ケイの読書日記

個人が書く書評

益田ミリ 「銀座缶詰」

2015-07-18 21:56:24 | Weblog
 WEBマガジン幻冬舎の連載エッセイと、月1回の朝日新聞での連載エッセイ(2010~2012年)まとめたもの。

 10年以上前、私が読んでいる新聞に、益田ミリさんの川柳コミックエッセイが連載されていて、楽しみに読んでいた。でも、こんなに売れっ子になるとは思わなかったなぁ。映画化された『すーちゃん』が代表作だけど、作者と同世代の女性の心をキチンと表現していて、人気が出るのもうなずける。

 益田ミリさんが、このエッセイを書いたのは、42歳~44歳くらいの頃。本当に毎日がすごく楽しそう。CAFEで仕事の打ち合わせの後、ぶらぶらウインドウショッピングを楽しんだり、友人と会食の後、ボーリングや卓球やカラオケで明け方まで遊んだり、人生を楽しんでいる。
(人生を楽しむというと、デフォルトしたギリシャの人たちを思い出すね。「人生を楽しむ」のは借金返してからにしてください)

 考えてみれば、こういった経済力のある女性の場合、40歳代が一番楽しめる年代なのかもしれない。 
 自分自身は、まだ健康に自信があり、親もまだまだ介護が必要なほどではない。20代や30代の時は、結婚は?出産は?と人に言われたり、自分で考えたこともあったが、40代に突入すると、もう気にならなくなる。 
 仕事が順調なら、お金もある。だいたい子どもがいないなら教育費がかからないので、経済的にも余裕がある。
 友人、知人も同じような立場の人なので、旅行に行く時もすぐに集まる、などなどメリット一杯。


 本の題名にもなった『銀座缶詰』とは、銀座の空気の缶詰ではありません。(高原の空気の缶詰って本当にあるみたいよ)
 やりかけの仕事を一気に片付けようと、銀座のホテルでカンヅメになって来たらしい。自費で! 自費の場合、カンヅメというのかどうか、ちょっと疑問。
 昭和的感覚で言うと、出版社がホテルを用意し、人気作家に他の社の仕事をさせず、締め切り間際の自社の原稿を書いてもらう事を指すのだと思う。
 そういえば、群ようこの昔のエッセイに、そんなのがあったなぁ。

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