民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

選挙年齢の引き下げ

2015-06-05 18:20:12 | 政治

 選挙年齢が18歳以上に引きさげられます。こいつをどう評価すればいいのでしょうか。つまり、民意を政治に反映させる上で喜ばしいことだなどとは、単純に喜べないからです。なぜなら、現政権は民意をきき、それに従おうなどという考えは全くないように思われるからです。民意に従うどころか、自分の考えに民意を従わせる、「総理大臣の私が言うのだから間違いはない」といった発想です。

では、なぜこの時期に選挙年齢を引き下げるのか。今までのやり口を見ていると、最終目標である憲法改正にとって有利だとの判断が働いているのでしょう。ここからが難しいところで、なぜ有利になるか、有利にさせないために私たちはよく考えなければなりません。

 18歳といえば高校3年生です。高校生が投票するから、政治教育が大切だと一部マスコミではいっています。確かに政治教育は必要ですが、これまでは偏向教育だと、わずかな隙をついて攻撃されそうで、政治教育を避けてきたのが大方の先生方の実情ではないでしょうか。政治教育が必要だからと、一票の格差、平和主義と集団的自衛権、基地問題、各政党の現憲法への評価などを授業で扱うとして、現憲法を遵守すべき公務員として落としどころは現政権とは異なってきても当然です。そうしたとき、先生方の地位はきちんと保全されるのでしょうか。それとも、はっきりと立場を表明させて、教員の色分けをして処分しようとするのでしょうか。これは、もう一つの日の丸・君が代問題で、一石二鳥の踏み絵になると自分には思えます。きっと処分される先生がでて、多くの先生たちの腰がひけて現状容認の政治教育となり、政権にとっては羊を手に入れたようなものとなってしまうのではないでしょうか。

大学の立て看板が林立していたら、絶対選挙年齢の引き下げなどといった発想はなかったでしょう。


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