法人著作の権利
ある上場会社のシステム部門にいた人たちがスピンアウトしてソフトウェア会社を立ち上げ、会社時代に作ったアプリケーションソフトを再び製作した。これを商売にしたところ元の会社から販売差し止め請求の訴訟を起こされた。
会社の言い分は、このソフトは法人著作の権利だから無断製作、無断利用は侵害であると主張した。
これに対し訴えられた側は、そもそもそのソフトは自分たちの知恵と労力で作ったものだし、コピーしたのではなく新たに作ったものだが法人著作ではないと反論した。
結果は会社側に軍配が上がった。
細かいことは省略しますが、書き添えたいことが1つある。訴訟当時の著作権法には、法人著作は「公表されたの」という条件があった。プログラム(ソフト)に関する規定がなかったのだ。これも論争のタネになった。
言うまでもないが、社内用のソフトは経済的価値があっても、公表するつもりはないものだ。
それで、現行法では公表について「プログラムの著作物を除く」となっている。別段、公表しなしても法的権利はあるわけ。