つれづれの記

日々の生活での印象

2020年オリンピック  その1 

2013年09月27日 22時57分55秒 | 日記

2013年9月27日(金)  2020年オリンピック その1 

 

 

 2020年のオリンピック・パラリンピックが、東京開催に決まったニュースが、テレビ等を通して、日本時間の9/8早朝に届き、国内が大興奮したのだが、その後これまで、色んな場面でこの話題が取り上げられている。

 7年後の2020年は、諸準備に関わる、JOC、東京都、政府等の関係者や、競技参加を目論むアスリート達にとっては、もう、無駄な時間は無いのだろう。

 一方、一観客の立場で考えると、まだ7年も先の話である。 後期高齢者の仲間入りを目前に控えた今は、気になるのは自分の年齢のことで、何としてでも、元気にオリンピックを迎える事を目標に、楽しみに待つこととしたいものだ。

 ここで、少しく、オリンピックに因む話題を取り上げることとしたい。

 

◎ 最終プレゼンテーション

2020年のオリンピック開催都市として、東京都が立候補以来、関係者はこれまで、何度にも亘るプレゼンテーションや視察の受け入れ等をこなしてきた訳だが、この9月に、ブエノスアイレスでのIOC総会の場で行われた、最終プレゼンについて、2、3、印象を述べることとしたい。

 (ネット画像より) 

●冒頭に、皇族の高円宮妃が話されたが、これについて、宮内庁から、“東日本大震災でIOC関係から頂いた数多くの支援や御見舞に対するお礼を述べたのであって、オリンピック東京誘致を訴えたのではない。公式行事ではなく、前例にはならない。”などという主旨のコメントがあったようだ。まったくもって、戴けない形式主義の姿勢に見える。

国家的行事であるオリンピックの誘致活動の中、一国の総理大臣も登壇する場で、皇族としての行動に制約があると言うのは如何なものか?

 流暢なフランス語と英語による、エレガンス溢れる妃のスピーチは、それだけでも敬服に値する快挙であり、良き前例になって欲しいものだ。

 

●滝川クリステルさんの、スピーチも見事であった。フランス人と日本人を両親に持つクリステルさんの、フランス語での優美な女性らしい柔らかいプレゼンは、好印象を醸し出したであろう。

 パリで生まれたものの、幼い頃から殆ど日本で育った彼女のフランス語は、筆者には分らなかったのだが、ネイティブのものとは違っていた、などとケチを付ける向きもいるようだ。

重要なことは、言いたいことや気持ちが、ちゃんと伝わったかどうかということである。外国人の話す言葉がいくら上手とは言え、母国語の現地人に比べたら、所詮、多寡が知れている、と自分は、疾うに開き直っている。  

 

 クリステルさんのスピーチが切っ掛けで、今や、すっかり流行語になった お・も・て・な・し は、決して、日本独自のものではなく、それぞれの国に、特有の歓待の仕方(Hospitality)がある訳だろう。でも、この言葉に込められている、日本に根付いた庶民レベルの心遣いやサービス精神は、決して、他に引けを取らないものだ、と、ささやかな自分の海外旅行の体験からも、胸を張って言いたいものだ。

 クリステルさんの話にあった、うっかり財布を落としてしまったのに戻ってきた話は、自分にも過去に3度も経験があり、安全な国柄でもあろう!

 

●パラリンピアンの佐藤真海さん(走り幅跳び)の話は、極めて新鮮で、スポーツの素晴らしさを訴える強い力があったと思う。大学在学中に、骨肉腫から、急に右足を切断しなければならなくなり、義肢を付けた生活とスポーツという、苦しい体験を乗り越え、現在の自分を取り戻すまでの経過を、笑顔の中で明るく淡々と述べた姿勢は立派である。

彼女は、東日本大震災の一大被災地である、気仙沼の出身だが、精力的に被災地支援にも赴いているようだ。

 

 

●省略させて貰うが、勿論、猪瀬都知事、竹田JOC委員長、水野専務、安倍総理、フェンシングの太田選手と、それぞれが、それぞれの立場で、しっかりとプレゼンしている。

安倍総理のプレゼンについては、下記ブログ記事 

     事故原発との闘い  その1 (2013/9/11)

で、取り上げている。

 

 

◎ IOC委員の投票による開催都市の決定

 

