民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

2人の母を送って-1

2020-04-09 06:04:27 | その他

昨年12月末に妻の母を、先月末に実母を失くしました。2人とも97歳という高齢の大往生でしたから、悲しみに打ちひしがれる、という事はなかったのですが、どういう葬儀によって送るのか様々に考えさせられました。自分の気持ち的には、いずれも家族葬にして静かに身内で送りたいと思ったのですが、考えるほどになかなかそうともいかなくなりました。

義母は妻と妻の妹さんとが喪主となって行いましたので、私は相談にのるという立場でした。義父は8年前に亡くなり、義母は一人暮らしとなったために妻と妻の妹が面倒をみていましたが、認知症が進行したために1年ほど前からは施設に入っていました。隣組からは抜けさせてもらっていましたが、長い間の生活基盤は地域社会にありました。一方、義母の兄弟も義父の兄弟も県外在住の方が多く、多くが亡くなるか高齢の為に参列はできないという現状でした。結局、新聞等で地域に告知し地域の方を葬儀委員長にたてた、通常の葬式を行いました。結果として、これは正しい選択でした。というのは、高齢で地域とのつきあいは切れているだろうと思ったのですが、告別式には50人ほどのおつきあいのあった方々が焼香にやってきてくれました。葬儀がすめば義母の家は空き家となっていますから、この方たちが後から知って弔問にきていただいても、こたえようがないことになります。焼香に来る皆さんにあいさつすることを、現地では「ミマイウケ」といいますが、次々と並んでくる自分は顔も知らない皆さんに頭を下げながら、地域で生きてくるというのはこういうことなのだと思わされました。とても家族葬は無理でした。

そして実母についてですが、それは次回。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