つれづれの記

日々の生活での印象

即席カップ麺の魅力

2011年03月28日 11時55分38秒 | 日記
2011年3月28日(月) 即席カップ麺の魅力


 連日、大震災関連のニュースで、自身も緊迫しているが、ここで、一息入れて、小さな話題を取り上げたい。

 日頃、即席カップ麺を愛用している。お湯を注ぐだけで、すぐに食べられるという手軽さと、ゆで麺とは異なる、独特の風味が魅力である。 今回の大震災の被災地や、海外の紛争避難地でも、非常用食品や救援物資などとして、大いに活躍している所である。 昨日の時点では、大震災の影響だろうか、どのスーパーのカップ麺や袋麺の棚も空っぽで、山と積んであった、安価な普及品も、一つも無い状況だ。

 日清食品㈱は、カップ麺の元祖と言える、「カップヌードル」を、1971年(昭和46年)に発売して以来、今年で40周年になるようで、記念のカップをデザインして、先だってから、特別価格で売り出している。 この記念カップの、40という数字の、0をデザイン化した湯沸かしと、一緒に添えられている “お湯とともに40年” という、飾らないコピーが、素敵である。(ライフラインが止まっている段階の被災地では、お湯を手に入れるのも、容易ではないと思われるがーー)
 40周年記念品

 生まれて初めて、カップヌードルを食べた時の、驚きと感激は、未だに忘れない。40年経った今も、内容的にも、発売当初と殆ど変らずに、同じブランドが継続している、というのは、極めて珍しく、信じ難いことだが、嬉しい限りである。40年間、共に歩んできた、友達の様な親しみを覚える。 業界内では、さまざまな競合商品が現れては、消え去っていく中にあって、いまだに、カップ麺の定番としての、地位を保っている同社に、敬意を表したい。

 現在、スーパーでは、このカップヌードルは、143円等と、一向に値引きされない、高嶺の花である。その隣に、同じ日清食品製の、カップヌードルの普及品と言える、「スープヌードル」が、所狭しと置いてあり、こちらは、98円位で買えるのだ。
それが、今回の記念セールで、憧れのカップヌードルも、98円程になったので、大いに驚きつつも、早速、手に入れた。久々に食べる、「元祖」の味である。
 カップ/スープの両者を比較してみると、
   カップヌードル  サイズやや大 内容量 77g(めん65g)
   スープヌードル  サイズやや小 内容量 59g(めん50g)
と、ボリュームに少し違いがあるものの、味には、殆ど、違いが感じられない。でも、中に入っている、同社苦心の、干し海老が、スープでは、一回り小さい事が分った! 
    
         カップヌードル              スープヌードル

 家人が加入している生協でも、「コープヌードル」というカップ麺を扱っているので、買ってみた。こちらは、88円と、カップヌードルの記念セールの価格よりも安いのだ。 
 容器や蓋の、デザインや色が、カップヌードルに似ているので、蓋の記述を、拡大鏡でよく調べて見たら、なんと、製造元は、日清食品㈱とあるではないか! 
 コープヌードル

 内容量は、70g(めん62g)とやや少なめだが、食べてみると、味はカップヌードルと変わらず、肝心の海老の大きさは、同じのようであった。 日清食品が、自社のカップヌードルをベースに、コープヌードルという、類似のブランド名で、生協に対して、OEMで、提供しているのであろう。
 
 ここで、単位内容量当たりの、実売価格を計算してみると、以下のようになる。

   カップ (通常) 143/77=1.857円/g
   スープ       98/59=1.661
   コープ       88/70=1.257
   ――――――――――――――――――――――――
   カップ (記念)  98/77=1.273

記念セールの、カップ(記念)は別として、質の違いは無いとすれば、コープが、極めて安価に提供されている、ことは明らかである。

 庶民にとっては、なかなか手の届かないカップヌードルの、OEM商品が、かくも安価に手に入るということは、 生協などの流通側の組織力の強さを、まざまざと、見せつけられた感じである。
 製造と、流通の間の仕組みの、怖さと不思議さに、驚かされる。

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原発事故ー放射線被曝量

2011年03月27日 00時22分54秒 | 日記
2011年3月26日(土)原発事故  放射線被曝量


○放射性物質からは、α線、β線、γ線等の放射線が出るが、最近は、これらに関する単位が、MKS単位系に統一され、放射性物質の量(放射能)を表す単位を、ベクレルBq、放射線の量(線量)を表す単位を、シーベルトSv、というようである。 
 ベクレルについては、ごく最近になって、野菜や水道水から、放射性物質である放射性ヨウ素や、放射性セシウムが検出されたという報道以来、瞬く間に、聞き慣れた単位になった。
 一方、少し前、原発事故の直後は、原子炉の核燃料プールを冷やすための注水作業に従事する、作業員の安全のための、人体への放射線の被曝程度を表す、シーベルトと言う単位が、知れ渡った。
 シーベルトという呼称は、放射線防護の分野で貢献した、核科学者の名前に由来しているようだが、江戸時代に活躍したシーボルトや、音楽のシューベルトなどと、発音が似ているので、紛らわしいのだが、それだけ、覚えやすいともいえる。
 今回は、主に、このシーベルトが使われる放射線被曝について、自分なりに理解できる範囲内で触れてみたい。 

○この、シーベルトという単位は、放射線被爆量と言えるもので、放射線の強さ に、被曝した時間 を掛けた、積の概念になると思われ、
   放射線の強さ × 被曝した時間 =放射線被曝量(線量当量、単に、線量とも)
となる。これを測定する機器を、線量計というようだ。
 この単位の使われ方を見ていると、単位時間当たりの、放射線の強さを表す場合と、累積値である被曝値をあらわす場合があり、混乱が見受けられ、理解する側としても、苦労している。
 放射線の強さを表す場合は、時間当たりの線量をいい、被曝量を表す場合は、1年間など、一定期間での累積値をいう、こととなる。
 この関係は、速度と、時間と、進んだ距離の関係
   速度×時間=進んだ距離
に似ていると言える。すなわち
   放射線の強さ×時間=被曝量
となる。 
 テレビの中継放送などで、マイクロシーベルトと、ミリシーベルトを言い間違えて、慌て訂正する場面に、何度も御目にかかったが、マイクロは、10**(-6)で
   マイクロ波、ミクロン
など、ミリは、10**(-3)で
   ミリメートル、ミリリットル
などと、普段も結構使われる単位だが、
   1mSv=1000μSv
で、両者には、1000倍の違いがあるので、間違えると、事は重大である。 

