つれづれの記

日々の生活での印象

原発関連のニュース------ロボット

2015年04月28日 10時21分53秒 | 日記

2015年4月28日(火)  原発関連ニュース--------ロボット

 

この所、原発関連で、

   ●ロボットによる事故原発内部の調査、

   ●再稼働についての裁判所の判断、

   ●原発反対を唱えるドローン騒動、

   ●千葉県での中間貯蔵施設の建設、 

   ●日本の2030年のエネルギーミックス、

   ●事故から29年経過したチェルノブイリ事故原発、

等のニュースが続いている。 以降、これらについて、適宜、取りあげていきたい。

 

●ロボットによる事故原発内部の調査

 福島第一原発の事故現場では、廃炉作業が遅々として進まず、その入り口の作業である、汚染水の処理や海中への流出防止策もあまり進んでいないように見える。

 こんな中で、廃炉作業を具体化するに当たって最も重要となるのが、原子炉内部の状況を詳しく調査・把握することだ。

先月、1号機、2号機について、原子炉の外から、宇宙線(μ粒子)を使った調査が行われ、核燃料が、圧力容器内の本来あるべき場所に無い状況を確認している。下記記事の最後の項でも、触れたところだ。

   最近の原発関連のニュースから  (2015/3/21)

 

 今度は、実際にロボットを使って、格納容器内に入って行う調査が試みられたようだ。

先日の4月10日に、1号機の格納容器に通じる配管から、細長い形状(ヘビ型)のロボットを入れて、内部の1階の足場(床)を移動して調査したようだ。(以下は、福島原発 最新情報 P.32 より)

   

   

      ロボットによる調査 概要図                             使われたヘビ型ロボット

  内部の床の状況 

 当初は、ロボットはうまく動き、カメラ撮影や温度・放射線量計測なども正常に行われたようだ。ロボットが内部を写した画像(上図)を見ると、落下物が散乱しているようだ。周囲温度は20.2℃と高く無いが、放射線量は、10.3Sv/hとあり、極めて強烈で、人体に被爆すれば、1時間で死亡するレベルという。

ロボットは、予定の2/3程進んだところで動かなくなり、走行不能となって、回収も断念したという。

 

 そして、引き続いて、15日に、同様の仕様の2台目のロボットを投入し、16日までに1台目とは逆回りで調査を行い、ほぼ予定通りに終わったようだ。そして、18日から、1台目が調査出来ていない範囲を調べようとしていたようだ。

2台目は、1台目が走行不能となった場所まで到達し、残されたケーブルなどの位置を確認。1台目がベルトがひっ掛って横転していることを確認(下図)。

     1台目が横転

でも、そこから戻る段階で、ロボットとともに投入された監視カメラが、放射線の影響で劣化して使用できなくなったようだ。  

そして、東京電力は20日、2台目の調査ロボットについても、「無理にロボットの回収を試みると、逆にリスクが大きいと判断した」として、回収を断念したと発表した。

 1号機では、原子炉の圧力容器が破損し、核燃料が格納容器の底に落ちていると想定されているが、そこの地下に下りる階段への入り口周辺には障害物は見あたらなかったようで、また、地下水が溜まっている様子も確認できたようだ。今後、東京電力は、これらに対応できる、更なるロボットの開発を進め、年度末までに、格納容器下部の調査を行いたいとしているという。

 

 一方、事故原発2号機の内部調査向けに、今回のロボットとは仕様の異なる、サソリ型ロボットの開発が進められていて、先日、工場内の擬似施設で、走行試験が行われたようだ。(福島第一原発2号機 サソリ型ロボット投入へ NHKニュース より)

  サソリ型ロボット

 このロボット、格納容器へは、細く狭い配管から入るのは同じだが、中では、本体中心部に通じるレールの上を走るようだ。サソリの尻尾の先に着いているカメラを持ち上げて、全体を写せる機能があるという。うまくいけば、格納容器下部に落下していると想定されている核燃料等の溶融物(燃料デブリ)を、確認出来る可能性があるようだ。