 事前の予想では、東京有利の中、終盤で、マドリードが追い上げ、接戦と言われていたのだが、いざ蓋を開けてみると、第1回投票結果は以下のようで、東京の得票数は、過半数には達しなかったものの、2位を大きく引き離した。

   

 *第1回投票  総票数94票(立候補都市関係委員等は除く)   

    東京         42票

    イスタンブール   26票

    マドリード      26票

 

2位の得票数が、珍しく同数となり、2位決定投票が行われたようだ。   

 *2位決定投票  総票数94票(立候補都市関係委員等は除く)   

   

    イスタンブール  49票

    マドリード      45票

 

 僅かの差で、マドリードが敗退し(これまで3連敗)、イスタンブールが残った。この地は、西洋と東洋のかけ橋として、イスラム圏初の都市として、注目されて来た。

某外国メディアは、2位決定投票を、最後の決戦投票と間違えて仕舞い、イスタンブールが開催都市に決まったと誤報道するハプニングもあったようだ。

 

 東京と、イスタンブールとの決選投票の結果は、以下のようになった。   

 *決選投票 総票数96票(マドリード関係委員は含む)   

    東京          60票

    イスタンブール  36票

 

 日本国内は勿論だが、全世界が固唾を飲んで見守る中、ロゲ会長から、TOKYO と発表され、過半数を獲得した東京が選ばれたのである。

 この6月、日本のシンボル、富士山が、UNESCOの世界文化遺産として登録が承認され、そして今回、IOCで、オリンピックの開催都市に東京が選ばれるという、ビッグニュースが続いた訳だ。

 (ネット画像より)

 

 ここで、改めて、投票権を持つ、IOC委員の顔ぶれ等を見てみたい

 

IOC委員は、現在は103名と言われ、第1回投票での、投票総数は、立候補都市関係委員と会長を除く、94票だったようだ。

 

  IOC委員はどの様にして決められるかについては、把握していないが、筆者の想定では、各国の国内委員会の代表者、国際的なスポーツ団体の代表者や、往時活躍した名選手などから、構成されているとばかり思っていた。

  所が、これらに該当すると思われる委員は、全体の半分以下で、他は、国の王侯貴族や資産家や政治家がなど、言わば、名誉職が多いのには驚かされた。 これらの人達は、オリンピックについて、どのような考えを持っているのだろうか。

 又、地域的には、ヨーロッパからの委員が、圧倒的に多く過半数に迫っているのは、歴史的な経過があるとは言え、地球全体を見据えた五輪の精神からみて、すっきりしない印象はある。

 

  IOC委員には、金品に関わる接待などはご法度、という厳しい倫理規定があるようだ。

そんな中で、如何に各委員の理解と賛同を得て、投票に結びつけるかがポイントで、日本は、前回の立候補時に失敗した経験から、あまり得意ではないロビー活動に、今回はかなり力を入れたという。 が、実際、どのような活動が行われたかは、知る由もない。

 投票権を持つ委員の国に対して、国レベルでの開発支援などは、問題にはならないのだろうか。

 

 前回かなり低かった、国内の支持率を高めることも重要だ。昨年の、ロンドンオリンピックでの日本選手の歴史的な大活躍と、それを祝う銀座でのパレードの盛り上がりが、オリンピック誘致に関する国内の空気を大きく変えたと言えるだろうか。

 一方、終戦後の東京オリンピックがそうであったように、新たにオリンピックを誘致して、東日本大震災からの復興を成し遂げたい、という願いが、大きく働いただろうか。

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事故原発との闘い  2

2013年09月16日 22時12分03秒 | 日記

2013年9月16日(月) 事故原発との闘い 2 

 

 

 東日本大震災と福島第一原発事故から、丁度2年半が経過した先日、当ブログに、

      事故原発との闘い 1 (2013/9/11) 

の記事を投稿し、当面する汚染水問題の処理等について触れたところである。

これに続いて本稿では、長期的な課題である廃炉処理について、まず、実際に原子炉の解体作業が行われている、東海村の事例を取り上げることとしたい。

 

 

○東海村での廃炉作業

 40年とも言われる、原子炉の耐用年数が来ると、人間による制御下で、計画的に原子炉の運転を止め、廃炉処理が行われる訳だ。

この場合の原子炉の状態は、事故原発と違って、メルトダウンや水素爆発などは起こしていないため、確実な手順を踏むことで、安全に廃炉作業が行われることとなる。

 

