四方源太郎日記(京都府議会議員・綾部市選挙区)

これからの綾部のために、さらなる「挑戦」を!

山田知事からの最後の答弁

2018年02月13日 | 京都府議会

 2月13日に行った一般質問について、山田知事の答弁は次のようなものでした。これが山田知事に答弁していただく最後のものになりました。

【山田知事の答弁】
 四方議員のご質問にお答えいたします。
 北部産業創造センターについてでありますけれども、このセンターは、これまで北部産業技術支援センター・綾部が担ってきた従来の機器貸付ですとか、技術相談などにとどまらずに、産学公連携による支援機能を大幅に能力アップするかたちで、新事業の展開ですとか、産業人材の育成等の推進を目指す、総合的産業支援拠点となるものであります。

 北部はもともと企業の集積もありますし、様々な資源にも恵まれています。また、京都舞鶴港など、アクセスにも大変長所があるわけでありますけれども、それを活かす技術拠点は、特に人材育成に課題があっただけに、こうした総合的産業育成拠点の期待が高い、と思います。

 特に北部ならではの新産業が、これから芽を出していくためには、大学の研究者や学生、綾部や長田野などの工業団地、中小企業の技術者等が自由にアイデア等をぶつけ合うコワーキング機能や研究開発プロジェクトを牽引する高度な産業人材を育成する機能を新たに備えることが、本当に一番喫緊の課題だと思っています。

 これにより、北部企業の技術力と、そして、北部企業以外の技術力が融合することによって、新しいビジネスを生み出していけたら、と考えております。例えば、北部地域が得意とするのは、材料や分析関連の技術であります。これに対して、ロボット関連技術や、デザインなどの産学公の強みを生かし、いろいろ素材がありますので、骨折の接合治療に用いる固定材を、体内で溶解吸収されるような素材を開発していくことや、AIを搭載した自律制御型ドローンによる、インフラの自動点検技術を開発すること、IoT技術を活用した工作機械の自動化、無人対応や加工精度の高度化など、スマート工場を作っていくことなど、未来を見据えた次世代ものづくりプロジェクトを、これから北部で進めていけたら、と考えているところであります。

 そういう中で、小中高生への情報処理教育についてでありますけれども、IoT・AI時代を迎える中で、将来の先端産業を担う産業人材を育成していく観点からは、子どもの頃から、そうした発想に慣れていくことが必要であります。それとともに、地元産業に親しむことが、将来の北部に定着してもらえることにも繋がるのではないかと思っておりまして、今回の拠点は、子ども達に新しい発想を教えていく場としても、格好の場となるのではないかと考えています。

 このため、綾部市をはじめ、地元教育機関や綾部工業団地振興センターなど関係機関と連携の上、子ども向けのプログラミング教室や、研究者・技術者と子ども達が一緒にものづくりの夢を語るようなワークショップを開催する。これで双方刺激を受けるんじゃないか、と思っております。こうしたことに取り組むなど、子ども達が、北部でこれからものづくりをしていこうじゃないか、そしてそのために何をしていけばいいのか、ということを学べる場にしていけたら、と思っています。

 これからイノベーションや新たな価値創造、全て人の交流で出てくるものではかと思っておりまして、そのためにも北部産業創造センターが、あらゆる年代、あらゆる技術者、あらゆる企業の交流の場となるように、全力で取り組んでいきたいと考えているところでございます。

 その他のご質問につきましては、関係理事者から答弁させていただきます。


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北産業創造センター、北部人事を府議会で質問

2018年02月13日 | 京都府議会

 13日(火)府議会・一般質問の初日2番目に登壇し、質問を行った。

 「北部産業創造センターについて」「南北格差解消に関する北部人事について」という二つのテーマ知事並びに理事者に質問した。

 

 少し長いですが、質問原稿を掲載します。興味のある方があれば、ご覧ください。

 1週間後くらいには、府議会HPからインターネット録画もご覧いただけるようになりますので、答弁や答弁後の発言などもご覧いただけます。

【質問原稿】

 自民党議員団の四方源太郎です。よろしくお願いいたします。

 まずはもうすぐ完成予定の(仮称)北部産業創造センターについてお伺いします。同センターは『ものづくり』をコンセプトに新たな交流と産業創出を目指すための拠点として、4つの機能、①ビジネス交流の「場」の提供、②事業化の促進、③ものづくりの競争力創出、④産業人材の育成を備え、京都府、綾部市、グンゼ、京都工芸繊維大学が共同で整備するもので、現在ほぼ工事が完成しており、来年度早々にはオープンされる予定だと聞いております。

 形ができると次は中身がどう充実されるのかということが気になります。このセンター創設が北部の産業振興にとって、どういう新しい価値を産み出すのか、さらに、ここから創造される具体的な事業についてお聞かせください。

