徒然なるまま”僕の趣味と遊ぶ”

タイガース、水彩画、鉄道などの、僕の気ままな”独り言”

トラ、恥ずかしい試合は、今夜も・・・・

2013年08月14日 21時27分00秒 | 野球・タイガース

昨日、マエケンに完投され、今日は大竹に、翻弄されました。

恥ずかしいと思えと言った監督は、どうやら2試合、情けない負け試合を、監督自身が、さぞかし恥ずかしい思いをしていると思うのですが・・・・

もっとも、今日の先発 岩田が初回(5失点)から試合を潰してしまったのですが、せめて、その後追いかける姿勢を示して欲しかったのですが・・・・
新井は、2度、ランナーを置いてはゲッツー、ランナーがいないと2ベース・・・これも野球なのでしょうか・・・

本当に強いチームは、初回の5点をひっくり返す程の闘志をぶっつけるのですが、その片鱗も見えません。


監督を始め、どの選手も元気がありません。
余りにも淡白で、あきらめが早過ぎます。
勝利への執念と言うものが、ひとかけらも見えないのは、無気力な職場放棄ではないでしょうか・・・

岩田は、立ち上がりが悪いと言っても、余りにも無残な出来でした。
2点までは、立ち上がりが悪いなア で済むのですが、2アウトから四球を出し満塁とし、石原に2点タイムリー、おまけにピッチャーの大竹にもタイムリーを打たれたのでは、立ち上がりが悪いと言う段階ではありません。

その岩田をズルズルと5回まで投げさせ、追加点まで取られ、流れを変えようとか、勝とうとか言う気持ちが伝わりません。

これで岩田は2軍落ちと思うのですが、もし残すようなことでは、他の選手の示しがつきません。
もっと早い回に、懲罰的な処置をとるべきですが・・・・

表面に闘志をむき出しにして、士気を上げようとしたのが、マートンです。
勿論、暴言は、いけないことですが、昨日からのわだかまりがあったのでしょう。

今日の試合で一番、観客が湧いたのがマートンの退場と言うのは、余りにも皮肉な出来事でした。

監督を始め、選手一同は、恥を知れ・・・と言いたいです。

広島とDeNAは、3位狙いに来ています。
標的はトラに照準を合わせていることを、肝に銘じるべきです。


トラ、マエケンに勝てず、9回2死から坂のホームランも、遅し・・・

2013年08月13日 21時41分00秒 | 野球・タイガース

今年、マエケンとの対決は、6度目で1勝3敗、防御率 0.25と1試合1点も入れられません。
過去5試合でトラの得点は、鳥谷のホームランの1点のみ。

6試合目で、今日の坂のホームランで2点目。

6試合も、同じ投手から、連打もタイムリーも打てないとなると、尋常ではありません。
チームとしての工夫、対策、などが皆無に等しいと言われても仕方がありません。

それも他球団は、そこそこ打っているのですから・・・
マエケンの通算は9勝5敗、防御率 2,35ですから、如何にトラが打てないかが分かります。
それも、パ・リーグには、交流戦2勝3敗と負けが先行しています。

トラは、余りにもマエケン恐怖症に陥っているのではないでしょうか?
トラは、マエケンだけではなく、ヤクルトの藤井にも4敗しており、苦手意識が強過ぎ、同じ投手に同じように負けるのは、トラには、工夫もなければ勝とうという執念に欠け、試合する前から負けているのではないでしょうか・・・・

 
 


初回、メッセンジャーは、2つの三振をとり幸先が良いと思われたのですが、丸にセンターにホームランを打たれ、ここでトラの戦意が消滅したかのようです。

その後、メッセンジャーは孤軍奮闘しますが、救援がなく、7回に疲れが出たのか3安打を集められ1点を入れられ2点差。
メッセンジャーは8回 128球 6被安打 12奪三振 無四球、2失点と好投したのですが・・・・