○ベクレルという単位は、放射能の大きさ、即ち、放射性物質の量を表すが、物質の種類により、出される放射線が異なるため、出される放射線で被曝する度合いは異なってくる。このため、ベクレルを、シーベルトに変換するのは、面倒になるようだが、ネットで調べた情報によれば、
   ベクレル/kg×変換係数=シーベルト/時
と変換できるようで、最近話題となっている、放射性ヨウ素、放射性セシウムについて、その変換係数は、以下のようになるようだ。 例1と、例2では、情報源は別である。 

放射性ヨウ素 I131(半減期8.04日)
 変換係数例1    2.2×10**(-8)Sv 
             例示 300Bqの飲食物1kg摂取
                ⇒300×2.2×10**(-8)
                =6.6μSv/時(0.0066mSv/時)            
 変換係数例2    0歳 0.140~大人 0.016 μSv
             例示 300Bq/kgの飲食物1kg摂取
                ⇒300×0.016
                =4.8μSv/時(0.0048mSv/時) 
放射性セシウム Cs137(半減期30年)
   変換係数例1  1.3×10**(-8)Sv
             例示 500Bqの飲食物1kg摂取
                ⇒500×1.3×10**(-8)
                =6.5μSv/時(0.0065mSv/時)   
放射性セシウム Cs134(半減期 2.06年)                 
   変換係数例1  1.9×10**(-8)Sv
             例示 500Bqの飲食物1kg摂取
                ⇒500×1.3×10**(-8)
                =6.5μSv/時(0.0065mSv/時)   
 変換係数例2    大人 0.017
             例示 300Bq/kgの飲食物1kg摂取
                ⇒300×0.017
                =5.1μSv/時(0.0051mSv/時) 

 放射性ヨウ素で、上記で例示されている、300Bq/kgは、飲料水での大人の安全指標値になっている。同様に、露地物野菜類の大人の安全指標値は、2000Bq/kgであり、これをシーベルトに変換すると
   2000×2.2×10**(-8)Sv=4400×10**(-8)Sv
                      =44μSv/時(0.044mSv/時)
となる。これは、野菜1kgを摂取した場合の内部被曝量であり、100gなら、この1/10となる。又、体内では、尿等によって排出されるので、実際に取り込まれる量は、更に少なくなる。
 放射性物質の安全指標値については、当ブログの
   大震災―死の灰の恐怖 (2011/3/25)
を参照されたい。

○放射線被曝を云々する場合、基本となるのは、放射線が人体にどのように影響するか、と言うことだ。この場合、放射線の強さと、被曝する時間による被曝量、の関係となる。
 放射線量の大きさに対する人体の影響について、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告や、国内原子力委員会の指針があるようで、そこで言われていることを、自分なりに、以下のように、放射線の強さにより、A、B、C、Dの4つの場合に分けて考えてみた。(Wikipedia「被曝」「シーベルト」等を参照している) 

A 微弱な放射線は、長時間被曝すれば、積算被曝量は大きくなるものの、全く問題はないようだ。自然界には、常時、微弱な放射線があると言われ、地球上の人間は、一生涯、この放射線を受けて生活している。1年間で、自然環境から人が受ける放射線の世界平均は、
    2.4msv(2400μSv)/年
と言われており、TV等でも、何度も紹介された。この数値は、1年間の累積値であることが要注意で、1年間=365日×24時間=8760時間なので、時間当たりの、放射線の強さに直してみると
    2400μSv/8760時=0.27397μSv/時≒0.274μSv/時
となる。

 又、他の例として、東京―ニューヨーク間を、航空機で往復する場合の被曝量について、86μSvなどと報道された。上空では、地上よりも放射線が強いことを考慮したものだ。この数値が、他の情報では、0.2mSv(200μSv)というのもある。 
 これらの数値が、往復での累積被曝量を意味するとすれば、航空機の利用が、日常的に、問題なく行われていることから考えて、この程度の被曝量でも、問題はない、ということである。
 報道では、これらの値に比べて、検出されている放射能の値は、可なり小さいと強調したかったようだ。
これらの数値が、時間当たりの放射線の強さ、を意味するのであれば、上述の、0.274μSvと比べると、可なり大きいと言える。片道12時間とすると
     累積被曝量=86×10×2=1720μSv(1.72mSv)
となる。

 ICRPは、一般公衆が、1年間に晒されてよい人工放射線の限度は、1mSvと勧告している。(この値は、後述の、医療でのX線撮影時の被曝量等より、かなり小さいのは理解できないが)この値は、文字通り、1年間の累積被曝量であろう。
 これを、平均的な放射線の強さにすると
    1mSv/8760時=0.11μSv/時
となる。
 今回の原発事故で、各地の放射線量の測定値が公表されているが、各地で観測されている放射線の強さの平均値を、仮に、1μSv/時とすると、基準より、一桁大きな値となる。
  

B 或る程度強い放射線では、連続して長時間被曝し、累積被曝量が多くなると、問題が起こる可能性が高くなる。
 一方、このような放射線下でも、被曝時間が短く、間隔を置いて、被曝する場合は、人体に問題は起こらない、という。
 典型的な例は、完全に管理下に置かれた、医療現場での、X線撮影での被験者の被曝量である。数値には、ばらつきもあるが
   胸部検診でのX線撮影   0.1-0.3mSv/1回
   胃検診でのX線撮影         ~4mSv/検診(数回撮影)
   CTスキャン検診でのX線撮影  7~20mSv/検診(数回撮影)
などと言われている。