 我が国の原子力の先行地域である茨城県東海村に、日本で最初に設置され商用運転された、原電 東海原子力発電所が、役目を終えて運転を停止し、廃炉作業が実際に行われているようだ。 福島の事故原発等を含めて、今後の我が国の廃炉作業の先例となるものとして、この東海村での状況について、概略、見てみたい。

 

 ここで、世界を見渡してみると、原子力発電所の廃炉(廃止措置)の状況は、下図のようである。(海外の廃止措置状況 | 日本原子力発電株式会社 )

 

  2012年3月時点で、実際に廃止措置が完了しているのは、

    アメリカ 10基

    ドイツ   1基

とある。 米国では、既に、多くの実績を積み上げている訳だ。

 日本の東海原発は、廃止措置の作業途中にあるわけで、国内では、他に、浜岡原発1、2号機も廃炉にすることが決まっていて準備中ということだ。

一方、原発事故を起こした、アメリカ スリーマイル島原発、 ウクライナ チェルノブイリ原発、福島第一原発(1~4号機)は、作業途上にある訳で、これらは、前図では、廃止措置中に含まれているようだ。

 

 

○東海原子力発電所の概要

   事業者    日本原子力発電(日本原電)

   形式     黒鉛減速炭酸ガス冷却炉(GCR ガス冷却型とも)

           英国製炉を輸入し、耐震化設計追加  出力16万Kw 

   設置工事  1960着工  1965年臨界  

   運転期間  1966年商業発電開始~1998年3月運転停止  

           着工以来38年で停止、運転期間は27年間

 

  

       東海原子力発電所(前記サイトより)

 

○東海原発の廃炉工程(廃止措置工事のスケジュール | 日本原子力発電株式会社

 廃炉作業工程は、当初計画では、2001開始~2017年完了で、結構長いという印象だ。加えて、諸準備の関係から、2020年度終了に延期されている。          

(参考工程)

原子炉領域以外の撤去

      2001年度~2019年度(実施中)

熱交換器等撤去工事等

      2006年度~2014年度(実施中)

原子炉本体等解体撤去工事等

2014年度~2019年度

建屋等撤去工事等

2019年度~2020年度

   

 

 

終了予定時期:2021年3月

 

○廃炉作業状況

(以下は、(【節電・省エネトピックス】日本原電、廃炉の技術蓄積へ-来春、東海発電所の原子炉に着手 :日刊工業新聞 等から引用)

・この原子炉は、他の多くの炉とは異なって、冷却水を使わない形式だが、解体技術としては可成り共通な部分もあるという。

・放射線量は、人間が入って作業が出来るレベルだが、今後の解体作業に向けての技術と知見を蓄積するため、遠隔ロボット操作中心に作業を行っている。

・2001/3 使用済燃料の取り出し完了 

 2001/12月廃止措置開始

・現在は、熱交換器の解体を、マニピュレータアームという多関節ロボットを使った、ジャッキダウン工法で行っているという。この9月末には、4基の熱交換器のうちの1基の解体が完了予定。 

・原子炉本体の解体は、遠隔操作ロボットの準備の遅れで、来年の2014年4月から開始予定。

・施設の管理等が不十分なことから、火災が起こるなどのトラブルも多く、想定したよりも、結構な手間暇がかかっているようだ。

 

・廃炉に伴って出て来る、多量の放射性廃棄物の処分・保管が大きな問題になっているようだ。廃棄物の状況は、

         高レベル放射性廃棄物  1600トン

         低レベル放射性廃棄物 13000トン

とあるが、他の情報では、放射性廃棄物の量は、24000トンとも言われている。

 処分場の方向が見えていない状況では、当面、これらの放射性廃棄物は、敷地構内に置く事とならざるを得ないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・放射性廃棄物の処分場については、

A 広範囲に飛散した放射性物質の回収に依る廃棄物の処理

   除染作業 焼却灰

 B 原発本体の運転や廃炉作業によって出て来る放射性廃棄物の処理

   高レベル放射性廃棄物 

があり、当ブログでも、A,B取り混ぜて、最近だけでも、以下の様に取り上げて来たテーマだ。

オンカロ建設の驚き       (2012/7/15)

    中間貯蔵施設          (2012/8/22)

    指定廃棄物―負の遺産     (2012/10/7)

  原発事故のその後        (2013/2/4)

