2012年6月30日(土) LEDの光―LED照明
我が家の台所の、ガス調理台の上にある照明は、20w型の2個の白熱電球だが、1個は少し前に切れて、何とか残る1個で持たして来たのだが、つい先日、これも切れてしまった。 調理台の上の照明がないと料理が見えず、可なり不便であり、早速、回復する必要がある。ここに住んで、20年以上になるが、これらの電球が切れたのは数回だろうか。
折から、節電や、エコが叫ばれ、LED照明の話題が多い。ごく最近だが、NHKが、あさイチの番組で、LED電球に取り換える時の注意事項等を放送したばかりだ。(NHKあさイチ【LED電球交換失敗しない法ルーメン電気代寿命白熱電球】詳細情報)
LED照明については、数年前から気にはしていたのだが、この機会にと、関連情報を整理しながら、台所の調理台の上の照明に、実際にLEDを使ってみよう、と決めた。
故障した2個のうち、1個は従来の白熱電球に、もう1個は、新たにLED電球に、同時に取り換えて、並列的に、両者を比較することとした。
早速、近くの電気店に出向いた。まず、これまでの白熱電球と同じ、20w(ワット)型(口金は、60wなどと同じ)を物色した。
一個だけの単品ものが欲しかったのだが、2個セットの物しかなく、これを手に入れた。値段は 2個で250円(1個 125円)で、消費電力は20w、寿命は、公称値は1000時間だが、これは約3000時間とあり、T社製だ。
一方の、LED電球も、何種か展示してある。20w相当の品物が置いていなかったので、30w相当と表示された、420lm(ルーメン)の物にした。 値段は、1個998円、寿命は、公称値と同じ40000時間と表示され、消費電力は5.6wとあり、メーカーは、白熱電球と同じT社である。
左 白熱電球 右 LED電球
◎コストなどの経済比較を行うには、どの位使用されるか、という、使用頻度を求めなければならない。使用頻度によって、寿命がくると、買い替えなければならないのだ。
電球の寿命については、
a 実際に点灯される総累積時間(点灯時間のみ)
b 一旦ソケットにセット後、初めて点灯してからの、総経過時間(消灯時間も含む)
c スイッチのON・OFF回数や、周囲の温度・湿度等の条件
などが関係すると考えられるが、ここでは、bでなく、aが支配的とする。
点灯している時間を推定するに、件の電灯は、天井にある台所全体の照明ではなく、ガスレンジの上の、ローカルな電灯のため、ガスを使って煮炊きする時だけ、点灯される。
点灯時間は正確には計測してはいないが、大雑把に言って、朝食向け 30分(m)、昼食向け30m、夕食向け60m位とすると、1日で120m、即ち、2時間(h)だから、1か月で約60h、1年間で
2h×365=730h
となる。
この値を、白熱電球の公称寿命1000hと比較すると、1000/730=約1.37年で寿命が切れることとなる。(電球自体に表示してある、寿命3000hでは、約4年で故障する計算だ)
一方、LED電球の方は、公称寿命40000h(電球自体も同じ表示)と比較すると、白熱電球の40倍の寿命だから、137年で寿命が切れることとなり、なんと、人間様よりも、遥かに長生きする事となる。
◎いよいよ、コスト計算だ。
コストには、
イ 初期導入時のコスト (減価償却費を含む)
ロ 導入後の買い換えのコスト
ハ 導入後の年間の電気代
ニ 取り換えなどの作業コスト(今回は無視)
等がある。
購入コスト(イ初期導入時のコスト+ロ買い換えのコストを合算)を、求める。
白熱電球
導入時 125円
以降、1.37年毎に買い替えで、125円かかる
減価償却費 125/1.37=91.2円/年
n年後の購入コスト 125+125×n/1.37=125(1+n/1.37)
n=0 =125
n=1 125+91.2 =216.2
n=2 125+182.4 =307.4
n=3 125+273.7 =398.7
LED電球
導入時 998円
以降、137年毎に買い替えで、998円かかるが、実質買い換えなし
減価償却費 998/137=7.3円/年
n年後の購入コスト 998(1+n/137)
ハ 導入後の、年間の電気代
24円/kwhとして、1年間の電気代を計算
白熱電球 20×730×24/1000= 350.4円
LED電球 5.6×730×24/1000= 98.1円
◎導入n年後の、総コスト=購入コスト+電気代 は、
白熱電球 125(1+n/1.37)+350.4n
LED電球 998(1+n/137)+98.1n
実際に、nについて求めると、以下のようになる。
白熱電球 LED電球
n=0 = 125 円 998 円
n=1 216.2+350.4 = 566.6 1103.4
n=2 307.4+700.8 =1008.2 1208.8
n=3 398.7+1051.2=1449.9 1314.2
n=4 490.0+1401.6 =1891.6 1419.5
このことから、1日2h程度の、使用頻度の少ない使い方でも、3年後には、利益が出るようになり、4年後以降に、大きな差になることが分かる。
かくして、我が家の、台所の調理台の上の照明の取り換え作業は、無事完了した。LED電球の長さが、従来よりやや大きいので心配したが、問題は無かった。
電球を保護しているカバーガラスが、簡単に取り外せる構造になっていることから、このガラス板を、油が落ちる洗剤で綺麗に洗ったことで、電球取り替え後は、下の写真のように、見違えるように明るくなった次第である!
左 白熱電球 右 LED電球
白熱電球と、LED電球との具体的な経済比較について、ネットに出ている例の中から、一般的な一例を、以下に引用させて貰う。一部、コスト比較の計算法は、本稿のやり方に、変えている。年間コストで見るLED電球の実力は? [お得・節約コラム] All About
前提条件 消費電力(60w相当):白熱54w LED5.7w
電球代金:白熱160円 LED1680円
寿命:白熱1000h LED40000h
使用時間:年間2000h(6h/日 程度使用)
電気料金:22円/kwh
白熱電球 導入費用 n年 160円(1+2000n/1000)
初年度導入費用(n=1)160円×2000/1000 = 320円
年間電気代 54w×2000×22/1000 =2376円
初年度年間コスト 320+2376 =2696円
LED電球 導入費用 n年 1680(1+2000n/40000)
初年度導入費用(n=1) 1680+84円 =1714円
年間電気代 5.7w×2000×22/1000 = 251円
初年度年間コスト 1714+251 = 1965円
本例では、使用時間が長いこと、LED電球が安価であること、から、初年度末で、元が取れている。