本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

貝と介

2009-02-25 09:28:15 | Weblog
「貝」の文字はうず巻に盛り上がった巻貝を指す象形文字なので、サザエやタニシは「貝」だが、アサリやハマグリは巻貝ではなく二枚貝だからこの「貝」に属さない、とある本にあった。
 しからば、二枚貝はどんな字で表すかといえば「介」という。この文字は二枚の間に何かが挟まれた様を表す象形文字とある。確かに「介」の字は二枚貝っぽい。魚屋ではサザエよりアサリやハマグリが多い。だから「魚貝類」ではなく「魚介類」なのか。

 しかし、漢和辞典には「貝」は「水中に住む殻を有する軟体動物の総称」とある。当り前ながら二枚貝もやはり「貝」であって、そんな厳密な区別はない。

 ついでに「介」を引くと、字義のひとつに甲羅がある。となれば、「介」はエビ、カニの類いではないか。「魚介類」とは魚とエビやカニの甲殻類と考えられる。
 なお、この辞典に「介」はよろいの中に入った人の象形文字で、よろい、なかだちの意味とある。それで、よろいは甲羅で、なかだちは介護や仲介となるわけだ。
 
 さて、「介」は「二枚の間に挟まれた何か」と「よろいの中に入った人」という二つの解釈があることになる。どちらに軍配が上がるか。このままでは、二枚貝か甲殻類か判然としない。