 一方、放射線業務従事者の安全について、被曝してよい放射線の限度量が決められているようだ。それによれば、
   妊娠可能な女子従事者 2mSv  妊娠した時から出産までの間の累積値
   妊娠可能な女子従事者 5mSv  法定3カ月間の累積値
   一般従事者(除女子) 50mSv 1年間に晒されてよい累積被曝量
となっている。
 妊娠、出産と、次世代の子供に関係する女子に関して、厳しくなっているのは理解できる。
 X線による撮影の場合、患者側が、どのくらい強い放射線(X線)を被曝しているかは、調査出来てはいないが、1回の撮影時間は、ほんの一瞬だ(1秒位)。 放射線業務従事者の上記の安全基準50mSvからすると、被曝量の多い、胃の検診や、CTスキャンによる検診を、患者として、年に何度も受診することは、問題となるレベルといえる。
 万が一、X線装置やCT装置が故障して、被検者や従事者が、連続して被曝するようなことになれば、大変なことになるだろう。
 一方、原子炉を抱える、原子力発電事業等の従事者についても、同様の安全基準が定められている、と考えられるが、現時点では、未調査である。  

C 原発事故等での、予期せざる事態を想定し、日本原子力安全委員会などが定めている、以下の、幾つかの、安全指針があるようだ。時間や回を明示していない、10mSvと、50mSvは、時間当たりの被曝量と解釈。
  10mSv 一般人の屋内退避
  50mSv 一般人の避難
        自衛隊消防警察関係者が1年間に晒されてよい放射線の限度
 100mSv 放射線業務従事者が法定の5年間で晒されてよい放射線の限度
        自衛隊消防警察関係者が、1回の緊急作業で晒されてよい放射線の限度
 250mSv 自衛隊消防警察関係者が、1回の緊急作業で晒されてよい放射線の限度
        (今回の事故に限り、暫定的にこの数値に変更) 
 500mSv 人名救助の場合の、例外的な上限

 上記のように、今回の事故では、出来るだけ連続被曝を避けるために、緊急作業であっても、作業を短く区切ることが重要となろう。
 今回の原発事故関連の報道の中で、数年前の東海村での臨界事故の時の、経験者の話が紹介された。その話では、どうしても、設備の近くまで行って、手回しでバルブを操作する必要があったという。連続的な被曝にならない様に、走って行っては、バルブを一捻りして戻る、という作業を、何人かで交代で、繰り返し行い、危機を脱出できた、という話は、分りやすかった。 
 今回の地震後に行われた放水作業に加わった消防隊員の放水後の記者会見では、線量計で計測しながらの、命をかけた作業の様子が報告されたが、放射線という、見えない敵との戦場で、危険性を熟知しているだけに、正直怖かった、と言う言葉が印象的である。

 一方、3号機タービン建屋地下で、電源ケーブルの敷設作業で、東電関連会社の作業員が、被曝したという、3/24の事故は、被曝時の詳細は、はっきりしない。
 まさか、タービンの地下まで放射性物質が流出するとは思わず、溜っていた水は、雨水が入ってきた、位に思ったのであろうか。15cmもの水に浸かったまま作業をしたようだ。それも、1人は長靴を履いていたので難を逃れたが、2人は、長靴をはかず、スニーカーであったようで、被曝したという。線量計は持っていたようだが、前日に計測してOKだったので、当日は計らなかったという。アラームが鳴っていても、作業を続けたという。線量計では、どういう条件でアラームが鳴るように設定されるのだろうか。
 事故後、改めて、線量を計測したら、173~180mSv/時もあり、水面近くでは、400mSv/時もあったという。
又、その水の中の放射能(放射性物質の量)は、390万Bq/m**3で、安定時の原子炉内部の水での、1万倍もあった、という。
 その物質が、仮に、ヨウ素131とすれば、放射線量に換算すると、1立方メートル当たりで
    390×10**4×2.2×10**(-8)=858×10**(-4)
                          =85.8mSv
と、可なりの値になる。被曝したのが、足で良かったと言えよう。
 結果論的に、外野席から論評するのは優しいのだが、安全の基本中の基本が実践されていない、ということを証明したようで、作業従事者への教育不足や、安全管理の杜撰さには、呆れるばかりである。完全に防げた事故に思えてならないのだ。 
 なぜなら、下請けだから、危険を伴う作業をやらざるを得なかった節もあろうが、
  ・線量計で、事前に線量を計測する(急かされていて、計測する時間が無かった?)
  ・全員長靴を履いて水に入る(長靴は1足しかなかった?!)
  ・アラームに留意して作業を小刻みに区分する
など、防護する方法はあったといえる。残念ながら、自分には、昨日の管総理の挨拶のように、被曝した彼らの労苦を労う気には、なれないのだ。
 逆説的な言い方を許してもらえれば、あの事故の御蔭で、核燃料保管プールではなく、原子炉本体に関わると推定される、極めて深刻で重大な水漏れと、それによる、極めて高濃度の放射性物質が流出していることが、明るみにでた、と言える。
           
D 一方、核爆発や原子爆弾のように、強烈な放射線による被曝では、たとえ短時間の被曝でも、以下のように、人体の回復が出来なくなって、後遺症が残り、最悪の場合は、死亡することとなる、と言われている。
          0.25Sv  白血球の減少
           0.5Sv  リンパ球の減少 人名救助を例外とする上限
             1Sv  悪心 嘔吐 水晶体混濁
             2Sv  出血 脱毛        5%致死線量
             3Sv  脱毛 
             4Sv  永久不妊        50%致死線量 
             5Sv  白内障 皮膚の紅斑
             7Sv~ 99%の人が死亡    99%致死線量

 強度の放射線被曝に関しては、広島、長崎の原爆の実例や、原発や、原潜や、核実験での、数少ない事故例しかない。軍事面では、核戦争を想定した、水面下での検討も進められていよう。一方、表での、医療分野も進んでいると思われるが、症例が極めて少ないと言える。

