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ケイの読書日記

個人が書く書評

クリスティ作「死が最後にやってくる」を読んで

2005-10-08 21:19:44 | Weblog
大好きな本・読んだ本

 紀元前2000年のエジプトが舞台のミステリ。クリスティだから、それなりにドキドキしながら読めるが、しかし2000年前のエジプトがどんな様子か、服装とか化粧法とか家の造りとか、まったく想像できないので、情景が頭に浮かんでこず、正直言って読みづらい。

 トリックらしいトリックもほとんど出てこず、ちょっと物足りない気がする。

 ただ、この時代のエジプトの生死感はよくわかる。
 死んだらオシリスの神のもとに行って、そこで死後の生活をするらしい。死者の国での生活は生きていた時とそんなに変わりないみたい。
 生きていた時権勢のあった人は、死後の国でもいばっていられるようだ。
 だから、遊び道具や奴隷人形、香水、化粧品、宝石etcをたくさんお墓に入れる。死後の世界で困らないように。そういう考え方をするということは、死ぬのはあまり怖くないんじゃないだろうか。

 クリスティの2度目のだんな様が考古学者だったから、時代考証はちゃんとしてると思います。


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サラ・ダン「恋愛市場」を読んで

2005-10-04 16:51:14 | Weblog
大好きな本・読んだ本

 以前モナミさんが、このテーマサロンで紹介していて、とてもおもしろそうな本だったので読んでみました。
 「ブリジット・ジョーンズの日記」に似ているような、そうでないような。

 まじめな恋愛記事が売りのコラムニスト、32歳独身のアリソンが、同棲していた恋人に逃げられる所から、物語は始まります。

 ホームパーティが始まる直前にマスタードがないことに気がついたアリソンは恋人に買ってきてと頼む。恋人は快くOKし、お店に出掛ける。1時間後、彼は来客でいっぱいの家に電話をかけてきて「戻らない、他の娘を愛している」と告げ一方的に電話を切る。

 ええええ!?何コレ?!悲惨。悲劇を通り過ぎて喜劇だね。

 その後、いいなと思った上司には、問題外の扱いを受けるし、大嫌いな女に自分の仕事をとられ、失業するし……もうさんざん。

 その上、福音派キリスト教とか、精神分析とか、いろんな要素がつめこまれていて、ちょっと散漫な感じがする。「ブリジット・ジョーンズの日記」のように恋愛にしぼってくれると読みやすいんだけども。


 欧米社会では、パーティへもレストランへもお芝居へも、カップル単位で行動するのが基本らしいから、カップルにならなければ、という内外からの圧力がすごく強い。脅迫観念ともいえるほど。
コメント (1)
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