放射性廃棄物の処分を巡って (2013/3/2~3)

廃炉処理の現況は問題ない? (2013/3/5)

当面するAについてすらも、最近は、殆ど話題にならなくなっていて、処分場・貯蔵施設の建設問題は、いずれも、宙に浮いたままである。

 

○廃炉予定の原子炉

 耐用年数が来て廃炉にする事が決まっているのは

浜岡原発1,2号機で、炉形式も、GWRで、福島第一と同じ形式である

方向決定

廃炉工程予定

 

また、今回事故位なった、福島第一原発の1~3号機は、浜岡よりも古いのだが、必要性から廃炉に出来ず、延命措置で使って来ていたと言う。

 

又、立地上で活断層があったり、自元が廃炉を、強力に要求している所もある

敦賀

東海第二

 

廃炉にかかる経費

 

 

 

難航する廃炉作業 商業炉で国内初の東海原発のいま(東京新聞:こちら特報部)

 

 

 

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事故原発との闘い  1

2013年09月11日 23時42分39秒 | 日記

2013年9月11日(水) 事故原発との闘い 1 

 

 

 東日本大震災で、福島第一原発が事故になって以来、今日で2年半になる。

この間、原発や放射能に関する色々な状況があり、本ブログでも、何度も取り上げて来ているのだが、最も入口の課題である、事故原発に関する汚染水の管理問題が、未だに、明確な見通しが立たない状況といえるだろうか。

 

 2020年オリンピック開催都市の選定に向けた最後の土壇場で、Tokyoでは、事故原発からの汚染水漏れの問題が、にわかにクローズアップされ、大きく影響するのではと危惧したのだが、幸いにも、8日早朝、2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決定したのは、近年にない、嬉しい大ニュースである。

 このオリンピックについては、稿を改めて取り上げることとし、本稿では、放射能に関する当面のトピックスについて、先ず、取り上げることとした。

 

 

○安部総理のスピーチとQ&A

 サンクトペテルブルグでの、G20の会場をそそくさと切り上げて、IOC総会の会場であるブエノスアイレスに乗り込んだ安部総理は、最後の日本のプレゼンで、特に、原発事故に関連する放射能問題の安全性について強調した。

 内容については、正確な記録は入手していないので、詳細は述べないが、港湾の0.3kmの範囲内でブロックされ、コントロール下にある(under control)、と言うのは正しく無く、貯蔵タンクの事故や、地下水脈などを通じて、事故原発からの汚染水が、海洋に流出している可能性はかなり高く、コントロールは不十分と言わざるを得ないのだ。 

 又、食品の安全基準については、その通りだが、現行のルールを述べただけで、検査体制や魚介類を含めた各種食品の現在の数値を示すべきだった。  (【五輪】安倍首相は強弁、「汚染水は問題ない」「港湾内で完全にブロック」、IOC委員質問に

 

 安部総理の説明やQ&Aで、世界が納得した訳ではなく、一国の総理大臣が出て来て、安全性を保証すると言明した事で、それを信用し、取りあえず、矛を納めたものであろう。

 日本は、今後の放射能の安全性を確保することに関し、重大な責務を負った訳であり、少なくともオリンピックが開催される迄の間、腰を据えてきっちり対応し、内外に対して、情報を公表して、納得させていかねばならない。

 これを、一つのチャンスととらえ、マイナスイメージを変えて、事故原発の処理や放射能の管理を通じて、一つの見本になるような、いい結果を残して行きたいものだ。

 

 先日、隣国韓国は、日本の原発周辺の8県域からの魚介類等の水産物の輸入禁止を決めたようで、根拠は不明だが、日本たたき、オリンピック妨害などの悪意すら感じられるニュースだろう。 (【NHK】 韓国、日本水産物輸入禁止強化★3 : にゅーすまとめログ )

 

 

○事故原発のコントロール

 ここで、総理の言う事故原発のコントロール状況について、見てみたい。

 

・「循環注水冷却システム」

 言うまでも無く、事故原発については、放射能が周囲環境に漏れないように確実にコントロールする、冷温低状態を作り、これを保持することが第一の課題である。

 そして、この状態を保持しつつ、長い道のりをかけて、危険の原因を取り除く廃炉作業を、着実に進める事が、第二の、最大の課題であることは言うまでもない。

 