 豊富な電気に支えられた社会の繁栄が、原発事故と言う危険と、背中合わせになっていることを、今回の事故を通して、実感させられた。 また、原子力に関して、専門家や、関係者任せにして、自分も含めて、基本的な知識が、殆ど無かったことを、痛感させられた。
 今後は、原子力から、自然エネルギーに、徐々に切り替えていくことは考えられるが、そう簡単に出来る事ではないと思われる。
 とまれ、今後を云々する前に、今まさに直面している危機を、何としても乗り切って、終息、安定させなければならない。

 




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原発事故ー死の灰の恐怖

2011年03月25日 09時57分43秒 | 日記
2011年3月24日(木)原発事故―死の灰の恐怖


○今回の大地震は、地震被害に加えて、津波被害、放射能被害をもたらしている。
この中で、地震被害はこれまで経験した範囲内といえるが、津波被害と、放射能被害は、初めて経験する、想定を越えた緊急事態である。
 連日、テレビや新聞等で、津波被害の被災地の状況等が、報道されているが、特に、同じ津波が原因と思われる原子力発電設備の被害は、未経験の事が多く、質的に、極めて難しい問題と感じる。
つい先日、福島県の原発周辺で採れる一部の野菜と原乳に、放射能被害が出ていると言われた。それが、地域も、栃木県や群馬県や、茨城県、千葉県の野菜にまで拡大し、そして、昨23日になって、東京都の水道水が汚染されている、というショッキングな発表がなされるに及んで、いわゆる、死の灰の恐怖が走り、俄に騒がしくなった。
 放射性物質が検出された汚染地域が広がるとともに、対象物も、野菜では、ホウレンソウとかき菜の2種類だったものが、11種類にまで多くなり、各地の飲料水や土壌や、海水にまでに広がっているのだ。汚染ルートからして、少し不思議なのだが、牛乳や根菜のカブまでも、と言う状況である。
 原子力や放射能被害については、自分には、余りにも、知識が無かったことを痛感させられている。以前に、学校で習った程度の知識しかないのだが、今回の事故を契機に、改めて、原子力発電の仕組みや、放射線などについて、この所、調べながら、知識を増やしてきたところである。
 取り急ぎ、当面する放射能被害について、自分で納得できた範囲で、整理してみた。

○放射性物質が、放射線を出す能力の事を、放射能(Radioactivity)といい、放射能の強さは、1秒間で原子核が崩壊する数で表し、ベクレル(Becquerel Bq)という単位が用いられ、放射性物質の量を表すという。 農産物や飲料水等の汚染問題が現実となり、報道で、ベクレルという、耳慣れない単位が、急に表に出てきた。
 先だってまで、消防庁職員の、原子炉建屋への放水作業の時などで、被曝する放射線量を、線量計で計測しながら、70ミリシーベルトなどと、言われ、又、自然界での年間被曝量は、2400マイクロシーベルトなどと聞きながら、シーベルト(Sievert Sv)という単位に、どうにか、慣れてきた所であった。
 シーベルトもベクレルも、自分には良く分かっていないのだが、両単位の関係も含めて、次回以降で触れたい。

 3月17日に、厚生労働省が、以下の様な、「飲食物摂取に関する指標」を発表した。
農作物や飲料水等で検出される放射性物質の、許容できる安全性の指標を、一覧にしたものだ。これは、国際放射線防護委員会(ICRP)で定めている基準に基づいてつくられているようだ。(別添の表は、PDF形式からイメージ化)
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
食安発0317第3号
平成23年3月17日

都道府県知事
各 保健所設置市長 殿
特 別 区 長

厚生労働省医薬食品局食品安全部長

放射能汚染された食品の取り扱いについて

平成23年3月11日、東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故に係る
内閣総理大臣による原子力緊急事態宣言が発出されたところである。
このため、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、もって国民の健康
の保護を図ることを目的とする食品衛生法の観点から、当分の間、別添の原子
力安全委員会により示された指標値を暫定規制値とし、これを上回る食品につ
いては、食品衛生法第6条第2号に当たるものとして食用に供されることがな
いよう販売その他について十分処置されたい。
なお、検査に当たっては、平成14年5月9日付け事務連絡「緊急時におけ
る食品の放射能測定マニュアルの送付について」を参照し、実施すること。

別添

○飲食物摂取制限に関する指標


注)100 Bq/kgを超えるものは、乳児用調製粉乳及び直接飲用に供する乳に使用しない
よう指導すること。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

○核爆弾や原子炉内での、核反応で生成される放射性物質には、多くの物があるようだが、原発事故等の時に放出される、代表的なものとしては、表中にあるように、放射性ヨウ素131、放射性セシウム(134、137)などがあるようだ。
 今回検出されたのは、表にある、放射性ヨウ素131で、測定された値は、210Bq/kgである(その後は、少し下がっている)。この値は、大人にとっては、指標の300以下なので問題はないのだが、注)書きにあるように、幼児には、指標の100を越えるので、飲料水と牛乳は控えるように、との指導である。 数値は、食品1kg当たりなので、水道水1kg(約1リットル)飲んだ時の値になる。
 仮に、飲むミルクの量が200mlなら、体内に摂取される物質の量は、5分の1になる。しかも、このような水を、長期間、継続的に飲んだ時が問題で、放射性ヨウ素131の放射能が1/2ずつ減少していく半減期は、8日と短いので、摂取後40日(8×5)経てば、体内の放射能は、1/2**5=1/32程度に減少するので、そんなに問題にする事はない、と、言われる。
 一方、ヨウ素Iは、生理活動で、甲状腺に集まる特徴があるようで、細胞分裂が盛んな幼児期に、体内で放射線の被曝があると、甲状腺癌になる確率が、3倍ほどに高くなるという。これは、チェルノブイリ原発事故のデータなどから言えるようだ。
スーパーやコンビニから、飲料水があっという間に消えたことから、自治体などは、ペットボトル入りの飲料水(ミネラルウオター)を緊急に配布しているようだが、安全と言うより、小さな子どもさんを抱える家庭での、安心、のための緊急対策と言えよう。 でも、見方によっては、このような措置は、不安を助長している様にも感じられる。