 また、これからの産業創造を担う人材として、私は小学生、中学生、高校生といった未成年に注目しています。

 私は昭和49年、1974年の生まれですので、Windows95が世の中に登場した時、すでに二十歳を超えていました。社会人になって入社した会社に初めてWindowsのパソコンが一台導入され、「一番若いからそれを使え」と言われて、ワードで文書を作ったり、エクセルで名簿管理を始めた、それくらいのものです。インターネットを使い始めたというのは、まだまだそのだいぶ後のことです。

 しかし、今の子ども達は生まれた時からすでにパソコンが身の回りにあり、iPadやスマホも幼いころから当たり前のように触っています。いわゆるデジタルネイティブの世代です。

 iPadが登場した時、私はすぐにこれを買いました。そして壊されても構わないという気持ちで、当時、幼稚園児だった息子や2歳の娘にも触らせましたが、2歳でもそれを使って、好きな動画を見つけ出すことができるのに感心しました。こういう時代になったし、こういう子ども達がこれからの時代を切り拓いていくのだろうと実感しました。

 文部科学省も昨年3月に告示された新学習指導要領の中で「プログラミング教育を含んだ情報活用能力の重視」を掲げています。小学校からプログラミング学習が行われるようになり、中学・高校では、アルゴリズム、プログラミング等を活用した論理的思考力を系統的に高めていくことが求められるようになります。

 政府は第4次産業革命、ソサエティ5.0という社会変革を促そうとしており、AI、ビッグデータ、ドローン、自動運転技術などを活用して、私たちの生活や社会を革新し、新しい価値を創造して、日本人に新しい仕事を産み出していく、そんな動きを強力に推し進めています。

 その担い手を育成するべく、学校の教員にもプログラミング能力の向上が求められていますが、小・中学校は言うまでもなく、高等学校でも、「情報」の免許を持っている教員が指導するとはいうものの、多くの教員は高度なプログラミング能力を持っていないという現状であると聞いております。そのため、私は北部産業創造センターがそのための人材育成の場になっていくべきではないか?大人ばかりが寄り集まって、固い頭を寄せ合って考えるのではなく、大人と子どもが一緒に学び合ったり、大人が子どもの発想力や想像力を活用することで、新しい価値が生み出せるのではないか?と思っています。

 大阪でIT企業を経営している私の友人が、数年前から綾部市内で子ども向けのITワークショップを展開してくれています。昨年は月1回ずつ計6回、半年にわたって、毎月、水源の里・奥上林の「古屋」の公会堂を会場として、センサーやドローンなどの技術を学びながら、それを活用した鳥獣害対策を考える講座を開設してくれていました。私も1回だけ、様子を見に行かせていただいたのですが、その日はHTMLを使ったホームページの作成方法についての講義が大阪のプログラマーの指導で行われていました。参加者は大阪市内の小学生、中学生、高校生、綾部市内の高校生、府南部の和束町の高校生、京都工芸繊維大学の大学生、他にも舞鶴工専の先生や女性猟師、ミニコミ編集者や定年退職者など、子どもと大人、専門家と素人が一緒になって学んでおられました。

 なぜ和束町から?と思ったので聞いてみると、和束町ではITを学ぶ場がないので、この講座を受講するために、朝一番の電車で綾部まで通ってきているとのことでした。

 このような場が北部産業創造センターで毎日のように展開され、日本のイノベーションを担う人材がどんどん産み出されるようなそんな場にしてほしいと思っていますが、北部産業創造センターを活用した小中高生への情報処理教育や大人と子どものビジネス交流について、どのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせください。

 

 次に南北格差解消に関して、「北部人事」について質問します。

 私は約1年前、平成29年3月9日の府議会予算特別委員会・政策企画部の書面審査で、初めて「北部人事」という言葉を挙げて質問を行いました。当時の中丹広域振興局長に「北部での人事はやりにくくないですか?」と質問しましたら、こういう答弁をいただきました。

 「北部での人事というのは非常に大変でして、北部へ配置するのはすごく難しいんですね。やっぱり京都市内から送らなければいけない。あるいは、亀岡市に住んでいれば、もう北部は当然だ、みたいなところがあって、そういうので何とか回していた。職員にもどうしても生活があるので、今は独り者の新採をどんどん北部へ回している。北部で回っている事務の人、これは観音峠が大きな壁になっていて、それよりも南へ行けない、南からもなかなか来ないという現状があって、どうしても人事の時期になると新規採用職員の十何枠ぐらいはもらわないと、どうしても回らない」という答弁でした。こういう現実があるのだということがよく分かる素晴らしい答弁でした。