その裏、トラも反撃に出て、1死3塁で福留が代打で出ますが、サードフアールフライ、続く代打桧山は三振と空回りに終わります。

  
   明日からは、先発メンバーにも工夫が欲しい・・・ 9回 2死から坂の1号が出て完封を免れる

このまま、マエケンは完封するかと思われたのですが、坂がびっくりホームランで辛うじて完封を免れました。

試合後、和田監督が、同じ相手に同じように負けるのは、恥ずかしいと思わないと・・・
一体、誰に言った言葉なのでしょうか。 これではまるで人ごとです。
恥ずかしいと思うのは監督自身で、コメントも出来る状態ではないのですが・・・・

それにしても、なぜ、マエケンはトラとの対決が多いのでしょうか?
勿論、ローテンションや日程に問題あるのが、このように同じような対決になるのです。
ところが、うがった見方をすれば、マエケンも個人事業主だから・・・・と言った評論家がいたそうですが・・・

それよりも何よりも、何回当たろうと勝てば、そんなことを詮索されることもないのですが・・・・
優勝を狙おうというチームが、苦手のチームや投手が居ること自体が、弱みであり、チームに勢いもなくなり、残念ながら資格がありません。



 


映画 「少年 H 」

2013年08月12日 20時01分23秒 | 旅行・観光

作家 妹尾河童 の自叙伝 長編小説が刊行されたのが1997年。
当時、ベストセラーとなったものの映画化です。

「少年H」のHは、妹尾家の長男 肇(はじめ)(吉岡竜輝)の頭文字のHであり、それ以外に何の意味もありません。
洋服の仕立て屋の妹尾家が、昭和初期から終戦まで、家族が時流に流されながらも力強く生きる家族愛の話です。

この映画は、妹尾洋服店の店主 妹尾盛夫(水谷豊)とその妻 妹尾敏子(伊藤 蘭)が実際の夫婦でもあり、その共演が話題となりました。

この映画は、政治にも、戦争にも、何のかかわりもないはずの一般庶民が、どんどんその戦争の渦の中に巻き込まれてゆき、平和な家族を崩壊してゆく様子を、写しだしてゆきました。


   

 

平和な家庭にも、住んでいる町にも、戦争はヒタヒタと襲ってきます。
近所のうどん屋の兄ちゃん(小栗 旬)が、政治犯として逮捕され、招集令状がきて出征したはずのオトコ姉ちゃん(早乙女太一)が脱走して、憲兵に追われ、自殺するという不穏な空気が町全体に漂います。

やがて、戦争がはじまると、その統制は益々厳しくなり、自由な発言も出来ない環境となる中、Hは、「おかしい」「なんでや?」と盛夫に聞くが、しっかりと現実を見ることを言い聞かせます。

Hの疑問は、今の人をも共有出来るものですが、それだけ素朴で且つ素直さが当時の人は言いたくとも云えなかったことなのです。  それが戦争なのでしょう・・・・

  


敏子がクリスチャンという関係で、家族全員で教会に行っていましたが、牧師さんが、アメリカに帰ることになりました。
帰った牧師さんから絵ハガキがHの元に送られてきます。
その絵ハガキは、ニューヨークのエンパイヤステートビルが写っており、こんな大きなビルを建てるアメリカに勝てるはずがない等を考え、それが元でスパイと疑われます。

中学校に入ったHには、軍事教練ばかりの授業にも疑問を抱きます。
そうこうするうちに、戦況は不利になり、神戸の街にも空襲が襲い、町が消滅します。
盛夫が消防署に務めて留守であり、Hは、洋服屋の命であるミシンを持って逃げようとしますが、火の回りが激しく、置いて逃げます。

空襲の経験のない我々にも、その恐ろしさが伝わり、疑似体験出来、この恐怖感は、二度としたくないとつくづく思わざるを得ませんでした。

焼夷弾とは、言葉では幾度も聞いていたのですが、逃げまどう人に容赦なく降ってくる光景は、目を避けました。
そして、あのバケツリレーの意味がないことを・・・・・

  