 まず、指し向きの課題だが、4号機は別として、メルトダウンしたと想定されている1~3号機の3基の原子炉だが、原子炉本体や配管等のあちこちが破損・故障していると想定されることから、これらの補修が完了する迄は、注水している冷却水が、高濃度の放射能を含んだ状態で漏れ出てくることは避けられない。

 こんな状況下で、一昨年秋に、漏れ出る汚染水から放射性物質を除去する設備を介在させながら、その水を循環させ、冷却用に再利用するという、苦肉の策とも言える、「循環注水冷却システム」が、何とか実現している訳だ。

この時の政府は、冷温停止状態が実現した、原発事故は収束した、などと、言明したのだが、まったくもって、誤解を招く言い方であった。

 今回の循環注水冷却システムは、原子炉等の破損状況が殆ど分らないまま、冷却水を循環させ、言わば汚染水垂れ流し付きの継ぎはぎだらけで、辛うじて、冷温停止状態を保持していると言える。

この巨大な冷却系の最近の状況については把握していないのだが、循環している水が、配管の途中で漏れていた、と言った事故のニュースが、何度か伝えられている。

 

 毎日、300トンもの新たに汚染水が出て来る事から、循環させ再利用している水の他に、新たに冷却水を加える必要もあり、更に、悪いことに、周囲から地下水が建屋内に流れ込み、破損した原子炉等に触れて、これがまた、新たな汚染水となっているようだ。

事故原発の周辺は、目に見える、地上経由での海洋汚染は無いとしても、汚染水が、地下を経由して、海岸の岸壁等から、海へ直接流れ込んでいる可能性も否定できないようで、一体全体、地下ではどのようになっているかは、かなりの部分が未知数だろうか。

又、護岸の周辺が、海中で、どのようにガードされているのかも定かではない。 

地下の水系については、その道の土木等の専門家には自明の理なのだろうが、素人目には、思わぬ抜け道があった、と言う思いである。

 

 人工物だけのシステムであれば、コントロールしやすい訳だが、肝心のこの人工物も、随所で破損している上、そこに、地下水脈という自然現象も関係するという、全体として、現在の「循環注水冷却システム」は、極めて扱い難い複雑なシステムになっていると言えよう。 

 

 地下水脈を経由した汚染水を、これ以上に増やさないために、事故原発の周囲から、地下の水脈を経由して建屋に流れ込む水を、原子炉建屋の手前で遮断する方法が、これまでも検討されて来ている。 目下の案は、建屋の手前の土を凍らせ、凍土壁で地下水が事故原子炉建屋に入るのを遮る方法という。

凍土壁で堰きとめられて溜った地下水は、汚染されていないとして汲み上げ、海に放出する案のようだ。この場合、海水の汚染にならないように、細心の注意が必要だが、地域漁業者団体は、黙っている訳は無く、調整は難航が予想される。

これらの工事を、政府が主導して行い、このため、政府が470億もの資金を出すようだ。(<福島汚染水漏れ>国費470億円投入へ (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 

 

・汚染水貯蔵タンク

 循環注水冷却システム全体としては、300トン/日もの汚染水が新たに出ると言われ、これを外部に棄てる訳にはいかないことから、貯蔵するための多量のタンク等が必要だ。

タンクの建設等については、この春に、下記記事で触れている。

     廃炉処理の現況は問題ない?(2013/3/5) 

この記事の時点では、既設タンクの使用・空き容量と、敷地の広さ見合いの今後のタンクの増設予定は、以下の様になっていた。

     既設タンク 容量32万トン

             使用済26万トン 

             空き6万トン⇒単純計算で、あと150日分⇒8月上旬で満杯!

     新規増設予定 2015年度までに  32万トン⇒70万トンに

             単純計算では、約3年後の2016年3月迄は持つ

 日々に出る汚染水の量やタンクの設備・使用状況などのデータは、現状は、果たしてどうなっているかは、把握してはいないが、先程のNHKニュースでは、貯蔵量は35万トンという数字を見た。一方、8/27時点で、汚染水の量は、既に、47万トンという数字もある。(<福島汚染水漏れ>国費470億円投入へ (毎日新聞) - Yahoo!ニュース )

 

 このタンク群から部分的に汚染水が漏れている事故は幾つかあったのだが、最近になって、特定タンクの接合部が破損して、かなりの量(300トン)の汚染水が漏れていることが判明している。(NHK NEWS WEB 追及解説・原発汚染水漏れ問題

