河津桜     (2012/3/21)

今回は、その続編で、温泉の話題である。

 

  伊豆と言えば、温泉が多い土地柄だが、この旅行でも、宿泊した稲取温泉の旅館の風呂だけでなく、日中の道すがら、川端康成が、伊豆の踊子を執筆したと言われる旅館の風呂など、日帰り入浴を楽しんだ。

  その一つが、下田蓮台寺近くの、河内温泉金谷旅館ご自慢の、千人風呂である。 千人とは、かなりオーバーな中国流のネーミングだが、でも、かなり大きな、味わいのある総檜造りの浴槽で、15mプール位はあるだろうか。

 千人風呂(ネットより借用)

 

  浴槽は、深めで、胸のあたりまでだが、客が少ない時間帯だったので、平泳ぎなどを一寸やってみたりした。自分ながら大喜びしたのは、この浴槽の中で、左足の爪先で立ちながら、片足だけで、ピョンピョンと、跳びながら、進めたことである。

   実は、ここ数年、脊椎・腰椎の不具合から、左腰や左足に痛みや痺れがあり、まあまあ、歩く事は出来るのだが、通常の速さでの歩行は出来ないのだ。また、走ることは出来ない状態で、これらは、左足でのつま先立ちが、出来なくなっているのが原因である。 ここ数年、整形外科のリハビリに通っているが、中々、良くはなっておらず、つま先立ちの訓練をするように、と言われている。電車に乗った時には、吊皮や手すりに掴まり、立って体重を支えながら、左足のつま先立ちのトレーニングを行ったりしている。

  こんな状況なのだが、風呂の中とは言え、左足だけのつま先立ちで、ピョンピョンと跳びながら進めたのは、大変な事件であり、数年ぶりに味わう感激であった。

 

  帰京後、行きつけの整形外科の、リハビリセンターの理学療法士の先生に、この「事件」の報告をしたら、水中トレーニング療法は、リハビリの重要な分野の一つのようで、浮力の作用で、見かけの体重は大きく減るが、その減る割合は

 

  首  まで浸かった時 △90%

  胸  〃  〃      △60~70

   ヘソ 〃  〃      △50   

 

位だろう、と教えてもらった。

 

  件(くだん)の温泉の浴槽は、胸位までの深さで、これだと、掛かる重量は、全体重の、約6割減になっていた、ということだから、片足のつま先立ちでの、ジャンプ歩行が出来た、という訳であろう。遠い昔に習った、アルキメデスの原理を、体感した次第である。

  この、アルキメデスの原理について、ネットで、調べていたら、往時の、王冠の逸話が出て来た。

ある王が、職人に、金塊を渡して、純金製の王冠を作らせたのだが、ごまかしているのでは、という疑惑が生じ、王は、アルキメデスに、出来上がった王冠を壊すことなく(非破壊検査!)、真偽を確かめよ、と、命じたと言う。

   アルキメデスは、散々、考え抜いた末に、王冠を作る時に職人に渡したと同じ重量の金塊を用意し、それを水に沈めた時と、実際の王冠を水に沈めた時の、溢れる水の量の違いから、王冠に、紛いものが混じっている事を明らかにした、と言う。

  これが、アルキメデスの原理の発見につながったと言われるが、このエピソードは、浮力の話ではなく、金属の密度(比重)の違いの話のようだが、やや、出来過ぎの感もある。

 

   帰宅後、自宅の風呂で、自分の身体の体積を図り、どの位軽くなるのかを実際に調べて見たいと思った。

予め、湯船の縦、横のサイズを計り、水位の変化を見るため、湯船の壁に、物差しを貼り付けた。 そして、

     身体を入れない時、へそ・胸・首まで入れた時 (頭まで、は後日に)