街は、見渡す限り焼け野原となり、その中から、民衆は、力強く立ち上がります。

先般見た映画「終戦のエンペラー」とは違う視点から戦争を語っています。
つまり、爆弾を落す側の論理と落される方の論理との相違点が浮き彫りになってきます。
出来るなら、両方を見た方が、より理解が深められることでしょう。

どちらも一面の焼け野原となった街の様子(東京と神戸)が写されています。
戦争は、あらゆるものを破壊してしまいます。
この光景を見て、人類をも破壊しかねない戦争は、絶対にしないことを、誓わざるを得ません。

最後に、H少年が、「この戦争は、一体何だったんや」と言った言葉が、耳に残りました。

Hの家族も、それぞれが新しい一歩を歩み始めます・・・・・


トラ、藤浪 9回無失点8勝目 延長10回 マートンが決勝打

2013年08月11日 19時47分44秒 | 野球・タイガース

9回をゼロに投げ切った藤浪が8勝目を上げました。

10回、2アウトから鳥谷が四球を選び、マートンがセンターへタイムリー2ベースで待望の1点をあげました。
その裏、福原がゼロに押えて、藤浪の苦心の9回ゼロ封が報われました。

 

トラは、それまで先制のチャンスは、あったのですが、いつものあと1本が出ません。
6回のノーアウト1,3塁。
7回も1アウト2塁。
8回は、2アウト満塁。

ことごとくチャンスを潰し、藤浪は辛抱強く投げ切りました。

これだけチャンスを潰せば、8回の先頭 井端を四球に出した頃から、藤浪からは疲労の色が見え、笑顔が消えました。

  
                                10回 マートンの決勝打     


7回のチャンスには代打が出ると思ったのですが、結局9回を投げ、勝ったから良かったものの、余りにもリスクが多かったように思います。

9回を132球 2被安打 7奪三振 4与四球で、これで、藤浪は、セ・リーグ5球団から勝利をあげました。

それにしても、ここ数試合、打撃が奮いません。
チャンスはあるのですが、決め手を欠き、いわゆる拙攻の連続で、采配に問題があるのか、選手個々の能力不足なのか分かりませんが、今一つガッツというものが感じられません。

マートンの不振が大きな原因の一つだったのですが、10回のタイムリーが、これから安打の量産を期待したいものです。

 


トラ、能見 リード守れず、延長12回で辛うじて勝つ・・・・・

2013年08月10日 19時57分00秒 | 野球・タイガース

頼みの能見が、初回の2点も3安打で1失点、2回に1点を加えますが、その裏にも1失点。
4回には、ワイルドピッチで3対3と追いつかれました。

中々ペースが上がらず、リードが守れない能見に、攻撃も3回以降ゼロ行進。
能見は、8回 128球 9被安打 6奪三振 3与四球 3失点で降板し、後を松田 久保 安藤、そして12回を福原と1イニングづつの継投となりました。

8回には2つの四球、9回にもエラーとフイルダーチョイスで無死1,2塁の好機もバンド失敗、三振ゲッツーと散々な内容で、勝つのを放棄したような攻撃の繰り返しでした。

 


 

 

 

その沈黙した攻撃も、12回 関本の2ベースと鳥谷のセンターで1点を入れ、試合が動きました。
マートンが三振に倒れましたが、新井が敬遠され、続く坂がセンターオーバーの2ベースで2点を加点し3点リードとしました。
今日のマートンは、チャンスをことごとくつぶし、彼がブレーキの一端を担ったと言っても過言ではありません。
4番マートンにしては、5番の新井を敬遠されたことは、屈辱だったことでしょう。
4番をそろそろ考える時が来たのかも知れません。

このまま、勝てれば良いのですが、そうは問屋がおろさないのが勝負の厳しさなのでしょう。

6対3で、12回の裏を迎え、ピッチャーは福原、その福原が代打藤井、ルナ、和田と3連打され2点差。
平田のショートゴロで1点差。
2アウト、1,3塁で代打谷繁。
谷繁がショートへのフライで、ヤットトラに勝利の女神がほほ笑みかけました。

