民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

言葉の力

2020-05-30 14:05:37 | 政治

話した言葉を記録しない、言ったことも言わないという、つじつまの合わない発言は過去にさかのぼって説明できるように変更する、都合の悪い文書は過去にさかのぼって改ざんする、責任は感じても責任はとらない。こんな行為をあからさまに繰り返してきた首相は、今は完全に自分の立ち位置を見失ってしまっている。どんな発言をしようが、後でどうとでも言いくるめられるから、真実だとかエビデンスだとかは必要ない。磁石もなく砂漠で自分の位置を見失ったようなもので、いったい自分はどこへ向かって歩いて行ったらよいのか、方角がわからないのである。ナビゲーションする側近はその都度思いついたことを勝手に指示するので、迷走している。昼間でも実は一人なのに、夜の孤独感はたまらないだろう。

政治家は言葉で勝負する職業である。緊急事態宣言以後の総理の言葉が、国民に全く響いていないといわれる。大言壮語する首相の魂の抜け殻のような顔は、誰が見ても無残をとおりこして、かわいそうにみえる。しかし、それもこれも自業自得である。これほどまでに言葉から意味を奪い、発言の信用性を貶めてしまったのは安部総理自らのなせる業である。記者会見でどんなに耳障りのいい言葉を連ねても、どうせ自分に責任が及べば、そんなことは言ってない、受け取る国民の側の誤解だ、などというだろうと総理の言葉を誰もそのまま聞きはしない。音声としての言葉と、意味するものとが対応していないと国民は気づいてしまったのである。これでは総理が何をいったところで、意味は通じない。そうしてしまったのは安部さんなのだ。言葉を軽んじ国民を馬鹿にしてきたツケが、今にしてまわってきたのである。誰も信用しない。


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