 2号機内の線量は、1号機(10Sv/h程度)と比べて、70Sv/hとべら棒で、ロボットの許容被爆線量は1000Svということから、累積調査時間が厳しくなるようだ。この夏にも、調査を行う予定という。

 

 ロボット大国と言われる日本だが、今回の原発事故で、放射線に強い分野での駒不足を露呈した形だ。遅ればせながら、現在、急ピッチで進められているロボットの開発と使用実績を通じて、この分野での技術・ノウハウが蓄積されることを期待したいところだ。

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恒例の牡丹寿司

2015年04月24日 22時30分13秒 | 日記

2015年4月24日(金) 恒例の牡丹寿司 

 

 先日だが、我が家のルーフバルコニーの鉢植えの牡丹が、今年も、見事に開花した。蕾が6個もついている、と思っていたら、どんどん大きく膨らんで、殆ど一斉に開花した。

   「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」

とは、古来、女性の美しい姿を形容した言葉である。 芍薬の蕾はまだ小さく、百合は新芽が勢いよく伸びた所だが、一足先の牡丹である。

   

 牡丹は、本来、花を愛でるものだが、可愛さ余って---ではないが、花を食すのである。  

この中の花2個を切りとって、恒例の、牡丹寿司作りである。

 花びらを薄塩でさっと茹でて、酢水に入れると、鮮やかな色のままだ。予め用意した酢飯を、オリーブの実と一緒にラップに載せて丸くし、その上に、この花びらを廻りに展げて行く。最後にラップを捻ると、丸い可愛い牡丹寿司が出来上がる。最後の仕上げは、指先が器用なワイフKの出番だ。

    

 食べて見ると、牡丹のほのかな香りがあり、ピクルスのオリーブの苦味もいい。

なんとこの作品を、奈良と宮城の知人宛てに、他の荷物と一緒に、宅配便で送ってあげたことだ。

 

 以前、ワイフKが、牡丹の花の食べ方を、知人から教えてもらったもので、以来、慣例のようになっている。当ブログにも、以下のように、投稿している。

     牡丹寿司         2010/5/01

     ふたたびの牡丹寿司 2011/5/01 

     今年も牡丹寿司    2012/5/01

     牡丹寿司の季節    2013/4/21 

 一般には、花は食べないものだが、例外的に、やや積極的に食べるのは、春先の、菜花、フキノトウ、ワサビの花、さくらの花、等だろうか。往時は、乾燥したユリの花を、食べたことがあるが、最近は、手に入らなくなったのは残念である。

 

 

 花が終わった、我が家の牡丹の株だが、御役目ご苦労さんと、今日、お礼肥をあげて、表舞台から定位置に戻したところである。又来年を楽しみにしよう。

 

 

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地球の地図と図法  4

2015年04月22日 10時49分17秒 | 日記

2015年4月22日(水)  地球の地図と図法  4

 

 地球の地図に関連して、これまで投稿した、以下の3件の記事で、

     地球の地図と図法  1  (2015/4/5)  

     地球の地図と図法  2  (2015/4/10)

     地球の地図と図法  3  (2015/4/16)

1では、地図の各種図法による世界地図やその用途について、2では、上空や宇宙から見た地球の姿の把握や、地球の出について、3では、地球儀に関する話題について、主に取り上げた。    

 4件目の続編である本稿は、地図データに関する先人である、伊能忠敬の話題である。 

 

○伊能忠敬の業績と生き様

 地図の話題で、忘れてはならないのが、昔、日本史でも習った、江戸時代後期の先駆者 伊能忠敬である。(伊能忠敬 - Wikipedia 等を参照)

  千葉県香取市佐原に、「伊能忠敬記念館」があり、数年前と昨年5月の2度、ここを訪れる機会があった。

記念館の入り口近くに、伊能忠敬と弟子達がまとめ上げたという、「大日本沿海輿地全図」(伊能図)(文政4年(1821年)完成)が、大きく掲示されていて、国土地理院による現代の日本地図と、対比してある。(下図は、ネット画像より)

