リハビリテーションは、治療に伴う合併症を予防し、後遺症を最小限に抑えて、スムーズに手術後の回復を図ることです。
つまり、一口に言えば、日常の生活に支障がないようにすることですが、もちろん手術の種類によってリハビリの内容が違うのは当たり前のことです。
肺がんなどの手術では、手術前から、痰を出す訓練をしているようです。
もちろん、術後も自分で痰を出せるようにするのが、重要なリハビリだそうです。
胃がんなどでは、よく噛んで食べることがリハビリの基本だとか。
間食をいつ、何を、どれくらい食べるのを考えることが、回復への近道だそうです。
僕の場合、背中を10Cm切り開いて、椎間板を取り除き(除圧)、チタン合金で腰椎を固定するような手術でのリハビリの基本は歩くことです。
もちろん、手術後、すぐには歩くどころか、這うことも、すぐには動くことさえ出来ないのです。
手術自体は、全身麻酔のため、まったくわかりませんが、看護師さんから、「手術が終わりましたよ」
と声をかけられ、無意識の中で、徐々に気がつきだすと、傷口の痛さなのか、どこの痛さなのかわからないが、身体中が痛く、その痛さと同時に身体が抑えつけられるように圧迫される自由が利かない苦しさで、「痛い・・・」「なんとかしてくれ(といったかどうかわかりませんが、そのような感じだったように思います)」叫んでいたようで、頭の中が真っ白で、あまりの痛さに唸っていたようです。
喉の渇きも、胃が動いていない間は、水も飲まれず、足には、血栓予防のために両足に付いた機械が足を抑えつけます。
そのうち、座薬などで痛みを抑え、水を一口飲んだ時には、やっとひと心地が付きました。
手術のあくる日の朝には、ベッドを起こして朝食をとります。
これを食べることによって、点滴が外されます。
が、ドレーンや尿管は付いたままで、身体は寝返りどころか身体をずらしたり動かせたり出来ません。
術後2日目からドレーンや尿管も取れ、コルセットを着けて歩行器でトイレに行くことも出来るようになり、昼からは、初めてのリハビリが開始されます。
但し、トイレに行くにしてもリハビリテーション場に行くにしても、看護師さんが付き添います。
病院内でのリハビリテーション場には、多くの器具が揃い、沢山の患者さんが理学療法士さんやリハビリ専門医の指導のもと熱心に取り組んでいました。
まだ、歩行器に頼りきって、歩けない僕のようなものは、ベッドの上に寝転んで、滑車でつられた4Kgほどの重りを片足づつ上げ下げして、まず足の筋力の衰えを解消することから始まりました。
歩行器から杖にかわり、一人で歩けた時は、ホッとしました。
しかし、それも順調に推移したわけではありません。
一時は、再手術ともいわれましたが、それは次回に・・・・・