本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

辞世の句

2021-09-14 08:35:53 | Weblog
 吉田松陰の辞世の句に「身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬともとどめおかまし大和魂」とある。また「親思う心にまさる親心けふのおとずれ何ときくらん」と詠んだ辞世もある。
 辞世の句はひとつと思うのだが、前句は弟子たちに、あとの句は親に残したとものの本にあった。
 
 高校生のとき、試験の答案用紙の余白にあとの句を書いた。何の教科のテストだったか覚えていない。問題が解けず切ない心境で書いたつもりはなかった。教師もだからなんだということだったか。何のコメントもなかった。

 辞世の句といえば「おもひ置くまぐろの刺身はつかつをふつくらぼぼにどぶろくの味」と詠った御仁がいた。その御仁は江戸から明治にかけての侠客新門辰五郎である。

 いや、「思ひおく まぐろの刺身 鰒汁ふっくりぼぼに どぶろくの味」と詠んだとう説もある。初カツオかふぐちりかの違いだけだ。どっちでもいい。

  最初、読点がないからどこが区切りかはっきりしなかった。「ふっくらぼぼ」とわかった。「ぼぼ」とは「女陰」(この言葉も古いか)のこと。関東以北ではほとんどなじみのない言葉だ。関西以西、特に九州ではポピュラーな言葉らしい。ただ、九州に転居してきたが、猥談をする相手がいるでもなくポピュラーに聞いたことがない。

 辰五郎の娘は徳川慶喜の側室になったとか。ふっくら「ぼぼ」は最後の将軍のお手付きになったか。辰五郎はこの月の19日が祥月命日とあった。