つれづれの記

日々の生活での印象

広辞苑の修正カード

2018年02月13日 11時03分39秒 | 日記

2018年2月13日(火)  広辞苑の修正カード

 

 

◇ 広辞苑第7版 を購入

 広辞苑第7版が、この1月12日に発売されたが、LGBT等の項目の解説文の誤りが指摘され、話題となった。

この関連で、先日、当ブログに、下記記事を投稿している。

     LGBTと広辞苑  (2018/1/20)

 

上記記事に書いたが、手持ちの第1版が古くなっているので、今回のニュースを機に、買い替えることとし、この1月末に、最寄りの駅前の書店で、第7版を購入したことだ。割引期間ながら、結構な買い物である。

購入した辞書の中を見ると、やはり、LGBTとしまなみ海道の表現は、指摘されている通りである。

  

              ケース                本体 付録1 付録2

◇ 修正カード

 権威ある国語辞典としての責任と名誉にかけて、今後、判明する誤りも含め、重版などの機会に善処して欲しいと思い、出版元の岩波書店がどうするのか注目していたところだ。期待通り、当書店は、時を逸せず、1月25日、誤りに対するお詫びと、2項目の解説文の修正記事を、自社のHP上で発表した。これがマスコミでも取り上げられ、期せずして、良い宣伝になったかもしれない。(『広辞苑 第七版』読者の皆様へ―― - 岩波書店

 上記サイトにある読者係のメールアドレスに、修正カードの送付を依頼したところ、直ぐに、カードが送られてきた。また、読者カードを郵送したところ、これに対しても、同じように修正カードが送られてきた。

  修正カードは、下図のように、そのまま/縮小して貼りつけるシール形式等にはなっておらず、2段半程の縦長の印刷物になっている。

辞書本体は、4段構成になっているが、修正前の項目の説明文の領域に、修正文を入れようとすると、行数・字数を合わせない限り難しいのだ。 次の印刷の機会に、配置を組み直して修正されることとなろう。

    

           辞書本体 ○ LGBT          修正カード  LGBT

 

◇ LGBT修正文

 「LGBT」の表現はどう修正されただろうか? 前稿に、筆者案を示していることで、報道で修正文を見た時は、やや、興奮した。

   原文   多数派とは異なる性的指向をもつ人々

  筆者案  性同一性の障害の有無に拘わらず、多数派とは異なる性的指向を持つ性的少数派       

               ⇒性的指向と多数派、の表現を残し、性同一性の障害を入れて説明

   修正文  広く、性的指向が異性愛でない人々や、性自認が誕生時に付与された性別と異なる人々。

               ⇒性的指向は残し、多数派の表現を無くし、辞書の他の項目にある、異性愛、性自認を入れて説明

  いずれにしても、限られた字数内で、トランスジェンダーも包含してLGBTを説明する事は、容易では無いようだ。

  

◇ 第1版から第7版への時代の変化

  広辞苑は、昭和30年(1955年)に、第1版第1刷が発売されたが、筆者が手に入れたのは、昭和40年(1965年)の春で、第1版第15刷になり、現在まで、53年も経過している。 

第7版と第1版とを比べてみると、下図のように、大きさや色合いは、ほぼ同じだ。

また、値段でみると、第1版の定価は、2300円とあり、当時の暮らしぶりからみて、今回の8500円(割引期間 税抜き)に比して、相対的にはかなり高価だったと言えるだろうか。

    

                        第7版                          第1版 

   折に触れ愛用してきた辞書だが、項目数で見ると、第1版は約20万語だったものが、第7版では、約25万語という。

昭和40年から現在までの時代の変化は、極めて大きなものがある。 これを見てみようと、筆者が興味を持つ、洋風の食材や料理等の、横文字(カタカナ文字)の項目について新・旧広辞苑を、比較してみたのが以下である。 

○食材・調味料 等

・第1版からあったもの

  パン、フランスパン、バター、ビスケット、ミルク、粉ミルク

・第1版に無く、第7版にあるもの

  クロワッサン、サンドイッチ、ソース、チーズ、ドーナッツ、ピザ、マヨネーズ  

○料理・菓子 等

・第1版からあったもの

  カレー、カツレツ、チキンカツ

    クッキー、パイ、アップルパイ

・第1版に無く、第7版にあるもの

  カツ丼、グラタン、トムヤンクン、トルティーヤ、パエリヤ、ビフテキ、ピロシキ、ブイヤベース、ポークソテー、ポトフ、ボルシチ、ムニエル

  シュトーレン、マロングラッセ、ミルフィーユ 

  この狭い分野だけで見ても、戦後の昭和40年頃から、食生活の西洋化や多様化が、大幅に進んできたことが窺える。

第7版にある、殆どの食材・調味料が、今は、家庭で、常備・常食されていると言える。 また、料理・菓子等も、容易に食べられる時代で、家庭内でも作って楽しめるものも多い。 

 

◇ 百科事典

   ひと昔前は、大型で厚手の百科事典が各社から発行されたが、現在は姿を消していて、ネットの「Wikipedia」などが肩代わりしている。  また、辞書類も、現在は印刷物でなく、電子辞書や、ネットのデジタル辞書が充実している状況だ。

   こんな中で、「広辞苑」は、紙媒体での、簡略な百科事典の役目を引き受けつつ、コンテンポラリーな国語辞典の地位を確保している、と言えるだろうか。電子版もあるようだがーー。 

 余談だが、ページめくりについて一言。 

  第1版では、用紙に厚みがあり、片手で、ぱらぱらとページめくりが出来る。 

  一方、第7版では、全体の厚みを抑えるために、丈夫で薄い用紙を使っていることから、ページめくりが一苦労で、ぱらぱらとは行かない。ついつい、指をなめる癖が出かかるのだが、これを避けるために、息を吹きかける方法を思いついた。

すなわち、手で辞書の上か下を繰り、項目周辺のページを、両手の指で挟んで、そこに、軽く息を吹きかける。と、2~3枚が重なっていることが分かるのだ。

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