ケイの読書日記

個人が書く書評

「ミッシングワーカーの衝撃」 NHKスペシャル取材班

2021-11-12 13:06:36 | その他
 何も考えず、図書館の書架にあった本を借りただけだが、ビックリ!!! 私、このNHKスペシャル、テレビで見た事ある!
 「働くことをあきらめた100万人の中高年」というサブタイトルが付いている。失業者というのは、働くことを希望しているのに仕事をしていない人を指す。だから、働くことを諦め職を探していない人は、失業者にカウントされないんだ。
 今、深刻化しているのは、親の年金に依存して長期間の「ひきこもり」が可能になってしまった人々が、あまりに長く働くことから遠ざかっていたため、労働市場に戻れなくなっている事だ。

 最近ちょくちょくニュースになっている「親の遺体を放置したまま同居している子ども」の事件は、そのケースに当てはまるんじゃないかな。積極的に親に危害を加えたわけじゃない。年を取って衰弱して布団の中で冷たくなっている親を見つけ、大変だ!! 誰かに知らせなくちゃ!と思ったとしても、親戚や近所と疎遠なので、知らせる事ができない。それに、知らせてしまったら親の年金がストップして、自分が生活できなくなる!という怖れが、親の遺体を放置させていると思う。

 テレビを見ている時、取材を受けているミッシングワーカー(消えた労働者)の人たちが、あまりにも普通な、いや優秀な人たちだから驚いた。でも、本当に心身ともペチャンコになっている人は、取材など受けないだろう。取材を受けた人は「今はこんなヒドイ状況だけど、良い時もあったんだ。オレ・私の事を忘れるな」と言っているような気がする。

 ある男の人は、大学卒業後、電池メーカーの正社員として働き始める。そこでなんと!!マラソン同好会に入り、大会に出場し、記録を目指すようになる。175cmとスラッとしているから、女の子にモテたんじゃないだろうか? しかし、家業の布団屋を継ぐため会社を辞め、親と同居しだすと、少しずつ歯車が狂いだし…
 どうして親は息子に会社を辞めさせたんだろう。個人の布団屋なんて、先がない事わかってるはずなのに。

 また別の女の人は、今は派遣社員としてあちこち職場を転々としているが、若い頃は海外留学して外資系の証券会社で働いていた。バブル全盛のころ。当時は月収が40万円以上の事もあったらしい。すごいなぁ!
 彼女の生活が劇的に変わったのは、派遣の仕事が45歳で契約更新されなかった時。女性は、年齢が上がるにつれ非正規の職が、男性以上に見つかりにくくなるらしい。怖いねぇ。
 しかし海外留学までした人だもの。本当に何かいい仕事はないんだろうか?
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