 今回、多量の汚染水が周囲の環境に漏れた事態を重く見た原子力規制委員会は、IAEAとも相談の上、原子力事故の国際評価基準(INES)で、レベル3に相当する放射能事故とした。福島の原子炉事故そのものは、チェルノブイリ事故と同じレベル7だが、今回の放射能漏れは、本体の事故とは別扱いとしたものだが、不可抗力とは言い難い2次災害的な事故だけに、先進国を自任する日本としては、申し開きが出来ない、お粗末な事故でもある。(原子力規制委:汚染水タンク漏水 「レベル3」に正式決定- 毎日jp(毎日新聞) )

 タンクに貯蔵している汚染水が、先ず漏れ出さないようにすることは喫緊の課題だ。

 

 

 

○船頭ばかりーー?

 オリンピック候補都市の最終選定間近になって、事故原発の扱いについて、急に国が表に出て来た感は否めず、人気取りのパフォーマンスという批判もある。

 今後は、東電に任せっきりだったのを改め、政府も関与していくと言うが、なにを今更、という感じである。 信用して任せて来たのに、うまく行っていないので、これからは、国が前面に出てやって行く、と聞こえ、東電だけを悪者にして、国には責任が無いと言わんばかりの言い方である。 

 原発事故は、人災の要因もあるものの、殆ど、天災と言うべきもので、事故の処理については、事業者は勿論だが、原子力政策を推進して来た国の責任も極めて大きいのだ。

これまで、国は国として、それなりにはやってきたのだが、これまで国が十分に関与して来たとは言えず、責任を逃れられない東電だけが、お白州に引き出されてきた印象がある。

 

 事故原発に関連した問題への対応では、国としては、資金面の支援は当然として、口先だけでなく、ガレキの撤去や汚染水の扱いなどの、危険で忍耐強い作業も、やる必要があるのだ。

国として、現場での実際の作業を、何処までやるつもりなのか、責任者の現地常駐と指揮管理系統や、作業の項目や、専門性の高い要員の確保、などをどうするのか、それらが問われている。

これまで、「悪」の代表の様に言われながらも、黙々とやっている東電との連携を、どのようにするのだろうか。

 

 口を挟むだけ、質問したり・報告を求めるだけの介入は、現場にとっては、マイナス以外の何物でもない。

NTTの現役時代、何度か経験した、通信回線の大事故の事が思い出される。回線の利用者であるユーザー対応で苦慮した思いが多いのだが、一番迷惑だったのは、事故の状況や回復の見通しについての、上層部等からの、矢継ぎ早の問い合わせや報告の要求であった。

 「船頭多くして船山へ上る」、の愚はやってはいけない。

 

 オリンピックの東京開催の決定を受けて、瞬く間にスポーツ庁が具体化したようだが、同様に、事故原発問題についても、国として、時の政権に左右されずに、しっかりと本腰を入れて長期的に処理する体制を、整えるべき時なのだ。勿論、国内外のあらゆる技術や英知を活用する必要もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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カボスとポスタレット

2013年09月04日 17時36分34秒 | 日記

2013年9月4日(水) カボスとポスタレット

 

 

  先日の8月末だが、九州の大分が実家のワイフKの知人が、あざやかな緑色の、カボスの実を沢山送ってくれた。

昨年も同じ知人から、カボスを送って頂いたが、時期は11月と、大分遅くで、黄色に色づいていて、その時の様子を、下記記事にしている。

        香りの柑橘類 (2012/11/10)

 

 

 カボスの木は、花の後、夏の終わり頃から、青い実が揃い、次第に黄色に色づいて行くのだろうか。

 このカボス、今回は手始めに、手軽で手っ取り早い、飲み物にして頂いて見た。冷蔵庫で冷やした水に、氷を浮かべて、その上からカボスを絞ったのだが、香りがよく、暑い季節には、すっきりして、結構おいしい。

  カボスの香り 

又、夏りんごを摺りおろしたものに、カボス汁を入れて食べてみたが、こちらもいける。りんごの酸味とも合うようだ。 

 更に夜には、ワイフKが、カボス湯にしてくれた。実を二つに切って、小さなネットに入れ、湯舟に浮かべた。冬至の頃のユズ湯よりは、やや控え目な香りが漂ってくる。

  カボス湯 

 上述の昨年のブログで触れているが、香りの柑橘類では、国際的なレモンや、よく知られているユズは別として、国産種では、徳島のスダチ(酢橘)があり、全国のスダチ生産量の何と98%が徳島に集中しているという。スダチは、これからの季節、焼いた秋刀魚には欠かせないだろうか。 