 下図にあるように、両者を比べると、驚くほど一致しており、方位的なズレがある、北海道(蝦夷地)、東北北部や、九州等でも、形状はほぼ同じなのである。 精度は、1千万分の1(100kmで1cmの誤差!)程度という。

     

       伊能図                              対比:黄色 伊能図  緑色 現代図

 

 記念館には、測量に使われた各種機材も展示されている。 当時の測量法は、以下のようなものという。(伊能忠敬の測量 伊能忠敬の日本地図は第二の人生だった 等を参照)

測定点を決め、その間の長さと角度を測り、次に測定点を移動させて、又、長さと角度を測ると言う、下図のような方法だ。このやり方は、「導線法」(どうせんほう)と呼ばれるようだ。 導線法  

 長さの測定には、間縄や鉄鎖や量程車等の道具を使う他、訓練して歩数も使ったと言う。

北の方角と角度は、杖の先に付けた磁石の磁針で求めたという。

 

 このような、ローカルな作業を積み重ねて行くと、次第に誤差が増えて行くので、これを修正するために、遠くに見える山等を使った、「交会法」(こうかいほう)と言うやり方も使われた様だ。

 更に、地球上での現在位置(緯度)を知るために、可搬型の機材(中象限儀等)を使って北極星等を観測し、その方向と仰角から、割り出したようだ。 又、現在位置の経度は、日食、月食等が起こる時刻を観測し、それから求めたという。

 

 伊能忠敬が、家業から隠居したのが、数えで50歳の時で、その後、第二の人生として、一念発起して江戸に出て、かなり年下の幕府天文方の高橋至時(よしとき)に師事し、暦学・天文学を勉強、習得したようだ。当時の我が国の、これらの学門のレベルの高さに驚くのだが、基礎となる数学が発達していた事が背景にあっただろうか。 

 そして、実際の測量作業に従事したのは、55歳~73歳までという。当初は、独自に蝦夷地の測量等を行ったりし、次第に時の幕府にも認められ、第一次から、第十次まで、17年にも亘って、測量が行われた。 地図の名称にもあるように、内陸よりも沿岸部に、調査の重点が置かれている。

忠敬没後、3年経って、弟子達の手によって、漸く、伊能図は完成したと言う。    

      

  忠敬の、知的な側面は言うまでも無いが、年齢不相応の、足腰の丈夫さにも驚かされるとともに、諦めない意思の確かさや、全体を纏め上げる指導力等も見事なものである。

弟子の一人の 間宮 林蔵は、蝦夷地の調査を行い、そのデータは伊能図に多く使用されている。彼は、樺太(現 サハリン)の探検で、樺太が、大陸から離れた島であることを確認していて、終戦前の日本では、大陸との間の海峡名は、間宮海峡と呼ばれていた。

 

 

○二つの文化的な作品

 伊能忠敬に関して、近年作られた、2つの文化的な作品があるようだ。 

◇1つは、映画で、タイトルは、『伊能忠敬 -子午線の夢―』(平成13年 劇団俳優座記念作品)である。(伊能忠敬 子午線の夢|一般社団法人日本映画製作者連盟

主人公の生涯に亘る生き様を描いた映画のようで、筆者は、この映画を見る機会は無かったが、DVDも無いのは残念である。  

 

 これのサブタイトルが気になった。伊能忠敬は、地球の子午線の1度分の長さが幾らなのか、興味を持ち、地図の製作という公務と並行して、算出する事を意図していたようだ。そして、忠敬が、第二次、第三次の測量時(1800~1802頃)に求めた数値が、当時の尺貫法で、28.2町だったという。(1里=36町 1町=60間 等) 

 忠敬の時代より大分後の、1879年(明治11年)に、国際的にメートル法が採用されたが、これが、面白いことに、子午線の長さから決められたのである。忠敬自身も、国際的な、この様な動きを察知していたようだ。

