司馬遼太郎限の小説は相当読んでいるつもりだが、江藤新平を題材にした『歳月』にとんと縁がなかった。それを古書店で買ってきた。文庫本ながら700ページもある。
まだ半分も進んでいないが、江藤は国家予算について言及している場面がある。明治2年のことだ。
国家の収入原資となるのは、大名の数265藩の石高の総数918万石、それに旧天領の47万石と3府(東京、京都、大阪)が4万石が基礎だった。
この1石を5両として計算すると55百万両、ただし、ここから既得権の旧大名等への支出は約27万両になる。となれば残りの約28百万両が国家の予算だ。これでは国はつぶれると江藤は思ったとある。だから大名を根こそぎ取り払う廃藩置県の断行をするとなるようだ。
後年、江藤は佐賀の乱で悲劇的な死を迎えたが、それはそれとして、国の基礎的財政に気配りしていたようだ。
ところで、令和5年国の予算は114兆円強、足りない分は国債に依存するわけだが、その国債の累計残は1068兆円。プライマリーバランスを叫ばれてから何年にもなる。
手始めに国会議員の定数と歳費の大幅削減を断行する現代の江藤新平はいないものか。
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