○農産物の野菜については、表にあるように、露地栽培やハウス栽培が多いホウレンソウなどは、目標値は、2000ベクレルなのだが、地域によっては、指標値より、極めて大きな値を検出した地域もあり、大人にとっても、飲料水や牛乳などよりは、危険性は高い。
 又、一部の野菜からは、表にある放射性セシウム134も検出されたようで、この物質の放射能の半減期が、30年と極めて長いので、指標も、野菜では、500ベクレル等と、放射性ヨウ素よりも厳しくなっている。
 更に、福島県の原発から40km程度離れた、飯舘村の土壌からは、165000Bq/kgが検出されたという。表には無いが、土壌の指標値は、100程度のようで、これの、1600倍もの高濃度と言える。でも、近隣周辺の土では、数十倍から、数百倍の所もあり、気象条件の風向きや降雨等の関係で、地域によって、可なりばらつきがあるようだ。 複数ポイントでの、一時ではない継続的な監視が重要となろう。土壌の汚染は、根を通して、農作物に吸収されるため、怖いところがある。
 このことから、危険な地域になってしまった、福島県で生産された指定の野菜を、食べないように、との、摂取制限が行われた。
 一方、原発に近いこれらの地域から、市場にも出回らないようにとの、出荷制限も行われ、即、実行されている。野菜の生産農家にとっては、大変つらいことだが、消費者としては、自衛策について、神経質になる必要はないだろう。
野菜類は、一部地域の出荷を止めても、他の地域の生産物でカバーできるが、飲料水は、停めるわけにはいかず、深刻にならざるを得ないところがある。

○放射性物質と放射線
自然界には、色々な放射線があり、その中で、生物は生きている。放射線は、人体には有害でもあるが、医療分野などでは、極めて有用なものだ。放射線を出すものを、放射性物質と呼び、この物質が放射線を出す能力を、放射能と言う。
 放射性物質である、ウラン等を使って発電するのが原子力発電だが、その過程で、放射線が出され、人為的な放射性物質が出来るので、これを、完全にコントロールしないと、安全な原子力発電にはならない。勿論、原発は、通常は安全に行われているのだが、今回の地震と津波による被害で、その安全神話が、崩れようとしている。

 今回問題となっている放射線は、CT等に使われるX線と同じ仲間だが、波長がやや短い、γ線と言うもので、粒子線ではなく、電磁波の一種である。放射線は、目に見えず、レントゲンのX線のように、γ線は、通常の物体の中を、通過するので、その辺が怖いところだ。 
 放射線の強さは、距離の2乗に反比例して、弱くなるので、原子炉から距離が離れると、急激に弱くなる。距離が2倍離れれば、放射線の強さは、1/2**2=1/4、3倍離れれば、1・3**2=1/9と、急激に弱くなる。
今回の事故で、原子炉の至近距離で作業せざるを得ない人たちにとっては、原子炉本体から出るγ線から(今日の報道では、α線、ベータ線からも)身を守り、水蒸気爆発等で周辺に飛散した破損物等が発する放射線から身を守る、防護策が、極めて重要となる。
今回の事故では、運転中の3機の原子炉は、大地震を自動検出し、自動的に制御棒が挿入され核反応が止まり、炉の運転は停止されたようなので、基本的な安全は確保されたようだ。でも、本体の一部と言える圧力抑制プールの破損(?)や、全面停電で、冷却系が止まったことで、本体の温度が上がったり、燃料棒保管プールの水位低下等から、飛散していた放射能物質が、建屋の水蒸気爆発や火災等で、周辺に飛び出したものと思われる。

○人体が、一定レベル以上の放射線を被曝すると、健康被害が生ずることとなるが、被曝した時の人体への影響は、成人と老人、子供、胎児等によって、かなり異なってくる。人体への被曝には、外部被曝と内部被曝とがある。
外部被曝は、放射線を、体の外から直接浴びることで、通常、原子炉周辺で作業に従事
する人や、事故現場で作業する人たちには、極めて重要な安全事項である。
 原発が安全に運転されている時は、空気中に放出される放射性物質の量は、きわめてすくない。今回の事故で、厄介なのは、空気中に飛散した放射性物質が、雨などで、いわゆる、死の灰として、広い範囲に亘って、地上に降下することだ、 
 この飛散した物質が、露地物野菜や、飲料水や、土壌や、海水に含まれることで、厄介な問題を引き起こす。これらを、食べたり、飲んだりすると、体内に居座って、この微粒子が、小さな放射線源となって、内部被曝を引き起こすこととなる。 
この微粒子は、建物内に居たり、衣服を着るなどで、体内に取り込む前に、防いだり、除去することができるが、或る情報では、粒子の大きさが、
   10nm  10**(―12)m=10**(―9)mm、 から
   20μm  10**(- 6)m=10**(-3)mm  位まで
と言われるので、大きい粒子で、2/100mmと極めて小さいのである。新燃岳の火山灰と同じようには行かないようだ。
野菜などは、水洗いしたり、茹でたりすれば、或る程度は、落とせると思われるが、粒子が極めて小さいために難しいようだ。
 目下窮地に立たされているホウレンソウで、水洗いする前と後、茹でる前と後とでは、放射性物質の量がどの位違うのか、NHKの試してガッテンで、やってみせて欲しいものだ、と思っていたら、このようなユニークな実験が、さる所で行われたようで、その結果では、
  前者で1/2
  後者で1/3
に減少するとのTV報道を、今日、見せて貰った。
 一方、水の関連では、粒子が小さいことから、浄水器等ではあまり効果が無いという。放射性物質を取り去る、吸着紙や、電磁石の様な優れ物は、作れないものだろうか。

 今回の原発事故が、障害を乗り越えながら、少しずつ、落ち着く方向に向かっているので、当事者である、東京電力と行政関係の皆さんの奮闘に期待し、事態の推移を見守るしかない。



