トラッシュボックス

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新聞が環境にできること

2008-01-08 23:36:22 | マスコミ
 先月のことだが、『産経新聞』紙上で公文俊平の文章を読んでいて、驚いた。


《日本人は近年、1人あたり世界平均の5倍、年間250キロ近くもの紙を消費するようになったが、その2割ほどが新聞紙だ。そのさらに2割ほどが、いわゆる宅配の「押し紙」であって、消費者の手元に届くことなしにリサイクルにまわされている。これほど大量の紙の消費、いや浪費を、いつまでも続けていくわけにはいかないだろう。》


 これは本当だろうか。本当だとしたら、恐るべき事態だ。

 リサイクルしているとしても、回収や輸送にも、またリサイクルのための設備を稼働させるのにも、石油が使われている。
 紙の使用量を抑えることこそが、環境への負荷を軽減する。

 私が新聞を読むようになったころ、朝刊は24ページが基本だったように記憶している。
 今、我が家でとっている『朝日新聞』は、34ページ前後。
 それに広告のチラシも合わせると、毎日膨大な量の紙が配達されてくる。そのほとんどが紙ゴミとなるわけだ。
 最近は若い人に新聞をとらない人が増えていると聞くが、そうした生活の方がむしろ環境に優しいと言えそうだ。

 新聞はよく環境問題を報じるが、自らの環境負荷については、どこまで問題意識を持っているのだろうか。
 1月3日の朝日の社説は「技術の底力で変身しよう―脱温暖化の決意」(ウェブ魚拓)と題して、技術革新の加速による地球温暖化防止を唱えている。
 それはそれで結構だが、新聞は新聞でもっとできることがあるのではないか。

 社説は言う。


《暮らしの中に省エネルギー商品を広めるには、トップランナー制度がある。

 この制度では、政府がメーカーに対して製品ごとに省エネの基準を期限を区切って課し、最も優れていた製品の性能を、次の期限には全メーカーに義務づける。達成できないとペナルティーもある。基準を大きく上回れば税金を減らしてもらえる品目もある。

 日本の自動車業界は、ガソリン乗用車の燃費を10年間で2割以上改善した。このこともあり、国内のCO2排出量で運輸部門はこの10年間、ほぼ横ばいだ。

 この制度は、エアコンや冷蔵庫にも適用され、効果を上げている。》


 新聞にもこの制度を導入してはどうだろうか。

 マジメな話、朝刊34ページ、夕刊14ページの新聞と、ほぼ同じ分量の広告が毎日届くというのは、普通の家庭では、紙ゴミ処理の負担感がかなり大きいと思う。
 文字を大きくしたりカラー写真を増やしたりするだけでなく、紙の分量を減らすことも、立派な読者サービスだと思うのだが、そんな新聞は現れないものだろうか。



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