それぞれの目盛りを記録することとした。 これらの数値から、身体の部位が変化した分を、直方体の体積として求めるのだが、湯船の形状が、長方形でなく中央部が幅広であり、上に行くほど広くなっていること、物差しの水位がかなり動くことなどで、計測が上手く行かず、面倒になって、結局、体積の計算は断念した。

   ところが、ネットには、湯船の中に、何と、頭まで浸かって、自分の身体の体積(正に体!積)を計り、密度を計算した、という、ある研究熱心な御仁の記録も、載っていたのには驚かされた。(人間が水に浮く話 死海体験はできるか

 

  有り難い事に、他のネット情報には、平均的な人体の、各部位の容積の構成比が出ている。(水治療のまとめ

それによれば、全体を、100%とすると

      頭      7  %  首も含むと解釈 

      片腕    6.5%  両腕はこの2倍

      胴(体幹)43  %  胸より上(体幹の上1/3)

                     ヘソ位 (体幹の下1/3) 

      片脚   18.5%  両脚はこの2倍      

位になるようだ。

   これを使えば、身体各部位の、首まで、胸まで、へそまで、が水に浸かった時の、容積構成の変化は、以下のようになる。

 

   水に浸す位置  水に浸す部位                        水に浸す部位の容積構成        

      首まで      頭・首以外                    93%

   胸まで      両腕は水の上

                     体幹の2/3  28.7%(43*2/3)                         

                      両脚        37%            計 65.7%

   へそまで   体幹の1/3  14.3%(43/3)

            両脚      37%              計51.3%

 

  人体の密度は、部位に依らず同じとすれば、このような比率で、体重が減少(免荷というようだ)することとなるが、上述の、センターの先生から教えてもらった数値と、ほぼ、一致している。

 

  自分の、実際の体積は計れなかったのだが、ネット情報によれば、平均的な人体の密度は、

   985kg/m=0.985kg/l(リットル)

とあり、これを使って、体重65kgの自分の身体の体積を、逆算で求めると

   体積=体重/密度=65/0.985l=65.989l≒66l

となる。湯船全体の容量だが、湯量は、240lに設定してあり、人体の体積は、湯量の1/4強となる。

 

  アルキメデスの原理では、液体の中に入った物体は、その物体が排除した液体の重量分だけの浮力を受ける、とある。 

頭も含めて、身体全体を湯船に沈めた時の重量は、どうなるのだろうか。上記の計算で、自分の体積は、66lとし、湯の密度が、仮に、1kg/l なら、66kgの浮力を受けることとなり、丁度、体重と釣り合い、浮くこととなる。

でも、水の密度は、温度が4℃の時は、0.99972kg/l(1kg/l ではない!)だが、温度が高くなると軽くなり、例えば、湯温40℃での密度は、0.99222kg/l とあるので、その時に、実際に受ける浮力は、64.98kgと小さくなり、風呂の中では、身体は、約20g、僅かに、重くなり沈む、という計算になる。

 

  プールに比べて、海(塩分濃度約3%)の方が浮くので、泳ぎやすいのは、よく、経験することだ。  又、イスラエル国境にある、有名な死海では、塩分濃度が極めて高い(約30%)ので、受ける浮力も大きくなり、何もしなくても浮いていて、新聞が読める、ようだ。 機会があったら、是非、行ってみたい場所の一つである。

 死海上で新聞を読む風景(死海 - Wikipedia

  所が、先に引用した、或る御仁の記事には、何と、自宅の風呂で、死海の状況を作ろうとした話が載っている。 湯量240lの家の湯船の塩水濃度を、自ら計測した身体の密度(1.11kg/l)より重い、1.16kg/l にし、浮くようにするには、80kgもの塩が必要になると分り、経済的理由だけでなく、排水の環境への悪影響等から、家人の猛反対に遭い、試行を断念した、と言う笑い話が出ている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春の南伊豆の旅ー河津桜

2012年03月21日 23時16分23秒 | 日記

2012年3月21日(水) 春の南伊豆の旅-河津桜

 