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大震災  計画停電

2011年03月20日 00時03分53秒 | 日記
2011年3月19日(土)大震災  計画停電


 大震災から、今日で1週間以上が過ぎた。連日、被災地などの報道が行われているが、先日13日に、東京電力が発表した、14日からの計画停電(輪番停電)のニュースは、原発の事故等から見て、想定外ではなかったものの、そこまで逼迫しているのかと思い知らされ、ショッキングな発表であった。
 予期せぬ全面停電は、ブラックアウトと呼ばれるようだが、これを避けるために、計画停電を実施するという、東電として、会社始まって以来の、重大な決断である。
 実際には、停電は、15日から始まり、昨日まで行われたようだ。今日は、土曜日で、需要が少ないために、停電は行われず、ほっと一息、と言うところか。
 大停電といえば、大分前の、ニューヨークが、大停電で大混乱した、というニュースが思い出される。需要が供給を上回ると、使用中のものはそのままで、新規の需要が抑えられる、というなら、分りやすいのだが、全面的に停電することがある、と言うのは、少し、理解できない事ではあるが、制御系が暴走してしまうのであろうか。予期しない時点と規模で、大幅な停電が発生した時の大混乱は、想像もできない位だ。ましてや、未曾有の大災害の最中では、首都機能がストップし、最悪の事態となろう。

 今回の地震で、東電の受けた打撃は、極めて大きかったようだ。 規模では、世界一の電力会社とまで言われていた、東電である。東電の、電力供給能力は、或る情報では、震災前は
   6800万KWH
程だったようだが、福島の原発6機と、火力発電所等の被災による運転停止で、能力の半分以上が失われ、供給能力は  
   3100万KWH
程までに低下してしまったようだ。
 原発依存率は、全国では30%程度だが、東電管内では15%と低かったことが、今回は、幸いだったかも知れない。

 11日金曜の巨大地震後、土、日を経て、経済活動が始まる、週明け14日月曜の想定電力需要が、4100万KWHと見込まれるため、供給可能能力を大幅に上回る見込みとなる事から、計画停電に踏み切ったようだ。でも、交通機関が、被災後の点検等で、完全運行出来なかったこともあり、震災後当初の需要が少なかったことから、本格的な計画停電は、計画3日目から実施されたようだ。
 17日の朝になり、気温が大きく下がったことで、暖房需要等が大きく見込まれたため、通産大臣の緊急会見があり、夕刻時の節電への協力が呼びかけられた。特に、ほぼ、通常ダイヤに戻して運行していた幾つかの鉄道事業者には、間引き運転が要請されたようだ。
 この結果、一般企業でも、節電への協力と、夕刻の混雑を回避するために、会社からの帰宅時間を早めるなどの動きとなり、通常の夕方のラッシュが繰り上がり、全体として平準化したために、電力需要のピンチは乗り切れたようだ。発表では、正確には覚えていないが、需要電力は、3050万KWHと、すれすれで、供給可能容量を越えなかったようだ。 
 平日の最終日である翌17日も、前日同様の計画停電と節電が実施されたことで、ピンチは、無事乗り切れたようだ。
 不謹慎を承知の思い付きだが、いっそのこと、ゲーム感覚を取り入れ、電力総需要のメーターをTVで表示したら、更に節電が進むかもしれない!?

 計画停電が最初に発表された時は、どの地域で、何時停電が実施されるのか、公表方法や公表内容を巡って大分混乱した。対象となる当事者にとっては、自分の企業や住宅で、何時電気が止まるのか、それが最大の関心事なのだが、よく分からないのだ。
 当初の発表で、自分の住んでいる足立区も対象に入っているという情報もあったので、具体的に区内の何処の地域なのか、時間と輪番グループはどうなっているのか、ネットで調べようとしたが、東電のHPには、接続要求が殺到して、繋がらず、何度もエラーになった。
 暫くして、何とか、繋がったところで調べたら、23区全体で見ると、中央部の主要な区は対象か外され、周辺の住宅地域の区が主対象になっている。中央部の各区は、首都機能の維持のためということで、外したようだ。そして、対象となる区でも、細かく見ると、その中での周辺部が対象となっているようである。足立区内でも全域ではなく、自分の地域は、殆ど住宅地なのだが、何故か、除外されていた。 外れていたので安心した、と言うより、折角の経験が出来ないのを、残念に思った次第。
 行政上の地域区分と停電地域とは、給電系統の関係で、必ずしも対応していない所も出てくるのは止むを得ないが、電話等の通信系でも、同じような事例が起こる。 
 もう少し時間的な余裕があれば、中央の政府機関を含め、全地域で実施して見るのも、きわめて意味があると思うのだが、実際は、社会不安を招きかねないリスクもあるがーー。
 昨18日に、震災後初めて、近くのかかりつけの整形病院へ行ったら、前日の17日に、停電が実施されたようで、昨日も、3時からの実施予定になっているという。リハビリ用機器には電気が欠かせないのだが、停電に合わせてスケジュールするのに苦心しているようであった。やはり身近でも、停電があったのだと、実感した。

 今回、大震災を経験して、現代の電気依存社会の脆弱性を、露呈してしまった感がある。初めての計画停電の実施だが、幾つかの教訓を残しつつあるように思う。
 
○一旦停電計画が発表されたのに、開始時間が来ても停電が始まらない、ことも多かった。でも、その後、予定時間より、少し遅れて停電になったりで、何時停電になるのでは、との不安も大きかったようだ。電力側としては、少しでも、需要側への迷惑を少なくしたい、と言う配慮であろうが、十分準備ができる時間をみて、速めに計画を発表した以降は、需要に関係なく、そのまま停電を実行する方が、却っていいように思うのだがーー。

 ○電話でのように、給電にも、優先順位を設けておいて、例えば、官公庁や、交通信号や、病院などは、区別して扱うようには出来ないだろうか。
 計画停電では、交通機関がどうなるかは、当初から気になった。 まさか、電車が、ある行政区域に入った途端、給電を止める、という訳にはいかないので、交通機関への給電系統は、行政や地域対応でなく、路線毎の対応だろうと思った。
 17日は、通産大臣の緊急の要請を受けて、鉄道事業者が、速やかに間引き運転を実行し、消費電力を減らすことができたのには、改めて、感心した。事故や故障等での、日頃の経験から、短時間に、ダイヤの変更を行うノウハウをもっていることを証明したニュースであった。 電車の利用者には、大変な事態だったとは思われるがーー。

