民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

原武史『平成の終焉』を読む

2019-06-02 14:37:14 | 読書

今や原武史のお家下芸ともなった天皇物の最新刊、『平成の終焉』を読みました。あと5年もしたら、『令和の流儀』という新刊がでます。といっても、皆さん本当だと思うでしょうね。何とでも論評できますから、原さんの書く種はつきず、ある意味皇室ジャーナリストといわれてもいいですね。ただ、内容は辛口です。平成天皇の平成流を単純に賛美する右でも左でもありません。明確に憲法を踏み越えた発言だという原さんを、何といったらいいんでしょうか。確かに、慰霊の旅や被災者への対応から、安部政治よりずっと民主的だと多くの国民が感じたことでしょう。そして、天皇さんに頼めば何とか変わるのではないか、という期待を抱いた人もいるでしょう。私も少し、そう思いかけました。しかし、それでは戦前に直訴した田中正造の心性と同じ、天皇制下の人々が抱いた幻想と同じになってしまう、ということが、この本を読んでわかったことです。原さんは皇后の役割、ふるまいを重視する人です。皇后の在り方で、天皇の行動、人々の受け止め方が変わると考えています。

さあ、新天皇、雅子皇后はこれからの立ち居振る舞いを、どのように計画しているのでしょうか。特に皇后が重圧にたえて自分流を打ち出せるのか、注目されます。私は2人で早く退位もしくは皇籍離脱して、人権のある人として生きてほしいと思います。


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