 

  2月末に、仲間と、伊豆方面に、1泊2日のドライブ旅行に出かけたが、その時の様子については、先日、当ブログで、 

    春の南伊豆の旅―雛のつるし飾り (2012/3/8) 

として、取り上げたが、今回は、その続編で、花の話題である。

 

  この旅行の、第一のお目当ては、河津桜(カワヅザクラ)の観賞であった。 今年は、例年よりも寒く、梅なども、開花が遅れているニュースが聞こえて来ていたのだが、予定通り出かけている。現地に行く途中の、伊豆スカイラインの山中では、雪がちらつき、道路脇には、雪が積もっていたりして、花が心配された。 

  現地に到着した頃には、雪は止んだものの、案の定、河津川の土手に植えられた、桜並木は、まだ、ちらほら、の開花で、1週間位は、遅れているようだ。少し咲いている木の下に集まって、皆で、記念の写真を撮ったりした。

 

                 ほんの ちらほら 

 カワヅザクラは、標準的な染井吉野(ソメイヨシノ)よりも、一足先に、寒さの中で開花し、一重だが、赤みが濃くて賑やかな花である。

 カワヅザクラという名称は、発見されたと言う伊豆の河津という地名からきているようだが、俗称ではなく、立派な品種名で、寒緋桜(カンヒザクラ)と、早咲き大島桜(オオシマザクラ)の、自然交配種と言われ、下田なども含めた南伊豆一帯では、この桜が多く、普通に見られるようだ。少し前、アタミザクラという、似たような、赤みがかった桜を、熱海で見たことがあるが、こちらは、通称で、熱海で咲く、寒桜(カンザクラ)の事のようだ。

 

 今回は、サクラは、いまいち、だったのだが、黄色一面に咲く、近くの菜の花畑が、見事であった。

 

                     一面の菜の花畑                              桜の土手の菜の花

 

 菜の花は、千葉県の県花だが、昨年春の南房総旅行では、一面の菜の花を楽しませて貰ったことも、印象深い。

 又、以前、神奈川県の藤沢に住んでいた頃、家人と出かけた、小田原より先の、東海道線の早川、根府川辺りの山の畑に、黄色一面に広がる菜の花の風景が、忘れられない。

 更に、先日のあるテレビで、中国の四川省(?)の山地だったと思うが、痩せた土地に菜種を播き、それから採れる油によって生活が安定したという、山地民族の話が放映されたが、その広~い、広~い、菜の花畑の見事だったこと! 

 

 帰京して、10日程経った3月上旬頃に、テレビのニュースで、先日の南伊豆の河津桜が、満開になり、多くの見物客で賑わっている様子を見たが、嬉しいような、悔しいような気分で、花見旅行のタイミングの難しさでもあろうか。

 現在住んでいる足立区内の、昨年に改修されて新装なった橋の袂(たもと)に、若いカワズザクラが、10本程植えられている。昨日現在では、まだ、2分咲き程で、見ごろは、少し先になりそうだが、楽しみに待つとしよう。

 今日のニュースでは、月末には、東京にも、ソメイヨシノの開花の便りも届きそうだ。

 

 ドライブの途中で通過しただけだが、中伊豆に、月ヶ瀬温泉という地名があり、近くに、梅林があるようだった。

 数年前、家人と共に、京都の知人に案内されて、奈良県の、月ヶ瀬梅林を訪れたことがあり、山全体が、梅を立体的に観賞できるようになっていて、古来、名所と言われて来た、天下の月ヶ瀬の梅、と感動したものだ。

 伊豆にも、同名の梅林があるとは知らなかったが、調べて見たところでは、こちらは、食用の実梅の栽培が主で、開花時にお祭りをやったり、実の収穫時にも、イベントを行ったりしているようだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

e-Tax  ふたたび

2012年03月17日 22時41分58秒 | 日記

2012年3月17日(土) e―Tax ふたたび

 