 メートル法の基準となるメートル原器は、赤道と北極点間の子午線(90度分)の長さの、1/1000万を、1メートルと定めている。1000万m=1万kmだから、子午線全体(360度分)の長さは、これを4倍した、40000km ぴったりとなる。

 

 忠敬が求めた、28.2町という数値を、メートル法で表示して見ると、やや、不明確なのだが、110.85kmとなるようだ。(伊能忠敬が算出した子午線1度の長さ

これから、子午線全体では、1周360度だから、

   110.85m/度×360度=39906km

となる。

従って、忠敬の出した子午線1度の長さは、メートル法の規定の0.9977となり、少し短かっただろうか。

 

 余談だが、国際的に、当初は、物であるメートル原器で長さを表示していたが、その後、物理現象を使うように変わり、現在は、単位時間に、光波が進む距離を基準とするように変更になっているようだ。

 

 

◇もう1つは、故井上ひさし著「四千万歩の男 忠敬の生き方」(講談社文庫 全5巻 昭和52年)という、伝記風著作である。

アマゾンサイトにある、本書の紹介欄を、以下に引用させて貰う。(Amazon.co.jp: 四千万歩の男(一) (講談社文庫): 井上 ひさし: 本) 

“素晴らしきかな、忠敬的セカンドライフ。50歳で隠居するまでの忠敬は下総の名家の旦那。隠居と同時に本格的に星学暦学の勉強をはじめ、56歳から72歳までの17年間で3万5千キロ、約4千万歩を歩き尽くして、日本地図を完成させた。愚直にも思えるその精神が支えた、第二の人生を全うする平凡な覚悟は我々の生き方に大きな示唆を与える。”

作者は、高齢化に向かう時代の流れの中で、主人公の、「第二の人生を全うする平凡な覚悟」を強調したかったのかもしれない。

文庫本の各巻は、1000円程だが、まだ、読んだことは無い。

 

 上記にある、測量で全国を歩いた総距離と総歩数から、歩幅を逆算してみると、歩幅0.875mとなり、やや大股のように思える。

改めて調べたところ、忠敬の歩幅は、0.69mという、記録があるようだ。(よくある質問(Q&A) )

これを用いて、改めて歩数を計算すると、

    35000000/0.69 ≒ 約5070万歩

となる。

 井上ひさしは、如何にも作家らしい感覚で、歩いた距離から、ネームバリューを考えて、本のタイトルを「4千万歩の男」としたのだろうが、「五千万歩の男」でも良かったかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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地球の地図と図法  3

2015年04月16日 22時29分00秒 | 日記

2015年4月16日(木)  地球の地図と図法  3

 

 

  これまで、地球の地図に関連して投稿した記事、

      地球の地図と図法  1  (2015/4/5)

では、地図の各種図法による、世界地図やその用途について、

      地球の地図と図法  2  (2015/4/10)

では、上空や宇宙から見た地球の姿の把握や、地球の出についてとり上げた。    

本稿はこれらの続編であり、地球儀に関する話題である。 

 

 3次元の球状の地球の表面を、2次元の平面で表したものが地図だが、地図表現には、次元が少ない分だけ、基本的に無理がある。

このため、前稿まで触れたように、用途向きに、特定の正性質(方位、角度、形状、距離、面積等の正しさ)を確保した、各種図法による地図が工夫されてきている訳だ。

 これらの地図に対し、球状の地球の形を、3次元のまま小さくしたような地球儀は、方位、角度、形状、距離、面積等で、最も近似度が高く地球の姿を表していると言われる。  

 安土桃山時代など、往時を舞台にした大河ドラマでは、地球が丸いこともよく浸透しておらず、ましてや、空に飛び出す手段が無かった時代だけに、舶来品の地球儀を前にして、南蛮貿易の夢を語る織田信長などが良く出て来る。  

 

◇ 地球儀の製作現場

 何はともあれ、地球儀の製作現場を、覗かせてもらうこととすべく、ネットを探したら、恰好のサイトが見つかった。 地球儀が出来るまで>>あうん舎エンタープライズ で、下図は、このサイトから引用させて貰っている。

