落語家 立川志の輔の落語「大河への道」を映画化されたものです。
言わずと知れた伊能忠敬が、200年前の江戸時代に、現在の地図とあまり誤差の少ない日本での最初の実測地図を作製しました。と学校でも教わったのですが・・・
郷土の町おこしのため、千葉県香取市が、郷里の偉人伊能忠敬を主人公にした大河ドラマの制作プロジエクトを発足させます。
映画は、このプロジェクトの活動と伊能忠敬の時代、江戸時代1818年と並行して物語は進行してゆき、主な登場人物は、現代と江戸時代を平行して、二役となります。
現代のプロジェクトは香取市総務課主任の池本安治(中井貴一)は、江戸時代では、幕府天文学の高橋景保の二役となり、プロジェクトの脚本を依頼した大物脚本家加藤浩造(橋爪功)は江戸時代では源空寺の和尚を演じています。
さて、脚本を依頼された加藤は、伊能に感銘を受けるとともにその肝心の伊能が完成の3年前に亡くなっていることを知り、伊能を主人公にして脚本は出来ないと告げます。
一方、江戸時代では、この事実を隠蔽するため、公金横領のそしりを受けるのを覚悟して師匠伊能の意志を継ぐため死を覚悟して測量を続けます。
完成の暁には、時の将軍11代徳川家斉(草刈正雄・・現在では千葉県知事で)に見せますが、伊能の死を隠し通せるのでしょうか・・・
現在では、脚本家には、伊能ではなく、高橋を主人公にと言われ、池本は、どう結論付けたのでしょうか・・・
共演者もほとんどが時代を超えた二役で、池本の助手と高橋の家来には松山ケンイチが、他に北川景子、西村まさ彦、平田密、原作者の立川志の輔も登場しています。
さて、この映画は、時代劇でもないし、1種のドキメンタリーなのでしょうか?
はたまた、喜劇なのでしょうか・・・
どうやら、歴史も人生も、どうやら喜劇だったりして・・・そして主人公も不在になりかねません・・・
歴史は、人の感動と名前だけが優先されて、どこかで真実が埋没されかねないのです。