  今年の所得税の確定申告も、先日の12日に、e―Taxで、申告を完了したところだが、今年で2回目となる作業で感じた印象を、述べて見たい。

 なお、昨年の、初めてのe-Tax 体験については、当ブログの下記記事で触れている。

   e-Tax   (2011/4/18)

 

○今回は、昨年までとは、状況が少し違っていた。

  例年のように、年金等の源泉徴収票や、社会保険料の納付証明書類は、暮れ頃から、次々と届いていたのだが、所得税の確定申告用の様式用紙類は、所轄の税務署から、送られて来なかったのである。

  ハハーン、こりゃ、昨年、ネットを使って、e―Taxで申告したので、今年も、e-Taxだろうと税務署が判断して、送って来ないのでは、と、自分なりに勝手に解釈していた。

  ところが、2月に入っても、送られて来ないので、少し変と思っていたら、区役所から、住民税の事での通知が来たのである。

それによると、所得税の今回の分から、制度の変更があり、年金所得者の場合は、所得税の確定申告が不要になったが、住民税に関しては、云々ーーーと、なにやら書いてあり、必要な場合は、区役所から、書類を送るので連絡せよ、との通知であった。

  どう言うことだろう、と国税庁のサイトで調べたら、平成23年分所得税の主な改正事項、の冒頭に、以下のように出ている。

  所轄の税務署に、電話で、問い合わせて、制度変更の様子が分って来た。

公的年金等の収入については、これまでも、支払元から、税務署に対しても、情報は行っていた訳だから、申告手続きが省略出来るのは、むしろ、当然だろう。

(注1)では、

  所得税の還付を受けるための申告書を提出する事が出来ます。

とあるが、

  提出しないと、還付は受けられません。

と書くほうがいいのでは。

(注2)では、

  公的年金以外の所得金額が20万円以下の場合で所得税の確定申告書の提出を要しない場合であっても住民税の申告は必要です。

とあるのは、少し、意味不明である。

  これまでは、確定申告を行えば、そのまま、住民税の処理も行われたのだが、これからはどうなるのか。

所得税と、住民税とで、所得の扱いが異なるようなのが、ややこしいのだ。 所得税では、20万円以下の所得は、無かったとみなす、というなら、住民税もそうしないのは何故か。公的年金所得以外の所得が無い場合のみ、所得税も住民税も申告は不要で、所得がある場合は、金額に関わらず、双方とも申告が必要、というなら分りやすい。

 

  いずれにしても、今回の制度変更は、確定申告の要否という、入口に関する重要なものだが、国税庁・税務署からは、何の通知も無かったのだ、納税の義務はなんら変わらないのに、であるーーー。 制度が変わった場合は、国民には知るべき義務があり、税務署には周知する義務は無い、という姿勢にも見える。新聞やテレビ等で報道されたのかも不明だ。

 折角、区役所から通信費をかけて、周知するのなら、税務署と市役所の連名で通知を出しても、罰(バチ)は当たらなかったろう。

 

○今回のe-Taxは2回目だが、自分の管理不十分で、利用者識別番号(16桁)と、暗証番号(自分の場合は17桁)を、1年振りに探し出すのに苦労した。昨年は、不慣れもあり、2回やり直し、3回目に上手くいったが、その都度、識別番号が変わったので、どの番号が最終的なものか、やや混乱した。

 又、作成した申告書を、最終的にネットで送信するに当たって、 改めて、住民基本台帳カードによる公的認証サービス用のパスワードを要求され、こちらも、ドキリとさせられた。 最初のログインで、電子証明書等が確認され、作成作業をやって来たわけだから、このパスワードは必要ないと思われるのだが、改めて要求するのはなぜだろうか。 

 