地球儀の完成品は、下図左で、下図右は作業風景である。

      

       完成した地球儀  球径32cm                    地球儀の地図の準備作業               

 この事例では、上図の様に、18片に分れた、地球の経度で20度毎に分れた地図を使っているようだ。

この地図を、球面上に貼りつける場合は、どうしても、接合面がズレたり、シワは不可避だが、これを極力押さえるノウハウが重要という。 

 

◇地球儀に貼る世界地図

 地球儀の土台となる球体を作ることも、重要な課題だが、本稿では、球体面上に貼りつける地図を、どうやって作るのか、を見てみる。

 

 地球儀に貼り付ける世界地図は、地球の中心に光源を想定し、三角帽子のように地球全体を取り込んだ円錐面に投射する投影法である、舟型多円錐図法で作るようだ。(地図投影法 / 投影法カタログ / 舟型多円錐図法 )

 

 円錐面に投影する円錐図法にも各種あり、緯度方向の距離が正確と言われるものに、正距円錐図法、正距多円錐図法、舟型多円錐図法等がある。これらでの、光源の位置、投影する円錐面の位置、単円錐と多円錐の違い、等については、筆者には、よく把握出来てはいない。

が、舟形多円錐図法の地図の作り方として、筆者が勝手に思っている方法は、次の様なものだ。

・まず、正距円錐図法で投影された下図の地図(地球全体を円錐面で覆う。光源は地球中心。36経線)(正距円錐図法 - Wikipedia より)を作る。

       正距円錐図法の世界地図

 

 そして、この地図の北半球部分を、地球の経度30度ごとの経線面で分けて12分割し、平面上に展開する。

・次に、地球の南北を逆にして、同様に円錐面に投影して、南半球部分の地図を作る。

・そして最後に、南北の地図を繋ぎ合わせると、下図のように、ぎざぎざの細長い地図の集合となる。

この地図は、天頂(極)に近づく程、地図の形がとんがった、紡錘形(舟型)になる。

   

                   舟型多円錐図法による世界地図 (12片) 

 紡錘形に分れたこのような地図は、平面上の世界地図としては、全く変な地図なのだが、球体表面に貼って地球儀にした途端、威力を発揮する図法と言えるだろうか。

 上述の製作現場でも、この図法で、経度20度毎に分けた18片の地図を使っているようだ。 

 上図の紡錘形(舟型)は、数学的にはどの様に表されるのだろうか。そして、この図法による地図を、球面上に貼りわせた後の、地球儀上での、方位、距離、形状、面積 等の正確さ(歪み)はどうなのだろうか。 興味は尽きないのだが、これらについては、機会をみて整理したい。

  

◇ 地図データの集積

 投影法で言う所の、地球の中心等に光源はある筈は無く、勿論、地球の周囲に、投影したものを映す平面も無い。これらは、あくまでも仮想上の仕掛けである。

 投影法を云々する前に、実際の地球表面の地形や都市の姿があるだけで、これらを表現した「地図データ」こそが、全ての基本ということだろう。 この地図データを収集・蓄積する、測量や観測などの手段が、前稿の、その2でも少し触れたように、時代と共に進歩・高度化し、地図の範囲も、全世界まで広がり、精度も向上してきていると言える。

 この地図データを、地図上に如何に表現するかが、投影法と地図の図法と言えるだろうか。これらについては、次稿以降で、改めて取り上げる予定である。

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地球の地図と図法  2

2015年04月10日 22時30分59秒 | 日記

2015年4月10日(金)  地球の地図と図法  2

 

 

 地球の地図に関連して、下記記事

      地球の地図と図法  1 (2015/4/5)

を投稿したが、本稿はその続編であり、上空や宇宙から見た地球の姿等を調べることとしたい。 

現代は、地球の姿を、地図上だけではなく、実際にも眺めることが出来る時代だ。 

 