  
  勝てないエース 能見の背中が何か           今日のヒーロー鳥谷 チームリーダーとして
  寂しげです。 この背中が大きく見える日は・・     これから、本領発揮して欲しい・・・                                              

 

読売にマジックが出たと言えども、まだまだあきらめるのには早過ぎます。
でも、今日のような試合をしていては、優勝などは夢のまた夢です。
ミスが多過ぎます。 好守にわたって、もっと大胆かつ緻密さが必要です。


5時間近い戦いを制し、明日も勝って、大阪に帰り、連勝を伸ばすことが、今のトラに課せられた任務ではないでしょうか?


トラ、ナゴヤDの初戦を、元気なく 落す・・・・

2013年08月09日 21時43分14秒 | 野球・タイガース

暑い広島から、涼しいナゴヤドームで、動きが活発になると思ったのですが・・・・
鈍い動きで、大野に7回まで4安打 2点に押えられました。

それも、スタンリッジの立ち上がりが、悪く、その流れが、試合を支配してしまった感があります。
その初回、4安打を集中され2点を失い、あの完封した時テンポの良かったスタンリッジの面影もなく、2点で良く済んだものと思われます。
ボールが先行する悪癖が出てしまったようです。

 

トラも2回に、良太の12号3回にも大和の四球が牽制悪送球で3塁まで行き、鳥谷の16試合連続安打で1点を入れ、同点にしますが・・・・

 

  
                                
2回 良太の12号ソロ 

今日のスタンリッジは、本調子には戻れず、3回には、和田の14号で突き放されました。
この追いついた後、すぐのホームランが決勝点となり、左に弱いトラは、大野を打ちあぐねました。

まさか、まだ鬼門とは言わせませんが、今日のトラは呪文にかかったように、動きが鈍く、別の言葉で言えば、おとなしいと言えば聞こえは良いのですが、活気がなく、元気がありません。

連打も9回に出ただけで、追いかけるトラとしては、これでは盛り上がりません。

明日は能見です。
最近の能見も、あまり調子は良くありません。
ここは、本来の能見の力を如何なく発揮して、エースの存在感を出して欲しいものです。

 


トラ、両チーム拙攻で延長11回までもつれ、俊介のタイムリーで決着

2013年08月08日 22時53分31秒 | 野球・タイガース

10回まで、両チームはゼロ行進。
拙攻と言うことは、チャンスはあるのですが、バンドの失敗とか、攻めが甘いか、または攻めきれず最後には、相手の好守備に阻まれるという場合がありますが、まさに両チームとも同じような攻撃の繰り返しでした。

  
                                                           先発 秋山 今日も援護に恵まれず・・・

決着を付けたのは、11回、大和のヒットと盗塁、鳥谷のヒットで1,3塁とし、マートンに代わって守備についていた俊介が、ライト前に内、貴重な1点を入れました。

先発の秋山は、6回まで、2回は三者凡退に退けたのですが、その他のイニングは、ランナーを出しながらも、何とか凌いできました。

 
  11回 俊介の決勝打

 

早い回に点を入れ、秋山に勝利投手したかったのですが・・・・

秋山のあと、松田、筒井、安藤、久保、福原と繋ぎ、なんとか広島に1昨日の完封リレーのお返しをしました。

読売が中々負けません。
他チームを頼りにするより、今は、トラが1戦1戦を負けないようにしてゆくしかなさそうです。
明日からのナゴヤDは3連勝して欲しいものです。
まずは、明日の先発のスタンリッジに前回と同様、完封を期待しましょう。


トラ、先発全員安打で岩田を援護。今日もM点灯阻止。

2013年08月07日 22時17分32秒 | 野球・タイガース

今日の試合は、岩田の立ち上がりが注目でした。
トラが、初回にマートンのタイムリーで1点を先制したあと、その裏、岩田は先頭のルイスを歩かせてしまいました。

菊池に送られ、キラーが歩き、1,2塁となり心配されましたが、廣瀬をライトフライで打ちとり、何とか無得点に切り抜けました。

  