 一方、大分には、カボスがある訳だ。このカボス(香母酢)は、古くから大分県にある柑橘類で、近年には、地場の特産品にすべく、積極的な勧奨も行われ、何処の家の庭先にも、カボスが植えられているそうで、全国のカボス生産量の97%が大分と言う集中ぶりだ。大分のカボスは、鰤(ブリ)の焼き魚にぴったり合うという触れ込みである。 又、刺身や鍋料理の薬味としても、良いようだ(カボス - Wikipedia

  秋刀魚と鰤の焼き魚で、スダチとカボスを逆にして食べても、勿論、美味しいだろう。これら、土地土地の特産品は、今後とも大事にしていきたいものである。

 

 

 

 話題は変わるが、知人から贈られたカボスの箱の中に、メッセージに加えて、ユニセフのポスタレットのセットが入っていた。ワイフKがリクエストしたようだ。

ポスタレットは、普段あまり見かけない、私製郵便はがきの一種で、はがき2枚分の用箋にメッセージを書き込んで、二つに折り込んで、封印するものだ。

 ユニセフのポスタレットは、イーダ・ヴァリッキオの素敵なデザイン画で、下図のように、はがきの外は海辺の風景で、内の用箋の隅は花籠になっており、封印用シールとの、8組みセットになっている。 因みに、このセットの値段は800円のようで、1組当たり100円となる。

 

   

                表側                                 内側の用箋                

 

 このポスタレットに触発されたように、はがきのサイズと、封印方法に興味をそそられ、以下に、いささか調べてみることとした。

 

○はがきのサイズ 

  言うまでも無いが、はがきには、先ず、「官製はがき」があり、サイズ等の規格が決められている。サイズは、下図のオレンジ色の規格で、

       長辺148mm×短辺100mm

である。勿論、これの価格は50円で、そのまま、投函できる。

 

 これに対して、「私製はがき」があり、土産物の絵はがきなど、各種あり、自家製も可能だが、サイズは下図に示すように、

       長辺 140~154mm × 短辺 90~107mm

と範囲が決められているようだ。これに、50円の切手を貼付して投函すれば、官製はがき同様、郵便はがきとして配達される。

図にある大判は、封書の定型郵便物の最大のものと同じサイズで、特殊な はがきだが、これには、80円の切手が必要のようだ。

  

 日本の各種はがきのサイズ(はがき(サイズ・寸法・種類)-印刷物の寸法・規格) 

 

 次に、はがきのサイズと、用紙の国際規格であるA系サイズとの関係について見てみたい。 はがきのサイズは、A4を2分割し、更に2分割した、A6と、ほぼ同じであることは経験的に知っている。年賀状の作成等で、パソコンで、はがきサイズに作成した文書を、プリンタで試し打ちする時に、A4用紙の4つ切りのA6に、印刷してみるのだ。この場合、A6の短辺が、官製はがきよりも、やや広いので要注意なのである。

 改めて規格を見ると、以下の様で、

        官製はがき  長辺148mm×短辺100mm

        A5用紙   長辺148mm×短辺105mm

長辺は同じだが、5mmだけ、はがきの幅である短辺が狭くなっている。(用紙サイズ

 今回のユニセフのポスタレットだが、用紙類の国際的な規格に則っているのだろうか、二つ折の状態がA6相当になっているようで、国内の官製はがきよりも、明らかに短辺が幅広になっている。

 

 

○封印方法 

 最近は、プライバシー保護のために、はがきに書き込まれたり印刷された情報が、途中で人の目に触れる事が無いように、シールを貼ることが結構多く、年金の各種届出書類や、名簿の記載事項照会などでは、記入後に情報面に貼付する、目隠しシール(プライバシー保護シール)が、必ずと言っていいほど、一緒に送られて来る。(プライバシー保護シール(目隠しシール)|もりや本舗のおススメ商品|もりや本舗)  

返送されたはがきを受け取った側が、そのシールを剥がすのだが、剥がした後の接着面が、傷まずに透明で、情報が読めるようになっている。

 又、金融機関関連の口座引き落とし・振り込み通知などでも、三つ折り式のはがきが多く、受け取った側が、接着面を、順次剥がして、読むようになっている。この様な印刷形式を、圧着印刷と言い、出来上がったものは、圧着はがきと言うようだ。(圧着ハガキ印刷 | 印刷のことなら印刷通販【プリントパック】