○今回、東電、東北電管内で、計画停電が実施されているが、近くの、他の電力会社、特に、中部電や、北陸電等から、不足分を、融通してもらうことは、出来なかったのだろうか。
 よく知られていることだが、電源周波数が、東日本の東電、東北電、北海道電が50Hz、西日本の中部電、北陸電、関電、中国電、四国電、九州電が60Hzと、富士川を境にして、異なるため、直接の融通は出来ず、周波数変換を行う必要があると言う。この変換装置の容量が、100KWH程度しかないのが、ネックのようだ。

○節電と言われても、個人レベルでは、微々たる事しかできないのだが、塵も積もれば山となる、で、数で利いてこよう。 節電は、CO2削減の面で、エコライフにつながる事でもある。
こんなことから、自分でも、少しでも節電に参加するために、仕事上では現役でないので、自宅内での生活を対象として、まず、
①日頃行える、節電動作をあげて見た。
次に、
②数時間/数日間、電気が完全に止まった時に、日常生活にどんな影響が出るか、電気なしで済ませられるか、原点に立ち返って、チェックしてみたのが、以下のリストである。

①  照明    使わない部屋の無駄な灯りを消す
         照明は、やや暗いモードで使用
          出来る限り、窓際は太陽光を利用する
         夜は早寝、朝は早起きー太陽と共に            
   暖房    出来るだけ設定温度を下げる
         厚着する(防寒具)
   パソコン  省エネモードに設定して自動カット
         長時間使わない時はシャットダウン
   テレビ   見ない時は、電源元スイッチを切る
         (リモコンのスイッチでは待機電力が消費)
   熱源    電気ポットは省エネモード 
②  照明    ローソク、懐中電灯の準備
         食用油を使った灯り(昔の行灯)
   ラジオ   手回し充電式ラジオ(照明も可 アナログTV可)
   熱源    ガスで湯を沸かす 
           カセットコンロとガスボンベの活用
   水道    汲み上げポンプが止まり水が出ないー水の汲み置き
         トイレは、タンクでなく風呂の水で流す
   エレベータ 階段を歩いて登る(4F)
          足腰の運動になる

 今般の災害では、地震の規模や津波が、想定を大きく越えていたことから、多くの地域で、建物は勿論だが、電気、水道、ガス、電話などのライフラインが、甚大な被害を受け、道路、鉄道、空港、港湾等の、交通インフラの被害も大変なものだ。これらの復旧には、膨大な時間とエネルギーを要しよう。
 災害は忘れたころにやって来る、とは、寺田寅彦の言葉だが、この度の体験を、色んな形にして、次世代に伝え、忘れない様にしなければならない。



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東北関東大震災  安否確認

2011年03月17日 14時05分17秒 | 日記
2011年3月17日(木) 東北関東大震災  安否確認


 
 3月11日に発生した、今回の巨大地震災害は、未曾有の事態であり、個人レベルでも、初めての体験が、幾つも進行中である。 大災害が発生した時、家族や知人の安否確認が、先ず、最優先の事項となる。

○情報機器が普及しているこの時代でも、災害に遭遇した時、やはり基本の通信手段になるのは電話だが、呼が集中して、輻輳や規制で繋がらない事が多い。 
 今回の地震の当日は、たまたま、途中下車した駅の、出口から少し行った所で見つかった公衆電話から、自宅に電話したら、幸いにも繋がり、無事を伝えることができた。
 公衆電話は、一般の固定電話や、携帯電話よりも、災害時には優先的に繋がるのだが、このことは以外に知られていないし、この時代、普段は、殆ど使われず、めっきり少なくなった公衆電話が、一体、何処にあるかも、よく覚えていない位だ。
 また、運よく携帯電話を持っていても、極端に、呼が集中し殆ど繋がらなかったり、電池が切れてしまったり、停電で充電ができない、等で、役に立たないことも多い。
 今回も、携帯電話では、何回掛けてもだめだったのだが、携帯メールで何とか通じたために、知人の無事が確認できた、というケースもある。

○地震の翌日になり、知人から、NTT OBである自分に対して、岩手県の被災地である、
釜石市にいる肉親の、安否確認手段について、
  “固定電話、携帯電話どちらに電話をしてもかからない。他に手段はないか?”
と聞かれ、取り急ぎ、調べてみた。
 とっさに思い浮かんだのは、災害用伝言ダイヤルサービスである。 これまでは、このサービスがあることは、知っていたが、使ったことは無かった。今回の地震災害でも、NTT東日本では、特番171で、このサービスを、提供している。
 このサービス、一つの電話番号(たとえば ××××)をキーにして、音声形式のメッセージを伝えられるサービスである。 
 被災地から、被災地の外へ安否を知らせる場合は、以下のようになる。まず、171をダイヤルすると、センターにつながり、案内に従って、録音(1)を選択する。次に、キーになる電話番号、例えば、被災地にいる自分の電話番号(××××)を入力する。その後、30秒間、音声のメッセージ、例えば
  ○○は、無事だから安心してください
と録音できる。
 一方、被災地の外などから、被災地にいる知人の安否を知りたい人は、171とダイヤル後、案内に従って、再生(2)を選択し、キーとなる、録音時と同じ電話番号(××××)を入力する。 予め録音されたメッセージがある時、例えば、上述の
   ○○は、無事だから安心してください
という、肉声のメッセージを、聞けるのである。
 同じ電話番号(××××)をキーにして、次々と、状況を伝え合うこともできる。録音されたメッセージは、48時間保存されるが、メッセージの録音、再生は、新しい順から行われるようだ。
 逆の形として、被災地の外から、被災地の知人に向けて
   ○○さん、大丈夫ですか、心配しています。△△△△ に連絡下さい。
などと、先に録音する使い方もできる。