3回に1点を入れられますが、6回まで、3個のダブルプレーで切り抜け、後を松田、安藤、久保が押えて、岩田は5月4日以来の勝利をあげ、2勝目としました。

今日の先発オーダーは、1番に今成を入れました。
その今成は、5、6番の時には余りなかったと思われる四球を2つ選びました。
福留の復帰が近いと言われており、今成もウカウカ出来ない状態が続き、それが今日は1番らしさを出したのではないでしょうか。

久保が久しぶりに投げました。
今後、彼をどのように使うのか、興味がありますが、今日は、9回を3人で押え、まずまずの再起が出来たようです。

今日は、先発全員安打の12安打、7得点でしたが、今年のトラは、打線が好調だった次の試合は得てして打棒が奮いません。
明日は、この点も興味のあるところです。

 
 5回 良太の11号ツーラン これで勝利を確信     決めポーズ 色々と言う人がありますが、  
                                   プロならパフォマンスは、盛り上げるためにも必要です。 これがダメなら、ピッチャーの吠えるのも、ガッツポーズも、そして何よりも、あの     
ラミレスのTVカメラのパフォマンスはどうなるのでしょうか? ねたみは無視してどしどしやって欲しい
ものです。 
                                                         



もう一つ、明日の興味は、先発秋山です。
もう一つ、彼の実力が出ていないようですが、明日は、本領を発揮して欲しいものです。

 


トラ、マエケンを崩せず、援護なきメッセは、力つきる・・・

2013年08月06日 21時46分31秒 | 野球・タイガース

8月6日、広島にとって特別な日と言っていましたが、なにも広島だけではないのです。
日本にとっても、そして世界にとっても、特別な日なのです。
だから、なにも広島に勝たせることはないのですが・・・・

チャンスは、トラの方が多くあり、特に1回の2アウト1,3塁、 2回のノーアウト1,2塁をものに出来なかったトラの勝負弱さが、今日の負けになったようです。

 

読売戦で、なんとか次につながる戦いをしたのですが、今日は、折角のチャンスを自ら捨ててしまいました。
トラは、いつもその気にさせて、あとはがっかりさせるのが、トラの常套手段のようです。

最近の負けは、先制機を逃して、ズルズルと相手のペースに引き込まれ、最後に力尽きるというパターンが多過ぎます。
相手がマエケンということであるなら、それなりに先制点が非常に大事であるのは分かっているはずなのですが・・・

同じような負けパターンを、首脳陣は、どのように打開するのか、その様子が見えません。

  

マエケンは、7回で降板し、彼の10勝は阻止出来たのですが、あと1本が出ないという病気は、当分治りそうにもありません。

メッセンジャーは、9回2/3 を132球、3被安打、10奪三振、1与四球 1失点で敗戦投手では、余りにも可哀そう過ぎます。
メッセンジャーの続投は、それは良いのですが、つまるところ、マエケンを追いこみながら、潰すことが出来ない打撃陣の責任は大きいです。
広島の3安打に対して、トラは7安打。
そして、最後は、エラー、牽制球悪送球、そして外野フライでサヨナラでは、余りにも悲し過ぎます。
まだ、サヨナラホームランを打たれた方が、スッキリするのでは・・・・

これで何試合目の完封負けなのでしょう・・・・・


映画 「終戦のエンペラー」

2013年08月05日 09時10分37秒 | 映画・社会

ハリウッドが、なぜこの映画を作ったのでしょうか?
この映画を見るのは、誰を対象にしたのでしょうか?

日本人向けとしか思えないのですが、日本人と共に、諸外国の人々に見て欲しいのです。
この映画には、あの大戦で、天皇の存在や役割がどのようなものであったのかが、日本人の心情と共に描かれています。

歴史認識が問題されていますが、歴史とは過去の繋がりであり、立場立場で思惑が異なります。
まして、勝者の理論だけで決まるものではなく、その時一瞬だけで評価出来るものではないと思います。
この映画には、そこだけを見るのではなく、長い歴史と文化の積み重ねが歴史ということを教えてくれたのではないでしょうか?