 プライバシー保護シールの場合は、剥がせば、透明フイルムが残った光沢のある用紙面になるので、書き込みが出来ず、圧着印刷のはがきの場合は、剥がせば通常の用紙面となり、書き込みが出来る物が多いようだ。

 どちらの場合でも、一度剥がれると、糊の効果が無くなって、再度、接着することは無いと言う、不思議な特性があることから、郵便物の運搬途中で、意図的に剥がされたり(稀に剥がれてしまったり)すると、プライバシーに関する事故扱いとなる。

 

 プライバシー保護シールを貼付する場合は、シール片面の台紙(剥離紙)を剥がして、糊面を貼りつけるだけだが、今回頂いたユニセフのポスタレットの封印方法は、原理的には、これと同じものだが、やや複雑な、両面テープのやり方になっている。

 はがき2枚相当の用箋のスペースにメッセージを書いた後に、二つに折って、はがきの大きさにして封印する場合、セットで添付されている目隠しシールで、はがきの両面を貼り合わせるのだ。実際は、簡単なのだが、文章では、やや分り難いが、以下のようになろうか。 

 先ず、両面シールの片面の台紙を剥がし、糊面をはがき本体に貼りつける。次に、シールの反対側の台紙を剥がして、糊面を、反対側のはがき本体に貼りつける。こうすることで、2枚重ねの、サンドイッチ型の圧着はがきが完成し、切手を貼って投函出来ることとなる。

受け取った側では、貼り合わせた面を剥がせば、光沢を帯びた透明なフイルムを透かして、文面が読める事となる。

 

 個人情報保護関連の法律が施行(平成17/2005年 4月)されて以降、この種印刷物や物品が、多方面で使われるようになっているようだ。

 はがきにして、わざわざ、目隠しシールを貼る位なら、封書にする方がいいようにも思うのだが、数量が多い場合は、はがきと封書のコストの差も重要になるのだろうか。

ネット情報では、目隠しシールは、単価では1枚10~20円位になるようで、そんなに安くは無いようだがーーー?

又、はがきの圧着印刷のコストは、どれ位になるのだろうか。

 一方、作業性の面で見ると、情報を集める側も、情報を出す側も、情報を見る側も、封書に比べて、はがきの方が、手軽で扱い易く管理しやすい面もあるかもしれない。

 

 

 ユニセフのポスタレットに似たサービスとして、郵便局には、簡易書間(ミニレター)と言うのがある。はがき3枚分のメッセージが書けるようだ。規格内での料金は、全国一律で、ハガキと封書の中間の、60円という。以前は、糊白に糊を付けて貼り合わせていたのだが、今は、台紙を剥がすだけで接着できるようになっているだろうか。この場合は、受け取り側で、鋏等で開封する必要がある。

或いは現在は、目隠しシールやポスタレットの様に、糊なしで貼り合わができ、そのまま剥がして読めるようになっているのかも知れない。

 

 台紙を剥がせば、糊づけが出来て封印できる封筒や、傷めずに簡単に貼ったり剥がしたりできるポストイットの様な付箋も、今は、重宝している。又、今回の、ポスタレットや目隠しシール等の様に、1回だけ接着出来、傷めずに剥がせるが、2度と元に戻せない手段も有効な場合もあろう。 以前のNTT時代、公衆電話ボックスの悪質な張り紙を剥がすのに、大変苦労した事もある。

 時代は、貼りつけたり剥がしたりと、ニーズはますます多様化していくようだ。 

 

 

○ユニセフのこと

 知人から届けられたポスタレットが切っ掛けとなって、国連のユニセフ活動について、概略、調べてみると、ユニセフは、第二次世界大戦後、荒廃した戦災地の児童達を支援するために創設されたもので、その後、アフリカ等の発展途上国の子供達も対象に加えられたようだ。 収益の約50%が、戦地や開発途上の国々の子供達のために使われると言う。

 自分は、ユニセフ活動には、特別には参加はしていないのだがが、物品の購入等で、静かに支援している人達の善意を思う。

 機会を見て、この、ユニセフの話題を取り上げて見たい。

 

 

コメント
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