 山内副知事からも、この翌日の知事直轄組織の書面審査でこういう答弁がありました。

 「技術者の人事なんかでは、一度北部に行ってこないと次のステップには行かないよという、おおむねの対応はもうできているんではないかと思います。特に、病院関係もそういうことになっていまして、北部の病院に行ってこないとこちらの本院には戻さない。あるいは、次のステップを踏まさないという、そういったシステムをきちっとやって全体的な行政が展開できるようにとさせていただいているわけでありますけれども、そういったことを組織としても考えていかないといかんと思います。ただ難しいのは、家庭を持ったとき以降の話ですね。いわゆる住むスペースをどう確保していくのか、そういった住宅対策と、あとは教育環境の整備もきちっと整えていかないと、円滑な人事というのはなかなか難しいところがあるのかなという気もします」

 私の質問の後で舞鶴市選出の池田正義議員も同様の質問をされ、それに対しては「例えば、北部経験者を優先的に国の研修に出すとか、そうすると国の研修から帰ってくると箔がつき、その後の公務員人生における評価が高まりますので、そういったシステムをきちっとつくり上げること、そしていろいろな経験をさせることによって、将来の京都府政全体の行政展開を担えるだけの力をつけさせるといったことの人材育成というのもあり得るのかなという気がします」という答弁がありました。

 北部勤務は住宅環境や子どもの教育という点で京都市内とは格差があるということ、それに対しては昇進のシステムの中に北部勤務を位置づける必要があるのではないかというお答えでありました。

 さらに昨年秋の決算特別委員会で、現在の中丹と丹後の振興局長お二人に、同じことでさらに質問をさせていただきました。

 中丹の野村局長は「中丹でも副課長以外は新採3年目以内とかで、業務の運営に苦労しています。以前、企画総務部長で中丹にいたときに人を確保したいと思って、丹後と一緒に職員に対してこういう業務があるから異動しませんか?という提案をしたことがあるのですが、丹後から中丹に1人異動希望があっただけで、南部からの異動希望はありませんでした」とおっしゃり、丹後の西村局長は「丹後は中丹よりもっと状況が悪く、50代数人とあとは1年目2年目3年目の職員ばかりが所属に多いという状況。この間、職員の採用も増えてきたので、2巡目、3巡目の人、それから丹後で育てた人をもう一回丹後に戻してもらえるような仕組み、制度作りにしてほしい、と言ってます。副知事のおっしゃるようにインセンティブをつけてもらうとか、丹後の魅力を中丹も含めてPRしていけるようにしたい」と答弁されました。

 私は府議になってから一貫して、南北格差の解消、府域の均衡ある発展を実現するために活動しておりますが、振興局長さん方が実態を率直に語っていただいたことによって、南北格差解消のための大きなヒントは、この「北部人事」にあると分かりました。

 もちろん、本庁の部長さん、課長さん方にも北部出身の方はたくさんいらっしゃいますが、今でも北部に住んで府庁に通っておられるという方は、ほぼないように思うんですね。

 なぜそうなるのかというと、やはり府の権限や予算が本庁に集中しており、どうしても人も本庁に集められるし、そこでの仕事が忙しいんで、もともと北部に住んでいても、京都市内や南部に引っ越さないことには、府職員としてやっていけないという実態があると思います。

 また、交通の便の悪さという根本的な問題もあります。京都市内在住の方が東舞鶴の中丹広域振興局に勤めるとなると電車通勤ができません。京都駅を一番早い特急で出ても東舞鶴駅に着くのが9時20分くらいになります。8時半に間に合うように行こうと思うと、朝5時半くらいに京都駅を普通電車で出なくてはならず、実際にこれで通勤するのは難しいですし、丹後となればこれはほぼ不可能です。

 京都府の職員を自ら希望し、採用されたのならば、府内のどこの勤務地にも進んで行ってもらうということは当たり前のことだと思います。しかし、それを難しくしている様々な要因があるのだとすれば、それを改善する努力を知事には府政課題の中心に据えて取り組んでいただきたいと願っています。

 以前から提案もしておりますが、府庁の機能移転などの府の組織改革をもっと積極的に進め、北部でもある程度の決裁ができる、予算もある、また北部で経験を積めば、役職を上がる際の重要なステップとなるというような組織的な仕組みを創ることが、こういった北部における人事の問題を解決することにもつながり、南北格差の解消にもつながっていくものだと確信いたします。

 また、北部での勤務は京都府職員の皆さんの視野を広げ、経験や能力を向上させることにもなると考えます。この際、振興局を再編して、北部担当副知事が常駐する北部府庁を創設し、その下に各部の副部長クラスが配属され、予算と人員を持って北部政策を担当し、その経験を踏まえて次は本庁に戻って部長に昇進するというような組織改革がなされるべきではないかと考えます。お考えをお聞かせください。


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