○今回は、昨年のデータを利用して作成する方法を選んだのだが、のっけから、申告者の氏名等の入力を求められたのには、驚くとともに、かなり、不満である。

 気が進まぬまま、氏名等の入力を終了したところで、昨年のこれらのデータが、新旧対比して表示された。なんで、最初から、昨年のデータを、表示しないのだろうか。

 実際のデータの入力でも、年金の支給者名については、昨年のデータが表示されたが、年金額については何の表示も無い。 昨年の金額はこうでした、あるいは、税務署で把握している、今年の金額は××です、と表示される、とばかり思っていたが、なぜ、そうしないのだろうか。

 作成途中では、前年の申告金額等のデータ類も、見られるようにはなっていない。作成が終了し、送信した後になって、漸く、確認用として表示したり、印刷するようになっている、という、お役所ぶりなのである。

 

○日頃、幾つかの医療機関の世話になっており、受け取る領収書等は、こまめに保存している。今回の領収書の数は、家族全体で、約150件になるが、予め、表計算ソフトで、自分で一覧表を作成してある。医療費総額の中で、医療機関に支払った分に比べ、交通費等の方が多く、かなりの比率になっているのは驚きである。

 医療費控除の項目の入力に当たって、この項目だけ入力すればいいのか、或いは、先方では、把握している筈の年金所得分も入力するのか、なんの説明もなく、不親切。結局、昨年同様、全て入力し、税額を計算した。

 医療費控除のデータの入力では、自作の一覧表を、そのままコピーして使う訳にはいかないのが歯痒ゆかったのだが、神経を使う、単純作業の繰り返しであった。 医療費総額から、所得に応じた医療費控除額が得られるのだが、面倒な医療費控除を行わなかった時に比して、行った時の、所得税での減免額は、2600円程度であった。

たった2600円程を稼ぐために、面倒な医療費の計算を行い、しなくてもいいと言われた、確定申告を行った、とも言える。

 一方、例年、公的年金以外に、生命保険年金があり、雑所得での損益通算で、ごく僅かの数千円の所得となるのだが、確定申告を行わない場合、住民税で、トラブルとなるとしたら、望むところではない。

  このようなことが、今年も確定申告を行うこととした、直接的な理由であるが、でも、こんな些細なことよりも、自分の場合は、e―Taxを通じて、継続的に、ネット利用に馴染んでおくことが、最も大きな理由なのだ。昨年使ったICカードリーダーとICカードは、結果的には、今回は不要だったが、久しぶりに日が当たった、と言える。

 

○送信後に出て来たアンケート用紙に、実名と、TELやメールアドレスも入れて、本記事に記したような、要望や意見を述べたのだが、これらに対する回答が返って来るか、無しのつぶてか、99%は後者と思っているが、果たしてどうなるか、楽しみにしたい。

 

 公的認証サービスで、今回のe-Taxでも登場した、住民基本台帳カードだが、非公開だが、これにも個人番号が付与されているようだ。

鳴り物入りで、10年程前に登場した、住民基本台帳システムだが、この御蔭で、今回のe-Taxが可能になり、一部の年金で、誕生月での現況届が不要になったが、まだまだ、十分に機能している、とは言えない状況だろう。

 

 そんな中、社会保障と税の一体改革の一環として、先月に閣議決定され、国会に提出された、認知度の極めて低い、個人識別番号法案(共通番号法案 マイナンバー法案)だが、納税状況や年金の管理等に使われるというのだが、実際に、どんな効用があり、どんなテンポで導入される段取りなのだろうか。

 具体的には把握していないのだが、新たなマイナンバーが、現行の、住民基本台帳システムでの個人番号や、健康保険や、公的年金などの証書番号などの、個人番号と、どのように関係するのであろうか。これらを、全て廃止して、マイナンバーとして一元化するというのか、導入と移行に当たって、ますます、混乱を助長するだけのようにも思える。

 一方、個人や、個人情報が、国家や行政に、完全に管理されるような、マイナス面の、巨大な不安もある。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする