本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

次郎長映画

2006-08-29 09:59:28 | Weblog
 3、2、2、5、9、3、6、2、8、3、3、9、6、5、5、4
 上の数字は、昭和25年から40年までの『清水の次郎長』の年間映画本数の推移であるそうだ。その多さに驚きですねぇ。特に昭和29年と昭和36年の9本、昭和33年の8本は凄まじい。渡世人、いや義理人情とチャンバラが絡むと興行成績が良かったのでしょうね。
 
 その当時の股旅映画で名高い主人公は、『瞼の母』の馬場(ばんば)の忠太郎、『一本刀土俵入り』の駒形茂兵衛、沓掛時次郎、関本の弥太郎(関の弥太っぺ)、国定忠治ですかねぇ。木枯らし紋次郎はまだ先の話ですな。実在は次郎長と忠治、忠治は嘉永3年に処刑されたが、次郎長は明治26年に73歳で天寿を全うした。
 
 閑話休題 その後、次郎長映画は衰えていく。幕末が舞台の映画なら新撰組や勤皇の志士の人物に取って代わったのだろうと推測しているが、そりゃ無理だ。次郎長も確かに幕末を走り抜けたが、誰も幕末が背景と思っていないでしょうよ。それに渡世稼業の荒神山の出入りは、新撰組の池田屋、近江屋の出入りとは異質ですわ。 
 次郎長人気は、取り巻く子分の大政、小政、森の石松、吉良の仁吉、敵役の黒駒の勝蔵なんぞの人物のキャラクターが面白いのが大きい。それは広沢虎造の功績ですな。浪曲を唸ってあまねく広めた。やはり日本人の好きな『忠臣蔵』と同じで、ストーリを彩る人物群が活き活きしている。それに清水の土地柄、富士山とお茶。これが良いのでしょう。

 話は飛ぶけど、お茶で思い出したが、茶畑付近にある交通安全の看板。「ここは茶どころ、無茶するな」
 滅茶苦茶な運転はいけませんな。