◇航空機から見た地球

 通常利用する航空機からは、例えば、成田空港に入る前、房総半島の形がよく見える時がある。 航空機の高度は、1万2000m(12km)程度なので、見える範囲は限られる。

   房総半島九十九里海岸 (ネット画像より)

 地図の作成等では、上空からの航空写真がよく利用されている。 航空写真では、地上のどの位の範囲が写せるかネットで調べたところ、以下の記事を見つけたので、引用させてもらう。(H17 写真測量 より)

 画面距離15cm、画面の大きさ23×23cmの航空カメラで、上空から写せる地上の範囲は、飛行高度を3500mとし、海抜200mの地上を映すとすると、

       0.23m×(3500m-200m)/0.15m

     =0.23m×22000=5060m≒約5km

となる。

 勿論、航空機の高度が高くなる程、カメラの画面距離が長く、画面が大きくなる程、写せる範囲が広くなるのは、言うまでも無い。

 

◇宇宙ステーションから見た地球

 有人で飛行している、国際宇宙ステーション(ISS)からは、折りに触れて、クルーの活動状況や、地球の映像等が送られてくる時代である。

 ISSから地球を見た画像は、どの位の範囲をカバーできるのだろうか。

上記の航空写真と同様と仮定すると、地球と宇宙ステーション間の距離が、410km程だから、宇宙ステーションから写せる直下の地上の範囲は、地上は海抜200mと仮定して、

     0.23m×(410×1000―200)m/0.15m

    =0.23m×2738666=629893m≒630km

程で、東京と大阪間の距離位だろうか。

 下図は、宇宙のISSから見た地球の映像だが、雲に見え隠れする日本列島の形や、長靴形のイタリア半島とシシリー島の夜景が、はっきりと分るものもある。(ネット画像より)

   

       日本列島(中国、近畿、中部)                           イタリア半島

 

 又、地表を這うようにしながら、リング状に黄緑色に輝くオーロラを、ISSから捉えたTV映像を見た記憶は、今も鮮やかに残っている。

ネット画像の下図は、米国西海岸からカナダ上空のオーロラを、ISSから写しているようだ。

 

 

◇高高度の人工衛星から見た極地

 前稿のメルカトル図法の世界地図では、北極と、南極は、四角形の地図の上辺と下辺に、横一杯に広がっていた。

しかるに、他の図法、例えば、地球外の無限遠に光源を置いて投影する正射方位図法では、下図のように、極が一点に集中した、円形の地図となる。両極に関して、両図法は対照的である。 (ネット画像より) 

  

       北極域地図            南極域地図 

 これに対して、以前、アメリカで打ち上げられた、Polar衛星は、地球との距離が、1.15~5.7万kmの楕円軌道だったようで、この高度だと、両極は以下のように見えたようだ。

下図左の北極の画像は、一部加工している可能性があるが、氷の状況もよくわかる。一方、下図右の南極の画像は、南極大陸を取り巻いて輝くオーロラを捉えていて、図の左上に、オーストラリア大陸も見える。

上記の正射図法の地図では、最大で地球の半球分が入るが、ほぼ、それに近いだろうか。

   

       北極域映像                南極域映像 

 

◇月から見た地球

 また、1968年12月、月の地球周回軌道と同じ軌道に入った、米国の有人宇宙船アポロ8号から、下図の映像が送られて来た。

地球と月との間の平均距離は、38万4400kmと言われる、はるか彼方だ。

 この映像で、手前にある月面の向こうに、「月の出」ならぬ、「地球の出」を見た時の感動は忘れられない。まさに、宇宙空間の彼方から、地球儀でない、緑豊かな、本物の地球を見たのである。(地球の出 - Wikipedia より)

      月の出

 

 

 現代は、航空機だけでなく、人工衛星を使った観測で、地球の地図を作る時代である。

これらの、手持ちの膨大な量の各種画像を、活用・組み合わせて、「Google Earth」では、PC上で、手に取るようにして、地球全体を、調べたり、旅することが出来る。

 

 次稿で、地球儀に関する話題を取り上げる予定である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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