 避難所に行けば、衛星を使った、NTTの特設公衆電話などが優先的に利用でき、そこでは、171のPRも行っているのではと期待して、早速、岩手県の釜石市にいる知人の肉親の安否を知りたいと、171で、その肉親の自宅の電話番号をキーとして登録し、メッセージを録音した。 でも、結局、利用されず仕舞に終わったようであった。
 このサービスのポイントは、キーとなる電話番号を、どのように共有するかである。予め、家族や知人間で決めておくのが最善だが、決めていなくとも、最も重要と思われる電話番号が使われることとなろう。 最悪の場合、メモや、携帯内蔵の電話帳がなくても、諳んじて覚えているような電話番号でなければならない。例えば、会社に出社中などに、災害で自宅に帰れなくなった時などは、自宅の電話番号がキーになろう。 
 この171サービス、自分でも使ってみて良く分かったので、家人にも、録音、再生など、実際に試しに使って貰った。万が一の場合は、自宅の電話番号をキーにすることも、話し合って決めた。
 家人も、体験的に使い方が分ったので、知り合いにも教えていく、と言っている。

○パソコンを使った安否情報の交換では、Googleが、Person Finderというサービスを提供しているようだ。個人名をキーにした、安否情報交換システムで、詳細は未調査だが、双方に、パソコンが無いと成り立たないサービスのようなので、災害時も初期段階では、利用環境が整いにくい、ように思われる。

○以前から、朝の目覚まし代わりに、タイマーでNHKのFM放送を起動するようにしているが、震災の翌朝になって、いつものバロック音楽でなく、TVと同じような震災情報が流されている。そして、一両日後から、個々人の安否情報を流し始めたのである。 
 調べてみたところ、今回の災害でNHKでは、ラジオ(AM FM)、教育TV、BS2で、可なりの時間、安否情報を本格的に流している事が分った。
   受付番号 050-3369-9080等 
に電話して、申し込むと、
 △△の○○さん、無事ですか、□□に連絡下さい。
などのメッセージを、ラジオの音声で読み上げてもらったり、テレビ画面の周辺に表示してもらえる仕組みだ。
 又、民放等では、番組自体は短い時間ながら、個人個人の映像と音声メッセージを、本放送画面で流す事も、やっているようだ。
 これらの、放送型の安否情報は、膨大な数の個別情報を、一過性で放送するものなので、たまたま、その時に、関係者が、ラジオを聞いていたり、テレビを見ていないと、意味が無い。でも、当事者としては、ラジオやテレビで、安否情報等を流してもらっている、と言うことだけでも、幾分、心が落ち着くであろうか。

○今回は、2400箇所もの避難所が開設されており、現在、34万人もの人が、避難所暮らしを強いられているようだ。避難所と言えば、TVでは、壁に貼り出された手書きのメモや、名簿などを、食い入るように見て探している光景は、よく目にするところだ。 今回も、知人の肉親が、釜石市内の何処かの避難所にいるのではと、避難所毎の収容者名簿を、先日、ネットで探したのだが、見つけることができなかった。
 南三陸町では、地震災害後、可なり経過してから、行方不明と言われた人たちの中で、2000名もの人達が無事であることが判明した、という、大変嬉しいことながらも、信じられないようなニュースもあった。

○被災地でのコンピュータネットワークの様なものの整備は、緊急時だけに無理とは思われる。が、避難所にいる人たちの名簿を入力し、避難所相互をネットワーク化し、安否情報の照会・検索は出来ないものだろうか。 このようなネットワークは、不足物資の情報等の発信・交換にも、利用できるだろう。
 先日から、こんなことを考えていのだが、昨日まで、個人からの安否情報を放送していたNHKのFM放送で、今日17日の朝になって、岩手県大船渡市の、或る避難所にいる人たちの名前を読み上げているではないか!
 放送の中で、岩手県が、HPで名簿を公表していると言うので、早速、そのアドレス
   http://www.pref.iwate.go.jp
に繋いだら、県下の全避難所が載っており、大船渡市のその避難所と、そこの避難者名簿が見つかった。
 点検を兼ねて、この際にと使っている、手回し充電式の非常用ラジオを、パソコンの近くに持ってきて、同じFM放送を聞いてみたら、パソコンに表示された名前の通りに、放送で読みあげられているのである! 何とも言えない感激であった。HPの名簿には、振り仮名もあるが、FM放送の方は、振り仮名がない時点の名簿のようだった。
 名簿の日付が、3/15、3/16などとなっており、名簿の作成公開は、最近になって始められたようだ。自分が望んでいたサービスを、岩手県が実施したのであり、嬉しい限りである。この名簿の中には、勿論、先日には見当たらなかった、上述の釜石市の避難所と避難者名簿も載っていた。
 一旦このような名簿がオープンになれば、全国から検索できるので、安否確認が非常にやりやすくなる。最も大変なのは、名簿の生情報の収集と入力だが、これを何とか解決して、実施にこぎつけた岩手県に、深い敬意を表したい。
 他の県ではどうか、と調べたが、宮城県や、福島県については、避難者名簿は、いまのところは、まだ見つけられなかった。

○171サービスも役立たず、安否が気がかりだった、釜石市の件(くだん)の人である○○さんが、昨16日になって、無事だったという、嬉しいニュースが届いた。何故安否が判明したかと言えば、○○さんは、結局、電話が使えず、肉親・知人宛てに、無事を知らせる数枚の葉書を書き、関東方面に行く車を見つけて、その葉書の投函を託したという。この葉書が千葉にいる一人の肉親に届き、そこから関係者に、無事が伝えられた、ようである。
 この時代、電話や、電子メールや、パソコンネットや、放送でなく、最も歴史のある、郵便で、安否の第一報が確認された、と言うことは、信じられないような話ではある。でも、被災地域やその周辺では、通信事情や交通事情やガソリン事情等も関連し、このようなケースも起こりうる、と言う事であろう。

○今回の大災害では、多くの方々が亡くなり、多くの方々が、未だ、行方不明のままである。 安否確認の中で、どんな手段であれ、「安」と分った関係者は、ほっと安心できるのだが、結果的に、「否」となってしまった関係者にとっては、深い悲しみしかない。
 警察関係のHPでは、死亡した方の中で、身元が確認できた方の名簿が、公表されている。  合掌

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