短編のミステリーの話、ところどころ引用する。
男は服を着ているところだと言いながら「しわくちゃのベッドの横で半分服を着た状態、右足はズボンのなかで、左足は外という姿だった」
この男の様子を見て、探偵は男が犯人であるとわかった。
探偵のコメントはこうだ。「右利きの人はズボンを脱ぐときには、例外もあるがたいてい右足から脱ぐ。しかし、ズボンをはくときは絶対に左足からはくものだ」
男は犯行のため服を着ていた。それで(今まで寝ていた)ベッドから起き上がって服を着ているフリをしたのだ。
ところがズボンの状態は、右足はズボンに入ったままで左足は外にあるのだから、その動作はくところではなく脱いでいるところというわけ。
犯人のことはともかく、右利きの人のズボンの着脱はほんとうにこのとおりなのか。意識してみると、私はズボンをはくときも脱ぐときも左足からだ。
この短編、目の付け所がよい。
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