以下、 ネタばれを含んでいます。


  


1945年8月30日、太平洋戦争で降伏した日本にGHQを引き連れたマッカーサー(トミー・りー・ジョーンズ)が降り立ちました。
彼の最初の大仕事は、真の戦争責任者を探すことで、その密命を帯びたのが、日本文化の専門家であるボナー・フエラーズ准将(マシュー・フォークス)でした。

この映画は、フィクションとノンフィクションが混在しています。
密命を帯びたフエラーズ准将は、大学時代、日本人留学生アヤ(初音映峲子)と恋に落ちるが、彼女は、父親が危篤で急遽帰国してしまい、それから13年、占領軍として来日した准将は、仕事の合間に彼女を探します。
映画として物語性を出すためなのでしょうが、出来ればドキュメント性をもっと表に出して欲しかった。
ただ、アヤの叔父の鹿島大将(西田敏行)の英語力には感心させられました。

 


マッカーサーの密命により、東条英機(火野正平)、や近衛文麿(中村雅俊)を始めとする政府要人に戦争責任者は誰・・・天皇の戦争責任はどうか・・・尋問を繰り返しますが、なかなかはっきりした証言、証拠がありません。

特に近衛公、「なんでも白黒をはっきりするものではない。武力による破壊は、お互い様であり、対外侵略も欧米諸国もやっているのを、日本は真似をしただけだ」
どこかで聞いたことがあるフレーズですが・・・・ 


 
   夏八木は、この作品が遺作となりました。      フェラーズとアヤ            

 

宮内次官の関谷貞三郎(夏八木勲ー故人)「天皇は開戦の決定にあたっていかなる役割を果たしたのか」との問いに、「陛下は、明治天皇の歌を詠まれたのです」と答え、朗々と謳いあげます。
「よもの海 みなはらからと 思う世に など波風の たちさわぐらむ」

深夜に、内大臣 木戸幸一(伊武雅刀)がフェラーズを訪れます。
天皇が降伏を受諾して、反対する陸軍を封じるために玉音放送に踏み切りますが、それを奪おうと陸軍兵士が皇居を襲撃したということを聞かされます。
だが、その証拠となる記録はなく、戦争を始めたのは、誰だか分からなかったのですが、どうやら終らせたのは天皇であるということが、分かってきます。

確たる証拠はつかめない中、内大臣の木戸幸一(伊武雅刀)は、ポツダム宣言の受諾を決定した御前会議の様子を、フエラーズに伝えます。
反対のある中、陛下は「私に同意して欲しい」と述べ、そのまま退席することによって、受諾が決定したことを話ます。

レポートをマッカーサーに提出しますが、それを読んだマッカーサーは、「証拠がないではないか」と。
フェラーズは「証拠はありません。でも有罪にする理由も見当たりません」と。

 

アメリカにとって、天皇制という理解出来ない制度と日本人の独特の価値観、忠誠と服従、そして天皇に対する崇拝は、全くの”謎”なのに違いありません。

マッカーサーは、兎も角天皇とはどんな人物なのか、本人が直接会うことにしました。
ここで、かの有名な天皇とマッカーサーの並んだ写真を写しますが、軍服でラフな格好のマッカーサーに対して、緊張した面持ちの天皇との対比は、その立場の様子をはっきりと表しています。

写真のあと、通訳と2人だけになると、マッカーサーに言った天皇の言葉が、日本の将来を決めることになりました。
「私は、国民が戦争遂行にあたって、政治、軍事両面で行った全ての決定と行動に対する全責任を負う者として、私自身を、あなたの代表する諸国の採決に委ねます」と・・・・

この話は、よく知られた内容ですが、ここではその経緯がはっきりと分かりました。
米国本土で天皇を処刑にせよという声が上がる中、マッカーサーが、天皇を裁判にかけないと決めた瞬間だったのです。